プーサーなオリ主とコナン君   作:ラムセス_

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史上最悪の二日間②

 

 史上最悪の二日間。

 

 これはアニメスペシャルの話の一つで、ニホリカ国女王と子供一家暗殺をめぐる攻防が描かれている。

 犯人は右手に竜の刺青を持つ男、タツ。

 裏社会の重要人物たちを巧みに使って一家の暗殺をせんと暗躍していた。

 

 さて、この話について少々特筆すべき点が一つだけある。

 それは、この話は映画「鍵泥棒のメソッド」とのコラボレーション作品という事だ。

 

 犯人グループの一人として登場する伝説の殺し屋「コンドウ」は、この鍵泥棒のメソッドの主人公の一人。

 すなわち。

 彼もまたこの星に敷かれたテクスチャを縫い止める「光の柱」である可能性があるという事だ。

 

 私はうんうんと唸って内心頭を抱えた。

 下手に牢屋にぶち込むとこっちのテクスチャが…名探偵コナンのテクスチャが影響を受ける可能性がある。

 できれば何事もなく逃げ切って欲しいところ。

 ただ、ビーストⅣを抑える光の柱の誘拐なんて並大抵の罪じゃない。

 秘密裏に消されることだって視野に入れなければならないほどのヘイトなのだ。

 

 ……まあ。

 ひとまずはコナン君を取り返してから考えよう。

 

 と、そこまで考えたあたりでカラスが一羽、窓の縁に止まっているのが見えた。

 カラスはこちらを見てくるると喉を鳴らした後、流暢に喋り出した。

 

『大変なことになったわね。お初にお目にかかるわ、竜のお方。私は紅子、赤魔女よ』

「……初めまして、僕はアーサー。このタイミングで話しかけてきたということは、何か獣について伝えたい事があるのかな?」

 

 声を潜めてカラスと喋る。

 紅子さんの方はあまり公に顔を出したくないだろうから、風王結界でカラスの姿もそっと隠す。

 「気が利くのね、竜のお方は」とカラスがやや上機嫌そうな声を出した。

 

『成長が始まるのは、私がかけた古い絆の魔法の影響を鑑みてももって後一日というところかしら』

「一日持ってくれただけで御の字さ。その間に取り返せばいい」

『最悪、殺されてしまっても死体だけは確保しなさい。貴方の釜を私が使えば、完璧な死者蘇生に成功する可能性は高いわ』

「それは心強い。それと、できれば今後のためにも後日僕に魔術の手解きをして欲しいんだが」

『良いけれど……それは貴方を見ている花の夢魔にでも頼めばいいんじゃなくて?』

「どうも彼女は僕に会うつもりがないらしくてね。頼むよ」

 

 「いいわ。対価はもらうわよ」とだけ言って、カラスは飛び立った。

 比較的話しやすい人で助かった。魔女、というと型月のテクスチャでは零落した妖精を指すからな。

 どんな性質の人なのかハラハラしていたのだ。

 

 まだ気を抜けない状況が続きながらも、私は警官達が吉報を持ってくるのを待った。

 

 

 

 

 

 速報!

 私の見た誘拐犯潜伏場所へ向かった警察官15名が死傷したらしい。

 どうも相手は拳銃に加えて爆弾も持っていたようで、爆発で警察官をぶっ飛ばした後逃げ出したとのこと。

 

 相変わらず畑で爆薬でも取れるんかと思うほど気軽に爆弾使ってくるな、米花町の犯人達は。

 

 これにより周辺住民も爆風の被害に遭い、警察も捜査本部を立ち上げた。

 コナン君の情報はできるだけ伏せた状態で、「子供を誘拐し爆発物でテロを行う凶悪犯が逃走中」ということにしたらしい。

 

 向こうもなるべく発覚を遅らせたかったのか、初期には欺瞞メールを送ってきてはいたのだが。

 SPのついているような重役の子供だと気付いたのだろう。

 「子供を殺されたくなれば追ってくるな」と脅迫文を送ってくるようになった。

 

 考えうる限り最悪の展開だ。

 

 こちらはコナン君を殺されてしまえば終わりなのだ。

 いや実際にはあっちの犯人側だってフォウ君に蹂躙されて死ぬわけだが、彼らは自分の持っているものが世界終焉爆弾のスイッチだと気付いていない。

 

 彼らの狙いはすでにわかっている。

 ニホリカ女王とその子供たちの暗殺だ。それは私の口からすでに各国へ伝えてある。

 

 その上で、日本を含めた主要各国はニホリカ国にそれを伝えないと決定を下した。

 

 なぜなら、ニホリカ国側が危険を知って予定を変えて帰国してしまえば、犯人側の目論見は失敗。

 用済みとなったコナン君が殺されてしまう可能性が高いからだ。

 

 現状コナン君が生きているのはなんらかの用途でコナン君を暗殺に利用しようとしているから。

 弱小国の女王などよりビーストⅣを抑え世界を救い続けているコナン君の方が重要性が高いのだと、各国は冷酷に冷徹に結論付けた。

 

 ああ、フォウ君の様子が怖すぎて一瞬たりとも視界から離せない。

 なんかデカくなってないか?気のせいか?

 

 怯えて真っ青な顔色になってしまっている私へ、赤井さんが声をかけてきた。

 

「やはり、赤レンガ倉庫の仮面ヤイバー展に先回りして敵を確保するしかないでしょう。そこに女王方が訪れることは確認済みです」

「あそこは人で溢れかえるし、子供も多い。取り逃す確率は高いと思う」

「スナイパーを配置すればよいかと」

「殺害か……日本警察としては流石に難しいんじゃないかな。殺害前提に動くのは」

 

 白馬警視総監が「それは……」と黙り込んで目線を逸らした。

 各国としてももうすでに犯人殺害の要請はしているのだろう。

 それでも、公式に江戸川コナンの重要性の発表ができない以上、急に犯人殺害を決行するのは世間が許さない。

 なかなかに板挟みだ。

 

 それに、実行犯全員がその日その場に現れる可能性も低い。

 確か原作だと実行犯の一人であるハッカーのMとやらは現場の監視カメラをハッキングしてアジトに残っていたんじゃなかったか。

 

 

 その夜は明日の赤レンガ倉庫に現れる犯人たちをどうやって捕えるか、遅くまで話し合いが行われることとなった。

 

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