SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について 作:種再燃祭
さて、デブリゾーンでの戦闘も終わり、いよいよ”親善音楽イベント”が始まろうとしていますが、何やら妙な方向に……?
「ほほう。”ファントムペイン”が、襲撃事件直前に撮ったPVで”親善音楽イベント”に参加ですか……」
「ええ。ラクス殿の許可が頂ければ、我々としても吝かではないのですが……」
「よろしいんじゃありませんこと? 元々、”ハプニング”が無ければ参加予定なのでしたし。それにこの上ない”ファントムペイン”の安否確認になるでしょうし。なんでも、”ファントムペイン”が襲撃事件に巻き込まれての死亡説が流れているという噂は聞いておりますわよ? それにつけ込んで、ブルーコスモスの過激派……本流ではなく下っ端でしょうけど、『プラントによる”ファントムペイン”謀殺説』を流布して反プラントのネガティブキャンペーンやっているらしいですわね?」
「つまらない言いがかりです。我々が”ファントムペイン”を謀殺する理由などどこにあると」
「要するに難癖をつけられればなんでも良いのですから、そこを詮索しても詮無き事ですわよ?」
ラクスはもう何度目からなるデュランダルとの会談のため、もはや慣れたものだった。
「”ファントムペイン”は正統派ロック。ミーアさんにはアイドル系とアーティスト系の楽曲を頼みますし、わたくしも系統としてはアーティスト系なので、丁度いいスパイスになりそうですわね♪ ところで……」
ラクスは表情は微笑んでいるが、目は笑ってない表情で……
「なぜ、わたくしがイベントの監修を? というか許可を出すのはわたくしではなくイベント・プロデューサーなのでは?」
「プロデューサーなのでしょう? 貴女は」
そう微笑むデュランダル。
「わたくしはミーアさんのプロデュースをするつもりはありましたが、イベント・プロデュースを引き受けたつもりはありませんわよ?」
「申し訳ありませんが、今は何処も人手不足でしてね。ご協力頂けると大変助かります。何しろ、貴女は芸能に詳しい上に人を使うことに慣れてらっしゃる」
(よくもまあ、いけしゃあしゃあと……)
有無を言わさぬその姿勢にラクスは思うところがあるが、この程度で怒りを表情に出すほど面の皮は薄くはない。
伊達にオーブの配信者界隈で揉まれてはいないのだ。
「……報酬は別途、請求させていただきますわよ?」
「どうぞご随意に」
(言質は取りましたからね)
具体的には決めていないが、まあ、頂くものは頂いて行こうと心に決めるラクスであった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
さて、デュランダルが”親善音楽イベント”に力を入れる、本来の企画に加えて『ラクス・プロデュース』などという看板を書き加えるほど注力しているのは当然、理由がある。
今回の”アーモリーワン襲撃事件”で、右派と左派という言い方がプラントで適切かどうか分からない為に、対地球政策の強硬派と穏健派という言い方をするが……極右勢力とも言えるザラ派を含む強硬派から『デュランダルの政策は惰弱である。だから地球が雇ったPMCごときに舐められる』と突き上げを食らっているのだ。
『地球勢力がPMC”プリベンターズ”の雇い主であるという証拠はない』と言ったところで彼らは聞く耳を持つことはない。
逆に穏健派からは、『証拠がない以上は軽挙妄動の強硬路線はくれぐれも謹んで欲しい』と釘を刺される始末だ。
今回の一件は、ただでさえ分断がちだったプラントの世論を一気に沸騰させ、水面下の対立を顕在化させる可能性があった。
ギルバート・デュランダルには、『ある目的』があった。
その為にプラント最高評議長などという面倒で厄介極まりない役職を引き受けたのだ。
そして、今ここで求心力を失う訳にはいかなかった。
だからこそ、一計を案じたのだ。
”親善音楽イベント”の本来の目的は、オーブや大西洋連邦との緊張緩和というのもあるが、最大の目的は緊張緩和をお題目にした『オーブや大西洋連邦との関係悪化を恐れる層』に対するガス抜きだ。
だからこそ、一見すると相反するような『ザフトの新型兵器のお披露目』を抱き合わせにしたのだ。
対外的には『新世代のザフトの装備は地球侵攻を意図したものでは無く、あくまで国防主体のための軍備』というアピールで、国内的には『地球と関係が悪化してもザフトはプラントを守り切るだけの戦力がある』事を示すアピールだ。
実はこの二つのアピール、矛盾するようで矛盾しない。
だが、アーモリーワンの襲撃で、それだけでは政治的アピールもパフォーマンスも足りなくなってしまったのだ。
そこでラクス・クラインの大々的な、”イベントプロデュース自体への起用”である。
無論、デュランダルとてラクスを意のままに操れるなどとお花畑な事は考えていない。
第一、そんなことをすればオーブが黙っていないという認識はあった。一歩間違えれば全面戦争に至る……というところまではデュランダルは考えていないが、今回以上の武力行使は十分にあり得ると考えていた。
実はこれが”認識の甘さ”だとデュランダルは考えていない。
カガリにとり、ラクスとプラントとの戦争は天秤にかけられるものではないのだ。
はっきり言えば、カガリにとりラクスと比べるならプラントの価値など無いに等しい。
そして、ラクスを奪還するのに全面戦争など必要ないのだ。
手持ちの戦力である”
武力行使?
そんな可愛い物じゃない。邪魔する物は全て消し飛ばされるだけだ。
まあ、そんな「万が一の事態」はさておき、未だにラクス・クラインのプラントにおけるカリスマ的人気は圧倒的だ。
まだ1曲も歌っていないのに、「ラクスがイベント自体のプロデュースに関わる」という噂を流すだけで、市民への「だったら先ずは『ラクス様のイベントを視聴しよう』という鎮静効果」があるのだ。
そう、出演者として歌うだけではない、『ラクスのイベント』だ。
現実でも『オリンピック開催期間中は戦争を自重する』という不文律があるが、プラントにおけるラクスは同じかそれ以上の効果があるのだ。
曰く、『ラクス様のイベントが終わるまで、一時的に対立は棚上げする』である。
政治家として考えるなら、理想的な「時間稼ぎ」だ。
「これで当面は何とかなるか……」
ラクスに一時的な「イベントに対する権力」えお与え、その間に政治家として打てる手は打つのだ。
(それにラクス・クラインが歌うことで、更なる市民の鎮静化が期待できる。ラクス・クラインが手掛けたミーア・キャンベルが共演すれば相乗効果も狙えるだろう)
さて、読者の皆様……
きっと皆様も同じことを考えてるんじゃないのだろうか?
このデュランダル……見通しが甘すぎるっ!!
無能ではないのだろうが、ラクスの本質を完全に見誤っている。
カガリが『ラクスとプラントとの戦争を天秤にかけない女』なら、ラクスは『世界平和とカガリを並べるのなら、
はっきり言えば、ラクスにとり世界は『カガリとイチャイチャするのに平和である方が良い』だけであり、世界自体には何の興味もない。
原作劇場版のオルフェ・ラム・タオの言葉を借りるならば、ラクスは『自分とカガリに影響が出ないところで馬鹿が何人殺しあおうが知ったこっちゃない』のだ。
より良い人類の未来? ラクスは『カガリと過ごす未来』以外に興味などない。
この女の愛の重さは、真面目に地球に匹敵するんじゃないだろうか? 某テラニーさんと声似てるし。
そして、ミーア・キャンベルの”可能性”もまた見誤っていた。
きっと芸能に疎そうなデュランダルは、『ラクス・クラインのプラント不在を埋める”
だが、まず『
”ラクスの身代わり”ではなく、『ミーア・キャンベルのファン』が一定数以上いることを把握しているのだろうか?
ミーアは原作のような『偽のラクスを演じる操り人形』どころか、デュランダルの手駒になる可能性すらほとんどない。
当然だ。
デュランダルはすっかり失念しているようだが……ミーアのバックは
そもそもプロデュースしたのは誰だったか?
ミーアのアイドルデビューはプラントではなくオーブであり、オーブ(あるいは地球)のミーアファンは、『ミーアは現在、プラントで活動中』という認識だ。
ラクスでオーブが動く可能性は及んでも、ミーアもそうなる可能性に及ばないあたり、致命的な『逆鱗タッチ、虎の尾スタンプ』をしなければ良いが……
付け加えるなら、”ファントムペイン”も軽く見過ぎている。
結局、このギルバート・デュランダルという男は、『政治家ではない』のかもしれない。
それが明らかになるのは、色々と”破綻”が始まってからだろうが……
デュランダル氏、こう色々見誤ってる(挨拶
彼は芸能のスペシャリストって訳でもないですし、原作からしてプラントの娯楽ってこう希薄ですから仕方ない部分もあるんですが……
ただ、ラクスにしてもミーアにしても見誤ってる、あるいは『見るべき視点がずれてる』感じが凄くするんですよね~。
例えば、原作でも「ラクスのカリスマ性」という物に着目して利用しようとしましたが、「歌その物の政治的効果を軽視してた」というか……
カリスマティックな何かを政治的に利用するってのは本来、『諸刃の剣』になるリスクもまた大きいんですよ。
具体例は出しませんが、『トップの死去などを含めたカリスマ性の崩壊が組織瓦解の原因』になる事って、小はワンマン経営の会社とか芸能事務所から大は国家まで歴史上、色々実例があるんですよ。日本の戦国時代とかそんなんばっかだしw
そして、その”破綻の兆し”ってのはえてして順調な時には見えにくいものですしね~。
さて、次回からはいよいよ”親善音楽イベント”本番です。
どんな曲が飛び出すやら。
次回もどうかよろしくお願いします。
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