台風が秋を連れてきて、ススキが揺れはじめる季節ですね。
夏深てふ、という者です。
そういえば以前、友人と実話怪談バトルをしたことを思い出し、その台本を掘り出してきました。
みっつ、よっつ、嘘や脚色はありますが、ホントにあった怖い話です。
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(パンと手を叩く)
一つ目のお話です。
友人の家で居眠りをしていたら金縛りにあいました。
これは明晰夢、ただの夢だと夢の中で感じている。
動けない、夢から覚めても、また覚めても夢の中、知らない女に抱きつかれている、女が叫んでいる、自分も叫びまくっている、
突然に金縛りが解けて、汗びっしょりで夢から飛び起きました。
友人が「寝言いってたよ」と心配していました。
自分は「ごめん。怖い夢みて。叫んだりして、うるさかったでしょ」と返しました。
友人が答える。
「えっ?『おもしろい。おもしろい』って寝言でよろこんでたよ?」と。
(パンと手を叩く)
二つ目のお話です。
近所に、きれいな新築のお家があります。
なぜかカーテンのない、毎日、深夜でも灯りがついている窓があります。
部屋の中も丸見えで、平成初期の子供部屋みたいな雰囲気で、勉強机がみえます。
時々、全裸のお爺さんがたたずんでいるんですよね、その窓。
いろいろ事情もあるかもなので「今日もいるなー」くらいに思ってたんです。
ある夜、その窓のそばを通りかかり、今日も灯りがついているなと、ちらりと視線を向けました。
その窓に、いつかの夢の、覚めても覚めても、覚めることができない、あの夢に出てきた女が、
(パンと手を叩く)
三つ目のお話です。
よくある都市伝説です。
ボカロPがライブをしました。
ライブが終わったら、観客全員で拍手するじゃないですか。
(パチパチと拍手をする)
そのときに、そのボカロPさん。拍手しているみなさんと記念写真をとったんです。
撮れた写真、観客全員、仏様を拝むように手を合わせていました。
(葬式みたいな表情で手を合わせる)
その写真、流石にツイッターにもインスタにも載せられなかったそうです。
わたし、その写真を見せてもらったとき、なぜか笑いのツボにはまってしまって、ゲラゲラ笑ってしまって、だって『おもしろくって。おもしろくって』。
(笑いながら。拍手をしながら)
ごめんなさい、ええと、最後のお話です。
幽霊やモノノケは卑猥なものが嫌いだといいますから、最後に魔除け代わりの猥談を。
なにかしら。いや、女子高生の方も聞いてられるそうなので、嫌いな方は耳を数分塞いでください。でも、オマモリだから聞いたほうがほうがいいのかしら?
(笑いすぎて荒くなった息を整える)
高校生のころ、新任の先生の夜回りとか鍵閉めを手伝っていました。電車が少なくて、そういう時間にしか帰れない田舎だったんです。
真っ暗な廊下を懐中電灯をたよりに見回っていたとき、先生からこんなお話を聞きかされました。
「夜になると、音楽室から太鼓の音が聞こえるの。ドーンドーンって。あの音楽室、幽霊とかいないよね?」
後日、吹奏楽部のパーカッション、ティンパニーの先輩にその話をしました。留年を繰り返し、先生より学校に長くいる、物知りでヤンチャな先輩です。
先輩は言いました。
「俺、ときどき音楽室に忍び込んで、ティンパニーの上で彼女とヤッてる」。
オバケなんていないさ、枯れたススキの揺れる様を見間違えたのさ♪
あのライブ会場の観客全員が合掌していた写真も「あんこーる!あんこーる!」と皆で手拍子を打っていたところを連射モードで撮影したので、偶然そういう心霊写真が撮れたのでしょう。
(「あんこーる!あんこーる!」に合わせて手拍子を打つ)
不吉な拍手ではなく、嬉しいアンコールの手拍子だったのでしょう。
だって、あの心霊写真。みんな拝み方は雑だし、笑顔だったし、アンコールが待ち遠しそうだったし。
なので『おもしろくって。おもしろくって』。
はい、おしまい。
(パンと手を叩く)
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追伸1 どこにでもあるような怪談です。だれでもご自由にお使いください。
レッツ、クリエイティブコモンズ、怪談!
追伸2 そうやって、あの女は入り込んでくるんです。