斉木久遠の要Ψ   作:弁慶の泣き所

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Ψつけた題名ってなかなか難しいので、思いついた時だけΨつけときます。
今回は楠雄目線なので短いです。次回からは長めにしっかり書いていきたい。


第2X 手のかかる妹

 

 

僕の名前は斉木楠雄、超能力者だ。突然だが僕には1つ年下の妹がいる。名前は斉木久遠。彼女は僕やアイツとは違って平凡な女の子である。

 

背まで伸びたふわふわした亜麻色の髪の毛に少しタレ目がちなうるっとした瞳。僕にはよく分からないが世間一般では可愛い方のようだ。

 

普段は左右で三つ編みにして、見た目だけなら大人しそうで優等生タイプな女の子に見えるのだが、実際はそんなものでは無い。

 

久遠はとても馬鹿である。()()両親よりも天然…というか阿呆だと言えば分かるだろうか。服はよく裏返しで着ているし、物忘れも激しい。想像豊かで思い込みが激しく、よく変な勘違いをしている。そのくせ人のことは全然疑わず、すぐに騙されてしまったり冗談も間に受けてしまう。

 

運動は苦手で、口ずさんでいる鼻歌も聞くに耐えない。勉強は僕がしっかり教えてやっとついていけているレベル。方向音痴だし不器用だし、寝相悪いしキッチンを殺人現場に変えてしまうし、メルヘンチックで夢見がちで、小さい頃から身の回りの事がほとんど自分で出来ていたアイツや僕の後に生まれたので、斉木家の中では断トツに手のかかる子供だっただろう。

 

実際小さな頃は少し目を離した隙に危ない状況になっているので家族総出でヒヤヒヤしたものだ。

 

そんなギリ心配が勝ちそうな手のかかる妹だが、それでも僕やアイツが久遠を大切に思っているのは、家族だからというのはもちろん、久遠の心が純粋で素直だったからだろう。……この場合はただ馬鹿すぎるだけかもしれないが。

 

きっと久遠が普通の人と同じくらいに悪感情を持っていたらあまりうまくいっていなかったと思う。彼女がとてつもなく無垢…というよりバカで手のかかる、そのくせお人好しで人一倍明るく優しい人間だったから僕とも、捻くれたアイツともそれなりに上手くいっているのだろう。

 

さて、長くなったがそんな妹、久遠は朝に弱い。アラームが耳元で騒いでいでいてもまるで聞こえていないように寝続けている。そして安定にものすごい寝相だ。ベッドから頭がずり落ちている。僕が何もしなければ頭を床にぶつけているところだ、まったく。

 

『おい、おきろ』

 

僕は久遠の夢に侵入し、富士山の上で鷹と一緒に茄子を頬張っている久遠に声をかけた。なぜ一富士二鷹三茄子なんだ……、今はまだ夏だぞ。

 

「あれ?くーちゃん!くーちゃんも茄子食べたいの?」

 

久遠の見当違いの申し出に首を振りつつ要件を伝える。

 

『学校に遅れるぞ、いい加減起きろ』

 

その瞬間パッと現実の久遠の目が開いた。

 

「……ん、あれ、くーちゃんなんで私の部屋にいるの?」

 

まだ少し寝ぼけている久遠は頭にハテナを浮かべている。僕は時計を指さしてからさっさと久遠の部屋を出た。ちなみに僕はもう制服を着て家を出る直前だ。後ろからバタバタと慌ててベッドから落ちる音がしたがまぁ大丈夫だろう。

 

リビングに行くと寝坊したと騒いでいる父がいた。そういえば昨夜、「明日は会議が午前中にあって早めに行って準備しなきゃ行けないんだ」と言っていたな。

 

「頼む!くすえもーん!会社まで瞬間移動でパッと送ってくれよぉ」

 

『ダメだ』

 

「お願い!今日だけ!今日だけだからぁ!帰りにコーヒーゼリー買ってくるからさぁ!このとおりだよ」

 

そう言いながら軽々しく土下座してくる父。父親の威厳もありゃしないな。まぁコーヒーゼリーを買って帰るのならばいいだろう。

 

僕は瞬間移動で父を会社の屋上に連れて行ってやった。

 

「おお!会社の屋上だ!ありがとうくすえもーん!」

 

『コーヒーゼリー、忘れなるなよ』

 

「わ、わかってるよ」

 

父が屋内に入っていったが僕はここで5分待たなければいけない。瞬間移動は連続して使えないのだ。

 

5分待って再び瞬間移動で家に戻る。リビングには既に制服姿になっている久遠がいた。ご飯を食べながら後ろで母が髪を三つ編みに結っている。

 

普段は自分で結んでいるが時間が無い時はよく母が結んでいる。もっと時間がない時は下ろして行っているが。

 

「あらくーちゃん、ありがとう!パパ間に合ったかしらー」

 

「あれ、くーちゃん!私もう家出るから一緒に行こう!」

 

久遠の申し出に首を横に振り僕は先に家を出た。兄妹で登校なんて少し目立つし、僕らを知らない人から見たらカップルに見えてしまうかもしれない。それで[斉木が彼女と登校してる]なんて噂が流れたらたまったものでは無い。

 

(くーちゃんと一緒に学校行きたいのになぁ。)

 

家を出てすぐに聞こえた声。久遠は僕と学校に行きたいらしい。一緒に学校に行くのは嫌だが、今度一緒にどこかに出かけてもいいかもしれない。

 

 

 

その日の夜、父が僕へのコーヒーゼリーと一緒にチョコレートケーキを買って帰って、母と久遠が喜んでいた。久遠はチョコレートが大好物なのだ。もちろん僕はコーヒーゼリーにプラスでチョコレートケーキを食べた。

 

 

 






楠雄はやっぱり可愛がってる妹でも結構塩対応かな、と思います。
そして空助は結構妹を可愛がるけどそれ以上にからかって遊ぶかな。
いざという時はどちらも助けてくれるはず。

ていうか楠雄って結構言葉で伝えずに動作で伝えてるよね。その塩梅が難しい…。
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