プーサーなオリ主とコナン君   作:ラムセス_

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お電話ですよ

 

 とう、東都のど真ん中で宝具真名開放とか!!

 おあ、オアァァァッーーーーー!

 

「逃げたか」

 

 赤井さんがそう吐き捨てて、苦虫を噛み潰したような顔で遠く小さくなっていくルパン達の後ろ姿を見送っている。

 

 確かに、彼は今回うっかりルパンの挑発に乗って人質に取られかけたもんね。

 おそらくそれがめちゃくちゃに悔しいのだろう。

 眉間の皺は深く、顔色も悪い。

 

 

 あの時。

 ルパン達は約束された勝利の剣(エクスカリバー)の真名解放を間一髪でかわしきった。

 ちらっと見えた彼らの後ろ姿もちょっと焦げ付いてはいるものの五体満足。

 

 例の時代がかった黄色の車に飛び乗り、脱兎の如く逃げ出してしまった。

 あの車の名前なんだっけ。フィアットだったか。フォルムが可愛くていいよね。

 

 私がこの距離で宝具を外したのはルパンの機転によるものだ。

 

 発動直前、彼らは咄嗟に盗んだ宝石を宝具の効果線上に投げたのだ。

 そのため私は宝具の軌道を上へずらさざるを得なかった。

 

 流石に宝石へ当てるわけには行かないからね。

 こんなに綺麗にかわされるとは、流石は国民的アニメの主人公。

 ルパンの名に相応しい大泥棒である。

 

 とはいえ、こちらもその代わりに宝石を取り返せたので痛み分けと言ったところか。

 

 そもそも、先ほどなぜ私が都心で真名解放なんてとんでもねーことをしてしまったのかというとだ。

 

 まず、位置的にあのままだと赤井さんが五ヱ門に斬られていたというのが一つ目の理由だ。

 アーサー王のスキルに直感Aというものがある。

 これは戦場において最適な行動を理解するスキルで、Aともなれば未来視の見聞色よろしく数秒先の未来すらも見通すこととなる。

 これがあるからこそ、霊基の指示に従うだけの素人でもセミオート感覚で戦えたのだが。

 

 その直感が「ここで対処しておかないと踏み込んできた五ヱ門に赤井さんが斬られる」と囁いたのだ。

 

 あの瞬間、私は次元の銃撃の対応で同じ位置に止まらざるを得なかった。加えてルパンに対しても牽制のため殺気を放つ必要もあった。

 さらに英霊級の敏捷を持つ五ヱ門の対処となると、どうしても手が足りず飛び道具に頼らざるを得ない。

 英霊級の人間と三対一はやっぱキツいってこと。

 日ごろお世話になっている赤井さんを怪我させるわけにはいかないし。

 

 二つ目の理由は、スキルの全力発動に伴い霊基の意思が強く出過ぎるようになってしまっていたせいだ。

 あの時霊基の感覚に全神経を委ね、私は肉体の命じるままに戦闘を行っていた。

 そしてそれをすぐには解除できない……というより、身体の自由が利かないことにしばらくしてから気が付いたのだ。

 自分でやった真名解放にハゲ散らかしている理由もここにかかってくる。

 以前同様に直感を発動した時はそのようなことは起こらなかったのになぜ今回だけ、と仰天して疑問に思ったのだが。

 

 それについて霊基いわく。

 盗人死すべし慈悲はない。

 

 アーサー王本人にとって、盗人というのは死因に絡む大変な地雷らしい。

 全力でかからねば後々死ぬ、と生前の鞘の件がトラウマになっているらしい霊基の意思は判断した。

 

 その判断に従い、肉体は泣きそうな私を差し置いてエクスカリバーを封印状態のまま真名解放。

 私情での発動のためディシジョンスタートせず、魔力も控えめの『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』を初お披露目したのであった。

 

 口から漏れ出た詠唱もアルトリアさんの方のそれで、光の収束機構を加味しても威力は極小だったのがせめてもの救いか。

 直撃してもせいぜい鉄の表面が溶ける程度の魅せカリバーだ。

 

 東都工場地帯から北北東の方向へ向かっている打ち上げられた一撃は、眼下の町並みを煌々と照らした。

 蛍のように浮かび上がる燐光と、生命そのものを象徴する光の奔流。

 星の聖剣の名に恥じない、この世のものと思えぬ美しさであった。

 

「陛下、私の落ち度です」

 

 悔しそうというか自己嫌悪真っ盛りと言う顔の赤井さんが、私の前で跪いて大きく頭を下げた。

 

 どうやら私に庇われていたことを気にしているらしい。

 あの状況では仕方がない、というより無策で赤井さんを連れてきた私の方に非があるんだからむしろ謝らねばならないのは私の方だ。

 

「いや。僕も彼の速度に対応するのに手一杯だった。君が気にすることは何もないよ」

「………申し訳ありません」

 

 霊基なんかは「仕留められなかったか」などと悔しがっている雰囲気なのだがな!

 

 しかし、真面目に考えれば考えるほど終わりな空気なんだ。

 大都会の東都で宝具をブッパしたんだぞ?

 

 ああああ……。もうだめだ…おしまいだぁ……。

 

 なんて言い訳しようとも私が宝具を都心で射出した事実は変わらない。

 霊基のせいとか寝言ほざいてる場合じゃないのだ。

 

 あの惨状で目撃者がいないなんてあり得ない。

 

 つい先程までここから500メートルほどの地点で大捕物があったのだ。

 警視庁の部隊はもちろんのこと、報道陣、野次馬、警備関係者もろもろ、現場の人数は百人をゆうに超えていたことだろう。

 少しばかり距離があったとして、この極まって派手な宝具の真名解放を誰も見てないはずがない。

 

 なんならTVカメラに映像が収められてる可能性すらある。

 前日からルパンVS怪盗KIDの夢の対決ということで特集すら組まれていたほどだ。

 

 可能性は決して低くない。

 というか、明日の第一報での見出しは「カメラが捉えた謎の発光現象!ルパンVSKIDの現場で何が!?」だと考えたほうがいい。

 

現状は最悪。隠蔽する人員皆無の神秘の漏洩とか全魔術師が卒倒するわ。

ここは型月の世界じゃないから関係ないって?

そりゃそうだが。

 

 なら任意同行で取り調べとか受けたら私はなんて説明すればいいんだ?

 

 偶然国際犯罪者と遭遇したから、正当防衛として型月特有の剣からビームでルパン達を焼き払いました?

 へへ。危険物所持で逮捕される未来しか見えねーんだわ。

 

 なんなのだこれは。

 いったいどうすればいいのだ。

 

 澄まし顔の裏でパニック状態の私をよそに、赤井さんがふと何かに気付いた様子を見せた。

 胸ポケットを確認してから、「少しよろしいでしょうか」と私に切り出す。

 

「長官からお電話です」

 

 ……………。

 ちょうかん。つまり、その。FBIの。

 お叱りタイム?なにそれ早すぎか?

 

 

 オアァァッッあーーーあーーーー!!

 

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