とある五条の無下限呪術   作:助5103

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教えて!五条先生!

Q.五条家ってどの場所に建てられてあるの?

A.京都だよ。大体の都市に行くまでは6時間くらいかな?


第四話「上条さんと五条くん②」

第四話「上条さんと五条くん②」

 

 

 

「お!」

 

五条はその後、昼の外食の為にとあるファミレスへと訪れた。彼は自炊を全くしないタイプなので基本は外食で済ませている。五条家の多額の財産によりお金には困らない為、伊地知の月一の定期的な仕送りによって生活の保障がされている。五条の住む地域には外食店のレパートリーが多く、そんな中彼は迷いながらも一度も来た事ないような店を選び店内へと入ろうとしたが、その前の交差点の方で見覚えのある髪型をした男の子が五条の前に立っていた

 

「あ」

 

「奇遇だね、こんな所に会うなんて」

 

上条は目を丸くさせ五条の存在に気づいた。さっき会ったばかりというのに約三時間ぶりの再会である。

 

 

「もしかして五条さんって俺とタメ?」

 

「今年で高校一年だから、そうだね」

 

上条が五条と同い年である事に気づく、てっきり年上かと思っていたがその大人びた雰囲気に彼は意外な顔を示す

 

「へー、同い年なんだ…高一でそんなデカい奴見た事ねぇや」

 

「それで、ここにどんな用で?」

 

 

「いやー、今日は特売日で…上条さんにとって大勝負の日なんですよー」

 

 

 

「……それはそれは、お気の毒に」

 

 

「そんな憐れみの目で見ないで下さる?」

 

 

外道の目に涙と言わんばかりに、投げかける言葉もないと五条が同情する。

 

「それで、成果は?」

 

 

 

「…それが惜しくも買えず」

 

今回の特売ではスーパーに向かう途中で不幸な出来事があれこれ続き、彼が商品棚に着いた頃にはセール品は全て売れ切れてしまった。つまり上条は今非常に厳しい事態にあるという事である。

 

「あららー、それは不幸だねぇ。」

 

 

話によると、彼は金銭的余裕があまりなく昼食も取れず悲痛な状況にあったという。そんな彼の様子を見た五条は「奢ってあげるよ」と言いかけた

 

「い、いやいやいや!大丈夫だって!確かに今月は非常にまずい状況であるけれども、だからと言ってそこまで申し訳が立たない事をされるのは気が滅入るというかなんというか…!」

 

「良いじゃないのぉ!ホラホラ!」

 

「えぇ、ちょっとー!?」

 

 

五条に背中を押され、気づくと彼の強引な手引きによって無理やりファミレスの中へと入らされた。彼は究極な自己中であり一度決めた事は相手への否定権を無視し事を進める。そういった行動に困らされた人間も少なくはない(そして主に伊地知が多い)

 

 

 

「頂いてしまった…」

 

そんなこんなで腹も空いていた事もあり、上条はあっさりと彼のペースに飲まされパスタを食べていた。実際今は食に困っていた為、彼には大きな借りを作るハメになってしまった。申し訳のたたない上条だが、彼にどうお礼を返せばと妙な罪悪感と情けない自分を思いながら啜る。

 

「結構生活に困っているみたいだけど…いつもそうなの?」

 

「まぁ、そんなとこかな…」

 

「同居人がこれがまた大食いで…多大なる食費がこの財布から逝ってしまうのです…」

 

 

「そういえば」と五条は最初に会ったその時を思い浮かべる。上条と最初に会ったその時にはチラリと見えた修道服の女の子(?)がいたがその子が彼の言う“同居人”なのだろう。あんな小柄な子供が彼の財布を寂しくさせる程食べるような感じではなかったが、人は見た目に限らないのか。

 

「だからそんな冴えない顔つきなのかな?」

 

「いや、元々だからこれは」

 

五条の失礼な発言に上条がそうつっこんだ

 

「まぁ、でも…こんな事して貰って申し訳ないよ。今日中には返せないけど、いつかこのお礼はさせてくれ」

 

 

「お礼…ねぇ、別に無理にお金で返さなくてもいいんだよ?」

 

「え?」

 

考える仕草をしながらも五条が一つの提案をあげる。

 

 

「たとえば…」

 

 

後に放ったその一言に上条が目を丸くさせ驚く

 

 

「一番強い奴と戦いたいぃ?」

 

 

「一体どうしてそんな事するんだよ…?」

 

 

「…まぁ、簡潔に言うと“知的好奇心”って奴?人間誰しもあるでしょ?そういうの」

 

この学園都市では、普通の生活を営む学生の他に能力向上を理由に己をレベルを上げる為に人間同士が戦う事も珍しくもない。しかしそれは合法行為ではない為あまりよろしくないが人間の“戦って勝つ事にしか得られない何か”を抱えている限りその解決は難しいものだ。実際、それが五条にも少なからず当てはまるものもある。

 

「いやまぁそうだけど…そんな命知らずな事する奴なんか誰もいないぞ」

 

 

五条はともかく、上条にはそのような行為を理解する事は出来ない。争いは無縁に過ごした彼は五条の解せぬ発言に疑問をぶつける

 

 

「第一、俺そんな奴と知り合いじゃないよ。何処にいるかも分からんし…」

 

「んー、それは残念」

 

「じゃあ、どーしよっかなー。僕ヒマなんだよねー」

 

「何か面白い事でも起きないかなぁー」

 

「やめてくれよ…それでホントに事件が起きたらどうすんだっての」

 

 

他人事ではない物騒な言い方に上条はそう注意した。

 

「いやいや、冗談だって」

 

「冗談でもホントに起きちまうのが俺の体質なんだよ…」

 

「体質?」

 

「いやさ、別に能力とか関係ないんだけど、人より不幸体質があるんだよ…」

 

「ふぅん…」

 

 

理屈のないオカルトには興味ない五条だが、その不幸体質がただの偶然ではなさそうだ。彼の一日の不幸な出来事の連続を聞けば、なんとなくだが彼の発言には少し納得出来る。しかしそれがもし確実性のある要素だとすれば…とまたもや良くない事を閃く五条は先の提案を取り下げ代わりにそれを提示する

 

「じゃあさ、今日だけでも良いから一緒に同行してもいいかな?」

 

「は?どう言うことだよ」

 

「当麻の不幸体質ってのが本当なら、一緒にいれば何か良くない事が起きるって事でしょ?」

 

「その時は、ちょっと面白いものが見れるって事だよね?」

 

上条は一日に発生するトラブル(理不尽)の量が異常にも多い。あまり羨ましいものではないが五条の第六感が働いたのかそんな彼の性質に興味を示す

 

 

「……自分で言うのもなんだけど、そんなに確証なんかないぞ?」

 

「いいよ、どっちにしろここに来たばっかでやる事ないし。いいじゃん、ヒマなんでしょ?」

 

「んぐ…」

 

 

上条がヒマなのは事実な為、黙りこんでしまう。まぁ…別にいるだけで済むのならそれでいいか、その提案を飲む

 

「まぁ、別に良いけど…」

 

 

「よっし決まり!じゃあ早速だけど、今日は何しようか?」

 

 

「(なんだろう…)」

 

「(コイツといると、間違いなく変な事に巻き込まれそうな気がする…)」

 

「(ある意味、不幸だ…)」

 

 

同じくして上条の第六感が働き、そんな良くない予感が脳内を刺激する。その理由は彼が不敵に浮かべるそのニヤけ面であり、今でも変な事故に遭いそうな危うげな雰囲気を醸し出している。

 

涙目になりながらも、よく分からない感情で残りのパスタを啜る上条だった

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「______っつーか、本当について来る気かよ!」

 

 

「悪い〜?」

 

 

ファミレスを出た後は、学区内の道を歩いていた。彼自体色々と目立つ風貌な為、道に歩く度に女性やら男性やらの視線が集まっているような気がしていた。まぁ、その向かい先が自分ではない事は分かっている為色々と複雑である

 

 

「ちょっと質問いい?」

 

 

「…何だよ」

 

「君って何か能力あるの?」

 

「この街じゃ能力があって当たり前なんでしょ?」

 

「そんな事ねーよ。逆に全体の六割が無能力者で占められてるらしいし、ある方が珍しいんだよ」

 

「へー、それで?」

 

興味津々な五条に彼は自らの右手を挙げて説明する。

 

 

「この右手に触れるとどんな能力も“打ち消せる”…らしい、俺もまだ自分の能力についてまだ分かってねぇんだよな」

 

「まぁ結局機械で測ったらレベル0の無能力者なんだけどさ」

 

「へぇ…」

 

 

彼の能力をこの眼で見ようととしたが、五条の六眼にはそれを読み取ることができなかった。彼の言う通りにあまりに微弱な反応だったのか、或いはその能力の性質が他よりも特別なのか…彼自身が分からないのなら五条が理解するのは難しいだろう

 

しかしその能力は五条の“無限”にすらも干渉する事が出来るだろう。領域展延や簡易領域とは異なり、彼は呪術を“打ち消し”五条に接触する事が可能ならば…

 

 

「(やっぱり面白いかも、この子)」

 

 

 

この学園に来て正解だった。正直周りの能力者を見る限り自分に釣り合う程の存在はいないのだろうかと半ば諦めていたが、その中でようやく見つけた“逸材”。この男が五条と並ぶ“コッチ側の世界”に立てるかは判断しかねないが、期待は出来るだろう

 

 

「なぁ、こっちいってもいいか?」

 

 

 

上条にデパートに行きたいと五条にそう言い放つ。どうやら今の彼には服があまりないらしくついさっき挨拶の途中で“同居人”とのトラブルで服が台無しになったという。どうやら彼に不幸体質があるのは本当のようだ

 

 

「でも、お金あるの?」

 

 

 

「正直あんまないけれど…ほら、奢ってくれたからその分浮いてるし」

 

 

「まじでありがたいよ」

 

 

成程、と納得する五条はそのまま店内へと入っていく。とはいえ、服にはセンスがあるとは言い難い…というかは五条自身そこまで強要するタイプではない。そして上条も同じくそこまで服に拘りがない

 

 

「(…というか、お金に余裕がないだけか)」

 

ジャンジャン安価なものを入れていく中で五条にこう言いかける

 

 

「五条もなんか寄るとこあるか?」

 

 

「んー、特にないかな」

 

 

「…マジでついてくるだけなんだな」

 

 

「暇だからね!ヒマだから!」

 

 

 

 

強調して言うなよ、と上条は会計を済まして一先ず目的を済ませる。財布を開けて確認するとその寂しさに目尻に涙を流す。それを見ているこっちも不幸が降りてきそうな気がすると、五条は憐れんでいた。

 

 

「…って、今日はこれくらいしかやる事ないんだけど…もう家に帰っていいか?」

 

 

「えー?もうちょっと何処かいこうよー」

 

「いやでも俺の財布がもう…」

 

こういう我儘な言動をする五条に、上条は同居人の顔を思い出し苦渋な表情を浮かべる。どうしてこういう人間にばかり付き纏われるのだろうか…と己に問いかけていた矢先に耳鳴りを起こす程の大爆発が後方に突如発生する

 

「な、何だ…!」

 

 

「爆発した音だね…」

 

 

立ちこむ煙に現れたのはthe強盗と言わんばかりに覆面マスクの集団が車に乗り急いでいた。

しかしこれで上条の“不幸体質”は確実となった

 

 

「(…また随分と派手な強盗だな)」

 

 

 

 

「よし!テメェら、ずらかるぞ!」

 

 

「わかりやした!」

 

 

「おい!」

 

 

上条が彼らを呼び止める。ここは警備隊を招集するのが正しい選択だが…

 

「何やってんだよ…!その金を今すぐ置いていけ!」

 

「あぁ…?こいつ、“風紀委員”か?」

「いや、腕章がねぇからただの一般人だな…」

 

 

彼を見るや否や、現れたのは何の変哲もない高校生である事を確認した後覆面の集団達は嘲笑し合い上条に小馬鹿にする

 

「びっくりした〜!ただの高校生かよ!」

 

「くはっ!なんだ驚かすなよ…兄ちゃん、痛い目見たくなかったら直ぐに逃げるこったな。俺達はレベル3の能力者様に楯突くと…」

 

 

刹那、形のない“もの”に衝突したかのように覆面集団と乗用車共が形を歪めて高速で吹っ飛んでいった。

 

 

「え…」

 

 

 

「いやー、本当に無謀だよねぇ。あれだけ複数いたら普通は真正面から難しいとは思えない?」

 

 

「…あ、いや…」

 

 

「これ、お前がやったのか…?」

 

幸いあの者たちは気絶しているだけで死んではいない。だが、吹っ飛んだ先と五条を交互に見ながら上条は今の現象について尋ねた。何がどうなっているのか分からないが彼が尋常ではない能力者である事はその一撃が分からされた

 

 

「死なない程度にはやったから大丈夫だよ」

 

「お前も能力者だったんだな…」

 

「まぁねー、詳しくは言えないケド」

 

正確には“能力”ではないが、詳細は彼であっても明かす事は出来ない。まぁ、あまり認知されていない為能力として押し通す事は無理な話でもないが

 

 

「へぇー…そう…」

 

 

 

「ん?」

 

 

「あだぁ!?」

 

「あ…」

 

あっけらかんとした上条の表情は一変、何者かに身体を拘束され取り押さえられる衝撃で彼は情けない声を出した。

 

「観念しなさいな、私達“風紀委員”が来たからには…って」

 

 

「貴方はいつぞやの…」

 

「ご、誤解だって!俺達はただ…」

 

 

華奢な女子がどこからともなく現れ、取り押さえる彼を見ては驚きの表情を浮かべた。どうや知り合い…?のようらしいが

 

 

「言い訳は無用…全く、前々から危険視はしていたものの遂に一線を越えてしまうとは…」

 

「ご、五条!頼む!なんとか説明してくれ!」

 

「貴方もご同行を、共犯者なのでしょう?」

 

「は〜い」

 

「(…面白そうだからついていこ)」

 

「えぇ!?おい!」

 

上条の必死に懇願する表情とは真逆に、適当な返事でその女の子の命令に従おうとしていた。無責任でかつ軽薄な五条は事の説明を急ぐ訳でもなく変な好奇心で彼女に着いて行こうとする。正々堂々とした裏切りである

 

 

「ふ…不幸だァ〜!」

 

 

ファミレスで予感したその通り、上条はまたも大きなトラブルに巻き込みいつもの口癖を言い放った。しかし、この時の彼はまだ知りもしない…上条に降りかかる不幸はまだこれからだと言う事も…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




※五条悟が覆面集団に放ったそれは出力半分以下の“術式反転【赫】”。
垣根戦で見せた威力よりは劣るが五条曰く「少し乱暴しようかな」程度の威力でも中々の破壊規模であったという



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