プーサーなオリ主とコナン君   作:ラムセス_

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穏やかな日

 

 リモート会議を適度に挟みながら、世界各国に赴いたりして顔をつなぐ今日この頃。

 フォウ君対策で私が長くここを離れるのは得策ではないからな。

 リモートワークが進むのはいいことだ。

 

 先ほど出ていた会議が終わって通信を切ったあと、私は工藤邸の広いお風呂でゆったりと湯船に浸かった。

 はー、生き返る。庶民の家とは風呂のサイズが違うぜ。

 

 ちなみに世界各国の会議時間が違うので私の生活リズムはメチャクチャである。

 概ねアメリカ時間だが、そのせいで私は真っ昼間から眠りにつかねばならないのが辛いところ。

 

 時刻はもうすぐお昼。

 風呂から出たら寝巻きに着替えて、コナン君に「僕はもう寝るねー」と声をかけておく。

 はーい、と居間から元気のいい返事があった。

 

 コナン君も学校には行けなくなったが、フォウ君を交えながら子供達と広間でわいわいと騒いでいる。

 ああいや、騒いでいるのは少年探偵団諸君だけだが、コナン君も顔は明るい。

 家の前に常駐するようになった屈強なSPに怯むことなく挨拶して、工藤邸の沈みがちな空気の清涼剤となっている。

 

 フォウ君は子供達にめしゃめしゃに撫でくりまわされながらも嬉しそうだ。

 一ヶ月経ってもまだ小動物のまま、私の知る可愛いフォウ君で居てくれることの何とありがたいことか。

 名探偵さまさまである。コナン君さんまじパねぇっす!

 

 そしてひとしきり遊んだ後は昴さんの作った美味しいおやつに舌鼓を打ち、今のところ概ねいつも通りである。

 

 そんな様子を覗き見ようと窓に張り付く黒いカラスはおそらく紅子さんのところの使い魔だろう。

 シフト制で24時間片時も目を離さないで居てくれるのは嬉しいが、そろそろカラスが明らかに疲弊してきているのが気になるところ。

 

 

 さて。TV報道から一ヶ月。

 

 メディアでは連日世界各地の遺跡巡りやら他の偉人復活の可能性に触れたりやらと大盛り上がりだ。

 もはや私の存在は人口に膾炙したと言ってもいい。

 

 SNSでは私の姿がウケたのか、やたらファンアートやらブロマイドやらが流行していて連日「美しすぎる古の王」として取り上げられる日々である。

 流行に乗って何故か「#アーサー王チャレンジ」とか言って重いものを引き抜くお馬鹿チャレンジが流行。

 

 腰を痛める人だったり勝手に引き抜かれたのぼり旗で損害賠償沙汰になったり。

 何とも牧歌的なニュースが続いている。

 

 また米国の熱心なアピールと私のカリスマBの影響で、国際社会でも一定の立場を築けている。

 メディアの効果もあり、もはやアーサー王の実在を疑うものは少ないだろう。

 

 というか、どうもアメリカは私を平和の象徴として仕立て上げたいらしいのだよな。

 

 最近では持ち前の権力を使ってあらゆる場面にわたしの存在をねじ込む八面六臂の活躍を見せている。

 たとえば、「円卓」の名において世界各国が対等に語り合うためのフォーラムが設立され、私がその議長の立場に据えられることが決定したとこの間通知があった。

 これもアメリカ肝煎りの企画で、知らんうちに進んでいた企画である。

 

 いや、聞いてはいたんだが脳が理解を拒否していたというか。

 世界統一政府の前身だとかなんとか……不穏なことを言わないでくれ頼むから。

 

 国連総会でも開催時に一言挨拶を述べたりしなくちゃならなくなった。

 もちろんあらかじめ原稿が渡されていて、平和を願うとかその辺りを重々しく述べる係になる。

 全力でカリスマBを光らせるだけの簡単なお仕事だ。

 

 国際社会というマクロな視点でもそうだが、ミクロに各国で見てもアーサー王は存在感を増している。

 

 特にイギリスではそれが顕著だ。

 アーサー王が国から離れたのは現代政治の道徳や正義が足りないからだとかで。

 「アーサー王運動」とかいう謎の政治活動が盛り上がりを見せている。

 

 新たな道徳的政治……をお題として掲げるとか掲げないとか。

 街頭で演説したり集会開いたりしている様子。

 

 まあ、霊基も私もよく分かっていないのが実情だ。

 政治は詳しくないんだマジで。

 空き時間に勉強してはいるけど圧倒的に学習時間が足りない。誰か教えてくれ…。

 

 などということもあり、イギリスから「我が国は昔の趣を残す遺構も多く、ぜひ一度お越しください」と迫真の様子で請われる一幕もあった。

 どうも今まで私とノータッチだったことに関して「我が国は出遅れた!」と国民から非難殺到らしく。

 今からでも遅くはないと猛アピールが来ている状況なのである。

 

 どうやら次の戴冠式でも私の出席が要請されているようで、今後代々英国王が変わるごとに戴冠式に出席することになりそうだ。

 その時は祝辞だけでなく私のエクスカリバーに新国王が触れて、そのまま誓いを立てるという構想が練られているらしい。

 どうも「先代の王」という概念の象徴として私が使用される模様である。

 

 ベッドに入り、まだ煌々と照る日をカーテンで遮る。

 眠気に瞼が閉じる。

 今日も一仕事終えて、明日もまた同じくらい忙しい日々が待っている。

 

 政治に触れて私も不道徳な選択を迫られる日が増えた。

 

 なのでちょっとロンギヌスの槍を持ってるのが不安だし、そろそろ教皇庁に預かってもらえないか打診してみるか。

 などと考えながら眠りについたのであった。

 

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