SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について   作:種再燃祭

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舞台はプラント・アプリリウス市、演目は”喜劇”……かな?





第11話 肉声と脳量子波混じりの会談劇 【挿絵入り】

 

 

 

 さて、プラント本土……アプリリウス市にある最高評議会庁舎、その貴賓室においてプラント暫定最高評議長アイリーン・カナーバと、プラント全権委任大使カガリ・ユラ・アスハの会談はあっさりと成った。

 

 まあ、プラントに巣食う一部の「命は投げ捨てる物」的な連中が『オーブの表のNo2がプラントを来訪する』という意味も深く考えないまま”特殊な歓迎”をしようとしたが、結果から言えば「企てた者や実行犯に限らず関わった者すべてがこの世に最初から居ないのでそんな計画はなかった」事にされたようだ。

 万が一にもカガリに掠り傷一つでも負わそうものなら、トゥルブレンツ付のスローネ×3がここぞとばかりに盛大に暴れまわるだろうし、そもそも母艦の”トレミー”とて書類上は非武装の民間輸送船ということになっているが、『増設ブースターユニット』名目で、前作に出てきた”GN-T()N()アームズ”を、エクシアもデュナメスも改修作業中なので丁度良いとばかりに取り付けてあるのだ。

 発想が実に頭ソレスタルビーイング、あるいは某師弟的というか……ひどい非武装詐欺もあったものである。

 しかも、船長(民間船扱いなので)は……

 

【挿絵表示】

↑ この人、ソレスタルビーイングの誇る実戦部隊、ガンダム・マイスター率いる百戦錬磨の引率者(しきかん)のリーサ・クジョウ女史だ。

 いや、めっちゃ美人なのに何で結婚できないんだろう、この人……やっぱり男運の無さ、あるいは酒癖と酒量だろうか?

 特に深い意味はないが、旧姓マリュー・ラミアスと戸籍上の数字ではヒリング・ケアと大体同年代、ちなみにこの二人の旦那(キラとニコル)は10歳くらい年下だ。いやホント深い意味はナイヨ?

 おまけに只今ソレスタルビーイングの本部で絶賛研修中の”フェルト・グレイス・レゾナンス”を除けば、原作と違い損耗が無いのでラッセ・アイオン、クリスティナ・シエラ、リヒテンダール・ツエーリとブリッジクルー勢揃いだ。

 

 とりあえず「なんちゃって(書類上は)非武装船」の重装トレミーとチーム・トリニティが本気で暴れれば、最低でもアプリリウス市全体が守備隊ごと壊滅しただろうから、それを考えればこの程度の粛清は安すぎる犠牲だろう。

 

 

 

 さて、カガリとカナーバが相対したとき……

 

「初めましてだな。アイリーン・カナーバ最高評議長。議長就任の祝いが遅れてすまなかった」

 

 聞きようによっては皮肉になる肉声と同時に、

 

”ヲイヲイ。ご同輩(イノベイド)かよ……”

 

 何やらとても馴染みのある気配を嗅ぎ取り、既に手慣れた様子でカガリが極限まで指向性を絞った脳量子波で語り掛ければ、

 

 

【挿絵表示】

「お忙しい中、わざわざプラントに呼びつけるような真似をして申し訳ありませんでした。アスハ全権特使」

 

”うふふ。お会いできて光栄ですわ♪ ()()()()・カガリ

 

 『シスター・カガリ』というのはイノベイドの中に広がってるカガリの俗称(?)で、人の身、しかもナチュラルであるのになんの気まぐれか頭目のリボンズ・アルマークが幼少から教育した秘蔵っ子(いもうと)という意味であるらしい。

 そしてどうやらカガリはカナーバがイノベイドだとは知らされてなかったらしい。

 ”Need To Know”?

 いや、もしかしたらそんな格好いい理由ではなく、リボンズの事だから「サプライズにした方が面白そうだから」とかかもしれない。

 それをやりかねないのがリボンズ・アルマークという男だ。

 

「今回だけでなく継続して”オーブに受け入れ不可のコーディネーター”をプラントで受け入れるということでよろしいか?」

 

「ええ。その対価として”ボアズ”有償譲渡にあわせて併設されている大規模太陽光発電・近赤外線レーザー送電設備をお譲りいただきたいと」

 

”その件は了承した。根回しは終わっている。原則、互いの事務次官協議で詳細を摺り合わせれば終わる”

 

”了解しましたわ”

 

「その案件は前向きに検討させていただきましょう。包括的なオーブとプラントの関係改善の一環として」

 

「痛み入りますわ」

 

 

【挿絵表示】

「しかしながら、”ユニウス条約”で承認されたこととはいえ、カーペンタリア湾への基地の再建が、新たな懸念にならなければよろしいのですが。ただでさえマスドライバーを有する台湾島は、戦後もザフトの勢力下におかれたままだというのに」

 

 資料片手にカガリがそう釘をさす『ふりをする』。

 一応書いておけば、この世界線における”ユニウス条約”においては、カーペンタリア湾とジブラルタル基地の再建のみならず、終戦までザフトの占領下にあったしていたマスドライバーを含む台湾島の保持が認められていた。

 建前的には、原作と異なりカーペンタリア基地はオーブと大西洋連邦のツープラトン攻撃で物理的な意味で消滅し、ジブラルタル基地はザフト・アフリカ軍団と共に壊滅、戦後に即時使用可能なプラントの地上施設は台湾島しかなかった(実はラガシュ基地という極秘裏に建造された海底基地があるのだが、その存在は厳重に秘匿されていた)という理由だが……

 

「オーブ国内世論でも、『プラントがユーラシア連邦や東アジア共和国の甘言に乗って、オーブ本土を南北から挟撃できる位置に陣取ろうとしている』という懸念があるくらいなのですからな」

 

「それは邪推という物ですわよ。実際、台湾島のマスドライバーがあればこそ、オーブ地上施設に居る我が国の捕虜をはじめ、プラントへの”移民希望のコーディネーター”の搬送が円滑化出来ているという現実があります」

 

”カガリ()()、たかだか二つの基地に配備できる程度の戦力で、オーブ本土軍相手にどうしろと? 返り討ちに合うオチしか見えませんけど”

 

 と脳量子波苦言を申し立てるカナーバに、

 

”『オペレーション・スピットブレイク』、パトリック・ザラのやらかしは未だにオーブ国民にとり恨み骨髄なのさ”

 

 この世界線ではオペレーション・スピットブレイクは、パトリック・ザラの意向でオーブへの強襲作戦へと変更されている。

 損害と言えないような軽微な損害でオーブは防衛に成功したが、もしその時に民間人に甚大な被害が出ていたら、”ジェネシス”は壊されるのではなく筒先の方向が強制変更され、今頃プラントは歴史用語に変わっていただろう。

 ちなみにカーペンタリア基地が衛星軌道爆撃で消滅したのは、それなりに「オーブの自制心に溢れた報復」の結果だ。

 

「関係改善、その先にある準国家への再承認と国交の正常化は、オーブとしても政治、特に安全保障の観点から望むところではあるが、国民感情というのもまた無視すべきでは無いだろ? 実際、今回の国内コーディネーター難民の受け入れ表明で、大分軟化しているとはいえ、まだまだ強い懸念を持つ者は多いさ」

 

”まあ、今後の見返り次第だろうな”

 

「その懸念はごもっともですが……」

 

”とりあえず、手土産に新技術『試作粒子線(デュートリオン)送受電システム』を用意させていただきましたわ。袖の下としては中々のものだと自負しております”

 

”ああ、あの核動力のモビルスーツ搭載禁止を補うってふれこみの、デュートリオンビーム使う奴か。確か、送電可能距離は極端に短いが、時間あたりに送電量はデカいって奴だったか?”

 

”ええ”

 

(キラ)が喜びそうな土産だな”

 

”ところでラクスお嬢様はお元気で?”

 

”元気過ぎて周りを振り回しているぞ? 最近は、ミーアのプロデュースに熱を入れてるな”

 

”それはなにより”

 

「言うまでもないことではあると思うが、一度拗れた二国間関係の修復というのは難しい。少なくとも一朝一夕に行くものでは無い」

 

「プラントは外交音痴と言われがちですが、その辺りは心得ておりますわよ?」

 

「ならば継続的な交渉も必要だということは理解していると判断しても?」

 

「そのためにオーブはボアズに連絡事務所を残すのでしょう?」

 

 建前を肉声に本音を脳量子波に乗せ、全権大使と暫定評議長の立ち位置と、並列思考ができる情報型のナノマシナリー・チルドレンとイノベイドという存在を巧みにスイッチしつつ、少なくとも見た目は真剣な様子で二人の会談は進んでゆく。

 

 後にこの会談の模様はある程度両国で公開され、オーブでは『獅子の女王と互角にやり合う女狐』と更に変にカナーバ人気が高まる結果へと繋がるが……

 

 だが、プラントでは『オーブに迎合する評議長』という反感が、”ユニウス条約”に不満を持つ層、特にザラ派シンパを中心に広がってゆくことになる。

 そう、カナーバの望み通りに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて後日……

 

 

 

「カガリ、ありがとう! これで”新型複合動力炉”の開発が捗るよ♪」

 

 なにやら大喜びする弟の姿があったとかなかったとか。

 まあ、これが後にどういう結果を呼び込むかは、神のみぞ知るという事だろう。

 

 ただし何故か、「悪魔合体」とか「魔改造」という単語が妙にちらつく気がするが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、口から出る声と心の声(笑)の落差が激しい会談でした。

しかし、少なくとも「プラントの存続を必要性を示すことによって、オーブにも担保させる」という表向きは極めて重要な会談だったりしますw

要するにオーブ国民に「プラントってやっぱりあった方がよくね?」と積極的に思わせるプロパガンダってことですし。
まあ、カナーバには他にも色々思惑がありそうですが。


そしてある意味、更に不穏なのがキラだったりw
お土産チョイス的な意味でカナーバの勝利か?w

さて、次回は……ちょっと未定です。

どうか応援よろしくお願いいたします。


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