汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
今日も今日とでヴァイス·ブレイブでは英雄召喚が行なわれている
そして
「······よもや此の様な形で再びの生を受けるとは
まぁ、よいか
私はハーディン。アカネイア帝国最初で最期の皇帝だ
宜しくお願いする」
ある男が召喚された
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「久しいな、我が友よ
そして礼を言わせてくれ
あの様な身勝手な事をよくぞ成してくれた」
ハーディンは頭を下げ
「······色々と言いたい事はある
あるが、今は敢えて飲み込むとしよう
久しぶりだな、ハーディン」
ゲレタは笑った
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マルス達にとって、同じ様な歴史を辿りながらも何処かが違う別の世界線の住人であるゲレタ達は興味の尽きない者達だった
ハーディンやメディウス、ガーネフは異界のチキと仲が良くゲレタやその妻であるリンダとの関係も良好
これには流石のマルスも呆気にとられてしまう
そして明かされた驚愕の事実
「とんでもない御仁ですな」
「それでも自分は弱者と思っているのか」
チキは知らず
ゲレタはぼかしていたが
彼方のハーディンは笑う
「しかし我が友は規格外だったな
あちらで見ていたが、そなたがパレス防衛戦で戦った竜を覚えているか?」
「おお
奇特にも会話出来たヒトやな?」
マルス達の頭の中では疑問符が乱舞していた
パレス防衛戦?
敵であり、彼等が見下していた筈の人であるゲレタさんと?
そんなマルス達の困惑などを他所にハーディンは友人との会話を楽しんでいる
「やはり覚えていたか」
「そりゃ、誇りを持った敵やぞ?
こんな俺に敬意を払った
忘れられる訳ないだろうが。それこそ祭壇前の地竜より遥かに印象に残るわ」
楽しそうに2人は会話している
なおチキ2人は父ゲレタの傍に行きたそうだったが、満面の笑みのリンダが2人の動きを完全に封じていた
母は強し
そんな単語がマルス達の頭の中をよぎった
「その者は喝采を挙げていたぞ
「我を倒したあの者は正に一騎当千の猛者だった」とな」
「
理性のない力だけの獣なんざ駆除対象だろうが」
「あそこでそなたはどれだけの数を倒したと思っているのやら」
「いや知らんが」
「······まったく」
ハーディンは相変わらずの友の姿に苦笑する
「63頭だ」
「あん?」
ハーディンの言葉にゲレタはあまりにも興味のなさそうな声をあげる
だが周囲の者達
特にあの地底の祭壇前の激闘を経験しているマルス達は驚愕に目を見開いた
ついでにギムレーとロプトウスも
「あの戦場のみでな」
「おー、そうか
お前に対する供養になったか?」
「過剰に過ぎたわ
ガーネフなどは「味方に引き入れておれば」と悔いていたぞ」
生涯スコア
山賊たくさん
蛮族やまほど
地竜63
竜人族15
獣やまほど
控え目に言って狂ったキルスコアであった
これにはゲレタに負けた竜人族達も満面の笑みだったとハーディンは笑う
何せ彼等は強者の糧となれたのだ
まぁゲレタにより遺体を解剖された竜人族の人物は
「複雑な気分だ」
と天を仰いでいたらしいが
なお彼等が喜んでいたのはゲレタが敬愛すべきナーガの娘たるチキを育てていた事も関係していた
やはり強くあって欲しい
そう願っていたからこそ、ゲレタの明らかにおかしい強さも喝采を挙げられた訳である
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「地竜63?」
元アドラステア帝国皇帝エーデルガルトは耳とその報告を持ってきたヒューベルトの正気を真面目に疑った
(確かにここへ呼ばれてからヒューベルトは働き詰めだったわね
少し休暇が必要なのかも)
「······エーデルガルト様
何を考えておられるか理解しておりますが、別に私は疲れている訳でも狂っている訳でもありませんよ」
「そうかしら?」
エーデルガルトは此方に来て何度か竜と戦った事がある
勝てなくはないだろう
が、それを63などと言われると脳が理解を拒むのだ
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「しっかし、良く良く考えればこんな外道野郎を認める気になったな、ハーディン」
「外道、か」
ゲレタの自嘲を含んだ言葉にハーディンは苦笑いする
ジュリアンからゲレタの話をしばしば聞いていたハーディンはゲレタの事を自分なりに解釈していた
恐らくゲレタもまた正しく強くあろうとしたのではないか?と
「ゲレタ!何ぼさっとしてやがる!」
「す、すみません」
ゲレタはアカネイア大陸で目を覚ました後、山を歩き回った
何処か分からない所で歩き回るなど無謀で危険な事と分かっていたが、それでもそうしなければ死ぬ
そう当時のゲレタは考えた
そしてギリギリの所でゲレタはハイマンに拾われた
当時ゲレタが着ていた服などは確かに高価なものと言えただろう
しかし、それを売りさばくルートなど当時のゲレタが持っている訳も知っている訳もなく買い叩かれるしかなかった訳で
しかもそれとて、職人が模倣するためにほどいた事で何の意味ももたらさなかった
ハイマンは直感的にゲレタは何かが違うと判断し、手元に置く事とする
使えればそれでよし
そうでなくとも、ゲレタに日頃の不満をぶつけさせる事で集団の安定を図る
そう考えて
しかしハイマンが思う以上にゲレタは従順で
なのに使えなかった
その為ハイマンはゲレタに最後のチャンスを与える事とした
魔道書を買い与える
これでも使えないなら
そう密かに決意して
それが山賊ゲレタの始まり
それを知って、どうして賢しらに否定できようか?
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「正直意外だと思っている
戦いをどちらかと言えば嫌っている筈だろう?」
「だな
本音を言えばやっと休めたのに呼び出しやがって
とは思ったし、もう少し機嫌が悪かったら皆殺しにしていた可能性もあるだろうよ」
「ふっ
らしい事だな」
ゲレタはハーディンを誘い、ある場所で話をする事とした
そこはゲレタが此処に来て最初に手をいれた農地
既にゲレタの手を離れ、他国から避難してきた者達が農作業に励んでいる
「······良い景色だな」
「『草原の狼』殿なら気に入ってくれると思ったからな」
ハーディンは表情を緩ませ、ゲレタも笑う
「先程皆殺しもあり得た
そう言ったが、そうしなかった理由はなんだ?」
「ああ、それか
あの召喚したエクラ
他人には思えなくてなぁ」
ハーディンの言葉にゲレタは遠くを見ながら応える
自分の意思ではなく、いつの間にか異郷の地にいた
生きる為には役にたたねばならない
その為には、例え自分の今までの価値観や常識。倫理観すらも捨てねばならなくなる
だが、彼女も分かっているのだろう
失くしたものはいつか見つかるかも知れないが、捨てたものは大抵二度と手に入らない事を
だから、彼女もきっと捨てられないで苦しんでいるのではないか?
なんとなくゲレタにはそう思えてしまったのだ
とは言え、妻や娘に愛弟子などが出来たとしてもゲレタはどちらかと言うと女性の相手は苦手である
パオラが自分に淡い想いを持っているのだろうと薄々気付いてはいた
だが、ゲレタはパオラを受け入れようとしなかった
妻や娘がいるのも理由だが
それ以上にパオラが傷付いてしまうだろう
そう思えたから
だからこそ、ゲレタはエクラに対して何かしようと思わない
それに、だ
「あれだけの人に囲まれているんだ
しかも聞けば既に彼女は此処に来て数年経つという
既に自分の中で昇華出来る方法を見つけているだろうよ」
「そうだな」
戦争とは嫌でも人を変えてしまう
あのアルフォンス王子はともかくとして、話に聞くシャロン王女は心優しい人物だそうではないか
同じ女性の方が話をしやすく、また弱音も吐きやすい筈
ゲレタもハーディンもそう思っているのだ
「······さて、そろそろ行くとしよう」
「随分と剣呑な雰囲気だな、どうした?」
ハーディンはゲレタとのんびり時を過ごし、戻る事にした
「どうにも私には許せないものがあるのだ、ゲレタ」
「おん?」
「我が友の生きた証を踏みにじった者が此処に居ると聞いた」
「ああ、ギムレーの嬢ちゃんか」
ハーディンは友人達の姿を見守っていた
彼はゲレタが天寿をまっとうしたら、色々と話をしたいと思っていたからなのだが
所が、ゲレタの魂はハーディン達の所へと来なかった
ハーディンは目を疑ったし、何故だ!?と驚愕した程
確かにゲレタは数えきれない程の命を殺めてきたのかもしれない
だがそれは自分達とて同じ事
にも関わらず、ゲレタだけ此方へ来る事はなかった
ハーディンは友を探すべく必死になった
そんな事があって良い筈がない
そして見てしまった
ゲレタが守り続け、かのアリティア最高の騎士を育て上げた楽園が
無惨にも踏みにじられた所を
こればかりは許せない
勿論、かの者を消滅させる訳ではないが
それでも
「待て待て待て待て
気持ちは嬉しいが、それはいかんだろう?」
「何故だ」
「そう言う事を言い始めたらキリないだろうが!」
「む?」
ゲレタの言葉にハーディンの纏う剣呑な雰囲気は霧散した
「まぁそれはそれとして、あのクソジジイが出てきたら手伝ってくれや」
「無論」
余談ではあるが、此のやり取りを何処かで聞き付けた銀髪美少女系邪竜は
「·········ヨシ、今度からお前を父と呼ぶ事にしよう!
うん、そうしよう
何せ実力を考えれば竜と言っても過言はない」
「過言どころか妄言だが?」
「しかも神竜の娘がいるのだ
我が娘となったところで何の支障もないな!」
「支障と問題しかねぇよ、頭わいてんのか?」
とゲレタの娘になる発言をしたそうな
その後のギムレー?
そりゃあ娘2人と奥さんが黙っている訳ないよね?
ギムレーの生存戦略的には最適解
なおチキーズとリンダの感情についてはみないものとする
別キャラルート ヒロイン
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パオラ
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エリス
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ミネルバ
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シーマ
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ニーナ
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ミディア
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マリア
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クライネ
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カタリナ
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その他