ベルがシステムに目覚めたのは間違っているだろうか?(完結) 作:寝心地
炎に包まれた地獄の中で2人の怪物が踊る、1人は魔法の福音を唱えもう1人はそれを掻い潜りながら高速で動く
ベル「…………………………」
蹴りを放ち魔法を避ける、放たれる拳を掴み手刀を打ち込む
アルフィア「ハァ…………ハァ…………ハァ、ゲホッゴホッ」
ベル「…………………………」
咳き込み血を吐くアルフィア、その姿をベルは見下ろす
アルフィア「ハァ…………ハァ」
互いに決定打は無いがそれ故にアルフィアの身体を蝕む
ベルは短剣を片手に背後に回る
アルフィア「ッ!!、
音の攻撃をススッと避けアルフィアの顔を掴み視界を塞ぐ
アルフィア「なっ⁉」
ポンと何かの蓋が開くような軽い音が聞こえた、次に彼女が感じたのは液体が喉を流れる感覚、振り払おうにもベルの手はピクリとも動かない
アルフィア「ハァ…………ハァ…………ハァ、ゲホッゴホッ、貴様!!、私に一体何を飲ませた!!」
ベル「……………………薬」
そう言うとベルは薬瓶を放り投げる、パリンと音が響きベルが再び駆け出す
アルフィア「…………ク、クク、クハハハハハハハハハハ!!!!」
リュー「笑ってる?」
瞬間、嵐の様にアルフィアの魔力が吹き荒れる
アリーゼ「まさか、これ全部魔力?」
ライラ「オイオイオイ、ってことは何か?、あの馬鹿げた威力の攻撃も」
リュー「本気ではなかった?」
アルフィア「見せてやろう、
吹き荒れる音の濁流がベルを飲み込む、地が削れ空間を飲むこむ
次に嵐が止んだ時そこには
アルフィア「………………化け物め」
ベル「…………………………」
平然と立つベルの姿があった
アルフィア「全てを奪うことしか出来ない音だと思っていた、この音に奪うことの出来ない物があるとはな」
ベル「…………………………出てこい」
ベルの呼び声に反応し影が立ち上がる、影はモンスターの形を取り何処かへ散る
エレボス「まさか、これも読まれているとは、彼は一体何者何だか」
地上
アルフィアの放った福音 『サタナス・ヴェーリオン』の振動が地上まで届き闇派閥は隠していた魔物達を解き放つ、それは冒険者達に食らい付く、1匹1匹が下層や深層レベルの強さを持ち並みの冒険者では歯が立たない
フィン(クッ!!、まだ隠し玉があったとは)
ラウル「だ、団長!!」
フィン「ッ!!、どうした⁉」
ラウル「と、突然謎の援軍が!!、黒いモンスター達で、数は1万以上!!」
フィン「黒いモンスターの援軍⁉、噂の人を助ける黒いモンスターか⁉、兎に角そのモンスター達と連携して迎撃を!!」
ベル(地上は問題ないか)
アルフィア「……………………お前なら」
ベル「?」
アルフィア「お前のやり方ならば、生まれるのだろうな」
ベル「何が?」
アルフィア「『英雄』」
ベル「英雄だと?」
アルフィア「私達は敗北した、あの『黒竜』に、その時私は思ったのだ、『嗚呼、このやり方では駄目だったのだ』と」
ベル「…………………………黒竜に勝てればそれで良いと?」
アルフィア「何?」
ベル「貴女の言う英雄とは力の象徴に聞こえる」
アルフィア「そうだが?」
ベル「………………黒竜を倒した後、その英雄に残るのは何だ?」
アルフィア「決まっている、栄光だろう」
ベル「違う、例え英雄と呼ばれても、1度
アルフィア「………………まるで経験した様な物言いだな、………………まぁ良い、ならばどちらが正しいのか決着を付けよう」
ベル「……………………ああ」
アルフィア「福音 『サタナス・ヴェーリオン』」
ベル「~~~~~~~~~ッ!!!!」
魔法と短剣がぶつかり合う、力と力のぶつかり合いがオラリオを包み込み収束した
アリーゼ「う、ウウン、どうなったの?」
ライラ「ん~っと、あ!!、おいあれ!!」
ライラの指差す方を見る、土煙が晴れベルが現れる
輝夜「本当に………………彼が、あの静寂を…………」
ベル「……………………さようなら」
ベルは天に向かってそう言いその場を去る
リュー「!!、あの、貴方は一体………………」
ベル「…………………………また、会いましょう」
リュー「え?」
それがリューが暗黒期でベルを見た最後の姿だった、気が付けばデルピュネも倒されておりエレボスもアストレアに引き渡されていた
彼女が次にベルと出会うのは7年後、オラリオが暗黒期を抜け出し平和と名乗るに十分な年月が経ってからだった