汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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どうにも最近うちのゲレタがアレなのを忘れそうになっているので、原点回帰


人によってはかなり不快な表現が含まれます
予めご了承下さい


異伝 平穏の影で

現在のところ、ムスペルを始めとした国家群とアスク王国は友好関係にある

 

 

過去の争いについては未だその傷は癒えておらずとも、互いに協力しあって明日へと向かう

 

それをアスク王国などの首脳部は是とした

 

 

 

 

 

 

とは言え、アスク王国のそれとムスペルなどの考えには大きな隔たりがある

 

 

 

アスク王国王子アルフォンスや王女シャロン

二人は他の王族が居ないが為に国家の行く先を定める、というかなりの難題に向き合わねばならなかった

 

それを支えるのがアスク王国軍やアスク王国の官吏達だ

 

 

 

 

----

 

アスク王国軍はムスペルとの戦争時において、『英雄』と呼ばれる事となるある意味では理不尽の権化

とも言える者達と何の事前知識や予備知識もなく戦わねばならなかった

 

英雄とは

多少の差はあれど、歴史にその名を残し得るだけのナニカを成したもの

となれば、その経験は豊富であろう

 

 

 

 

加えて敵側の指揮官であった人物

暗夜王国の王子、マークス

 

彼は白夜王国との戦いを経験しており、残念ながら比較的平穏の時代を謳歌していたアスク王国軍には荷が重すぎたのだ

 

 

無論、アスク王国軍とて調練を欠かした事はなく『王国の盾』としての役割を担うべく日々訓練に明け暮れている

 

 

 

 

しかし、相手は戦争の只中を生きた歴戦の将

しかも彼の下に集うは各勢力ごとに揃えられた英雄達

 

如何なアスク王国軍であろうとも、不利は否めなかった

 

 

 

 

 

そしてアスク王国は滅亡の危機にまで追いやられた

状況を打開したのがアスク王国側が呼び出したエクラなる人物が召喚した英雄

 

 

····そう、英雄なのだ

 

 

エンブラとの戦いにおいて自分達を散々に追い詰めた

 

 

 

結果アスク王国軍の中に

 

「英雄同士で殺し合わせれば良い

我等では敵わぬし、無駄であろう」

 

という空気が醸成されたとて、何の不思議があろうか?

 

 

 

 

 

アスク王国軍にとって、英雄とは不倶戴天の敵であった

ところが、それを自軍でも運用するとなれば問題は多々あった

 

 

殆ど居ないが、エンブラとの戦いにおいて辛うじて生き延びた兵もいる

彼等からすれば

 

『敵であるエンブラに従っていた者を自軍が運用している』

 

 

となるわけで、その話が広まれば軍

ひいては王国に対して拭いがたい不信感を抱きかねない

 

 

 

故に軍はヴァイス·ブレイヴとの連携は不可能であったのだ

 

 

 

 

----

 

 

官吏達もまたヴァイス·ブレイヴを運用しているアルフォンス達に対して不満を持っていた

 

 

(脅威)を討ち倒したい

 

その気持ちは彼等にも理解できる

が、その結果アスク王国はその国力に似合わぬ大きすぎる影響力を手に入れてしまった

 

 

 

敵国とはいえ、他国の王族を手にかけた

となれば、旧体制を支持していた者からは反発が強くなるのは必至

 

無論、戦後無政府状態になどさせる訳にはいかず、新たな政府とでも言うものとアスク王国は話し合いをせねばならない

 

遺恨を残してしまうのは已む無いとしても、出来るだけそれが小さくなる様に努めねば未来への禍根となる事は確実なのだから

 

 

 

各国や各勢力に対してアスク王国は食料や物資などを支援せねばならなかった

 

何せ「アスク王国と戦ったから生活が苦しくなった」などという風評が一度でも付いたが最後、それは枯れ葉の中に火種を放り込む様な勢いで燃え広がる事だろう

 

 

 

 

アスク王国への憎悪の炎が

 

 

 

故に官吏達は必死になって、他国への支援を模索せねばならない

その結果、国内の食糧事情などが悪化すると理解していながらも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな最中、彼等は1つの光明を見た

 

 

 

きっかけは木彫り細工

とある文官の家族が買ってきたもの

 

 

それはこのアスク王国では見ない細工を施したものだった

 

その木彫り細工を(アスク王国はその友好国では見ない方式の為)怪訝に思い、何処で買ったのか?

そう問うた

 

 

そして返ってきた答えが

 

 

 

ヴァイス·ブレイヴの人間がこれを作った

 

との事

 

 

話半分に調べた者達は驚く

 

ヴァイス·ブレイヴにはあまり協力的ではない。そう評価されている英雄が此れを作った事に

 

 

 

 

そしてアルフォンス王子にはキチンと話を通した上で、(くだん)の人物、チキは人ではないにも関わらず、庶民感覚を持ち

それを寧ろ誇りに思っている節がある事を聞き出した

 

 

更に小さいながらも畑でものを育てていると知り、彼等は彼女を是非とも後方で活躍して欲しいと願うことになる

 

 

が、本人にその話をしてみると

 

これは全て死に別れた(人目線)父を偲んでのものという

 

 

 

「····私のしている事はお父様の真似事に過ぎないわ

·······それに、もしかしたら此処でなら逢えるかも知れないの」

 

そう言われてしまうとそれ以上の話は難しかった

が、何も収穫が無かったわけではない

 

 

彼女の父親は元山賊だそうだが、何がどうなったのか

農村の村長になったそうだ

 

しかも、本人はかなり難色を示したというのに、だ

 

 

 

 

意味がまるで分からなかったが、1つだけ分かる事はある

 

目の前の女性を育てた

その1点のみにおいても、信ずるに値する

 

そう彼等は判断を下し、チキの父親ゲレタの召喚に出来る限り支援する事とした

 

 

 

そしてゲレタが召喚されたと聞くや否や、ゲレタに接触

 

説得は身内が行なうとの事で、彼等は事態の成り行きを見守る事とした訳である

 

 

 

 

 

----

 

 

 

 

 

my god (くそわよ)

 

とゲレタが口にしたのかどうかは定かではないが、長年の経験から明らかに面倒事である

 

そう彼の内で警鐘が頭が痛くなる位打ち鳴らしていた

 

 

 

 

しかし

 

しかし、である

 

寿命という絶対的なものがあると知りながら、娘とした己に非が無かった訳ではない

 

 

 

優しさは凡てを救う訳ではない

時に優しさもまた毒となる

 

 

それをゲレタは知っていた

····それでも、あの時のチキの表情(かお)を見てしまえば情に流されてしまった

 

 

····まさかこんなところ(アスク王国)に喚び出される訳ない

 

そうたかを括っていたのだが、どうやら自分達の愛する娘と弟子は些か以上に思い入れが強すぎたみたいだ

 

 

 

 

(後悔先に立たず、か)

ゲレタは眼を涙で濡らした娘と愛弟子の頼み(懇願)を受けてアスク王国の役人となった

 

勿論、下っ端で良かった

 

 

何せいきなりの登用からの厚遇なんてのは、やっかみしか生まないのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何をとち狂ったのか、いきなりヴァイス·ブレイヴの者(英雄サマ)

取り分けメディウス達から聞くに、自分に隔意を抱いている連中が此方に手を出してきた

 

 

「····あのなぁ、開発や狩猟について前面に立ったら駄目だろうが」

 

 

あくまでも、自分は計画や問題が発生した場合における予備戦力

獣害の酷い地区や危険と思われる場所、つまりアスク王国の民や他国からの避難民の手に余る場合に大規模に動く

 

 

これもまた仕事(賃金の発生するもの)、つまり彼等にとっての食扶持を稼ぐ手段なのだ

 

 

 

流石に切り拓いた者による総取り(墾田永年私財法)の様な事は王国の制度面からも難しいが、小作権の優先権などのある程度、彼等にとって益となる施策を現在策定中だ

 

 

つまり、今回の件は様々な問題をはらむものであるが、特に現在開墾などに従事している民の不信を招いたのが最大の失策、だろう

 

 

体力などのフィジカル面において、英雄は一般的な基準を大きく逸脱している事が多い

効率のみを考えれば英雄の動員も考慮に値するが

市民感情などを考慮すれば、英雄の動員は益少なく害は多い

 

 

(働き場のねぇ人間に対して、世間ってのはとかく冷たいからな)

 

ある意味で英雄とは千歯こき(後家殺し)にもなり得るのだ

 

 

ゲレタからすれば、ヴァイス·ブレイヴの拠点なりでも多少は畑なりを作れないものか?と思ってしまう

 

 

(面倒なこっちゃ

しかも、あの気にくわん騎士擬きもいるみたいだしな)

ゲレタは大きなため息をつく

 

 

「どうした?

何やら浮かない顔の様だが」

 

「小市民には荷が重すぎんだよ」

 

ゼフィールの言葉にゲレタはしかめっ面で応ずる

 

 

 

 

 

 

 

 

現在、ゲレタは護衛をつけられている

···と言うのも、ゲレタを狙った暗殺計画があるらしいのだ

 

 

と言うよりも、既に刺客は放たれていた

問題は、その程度の戦力で挑み掛かるべき相手ではない

と言うことだろう

 

 

 

「······自殺志願者か?」

 

「この程度でアレを殺せる筈もなかろうに」

 

 

 

 

 

 

ゲレタは英雄戦争から少し趣向を変えて、自身の魔力の浸透による相手の内部の把握

 

つまり、その者が極度の緊張状態にあるか否か?

などを精査出来る様な手法を編み出そうと躍起になっていた

 

 

 

これはゲレタが所謂『凝り性』と呼ばれる性格からきていた

そして当然ながら、身体の中すらも見通せるなら

 

暗器などの把握も容易

 

 

 

 

 

何も知らない(フリをした)ゲレタを殺そうとした刺客

 

 

が、かの人物は知らなかった

 

 

 

 

 

 

ゲレタは元サムシアン

悪魔の住まう山、とまで畏怖された山賊集団の一員なのだ

 

 

 

 

 

既に娘も弟子も酸いも甘いも噛み締めているだろう

 

 

·······なら、別に容赦するつもりなどゲレタにはなかった

 

 

 

 

 

 

 

----

 

 

 

 

拷問とは相手を如何に殺さぬままに苦痛を与え続ける

 

事が肝要とされる

 

 

苛烈な拷問を受けた者が生命を落とすのは、その加減を見誤った為だろう

 

 

 

 

·····ところが

 

 

「では、師匠

これを」

 

「うん」

 

 

ゲレタは魔道士であった

そして、『さる御仁』からゲレタや妻リンダの為に贈られたもの

 

 

それがゲレタをより危険なものへと変じさせる

 

 

 

 

理性と知恵のある獣

 

ゲレタは自身をある時そう評した

 

 

 

 

 

 

それでも良い

家族を、近しい者を守れるならば

 

 

 

その為ならば、世界すらも敵に回そう

 

 

 

 

そしてたどり着いた、振るわれる事のなかった狂気

 

 

 

 

先に述べた様に、拷問とは苛烈であればある程に対象が生命を落とすリスクも高まるだろう

 

 

····では、その傷を治す手段があれば?

手術などではない。魔法というある意味では理不尽の権化

それをゲレタは併用する事にした

 

 

 

つまり

 

傷を作り

傷を癒し

 

 

 

精神(こころ)を壊す

 

 

正しく外道そのもの

 

 

 

 

理解など要らぬ

常識など知らぬ

 

 

そうゲレタは血みどろの道を受け入れた

あの頃の様に

 

 

 

 

拷問の結果、相手は自分達だけでなく、アスク王国唯一無二の存在足るエクラをも狙った事を知ったゲレタは

 

 

静かに

だが、確実に始末せねばならぬと決意したのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

光あるところを歩み続ける

それは一種の憧憬を大衆に抱かせ、いつしか語り継がれる物語となる

 

 

それこそが英雄

 

 

 

 

 

 

 

「貴殿に誇りはないのか!」

 

ある人物はそう自分を責めた

誇りなど必要ない

 

汚泥の中を生き抜く為には、時に総てを捨てねばならぬ時もある

 

 

 

 

数多の者達から賛美される英雄にはなれないだろう

だが、敢えて問いたいものだ

 

 

たった1人すら守れぬ者がどうして総てを救う

等と口に出来ようものか

 

 

 

無論、戦争ともなれば切り捨てねばならぬものもあるだろう

 

 

 

 

 

それが偶々ゲレタにとっては誇りや名誉だっただけの事

 

 

 

 

 

 

 

 

「···私もそれなりに狂っていると思っているが、貴様はそれ以上だな」

 

ゼフィールの言葉に

 

「戦争なんて大袈裟に言っているが、その実殺し合いに過ぎないだろう?

人を殺して狂わない程に俺は強くも賢くもないからな

 

ゲレタはそう嗤った

 

 

 

 

 

 

 

 




ゲレタ(殺戮)


無慈悲な死神

戦闘を行った場合、確率で確殺



姿無き悪意

敵のスキルをそのターン封じる
各種支援効果を打ち消す


???

別キャラルート ヒロイン

  • パオラ
  • エリス
  • ミネルバ
  • シーマ
  • ニーナ
  • ミディア
  • マリア
  • クライネ
  • カタリナ
  • その他
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