汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
週一更新とはなんだったのだろうか?
ま、いいか
カダインの魔道士リンダは所謂暗黒戦争とその後の英雄戦争を戦い抜いてきた歴戦の猛者である
が、彼女にも悩みがあった
彼女は先にも述べた様にアカネイア大陸全土を見渡したとしても高い実力を持つ
かつてカダインのトップであったミロアを父に持ち、父に恥じぬ確かな実力と可愛らしさを持っている
···だが、彼女は良縁に恵まれなかった
女性の身でありながら、英雄王マルス達の仲間として十分以上に功績を挙げた
その為か伴侶を持つ事が出来なかったのである
それも仕方のない事ではあろう
何せリンダが共に戦ったマルス達は容姿もさる事ながら、高潔な精神を持つ傑物揃い
彼女は知らず知らずのうちに異性に求める基準がマルス達アリティア軍となってしまっていたのだから
そして何の因果か
このアスク王国へと召喚される
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アカネイアの神竜族の娘であるチキ
彼女はラーマン神殿に長く封印されており、それを良しとしなかったバヌトゥにより連れ出され彼女は世界を見た
しかし時は激動の時代であった事が悪い方向へと働いてしまい、チキはバヌトゥと離ればなれとなってしまう
更に彼女はガーネフにより洗脳されてしまい、マルス達アリティア軍の前に敵として立ち塞がる事となった
マルス達の懸命の努力によりチキは洗脳を解かれ、その後マルス達と共に戦う事を選ぶ
そして後に暗黒戦争と呼ばれる一連の戦闘が終結
彼女は大賢者ガトーによりラーマン神殿に戻され、再び眠りにつく事となる
闇のオーブにより世界が乱れ、その中でマルスはファイアーエムブレムの真の力を解放する為にオーブを集める事とした
そしてそれらを集めた結果、チキの封印は解かれ
再びマルスと共に復活したガーネフやメディウスと戦う事を選ぶ
戦後、その思い出を胸に永き眠りについた
筈がいつの間にか異郷へ召喚されていたのである
それ自体チキは構わないと思っている
しかし、彼女は複雑な思いを持つことになった
同じアカネイアでありながら、少し違う歴史を辿った
チキからすれば異界の自分
彼女には両親が居ると言うのだ
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初めてその話を聞いた時には頭がおかしくなりそうだったのを今でも覚えている
そして
(どうして?
何であなたはそんなに笑顔なの?)
同じ筈なのに
ほんの少し違っただけで自分はあの寒々とした神殿で眠り
彼女は陽光の下で過ごしたのだと
羨ましかった
どうしてそんなに笑えるのか?
どうしてあなたは力を恐れないのか?
不思議でならなかった
チキは異界のチキについて悶々とした思いを抱きながら生活を送っていた
そして、あの日
涙を流してあのチキが男の人に抱きついていた
どうしてこの人はそんな優しい目でチキを見るの?
どうしてチキはあの人に全てを預けられるの?
どうして
どうして
その日からチキの心の中にいつまでもその言葉がグルグルと回り続ける事となった
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異界のチキのお父さん、ゲレタさんは不思議な人だ
召喚されたほとんどの人は先ず自分がどれだけ動けるか、それを確認する為に模擬戦や近くの警護に向かう
でもゲレタさんは模擬戦を数回チキさんやクライネさんにメディウス達としただけ
私やマルスお兄ちゃんも驚いたのがメディウスやガーネフもゲレタさんと話をしている事
他にも色んな世界の味方ではなくて、敵として戦った人が集まっていた
マルスお兄ちゃんが一度気になってヴァルハルトさんに聞いてみた
ヴァルハルトは私達の時代より遥か未来にマルスお兄ちゃんの子孫達と戦ったと聞いている
その名も『覇王ヴァルハルト』
その武力は類をみないものらしい
「ふむ
何故我等が巫女の父、ゲレタと関わるか
か」
マルスの言葉を聞いたヴァルハルトは少し目を閉じ
「此処にいる多くの者は戦乱や争乱の只中にあり、己が信じるものの為に戦った
そう我は思っておる
それはゲレタもまた同じ事よ」
「そうですね
守るものこそ違ったでしょうが、ゲレタさんもその為に戦ったと聞いています」
「が、我やうぬ等とゲレタには決定的に違う事がある
英雄王ならば分かるであろう?」
「組織、でしょうか?」
私はマルスお兄ちゃんの言うことが少し理解出来なかった
「そうだと我は思っておる
英雄王ならばアカネイアやアリティア、タリス
クロムならばイーリスといった風に
ゲリラから始まったものも居ろうが、最終的には国などを持つ事になったものが多い
そして仲間もそれだけ増えておろう
が、ゲレタは最初こそサムシアンという山賊集団の一員であったと聞く」
「ええ」
「が、それ以降ゲレタは巫女の話を聞くに各地を巡りはしたが何処か特定の勢力の庇護下に入っておらぬそうだ。強いて言えばかの者達が暮らしていた村であろうが」
ヴァルハルトは目を細める
「そこに住まう村人達と協力しつつ、弓姫や巫女などを鍛え
やがて竜の大群すらも圧倒した
英雄王マルス、うぬならば出来るか?」
「無理、だと思う」
「だからこそ面白い
ゲレタの本質は戦士ではない。我の軍師であったエクセライの様に、先を読み策を立て
そして国を富ませる」
それはまるで
「元山賊と言っておるが、アレの本質は官吏であろうよ。故に我等は興味を持つのだ
種族の違い、身分や生まれの違いや思想の違い
それらを飲み干してアレは此処まで来た」
「虐殺などと言うものがいるようだが、考えれば分かろうものよ
ゲレタには軍隊など無いのだ
ならば敵対者は全て滅ぼす他に方法なぞあるまい」
ヴァルハルトが
覇道を歩む者達が
求めていたものであるかの様に
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「少し、良い?」
「あら?別世界の私、何か用かしら?」
リンダは異界の自分と話をしてみようと思いシャロンに外出の許可を申請した
そう呼ばれている場所へリンダはやってきた
そこは様々な世界、組織の者達が研鑽し、土地を拓き
モノを育て、モノを作る場所
「ゲレタ、少し出てくるわね?」
「おう
気をつけてな」
異界の自分はそう柔らかく笑った
同性
いや、ある意味では自分と変わらない筈なのにその笑みに見惚れてしまう自分がいた
そして、ゲレタさんのぶっきらぼうだけど温かい言葉が
羨ましかった
「驚いたでしょう?」
そう彼女は笑う
「そう、ね」
彼女の笑みは私や同じ時代を生きたレナやミネルバさん達と少し違う
多分、これは
愛する人を見つけた人だからこそ出来る表情なのだろう
私はふとそう思ってしまった
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「···貴女はそれで良かったの?」
「私は私だけでは幸せになれないの
チキやパオラにクライネとカタリナとレイ
そしてゲレタ
みんなが居るから私は幸せなの」
「でも、その」
「?
ああ、ゲレタの戦い方の事かしら?
関係ないのよ、私にとっては」
「関係ない?」
リンダは目の前の人物の言葉が信じられなかった
「カダインの司祭ミロアの娘、リンダはもう居ないの
貴女の目の前に立っている女は家族の為、愛する人の為なら後世から何と言われようともやってしまう女よ」
絶句した
「貴女もいつか分かるかもしれないわ
愛する人や家族を守るためなら、私は鬼にでも悪魔にでもなってみせるわ
······もう二度と喪いたくないもの
あの人が死ぬ時、私も死ぬわ」
気圧された
そして
「私は母親よ?
家族を、夫を守る為ならあらゆる努力は惜しまない」
その気高さに憧れた
と言うわけで遂にリンダとチキの対面でした
リンダはゲレタと再会出来た事でガンギマリとなりました
この夫婦、ヤバない?(今更感)
ではおやすみなさい
別キャラルート ヒロイン
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パオラ
-
エリス
-
ミネルバ
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シーマ
-
ニーナ
-
ミディア
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マリア
-
クライネ
-
カタリナ
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その他