汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
「と言うわけで農地拡大の許可を願いたい
其れにともない現在王都にて惰眠を貪っている無駄飯ぐらい達の尻を叩いて頂きたく」
「···ふむ」
アスク王国農政主席担当官の執務室でゲレタ農政特別担当官(食糧事情の改善の功績に伴い昇進)はそう発言した
「現在各地で不穏な動きが見られていると聞き及びます。これの解決はアルフォンス王子が率いられるヴァイス·ブレイブに一任する話でしょう」
「続けてくれ、特別担当官」
主席担当官はゲレタに続きを促す
「問題として、各地にて戦闘が起きた場合当該地の復興並び食糧生産などに悪影響が出るのではないか?と」
「確かに、そうなると不味いな」
「幸いにも友人達が出兵の際に見て来たそうですが、敵は市民生活に対して無関心であるとの話
しかし、ヴァイス·ブレイブが出兵した後の食糧危機等となった場合」
「アスク王国に対する不平不満が噴出するか」
「はい
こう申し上げるのも何ですが、所謂神などの超越者や超越者気取りの者程、市民生活に対して余りにも無頓着であると考えます」
「そこでそれらを見越した上での食糧増産の為の農地確保、か」
「更に言えば各地での戦闘により、少なからぬ生活基盤を失う者が出てくるかと」
「······その為の木材、か」
「一時凌ぎにしかならぬかと思いますが、やらぬ訳にはいかぬかと
まだ年若い王子達を支えるも我等の務めと考えます」
「分かった
貴殿の考えに問題はない。私の方で調整はしよう
その方向で進めて欲しい」
「お任せ下さい」
ゲレタはそう言って退室した
「本当に彼は元山賊なのか?
とてもそうは見えないのだが」
ゲレタか退室した後、主席担当官はそう呟いた
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「ゲレタ」
「
「お父様」
「師匠」
ゲレタが家に戻るとリンダ達がそれぞれ声をかける
「またぞろ戦争だ
やれやれ」
ゲレタはそうため息を吐く
ゲレタは基本的に長閑な生活を愛する人物
敵対すればその限りではないが、温和な人物と言えるだろう
そして先々を見て、考えて手を打てる
「弱い俺はそうしないと生きていけなかったからな」
との事
確かにゲレタは弱い
正確には弱かった、だろうが
ゲレタの恐るべき所は常に弱者としての視点でものを考える事
必要に応じて取捨選択出来るところも強みだろう
魔法が封じられれば武器で
武器が封じられれば魔法で
魔法と武器を封じられても○○で
抵抗し、敵対者に死を届ける
ゲレタは諦めが悪い
潔さ、等とは無縁なのだ
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「ふむ、開墾か」
「どうだろうか、メディウス
手伝って貰えると助かるんだが」
「他ならぬお主の頼みならば断る理由もない
手伝わせて貰うとしよう」
ゲレタは何時ものように世間話に興じているメディウスに頼んでみた
なおリンダが加入した頃、メディウスはゲレタに呼び捨てで構わないと言って周囲の者達を驚かせている
言うまでもないが、暗黒竜メディウスに開墾を頼むなど古今東西ゲレタくらいだろう
「そうですか
では私達もお手伝いします」
「ありがとうね、ソフィーヤにファ
それにイドゥン」
「任せて!」
「木彫り細工、楽しみですね」
なおゲレタハウスへの訪問者は竜族の比率がとても
そう、とても高い
「ほう。ならば我等は森の中での狩りをするとしよう」
「そりゃあ願ってもない事だが、良いのかゼフィール?」
「気にする事はない
いつも我等の鍛練に付き合って貰うのだ。友人の頼みなれば断る道理もあるまいよ」
「じゃあ御言葉に甘えるか」
「そうせよ
明日マードックとブルーニャにナーシェン
······そうだな、ギネヴィアとミレディにゲイルも連れてこよう」
「御願いだから、やめて!」
何処かで悲鳴をあげた者がいた様だが、ゼフィールは全く気にしない
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「えっと、ベレス?
ゲレタさんの所へ行くって申請が出てるけど?」
「私はまだ未熟だ
あのチキやクライネを育て上げた人物、ゲレタ殿に興味がある。叶うならば話を色々としたいのだけど」
ヴァイス·スレイブではゲレタを師と仰ぎ、実力者であるクライネ
彼女の話によればその技術の基礎はゲレタから教えられたものとの事
士官学校で教鞭をとったゲレタにベレスが興味を持って行動するのは決しておかしくはない
ゲレタの魔法に興味を持ったリシテア、ヒューベルト、モニカ、リンハルトも参加する事となりました
「先ず魔力で風を起こします」
「?それは普通に出来ると思いますが?」
「ふむ、先ずやってみますか」
「こう、でしょうか?」
「流石にこれは簡単だよね」
ゲレタに教えて貰う4人
あっさり風を出すのだが
「いや、皆魔力込めすぎ
最低限の魔力でも多いくらいだからね」
!?!?!?
ゲレタはダメ出しをすると
「こんな感じよ?」
と実践してみせる
「これは」
「···なるほど」
「でもこれでは」
「相当魔力操作が巧みじゃないと難しいね、これは」
内心ゲレタの技量を軽く見ていた4人は衝撃を受ける事となる
更に
「········何を、したんですか?」
リシテアはその技巧に自身の正気を疑い
「なるほど。しかしこれは
合理的ではありますな」
ヒューベルトはその技術の有用性を理解したが、恐らく自分では出来ない事を悟り
「こんな事が出来るんですか」
モニカはあまりの事に呆然と
「いやぁ、こんな事を思いついて
しかもそれを実践出来るのか。確かにこれなら伝説になってもおかしくはないかな
······いや、違うか。だからこそ名が残らなかったんだね」
リンハルトは何故ゲレタが無名なのかを朧気ながらに理解する
そして彼等彼女達は思う
この人物すら霞むなら、どれだけやばい世界だったのだろう
別次元のアカネイアは
と
残念ながら、
基本的にゲレタは組織の補佐等が似合う人物
アンケートを実施しますので良ければご協力の程宜しくお願いします
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