プーサーなオリ主とコナン君   作:ラムセス_

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移行分が無くなったので明日からは更新速度が低下します。
日一ぐらいで更新できるといいな…。


明日10時

 

 一夜明けて。

 

 ポアロはいつでも大盛況。

 今日は学校は爆発物騒ぎで臨時休校となり、コナンはポアロにて暇を潰していた。

 

「あーーアーサーさんホントかっこ良かったわ……思わずグラつく乙女心。あぁKID様、恋多き私を許して!」

「梓さん、なんか言ってあげてください!園子昨日からずっとこの調子で!」

 

 女子高生達も、今日も今日とて桃色の話題に話を咲かせている。

 ポアロ店員の梓は、「またアーサー君の毒牙にかかってしまった女子高生が1人……」などと沈鬱な表情だ。

 

 コナンはそんな喧騒を少し離れた席で眺めながらアイスコーヒーのストローを口の中で転がした。

 

 話題は昨日のKIDvsルパン三世についてだ。

一個の宝石を巡り怪盗が相争う場面は迫力、スリルショックサスペンス目白押しだったが、どちらも捕まえることができなかったコナンとしては面白くない限りである。

 

 園子が恋する乙女の表情で自分の両肩を抱きしめた。

 

「だって、バランスを崩した私をさらっと抱きとめて、『怪我はないかい?』よ?」

「声真似うまいわね園子ちゃん」

「『ああ、スリ傷になっているじゃないか。ルパンも酷いことをする』ですって!きゃーー!」

「園子……京極さん、また気にしないといいけど」

「京極さんVSアーサーさんかぁ。どっちもかなりのやり手だけど、蘭姉ちゃんはどっちが勝つと思う?」

「コナン君も真面目に考えない!」

 

 半笑いで問い掛ければ、蘭に真面目に突っ込まれてしまった。

 だって気になるじゃん?

 

 と、そんな間にも梓は妙な仕草でスマホの画面を頻りにタップしている。

 どうやらSNSでブロックリストの整理でもしているらしい。

 

 そういえば、コナンが聞いたところによると、最近では2日に1回梓のSNSが嫉妬に狂った若き乙女達の手によって燃え上がりかけるのだとか。

 もはやプロの火消し係のような様相を呈してきた梓は、どこか顔も雄々しく劇画タッチのように見えてくる。

 

 逆にミーハー女子のツボにクリティカルヒットしたらしい園子はキラキラのピカピカだ。

 自分の両肩を抱いて悶え、背後に謎の光エフェクトだか薔薇だかを散らしている。

 

「でも、たしかにアーサーさん凄かったんですよ。二階の踊り場から落ちた園子をあんな高さから飛び降りて空中で抱き留めてて」

「あー。アーサー君ってああ見えてすごい筋肉あるわよね。この間もビールのケース5段も積んであるのにひょいっ、だし」

 

 ビール5ケースというと、一ケース凡そ8〜9kgとするなら40kg超にもなる。

 訓練された大人なら持てない重さではないが…「ひょい」という形容詞を使えるのは相当鍛え上げられた一握りに限られるだろう。

 

「そりゃすごいわ。身のこなしも凄かったし、何か格闘技をやってるってことだったり?蘭は分かった?」

「うーん。確かに隙はなさそうに見えたけど……」

 

 「見たことない構え方だったよね」と蘭は考え込んだ。

 蘭の空手とも、和葉の合気道とも、赤井の截拳道とも異なる奇妙な重心のとり方だったことは間違いない。

 

 あの場に京極がいればおそらくは気がついたはずだ。

 あれは剣道に近い、というより武器を前提にした動きだということに。

 思わず腰に手も伸びていて、日常的に帯剣していたのが察せられる。

 

 「格闘技かぁ……本格的に京極さんの心に火をつけそう」とは園子が思わず漏らした本心だろう。

 心得のないコナンには「どっちも凄そう」としか言えない。

 

 ふと、TVが面白味のないありふれた旅番組から次の番組へ移っていることに気がついた。

 時刻はちょうど午前9時。

 朝ニュース番組が始まったのだろう。

 

 今日のトップニュースは……。

 

"昨夜未明、東都全域にわたり夜空が強い光によって照らされるという不可思議な現象が観測されました"

"光は東都××区〇〇公園前を中心に、半径10km。当時の映像をご覧ください"

 

 思わずコナンは黙りこくった。

 あれが聖剣の光とやらなのだろう。コナンも現場をリアルタイムで見ていたから分かる。

 

 わぁすごい、アーサーさん有名人だね!!

 とは口が裂けても言えないので、コナンはしょっぱい顔で黙りこくった。

 「やけくそにならないでくれコナン君」とヘナヘナになっている彼の姿が思い浮かぶ。

 

 彼はあれで結構なのんびり屋、かつマイペースな楽天家なのだ。

 本当に大丈夫かこの人、とコナンが心配になる程度には抜けているところもある。

 妙に人を惹きつけるところがあるから隠されがちだが、おっちょこちょい属性持ちだ。

 

 本当に大丈夫だろうか、とコナンが心配する中、ニュースは続いていく。

 

"昨夜の発光現象について人為的なものであるとの発表がアメリカホワイトハウスより正式にありました"

"我々は重大な発表を控えている。科学を超越した、全人類が驚愕するビッグニュースだ"

"詳細は日本時間で本日の10:00より記者会見が予定されています"

"───町の人々の反応は?───"

"へー、UFOでも見つかった?"

"日本のことなのにアメリカが発表って、日本は何してたの"

"実は秘密の実験なんじゃないか?"

 

 どうも、第一報に関しては具体名や具体的内容をできる限り伏せた形で発表するらしい。

 ネットで英文記事を追っていけば、「神秘の力を持つ貴人」という単語が見えたので、それが一番踏み込んだ発表になるだろう。

 

 また、「完璧に力は制御できていて暴発の危険性はない」「ルパンに対しての正当防衛であった」など断片的なところがリークされている。

 事件の際に取り返した宝石はすでに被害者へと返却されている、という文言もあったため、リーク元は意外と近くにいた可能性が高い。

 ……情報漏洩で遠からずとっ捕まるだろうが。

 

 まぁ、それでも一般人からしたら正直何をふざけたことをぬかしてんだ、という内容だ。

 

 それについて日本政府もメディアも沈黙を貫き「神秘とは?その正体やいかに!」という視点で話を逸らしてばかりだった。

 

 コナンはポアロのアンティーク風時計を見上げ、息をついた。

 

 本日十時。

 恐らくは神秘の開示となるのだろうが、今後変な詐欺や宗教が流行ることだろう。

 大転換の時代、「幽霊の仕業だ!」なんて荒唐無稽の事件も出てくるかもしれない。

 

 コナンはこっそり眉を顰める。

 たしかアーサー王曰く、「僕の知る限り、幽霊は実現できたら魔法の領域、代わりに残留思念ならあるよ!」だったか。

 ちょっと意味がわからないが、幽霊は難しいということだけはわかったようなそうでないような。

 ともかく、蘭が心配しているようなことはないらしいことだけでもわかったのは一安心である。

 

 きっと今日一日はアーサー王の話題で持ちきりだろう。

 

 科学を信奉するコナンとしては少しばかり複雑な心境だが、実在する事象を受け入れることこそ科学の真骨頂。

 

 自身の頭も凝り固まっていたということか、とコナンは机に突っ伏しておしぼりをつついた。

 絶対今頃、アーサーさん大忙しだよなぁ、なんて。

 

 そんな益体もないことを考えながら。

 




メディア界「ざわ……ざわ……」「これ本気か?」「上に確認取ったんだろうな!?」
米国「英国さんヨォ、今どんな気持ち?どんな気持ち?」
英国「は???」(は???)
日本「我が国の地下に黙示録の獣が封印されてるってマ?」
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