大英博物館の特設展示券の予約が開始したそうだ。
今回私が提供した宝具達の特別展示に関して、「伝説と現実の交差点」と題して大々的に広告が打たれているらしい。
もちろん、展示と解説は私の監修が入っている。
メイン展示室では各宝具がガラスケースに入れられて、円卓をモチーフにした広いスペースに円形に飾られる予定だ。
お客さんはそこをぐるりと一周して思う存分堪能する手筈となっている。
背後には円卓の騎士のホログラムが立てられて、場の雰囲気を盛り上げる。
これには私について実際にアヴァロンへ赴いた時の映像から、各騎士達の残滓が見れたのでそれを立体映像に起こす感じになる。
このためにわざわざ担当者がイギリスからやってきて、特別展のためにアヴァロンに入りたいと直接願い出るくらいだから、まさに展示企画への力の入れようがわかるというものだ。
その他、展示にはブリテン13の宝具の他、元から博物館が所蔵していた5、6世紀に実際に使われていたとされる武器や防具の展示も行われる。
また、歴史解説コーナーも充実。
私も映った特別解説動画が事前に撮られており、それを解説コーナーのスクリーンで流しっぱなしにするらしい。
お土産コーナーもどっさりだ。
びっくりするぐらい高価なレプリカ聖剣やら、ミニチュアキーホルダーやネックレス。
毒見の盃を模したマグカップもあれば、室内インテリアに似せたグウィズノ・ガランヒルの篭も山積みで売っている。
私のインタビューが入った特別エディションの鈍器のような厚さのビジュアルガイドには事前予約も殺到しているようだ。
アートポスターと葉書、円卓モチーフのTシャツやパーカー等も完備。
まさにアーサー王一色だ。
もちろん予約サイトには凄まじいアクセス集中具合だ。
ちょっと行ってくる!と言って見に行ったノアズアークが「体ちぎれそうだった…」としょぼくれて帰ってくるぐらいにはやばい状況である。
普通にアクセスしたら一生繋がらないことだろう。
一応、個人情報を登録して当日顔写真付きの身分証と顔認証で確認する手筈となっているが。
これは転売対策と同時に不審者を締め出す仕組みらしい。
それでも不法に行われた転売が相次ぎ、闇オークションサイトでは出るわ出るわ転売の嵐。
ネットではエクスカリバー展示会チャレンジをするもの達から悲鳴の嵐だ。
公式HPのトップページすら繋がらないと嘆きのポストが山と見受けられた。
ちなみに、VIP用にプライベート見学タイムや夜中の展示会なども企画されているようで、目の玉飛び出るような金額でVIPチケットが売買されていた。
TVではもはや二十四時間やってるんじゃないかというレベルで特集が組まれており、その注目の高さを窺い知ることができた。
一週間という短い期間ではあるものの、まさにお祭り状態というやつだ。
最近、会場で販売するグッズのサンプルがこちらにも届いたのだが、聖剣のキーホルダーは意外といい出来だったのでバッグにつけている。
要人と会う時に話の種になるんだよね。
「その小さな聖剣は如何致しましたか?」と声をかけてきてくれるし。向こうも話しやすいしでいいことづくめだ。
………田舎の土産屋に売ってる中学生向けの変な剣のキーホルダーみたいとか言ってはいけない。
コナン君も「なんかダサ……ううん!なんでもない!」と百点満点の笑顔でサムズアップするなどしたが、それはそれ。ブリテンの王はめげないのである。
一応私も特別企画展一日目は公式に挨拶を行う予定なので、この頃は山ほどのカメラの前で挨拶を述べる練習にコクーンを使っている。
VRで現地さながらに舞台が整えられるので、あらゆるイベント毎に使えるので重宝している。
ああ、言い忘れていた。
あれから、シンドラーカンパニーは無事他社に吸収合併される運びとなった。
あまりに偉い人からヘイトを買いすぎたせいで、有る事無い事罪をふっかけられて炎上。
株価が凄まじい勢いで暴落した影響だ。
その後すぐに米国の別会社に吸収合併されてしまった。
その際、私が交渉して一機コクーンを貰い受けたのだが、周囲にはかなり止められた。
危険だ、安全性が確立されていない、etc。もっともな言葉で止められてしまったのだが。
それに対して、キャメロットの扉を改造して仮作成した「外敵を阻む門」を工藤邸の庭に設置することで安全性を担保した。
これは妖精の品だけあり、現実だけでなくネット空間にも作用して危険を排除することができるのだ。
それでなんとか周囲には納得してもらって、私は待望のコクーンを手に入れたのであった。
ちなみに、完璧に安全なネット環境、ということで別の意味で注目の的になったのだが、それは別の話とする。
セキュリティ会社から鬼ほど問い合わせがあったのだが、私は魔術はほとんど使えないからそんなに詳しく聞かれても困る。
なんにせよ、今ではコクーンで思いっきり遊べる環境が整っている。
今はモンスターでハンターなゲームをノアズアークに改修してもらってフルダイブ型VRで遊ぶ日々である。
「計算のためのリソースがもっと欲しい!」とねだるノアズアークのためにバックには高価な百万超えのPCを設置済みだ。
巨大な古龍相手に思いっきり立体駆動で動くのは非常に楽しくて大変グッド。
巨獣狩りのスキルが誤反応してしまう程度には真に迫っている環境は最高の一言だ。
コナン君はゾンビがたくさん出てくるタイプのバイオなホラーゲームで拳銃の腕を磨いているようだ。
激しく動きながらでも百発百中な素晴らしいエイムは私も見習いたいところである。
それに加えて、少年探偵団が来た時は普通にTVに繋げるタイプのゲーミングPCとして運用している。
とはいえ、コナン君のとてつもなく残念なゲームスキルにより、パーティプレイでの彼はほぼお荷物状態だが。
コクーン内ならまともに動けるのに、なぜこうなってしまうのやら。指先があまりに不器用なのだろうか……。
なんにせよ。
当日、すなわち大英博物館での聖剣展示開始の日を目の前に、私たちはまったりと充実した日々を過ごすのであった。
・VRバイオでハザードなゲーム
コナン君の超エイムと的確な立ち回りが光る。コクーンでやるなら凄く得意なのだが、コントローラー操作だと途端にヘボヘボになる模様。
・VRモンスターでハンターなゲーム
プーサー主イチオシ。一応アバターの身体能力にはブーストがかかるが、バトルアシストは無し。人間向きのゲームではない。