汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
本作は作者の気まぐれとノリと勢いだけで書いております
過度な期待はしないでおくれやす(切実)
あと今回の話が転換点なので、出来れば感想なり意見が欲しいとです
港町ワーレン付近における戦闘に巻き込まれた?ゲレタとリンダ
リンダは初めての大規模戦闘(なお味方は1人、相手は25騎のホースメン)により疲労困憊となってしまう
その後絆を深めた2人は険しい山々を踏破せんと山に足を踏み入れる事となる
道中、紅の傭兵ナバールを騙る若者がいたが、別に傭兵としては真っ当に活動しているらしいので気にしない事にした
本人は寡黙に過ぎるので多分面倒な事になるとは思うが、一応契約を一方的に破棄されたのだ
これくらいの嫌がらせは許されて良いだろう
そうゲレタは思っていたりする
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この時期、アカネイア大陸全土で深刻な食糧不足が発生していた
…と言うのも、ドルーア帝国の復活からのマケドニア、グルニア両王国のドルーア帝国側陣営への加入
それに対してアリティア・グラ連合軍は果敢にもドルーアを討ち倒さんと戦いを挑もうとした
ところが、味方である筈のグラ王国国王ジオルによる卑劣な裏切りによりアリティア軍は壊滅
グラはこの戦果を以てドルーア帝国に従う事とした
マケドニア、グルニア、グラを友軍としたドルーア帝国はアカネイア軍に対して各地で苛烈な攻撃を加え、これを撃破
そして遂にはアカネイアの心臓部、アカネイア・パレスすらもドルーアにより陥落させられた
これがたった数年の間にアカネイア大陸で起きた主な出来事
度重なる戦争や戦闘は各軍の食糧の備蓄を大いに減らす事となり、収穫量は治安の乱れにより大陸各地で発生した山賊などの影響で農民自体の数が減り、国によってはその農民すらも兵として臨時徴用する事となった
当然収穫量は激減し、それでもなお戦争を止めるつもりのないドルーアや抵抗を続けるアカネイアのちにオレルアン
これらの影響を受けて各地の物流網も寸断。結果、生産とは無縁な都市部において深刻な食糧危機が起きる事となる
更にあらゆるものの生産が落ち込む事にもなってしまい、物価は高騰。その結果、人攫いなどが横行する様になってしまう
港町ワーレンにおいて、傭兵であるシーザとラディが雇われていたのも、町中においてすら揉め事が増えた事も理由
だが、一方で昔ながらの自給自足を良しとする山間部の村落の中には戦前と変わらぬ生活を送る者達もいたのも事実
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「それにしても」
「どうした?」
リンダとゲレタは山中を歩いていた
「どう言えば良いのかしら?
空気が悪くなったと思わない?」
「…そりゃあなぁ
国同士でいつ終わるかも分からない戦争をずっとやってるんだ
騎士とかはそれで良いんだろうが」
「…そうよね」
ゲレタもリンダもため息をつく
戦争を止める
そう言うのは簡単だ
しかし、戦争には終わり方1つで次の戦争が起きる可能性が大きく変わる
原作において、ああもあっさりと次の戦争が起きたのはハーディンとニーナの関係が好ましくないままに定まったからだろう
ニーナの心はカミュにあった
…ならばニーナはその思いを断ち切るか
或いは持ち続けるか。選ぶべきだった
勿論、ハーディンという最大の功労者に対してそれなりの報酬を与えねば再建したアカネイア王国は瞬く間に崩れ落ちるだろうが
領地の1つでも与えて、厚遇してやれば良かったのではないだろうか?
ゲレタは思う
恐らくアカネイア貴族達がそれに反対したのだろう、と
アカネイア貴族などと言えば聞こえは良いが、殆どの貴族達はドルーアとの戦争において何の働きもしていないだろう
ただ、ニーナが戻ったから
ドルーアが負けそうだから
元の鞘に戻っただけ
確かにニーナとハーディンが結んだ事により、アカネイア王国の再建は早まったと言えなくはない
…だが、その実ニーナ支持者とハーディン支持者という明確な色の差があった
ハーディンが闇のオーブに囚われたのも勿論悪いが、アカネイアという既に手遅れとなっていた末期患者を無理矢理延命させようとしたのがそもそも間違いだったのではないか?と思えてならない
…まぁ、そんな事は今の自分に何の関係もないのだが
「足元に気をつけろ
特にリンダは少し薄着なんだからな?」
「…そうね。気をつけるわ」
ゲレタの言葉にリンダはそう答える
気のせいだろうか?
何やら彼女の声に不満な感じがしたのだが
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ゲレタは私の前を歩いている
元山賊だけあって、その歩みに迷いはない
不満はない
ゲレタがいれば間違いなく生きていけるのだから
…でも、そんなゲレタに全部任せて平気でいられる程私も脳天気ではない
自分でも驚いてしまう
こんな自分がいるなんて、思いもしなかったから
「ねぇ、ゲレタ」
「どうした?」
「貴方って料理は出来るの?」
「…料理、ねぇ
山賊達に混じって色々やらかしてた俺にんな事期待する方が間違いだと思うんだが」
そう私に向いて微妙な顔をする
…なら
「じゃあ、わたしが貴方に料理を食べさせてあげるわ
……まぁ、今じゃないけど」
私にも貴方の為に出来る事があるって事
「…そいつは楽しみにしとくとしよう
悪いとは思うが、リンダはそういう事が出来ると思ってなかったからな…すまん」
「別に良いわ
私だって、こんな風に考える時が来るなんて思っても見なかったもの」
頭を軽く下げるゲレタに笑いかける
「…ねぇ、ゲレタ
女って恋をしたら変わるものなの」
私はゲレタに手を差し出した
「……そりゃあまあ、随分と男の趣味が悪いんじゃないか?
俺としてはおすすめできないが?」
ゲレタは苦笑いしながらも、私の差し出した手を握ってくれた
…それで話が終われば気分が良かったのだけど
「ホント、リンダは人気者だなぁ
呼んでもないのに山賊達が群がってくる」
「私は別に興味もないのだけど
私の興味のある山賊さんはそばにいるものね?」
「は、そりゃ光栄だな」
私とゲレタはそう笑い合うと、無粋な人達を倒すべく魔力を練り始めた
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「た、助けてくれ
俺はまだ死にたくない!」
私とゲレタに命乞いする山賊の生き残り
勿論、ゲレタが魔道士相手でもないのに仕留め損なう訳がないわ
態と生かしただけ
いつまでも付き纏われたとなれば、私も安心して水浴びが出来ない。そうゲレタは言ってくれた
…女として、確かにそれは嫌ではある
なので、ゲレタの好意はキチンと受け取る事にしたの
「お前の仲間は?」
「ア、アンタが殺したんだろ!?」
「…他に仲間は居ないのか?」
「っ!
い、いねぇよ」
嘘ね。今ゲレタの質問に明らかに動揺したもの
「…そうか
なら仕方ないな」
「た、助けてくれるのか!?」
「いや?…死ね」
「あっ、がはっ!」
こういう時のゲレタは本当に冷酷無比という言葉が良く似合う
可能な限り危険となる芽は摘み取る
敵対者には一切の容赦と慈悲を与えない
でも、心が痛んでいないとは思わない
だから
「…ゲレタ」
「…悪いな」
私はゲレタの心を守るの
やっている事は化け物じみていたとしても、彼は人なのだから
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もう恒例となった追い剥ぎを終わらせた私とゲレタはのんびりと山の中を歩いている
野生の獣は寄り付かない
近づこうとしても、ゲレタの範囲に入った瞬間に逃げ出すのだ
…確かカダインで動物は人間よりも魔力に敏感だ
って説があったと思うけど、もしかしたら本当なのかも知れないわね
まだ干し肉もあるから、食料には困らないと思うけど
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そして私達は山奥にある村へ辿り着いた
…私としてはあまり関わり合いになりたくはないのだけど仕方ないよね
剥ぎ取った武器や服なんかを売り払わないといけないから
…というか、やっぱり臭うなぁ
これ、売れるの?
そう疑問に思う私だった
無事売れました
何でも布として使う風には問題ないらしい
それでやっぱりというか、村に引き止められている
…またアレだったら嫌かなぁ?
「いやいやどうやらかなりお強いと見えます
もし良ければ私の娘婿になりませんか?
父親の身贔屓ではありますが、良い娘ですぞ」
「…いや、落ち着いて」
「そうだ!今日泊まっていきなされ
娘と会って貰えば気に入ってもらえるかと」
…流石にこれは見逃せない
「…この人は
ゲレタは私の恋人ですので」
…言っちゃった
まだそんな仲でもないのに、ゲレタを恋人って!
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(朗報?)ワイいつの間にか可愛い彼女が出来ていた模様(悲報?)
思わずそんな脳内スレッドが立ち上がりそうになるくらいにはリンダの言葉に動揺している自覚はある
何せ
「…この人は
ゲレタは私の恋人ですので」
と言われちゃいましたから、そりゃあ舞い上がるのも仕方ないと思うんですよ?
しかも、無茶苦茶動揺しているのか恥ずかしいのか顔を赤らめて、こっちをチラチラ見てくるんですよ?
可愛いったらありゃしませんよ、これは
リンダは可愛い
それは間違いなく
サムシアンのアジトで見たレナとはまた別の方向だろう
それについては後でリンダと話をする必要があるだろうな
「おお、そうでしたか
それは申し訳ない。ではお二人を別々の部屋にお泊めするのは逆に失礼やも知れませんな」
「え?
…えっと、そうね?」
…なんか雲行き怪しくない?
そう思った俺だが、既に時遅く
「では、今日はゆっくりとお休みください
…いやぁ、あれだけの武器を持ってきてもらえたのは本当にありがたい事なのですよ?」
俺とリンダはこの村で泊まる事になっていた
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ど、どうしよう?
ゲレタと同じ部屋で寝泊まりするなんて、あの時以来よ?(ヒトの素顔参照、しかも泊まってない)
勿論、出来るだけ身綺麗にしているし、手を出されたとしても私は抵抗するつもりなんてないけど
しかも!ベッドがひとつなんて
その上サイズも大きいし
…これってアレよね?
ふ、夫婦や恋人とかが一緒に使うもの
村長に通された部屋の中でリンダは葛藤していた
何せ今までもゲレタに好意は伝えてきたつもり
しかし、今回はストレートに好意を伝える形となったのだ
水浴びの時、一緒に浴びようと誘った事もある
ゲレタに背負われた時、しっかりと彼に自分の温もりが伝わる様にした事もあった
だが、ゲレタはいつも苦笑して受け流す
綺麗だ、可愛いと言われる事はあるが、それは大抵碌でもない人達と関わった時
今でもゲレタは復讐を諦めていない
別に私も彼の復讐を否定するつもりはない
…ただ、その復讐が終わってゲレタがその命を絶ってしまうのではないか?
私はそれだけが心配なのだ
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元山賊なんて言っているけど、はっきり言って信じられない
確かに言葉遣いは偶に凄い事になっているけど、基本的には私に害を及ぼそうとしない分には動かない
…動く時、大抵その相手の命がなくなっているのは気にしないわ
追い剥ぎをしているけど、アレは生きる為に仕方のない事
カダインでも偶に魔道士同士の私闘があるけど、敗者の魔導書を勝者が取り上げる事はそれなりにある
敗者なのだ
であるならば、それがどの様に扱われたとしてもそれに文句を言える立場ではない
事実、騙し討ちされたアリティア王国軍はグラにより壊滅し、アリティア王国そのものも侵攻され、滅んだ
非情な話だと思わなくもないが、力無き正義というものは存在しない
戦う力があって、初めて自身の思いを貫く事が許されるのだ
私はゲレタを愛している
でも、私は彼にお姫様の様な扱いをされたい訳ではない
彼の隣で
彼を支えて生きていきたいのだ、私は
…出来たら、その
子供をつくるのはもう少し待って欲しいとは思うけど
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そんな風に私は色々思っていたのだけど、ゲレタはベッドを見て
「リンダ。お前さんがベッドを使ってくれ
俺は床で寝る」
なんで?
別に良いじゃない?
せっかく向こうが気を遣って用意してくれたのよ?
…それとも、ゲレタは
私の事が
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何やら色々誤解が生じたのだが、流石にそれを解いてしまうと村長の娘さんとやらをあてがわれそうなのでこの村にいる間はそのままにする事にした
勿論、リンダとそういう仲になりたくないという訳ではない
ないんだが、俺がやろうとしているのは現在アカネイア解放とドルーア討伐。という割ととんでもないことをしようとしているマルス王子率いるアリティア軍を敵に回しかねない事
あの王子の事だから、ジュリアンが軍を抜けると言ったところで
「分かった。今までありがとう」
と送り出す事はないだろう
寧ろ、事情を聞いてその問題解決を図ろうとする筈だ
何せ敵である筈のマケドニアの姫であるマリアを助け、敵将である筈のミネルバすら受け入れる程のお人好しだ
いやー(敵対する側からすれば)、きついっすわ
と嘆きたくもなる
加えて、マルスの婚約者であるタリスのシーダ王女
この人物もまた普通に悩みを抱えている人物を引き抜くからなぁ
「…ねぇ、ゲレタ」
はい。現実逃避はここまでにします
現在俺は窮地にある
相手はリンダ
村長が用意してくれた部屋。2人で寝泊まりするには少しばかり窮屈だが、雨風を凌げるだけでも有り難い限りだ
問題はベッドが一つしかない、という事
流石に少なからず意識しているリンダと同じベッドで寝るというのは些か以上に(俺にとっての)負担が大き過ぎる
何せ、今のリンダは薄着なのだ
それこそ、少しばかり肌色が見え隠れするくらいに
そんな彼女と同じ布団で寝る?
俺が寝れんわ!
なので、床で寝ると言ったのだが顔を俯かせて悲しそうに
「…私とじゃ(一緒に寝るのは)ダメなの?」
って聞いてきたんですよ!
くらっときましたわ、一瞬
そして今も少し涙を浮かべて俺の名前を呼んでいる
…いや本当に知らねぇぞ?
「分かった。んな悲しそうな顔をすんな」
「…うん」
俺はそう深いため息と共にリンダと一緒にベッドへと横になり、同じ布団で眠る事した
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「…ねぇ、ゲレタ
起きてる、よね?」
「生憎と、隣に美少女がいて平然と眠れる程俺は達観しても枯れてもねぇよ
…どうした?」
「…私の本心だから」
「…」
「私は貴方と恋人になって、これからも一緒に居たいと思っているの
…貴方の復讐は止められない。いえ、止めちゃダメなんだと思う
でも、ゲレタ。貴方は復讐を終えたらどうするつもりなの?」
リンダとゲレタは同じ布団に入り、話をしている
「…さぁな」
「嘘
貴方はそれが許されない事だって分かっている。だから
……だから、貴方は」
リンダの声が震える
「貴方は、それで殺されても良い。そう考えている」
ゲレタは答えない
「嫌。嫌だよ、ゲレタ。貴方が死ぬなんて」
「貴方は私を助けてくれたのに。こんなにも貴方は優しいのに。どうして死なないといけないの?」
僅かひと月にも満たない間
そんな短い時の中でリンダはゲレタと様々な経験をした
辛かった事
悲しかった事
苦しかった事もある
…でも、いつもそばに居てくれた
「ゲレタ。死なないで。私とずっと一緒にいてよ」
そう震える声で言うとリンダは向こうを向いていたゲレタの背中に抱きついた
「わたしを、独りにしないで」
そんな彼女の思いの込められた言葉が虚しく響いた
復讐の為に全てを擲つ覚悟をした男がいた
その男の優しさに惹かれた少女がいた
共に歩いている筈なのに、2人の距離は縮まらない
被告人、アカネイアの雑兵に問う
何故ここまで恋愛要素を取り入れたのか?
なんとなく、です
なんと?
なんとなく、なんです
支援システム的に考えると恋愛要素は欠かせないって
しかし、全ての異性がペアエンドではないだろう?
趣味です
…そうか
アカネイア軍裁判記録より伐採
カオスルート
-
いる
-
いらない