汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
何やら皆さんガトーに塩過ぎませんこと?
もっと優しくしてもよかとですよ?
ヴァイス·ブレイヴの中心的人物の1人
召喚士エクラ
滅亡の危機に瀕していたアスク王国を救った英雄
その英雄達を召喚するのが彼女の役割だ
もう此処に来て数年が経過している
だが、未だに戦火は鎮まる事なく続いていた
彼女は戦争とはおおよそ無縁な生活を送っていた
それが何の因果か此のような事になっている
エクラは心優しい少女だ
だからこそ、アルフォンスやシャロンにアンナ
そして自身が召喚した英雄達が戦場に立っているのに自分は常に危険の少ないアスク王国に居る
その事に罪悪感を持っていた
しかし、アルフォンスやシャロン
召喚された英雄達は口を揃えて彼女に言うのだ
「戦うのは自分達に任せてくれ」
と
アルフォンスや英雄達からすれば、エクラは戦う人物ではない事は明白だ
気を遣っているのもあろう
が、それ以上にエクラという善性の人間に敢えて殺し合いをさせるべきではない
英雄達にとってエクラとは自分達が守ってきた
或いは守ろうとした者に見えたのだろうか?
もし仮に
仮に彼女が
守られる事を良しとするなら
自分には戦う力がないと諦めたのなら
彼女は苦しむ事なく日々を過ごせたのだろうか?
遥かなる地より
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ヴァイス·ブレイヴに在籍する者は何かしらの功績を挙げたり
大きな戦いに身を投じ、そして戦い抜いた
アルフォンスやシャロンにアンナといったアスク王国の者達とて、確たる功績を挙げていた
しかし、エクラは其のような事が出来る筈も
また許される事はなかった
何せヴァイス·ブレイヴは勿論、アスク王国にとっても彼女は切り札である
言ってしまえば、偶発的戦闘程度で喪って良い人材ではない
勿論、聡明な彼女も自分が必要とされている事は理解している
召喚士として
それでも
嗚呼それでも彼女は苦悩するのだ
自分が呼び出した者、英雄達を危険な目にあわせておきながら、自分は安全な所にいると言うことを
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「······はぁん
成る程なぁ。アンタも色々考えてやがる訳か」
「はい
········我が儘なのは分かっているんですけど」
エクラは自身の悩みをとある人物に打ち明けていた
ペレジアの元国王、ギャンレル
正史において、クロム達イーリス王国と敵対し、クロムとリズの姉であり当時のイーリス王国国王
あちらでは聖王と呼ぶが
エメリナを殺害している
その後、クロム達と戦い敗北
そして山賊の手下にまで落ちぶれたのだ
クロム達から説得されたが、ギャンレルにも彼なりの意地と誇りがある
ギャンレルはそれを断り敵として戦い、死んでいった
「どれだけ否定されようとも
俺はあの女のやり方は受け入れられねぇ。無論ペレジアの民がアイツらを選んだなら、それが『あの時』は正しかったんだろうが」
奇縁とでも言うべきか、彼もまた此処へ召喚されている
同じ時代のものと交流する事なく、常に一歩引いたところで物事を俯瞰して見ていたと言えるだろう
その為、エクラの抱えるものに気付き
それ以来ギャンレル曰く『気が向けば』彼女の話を聞く事にしている
エクラとしても、ギャンレルは言葉を飾る事なく話をしてくれるから頼るべき者としてみていた
「····ゲレタって奴の話はあまり聞かねぇな
が、何でも妙な口調だったらしい」
「妙な?」
ギャンレルからすれば、泥を被ろうが泥にまみれようが必要な事なら批判を恐れずにやっていたと聞くゲレタとは話してみたいとは常に思っている
その為、ゲレタの話については可能な限りさりげなく聞く様に努めていた
その中で気になったのが、かの人物が妻と出会ったばかりの話
「なんでも、語尾が『ですます』ばかりだった事があったらしいぜ」
「···········え?」
ギャンレルの言葉にエクラは愕然とした
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エクラは物語として様々な大陸の事を知っている
そうアルフォンス達は考えている事を理解していた
実際には『ゲーム』として、それを知っているだけ
しかし、余りにも荒唐無稽な話であるから、彼女はそれを言い出す事はなかったのである
元々ゲレタの話を聞いた時に違和感があった
その時は言葉に上手く表現が出来なかったが、今ならば分かる
自分のいた世界に近い価値観があったからこそ、感じたものだったのだと
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ギャンレルにお礼を言ったエクラはその足でゲレタの所へ言って話をしたい
そうアルフォンスに頼み込む
アルフォンスとしては、殆どの英雄と良好な関係を築けているエクラをゲレタに会わせるのは躊躇われた
やっている事や言っている事も理解出来る
···出来るのだが、そこまでの知見があるのならばもっと上手くやれはしないのだろうか?
そう無意識のうちに考えている節があった
無理もない
英雄達と共に戦っているアルフォンス
彼は結果としてアスク王国を守り抜いたと言えるだろう
しかし、である
アルフォンスは召喚された英雄達に比べて少々綺麗すぎるきらいがあった
国の危機故に力を借りるのは理解できなくもない
だが、それが自分達と何ら関係のない
そして、戦いと全くの無縁な人物を巻き込む事が果たしてマトモと言えるだろうか?
ましてやヴァイス·ブレイヴこそ戦っているが、アスク王国正規軍はエンブラ以降治安維持程度の事しかしていないのだ
メディウスやギムレー、ロプトウス等が戦う気を見せないのは正にそこを問題としたからである
「己らの国を己で守る気概もない者達の為に振るう力などあるわけなかろうよ」
「力がないから戦えない
それは理解できなくもないが、ならば己で出来る事を十全にしていると胸を張れるか?」
「窮地にあると言っても、それは既に過去の話ではないのですか?
仮にそうだとしても、出来る事が本当にないとは思えませんが?」
彼等はそう感じている
忘れているかも知れないが、彼等はいた世界において神とも畏れられた者達
神とは慈悲を与えるのみに非ず
時に理不尽とも思える試練を課し、人を試す者なのだ
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アルフォンスは難色を示したが、偶然その場に居合わせたシャロンの説得によりエクラの外出を認める事となった
エクラがヴァイス·ブレイヴから離れてアスク王国を歩くのは実は初めての事である
その為、彼女は驚く事となった
彼女が想像するのよりも復興が進んでいない事に
それは無理もない話
何せエンブラ以降度重なる他国との戦争
その中で起きる敵国による侵略
本来ならば命をかけてでも国を守らねばならない筈のアスク王国軍はヴァイス·ブレイヴという決戦戦力があるが故に敵が強力とみるや、撤退を選びヴァイス·ブレイヴに一任する
護るべき民の事は見て見ぬふりをして
実はアルフォンス等ヴァイス·ブレイヴの首脳とアスク王国軍首脳の考えには大きな隔たりがある
アルフォンスとしては、アスク王国軍には治安維持や領内警護
そして敵が侵攻してきた際には時間稼ぎを担って貰いたいと考えている
勿論『敵が強大ならば』撤退すべきとは思っているが
それに対してアスク王国軍首脳は徹底した戦力保全主義に傾倒している
彼等の戦力保全主義とは
ヴァイス·ブレイヴを矢面に立たせ、王国軍は戦力を消耗させない
といういっそ清々しくすらあるもの
アルフォンスや軍部高官
そして官僚達による方針会議
その席にて官僚は常に王国軍の怠慢を指摘し続けてきた
無論、王国軍がそれを認める筈もない
悲しいかな、政治的には素人に毛の生えた程度の理解度と経験しかないアルフォンスは現場主義
即ち、ヴァイス·ブレイヴと共に戦っている(と思っている)王国軍の主張を是とする事ばかり
故に官僚達は農業に詳しいチキを頼るべきものとして認識し、その彼女に様々な事を教え育てたゲレタを重要視したのだ
ゲレタは後方において全体を見渡せる立場を期せずして得てしまった
そして理解したのだ
「こりゃ、関係修復には時間かかるわ」
と
「武官と文官の対立は世の常だけど、これは酷い」
そうゲレタは妻リンダが召喚されて漸く経ってから愚痴をこぼす程
何もアルフォンスの不興を買いたい訳ではない
ただ、今アルフォンスが何を言おうとも官僚達は信用しない
····いや、出来ないだろう
そう感じた
両者の間で双方の立場と主張を考えるとそう結論付けるしかない
そこでゲレタはヴァイス·ブレイヴの中でも親しい者達に後方で働いて貰うことで英雄達に対する国民や避難民
そして官僚達の不信感を払拭しようと考えたのである
「···いや面倒な事になったなぁ、オイ」
その辺りの事情をゲレタから愚痴と共に聞いたメディウスは
「そなたの面倒見が良すぎるのよ
難儀な性分をしておるものだ」
と呆れながらも笑ったそうな
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とは言え、数年やっている戦争の傷跡が容易に癒える筈もない
その為、エクラは衝撃を受ける事になった訳だ
ご丁寧に軍も王都の中の復興は手伝っている
何故か?
アルフォンスやシャロンが見る可能性が高いからだ
ゲレタの家は再開発を行なっている地区の近くにある
木組みの家であるがこれにも理由があった
開墾にせよ、森を拓くにせよ
範囲が拡がるのであれば、何れゲレタの家は開発の前線から遠くなるのは自明
娘達はゲレタを背中に乗せて飛ぶ事に躊躇いはない
寧ろ毎日乗って欲しいとすら思っている
が、それでも時間が消費されるのは間違いなく
その為、ゲレタは友人達と会う家と開発の前線基地とでも言うべき所を持っていた
事前に連絡を取っていないエクラは開発の前線基地ともいえる仮拠点へ向かう事となる
という訳でわりかし初期に置いていた伏線を回収
感想返しはもう少しまって欲しい
全部眼を通させてもらい、取り入れる所は採用させてもらってます
感想は活力であり、また物語を作り上げる為の燃料とさせて頂いております
····駄目かなぁ?
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