ベルがシステムに目覚めたのは間違っているだろうか?(完結) 作:寝心地
ベル「…………貴方が影の君主?」
影の君主「………………好きなだけここに居ろ、永遠に幸せな夢を見続けさせてやれる」
ベル「どんなに幸せでも夢は夢だ、現実でも真実でもない」
影の君主「だがやり直したい過去はある筈だ」
ベル「……………………貴方に何が」
影の君主「分かるさ、私はお前が思っている以上にお前を見てきた、ある時は平凡な冒険者で終わり、ある時は祖父と暮らし続け、そして多くの時を英雄として過ごした、私はお前の争いの歴史であり、安らぎの歴史であり、至れなかった見返り、私はお前だ」
そう言う影の君主の姿がベルの物へと変わる
影の君主「私の領域の中でお前は何だって出来る、私の力が及ぶ物であれば何だって手に出来るしそこから私の力を吸収する事も出来る、その中から抜け出す事は出来ないが世界を創造し滅亡に導く事まで可能な全能の力」
ベル「……………………何故僕を」
影の君主「見せてやろう、私達の始まりと終わり、そしてお前の始まりを」
牙の君主「
クンクンと鼻を鳴らしベルの匂いを嗅ぐ牙の君主はそう言う
瞬間
黒い魔力の稲妻がオラリオを駆け巡り君主達はその元を辿る、そこに居たのは息絶えた筈のベルだった
牙の君主「
君主達の目に写ったのはドクンドクンと脈打つ黒い心臓
酷寒の君主「
そう言って襲いかかる2人の君主の行く手を阻んだのは
リュー「彼に恩を返すチャンスを頂きました、今度こそ彼に報いる為に」
傷が治り先程とは比べ物にならない覇気を纏うリュー・リオンがいた、近くには命の神水の薬瓶が転がり落ちている、その姿を見た君主達は一様に焦りを見せる
酷寒の君主「
リュー「起こり得ない未来を嘆いても意味は無いでしょう」
リューは君主とすれ違い様にそう言い牙の君主の顎を蹴り上げる
今までなからは考えられないスピードに力、堕ちたとはいえ嘗ては正義の神の名の元に活動していた彼女が光の破片の器に選ばれたのは偶然か運命か、3人が互いの命を奪うため動こうとした時
ヘスティア「全員動くな」
現れたのはヘスティア、オラリオを包む程の神威を放ちその場にいる全てを威圧する、その力は君主達ですら動くのを躊躇う程だ
リュー「ヘスティア様」
リューは分かっていた、ヘスティアのそれは単なるハッタリ、いくら位の高い神でも地上では等しく全知零能、実際に戦えばヘスティアは一秒と持たないだろう、それでもそのハッタリは間違いなく君主達を警戒させた、だが目の前で生まれようとする強大な敵を見過ごす事も出来なかった
牙の君主「
牙の君主がそう言いベルに爪を突き立てようとした時、ヘスティアの神威を飲み込む様に世界に威圧的な気配が吹き出した
牙の君主「
酷寒の君主「
牙の君主「
牙の君主はそう言うと空間を引き裂き逃げ出す、その直後、ベルを包んでいた氷が砕けベルが声を上げる
ベル「牙の君主は何処だ?、逃げたのか?、皆を傷付けておいて?」
真なる死の王が君臨した