プーサーなオリ主とコナン君   作:ラムセス_

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水平線上の陰謀①

 

 コナン君と共に八代グループ豪華客船「アフロディーテ号」の航海に招待されたぞ!

 

 ここ一ヶ月、コナン君はFBIを中心に日本警察やら世界各国の富豪を相手に探偵業に勤しんでいた。

 窓口は公的な難事件はFBI長官を中心に、そのほか事情を知る世界各国の上層部から来る依頼を片付けていった形だ。

 その時のコナン君の活躍といえばもう、千切っては投げ、千切っては投げという言葉が相応しい。

 

 流石は平成のホームズとも称された世紀の名探偵。

 いや令和だったか?まぁ細かいことはいいか。どうせテクスチャ的にその辺りあやふやだし。

 

 今回の航海も、八代グループ社長である八代 貴江さんが旅先で殺人事件に巻き込まれた際、コナン君が電話でそれを解決したことからお礼に招待されたのだ。

 

 SPの警護もそこそこにタラップを登って乗船する。

 

 逃げ場のない海の上とはいえ、このサイズの船ともなると乗員乗客合わせて600人はいるだろう。

 そこそこの規模であるからして、やはりコナン君の身辺警護は欠かせない。

 私が一番の護衛といえばそうなのだが、その私も表向きは護衛対象だからしょうがないね。

 

 デッキに上がり、美しく磨き上げられたコンサバトリーを見やれば、向かいからやってきた一団から五十代ぐらいの女性が進み出てきた。

 件の八代社長だ。

 

「ようこそいらっしゃいました、アーサー王陛下。この間は本当に助かりましたわ」

「僕はコナン君の仲介をしたにすぎないよ。礼ならばコナン君に」

「その通りね。驚くほど賢い坊やだこと。流石は本物の事件捜査のギフテッド」

 

 コナン君も「無事に事件解決できて良かったよ」と穏やかに笑った。

 この辺りの反応も板についたものだ。

 

 後ろから進み出たのは八代会長とこの船の船長である海藤船長だ。

 どうやら挨拶に来たらしい。

 船長は帽子をとり、深々と礼をした。

 

「光栄です。あなたのような貴人を乗せることとなろうとは。旅の安全はお任せください」

「この船もこれで箔がつきますよ!かのアーサー王も乗った豪華客船だと!」

「こちらこそ招待感謝するよ。僕も彼も今回の航海を楽しみにしていたんだ」

 

 老紳士といった見た目の八代会長は、カッカッカと上機嫌そうに笑ってしきりに頷いた。

 

 と、挨拶に関してはそんなところだ。

 

 自室へ案内されることになったが、その前にデッキの一角に子供達と蘭ちゃん、園子さんを見つけて私は声をかけることにした。

 

「久しぶりだね、蘭さんと園子さん」

「!?アーサーさん!お久しぶりです!」

 

 女子高生組は手すりにもたれかかって海を見ていたようだが、慌てて跳ね起きてこちらに駆けてきた。

 

 「相っ変わらず麗しいアーサー様…!」なんて園子さんが眼福眼福などと呟いて手を合わせている。

 どうやら観賞用のイケメンという括りらしい。

 その後ろからやってきたのは毛利探偵だ。

 

 ポアロでバイト時代に数度会っているが、こうして話すのは初めてかもしれない。

 

「改めて、名探偵の毛利小五郎です。アーサーさん、お見知り置きを」

「ありがとう。僕はアーサー。事件で何かあったら連絡させてもらうよ」

 

 名刺を渡されたので、ついつい社会人の脊髄反射で名刺交換マナーが頭をよぎってしまう。

 私自身は特殊な身分ゆえに名刺は作っていないし、その辺りはちょっと自分の顔が身分証名代わりなところがあるから。

 

「ああ、そういえば空手の関東大会優勝したんだってね。工藤君から聞いたよ。蘭さん、おめでとう」

「!!そ、そんな…ありがとうございます。もう、新一ってばアーサーさんにそんなこと…」

 

 私を前に顔を赤らめて恥ずかしがる蘭ちゃんに、微妙に面白くない顔をするコナン君がハイライト。

 この子も大概ヤキモチ焼きである。

 

 彼女らにはポアロ時代に身分を隠して話をしたからな……私がTVに出るようになってさぞや驚愕したことだろう。

 そのあたり、どこかで埋め合わせをせねばなるまいよ。

 

 そんな静かな雑談の後は、グランドスイートに入ってゆっくり羽を伸ばすくつろぎタイムだ。

 実はフォウ君も一緒にいて、大人しくコナン君の猫用のキャリーケースに入っている。

 

 私とコナン君は同室だ。

 何が起きても私が対応できるように、ということだが、コナン君には少々息苦しい思いを感じさせてしまっているかもしれない。

 

 フォウ君のカゴを置いて戸を開けると、「フォーーウ!!」と飛び出して跳ね回った。

 随分と鬱憤が溜まっていたようだ。

 ほぼゴム鞠みたいに部屋の中を疾走している。

 

 無論ペット同伴は本来不可だが、フォウ君は知恵ある獣。

 部屋を汚さない確約と共に特別に入れてもらったのだ。

 なのでうっかり調度品に傷をつけないことを祈るばかりだ。

 

 部屋でばったりと上質なベッドに寝転び、私はぼんやりと陸地をみやった。

 今回こそ平和にコナン君の休息になるといいなぁ、なんて思いつつ。

 海の密室、豪華客船なんて古典的探偵推理小説の舞台そのものだ。

 

「僕は少し寝るよ、コナン君はSPの人に言って蘭ちゃん達と合流するといい」

「おー。蘭、園子の招待で来てたのか?奇遇すぎねーかそれ」

「良かったじゃないか。豪華客船デートなんてそうそうできるものじゃないよ?」

「江戸川コナンでデートとかできないから」

 

 コナン君に怒られてしまった。それはそう。

 

 

 

 

 翌日、午前10時

 

 コナン君たちは蘭ちゃんと園子さんを交えて広い船内でかくれんぼをするらしい。

 なお、私は動き回ると騒ぎになるのでデッキでジャッジ役である。

 

 公正なるジャッジのため、船内全体に風を広げて隠れたポイントの確認とする。

 

 どうやらコナン君は早々にかくれんぼという目的を忘れ去ってサッカーの壁打ちに夢中になってしまった。

 絵の鯨の目に向かってボールを巧みに操って当てている。

 

 と、そこでピンと来た。

 

 電流のように蘇る記憶。コナン原作に紐付く知識と思い出。

 

 

 何を隠そう!!この船は爆発する!!!

 

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