プーサーなオリ主とコナン君   作:ラムセス_

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終息と安眠

 

「つか、まえ、た!!!」

 

 朝日が昇るころ、ようやくルパンは妖精を捕まえることに成功した。

 

 両手で妖精を鷲掴みにしたルパンはもうへとへとに疲れ切っているらしく、そのまましおしおと倒れ込んでしまった。

 

 きゃはははは!!と大満足の妖精がぱたぱたと足を揺らして上機嫌に歌を歌う。

 そのままルパンの手にキスを落としたあと、ぱちっという軽い音とともに心臓を返還した。

 

 実に呆気ないというか、素直に心臓返してくれたあたりマジでSSR妖精さんである。

 ルパンの引きの強さが神すぎる。

 

 ルパンが自分の鼓動を確かめて涙目で叫んだ。

 

「俺の心臓が!!戻った!!!」

「一晩中ロンドンの街を駆け巡ってもうクタクタだ!ひとっ風呂浴びて俺はもう寝る!」

「……拙者もだ」

「汗でびしょびしょよ、全く!一番最初にお風呂に入るのは私なんだから!」

 

 などと一番風呂争奪戦が起こっているが、どうやら特別に誂えたのか、ルパンのアジトには日本式の浴槽があるらしい。

 私の泊まる高級ホテルリッツロンドンもエグゼクティブスイートなのでTV付き風呂があるが……イギリスでは、日本ほど湯船は一般的ではない。

 日本人の多い一味だもんな、などと妙なところで納得して私は頷いた。

 

 そして片手をあげて力尽きた一味に声をかける。

 

「じゃ、僕はこの辺で失礼するよ。今日も公務があるし、流石に僕が脱走してきたことがバレたら大事になってしまう」

「王様ってば脱走とかしてきたのかよぉ。よければ誰にも見つからないよう送っていくぜ?」

「いや、それについては大丈夫。僕はこの通り、姿を隠せるからね」

 

 皆よく見えるように風王結界をゆっくり纏って体を透明に変える。

 本来の霊基はどうやらこんな風にできなかったらしいのだが、私はどうもプーサー本体より魔術の才能があったらしい。

 少し弄っているとかなり自在に風王結界を操ることができるようになったのだ。

 

「へぇ、便利なこって。泥棒向きの魔法を使っちゃってさぁ」

「今の不敬で聖剣の錆にしない代わりに、貸しを増やしておくからそのつもりでね。僕は本来盗人は嫌いなんだ」

「うげっ、あーもー、ほらよ。それが俺の直通アドレス。連絡あったらそこにメールを送りゃ良い」

「わかった。面倒ごとが起きたら連絡するよ」

 

 ガックリと肩を落とすルパンに私はにこりと微笑んだ。

 ルパンがブーブーと文句を言いながら口を開く。

 

「それと、不二子ちゃんが組んでた組織は日本をメインに活動してて、年中陰気くせえ黒い服を着てる連中だ。烏丸蓮耶って爺さんが発足したらしくて、きな臭ぇ薬を作ってるらしいぜ?」

「あーーー」

 

 黒の組織かよ。私は内心でだけ突っ込んだ。

 私の不老と不死を狙って聖剣、ひいては鞘を奪い取ろうとしてたのだろう。

 正確にはプーサーの不老はカリバーンの機能なのだが、これはFateならではの設定だからな。

 

「わかった。情報提供感謝する。それじゃ、また機会があれば会おう」

「おうよ。あんたも星の数ほど悪党に追われてる身だ。用心しろよ」

 

 そう言い合って別れた後は、風王結界に身を包んでホテルへと帰還するだけだ。

 

 こっそりバレないように壁を登って高層階の窓にIN。

 誰にも見られていないことを確認した後、ごそごそと布団に潜り込んだ。

 

 時刻はまだ午前七時。あと三十分は寝られるだろう。

 ああそうだ、ルパンと聖剣奪還の経緯の話をしてなかった。

 

 聖剣をどうやって取り返したのか話の裏を合わせないと、今後の警備に支障をきたす。

 警備担当者に話す内容としては、ルパンが夜中に返しに来てくれたことにするとして。

 表向きどう発表するかだ。

 

 やはり警察が見つけた、ということにしてスコットランドヤードの名誉回復を図るのが一番丸いか。

 一応それで無くしたものを取り返したと警察のメンツも立つ。

 というか、これ以上は警察のバッシングをなんとかしなければ、また偉い人の顔ぶれが変わってしまう

 

 少し相談してからルパンにも連絡をとるとしよう。

 

 と、スマホに通知が一件入った。SNSアプリだ。

 

 開くと赤井さんから一言、「夜の散歩はいかがでしたか」とだけ表示された。

 どうやら赤井さんには私が出歩いていたことはバレていたらしい。

 念のため机の上に書き置きを残したので黙っていてくれていたようだが、うっすら以上に怒りが滲む文面だ。

 

 「聖剣は無事取り返した。黙っていてくれてありがとう」と送信すれば、すぐにまたスマホに着信があった。

 「後ほど真実をお教えいただけるのなら口は噤みましょう」と返信がスマホ画面に表示される。

 真実、と強調するあたり、私が誤情報を周りに伝えるつもりなのはお見通しなのだろう。

 

 「了解」と送ってスマホを置き、鎧の実体化を解いて寝巻きに着替える。

 実は魔力で具現化した鎧の内側は寝巻きだったのだ。着替えるのが面倒くさくてね……夜出歩くのに急いでもいたし、仕方ないことよ。

  

 そしてそのまま風王結界を操って、布団に籠ったままベッドサイドのランプを消す。

 最近ハマっているものぐさ魔術行使である。

 座っている時にTVのリモコンを手元に引き寄せる時にも使う。風王結界さまさまである。

 

 もうカーテンの向こう側からは朝日が漏れている。

 

 そのまま静かに目を閉じて、私はわずかな安眠を貪ることとした。

 

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