SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について 作:種再燃祭
さて、日本では2月に入るとバレンタインデー商戦が激化……ではなく、来年度に向けた準備が佳境に入る。
それはオーブでも同じことになるらしい。
そう、C.E.73年4月1日付でオーブに残る最後の”プラント出身の戦中特別籍滞在者”であるアスラン・ザラとミーア・キャンベルのプラントへの送還が正式に決まったのだ。
まあ、アスランは彼をモデルにしたプロパガンダ映画や番組が作成され、一時期は一躍”時の人”ともなったが、最近はめっきり落ち着きを見せていた。
問題なのはミーアの方で、自分のチャンネルこそ無かったがラクス持ちチャンネル”らくらく☆ちゃんねる”のゲストではなくレギュラーメンバーとしてネットアイドルとしてオーブでも高い人気を誇っていて、『ラクスとは別のファン層』まで確立するに至っていた。
おかげでリスナーは大騒ぎ。
中には、『オーブ政府は横暴だ!』とか『プラントの横暴!』など言いだす者が出てきたが、
『えっと、これは最初から決まっていたことなんです……』
流石に”ザフトの捕虜を暴走させないための抑制装置”という裏事情がネットアイドルをやるきっかけになったというのは暴露しなかったが、
『実はミーア、投降した元ザフトのテストパイロットで……』
そう、彼女の身の上は書類上はアスランと同じく”抑留”であり、普通の意味でのザフトの捕虜はオーブへの移民希望でそれが受理された者以外はC.E.72年年中に全員が帰国しているので、ミーアの本来の役割は終わっていたのだ。
『それに両親とは連絡は取れているんですけど、オーブに移り住むにしてもちゃんと話し合わないとなって』
こういう情、特に肉親の情とか故郷への情に訴えかけてくる言葉に、オーブ国民はどちらかと言えば弱い。
故に納得するしかないのだ。
そして、ミーアから出国前に最後のソロライブをやることが伝えられた。
☆☆☆
しかし、世界を震撼させたニュースはそれではない……
「私を含めたプラント暫定最高評議会は、その与えられた役割、戦後処理を完遂したと判断しC.E.73年3月31日をもって総辞職いたします」
そう、アイリーン・カナーバ暫定評議長を含むプラント最高評議会全員が辞職するというのだ。
「そもそも我々はパトリック・ザラの軍事独裁に反旗を翻すべく立ち上がったとはいえ、政権奪取の方法は正規の手段とは程遠いものだったのです……」
噓ではない。
実際、カナーバはプラント国内市民クーデターの結果、C.E.71年10月20日の”アプリリウス解放宣言”で政権を樹立しているのだ。
むしろ、戦後処理があったとはいえクーデター暫定政権を1年半近く維持していた事が異常事態と言えた。
そして、次の最高評議長は後に選出される評議員の中から改めて選ばれるとのことだ。
しかし、カナーバがその判断に至った経緯については多くの憶測や推測が、特に地球で流れた。
中でも信憑性が高いとされたのは、旧ザラ派残党やそのシンパを中心とする「反カナーバ派の暗躍」だ。
地球圏では「カナーバの政治的完全勝利」と認識されている”ユニウス条約”だが、プラントでは「不平等条約だ! これでは独立国として承認されても戦前と何も変わらない!!」と騒ぎ立てる勢力が日に日に力を増しているというのだ。
また、カナーバの断行したザラ派の公職追放や身柄拘束、逮捕、投獄などを「ナチュラルへ媚びを売る行為」と叫ぶ輩も少なくない。
その裏で扇動しているのが反カナーバ派という訳だ。
やっぱりプラントはプラントと言うべきなのだろう。
とはいえ、少々不自然な部分がある。
ザラ派残党やそのシンパの暗躍その物が……ではない。
だが、カナーバが批判されるの覚悟で厳格に処罰していたのに、彼らにそこまで結束し団結し組織だって動くことはできるだろうか?
何者かが裏で糸を引いているのは間違いないだろうが……真っ先に考えつくのは、”一族”だろうか?
現に彼女らは、ヤキン・ドゥーエ陥落後にザラ派の敗残兵や脱走兵を確保している。
無論、「戦乱を望むとき、都合の良い鉄砲玉」として使うためだ。
”一族”は「人類の繁栄のため」と称して『自分達の望む時に対立と闘争を開始させる』ことを西暦時代、いや有史以来やってきたのだ。
だが、それもちょっと考えにくい。
というのも、現状で『プラント国内で不和を引き起こす理由が無い』のだ。
確かにカナーバはザラ派に対して強硬に出ているが、それが生み出すのは『プラント内での対立』であり、”一族”が望むとすればあくまで『プラントと地球の対立構造』であり、プラントの内乱ではない。
実際、彼らが『凝り固まったザラ派』を確保しているのは、適度な時期に『開戦のきっかけ』を作る為だ。
カナーバは逆に対地球、あるいは対ナチュラルに関しては評判通り穏健派だが、ユーラシア連邦と東アジア共和国がいずれ再選を望んでいる以上、この時期にあえて積極的に動いてカナーバを引きずり降ろす積極的理由が無いのだ、
とすれば……この動き、『カナーバが意図的に作っている』可能性がある。
何故、あえて自分を追い込むような真似をするのか?
答えは意外とシンプルなのかもしれない。
例えば、『自分を含めたプラント現政権(暫定政権)が退陣しやすい状況を作る』ことその物が目的としたらどうだろう?
これはあくまで仮定ではあるが……カナーバの”イノベイドとしての力とコネ”を駆使して「”ユニウス条約”の彼女の成果をプラント市民が正しく評価する状況」を作ったとしたらどうだろうか?
”絶対的な指導者”を手に入れたプラント市民は、カナーバに依存しないだろうか?
それはカナーバとしては決して望む状況ではない。
即ち、カナーバの”胴元”であるイノベイドが『プラントの実質的な統治権の獲得=プラントの間接支配』になってしまうからだ。
少なくとも、リボンズは『現状のプラント』に対して統治や支配をする気は毛頭ない。
詳しくは今は書けないが……
『人類の種としての進化と革新』を望み、そのための”先導者”としてイノベイドや”ヴェーダ”を生み出したイオリア・シュヘンベルグ一派と、『地球圏というゆりかごで適切な数の人口調整を行い、その為には戦争すら誘発する』”一族”とは、根本的に相容れない。
故に”一族”と宿命的な対立構造にあるイノベイドは、「”一族”の手が入り過ぎているプラント」を現状で手に入れるメリットが少なすぎるのだ。
であるならば、カナーバはその一派ごと『適度な時期』に政権担当や国家運営から外れ、フリーハンドな状態でいた方が何かと都合が良い。
そんな中でプラント国内で『多数派では無くとも声高に騒ぐ反カナーバ派』を使い、『カナーバ辞任やむなしの空気をある程度作ってからの自発的総辞職』は悪辣ではあるが合理的、かつ穏健な方法だろう。
しかも更に政治的汚さを感じさせるのは……
・後任の議員達の選出と内定は既に終えている。
・アスランやミーアなど『政治的価値のある人員』の受け入れに対する根回しは、既に終えている。
これらは一例に過ぎないが、「辞任に向けた準備」をできる限り整えた上での総辞職発言だということだ。
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そして、カナーバの総辞職発言を受けて喜んだのは、ユーラシア連邦と東アジア共和国だ。
特に大西洋連邦重工業連盟の加盟企業がごっそり抜けた現ロゴス当主にしてブルーコスモス強硬派首魁のロード・ジブリール。
彼らにとってカナーバはとにかくやりにくい相手だった。
”ユニウス条約”が良い例だが、こちらの政治的ウィークポイントを的確に突いてくるし、そして適度に妥協してくるから力押しもやりにくい。
そして外交では付け入る隙も見せない、難癖付けようとして事前に潰されたのは一度や二度ではないのだ。
実はこの二国、カナーバを失脚させようとプラントの反カナーバ派に接触しようとしたが、それもプラント側のポイントマンが直前になって逮捕されるなど上手くいかなかったのだ。
むしろ自分達を利用して反カナーバ派を炙り出した疑いすら有った。
まあ実際は、『反カナーバ派が両国とつるむことで制御不能となり、変なテロでもされたら面倒極まりない』と止む無く手を打った可能性が高いのではあるが……
なので今回の辞任劇は少なからず僥倖だったのだ。
誰が次の評議長になろうと、『カナーバよりは与しやすい』と。
頭を抱えたのは、大西洋連邦とオーブだ。
『話が通じる』カナーバの退陣は、明らかな外交的痛手だからだ。
大西洋連邦大統領コープランドは、
「後任の最高評議長は、是非とも慎重に選んでいただきたい。この平穏な日々を一日でも長く続けるために」
要約すれば『バカを選べばまた戦争になるぞ』と政治家としては率直すぎるコメントを出していた。
そしてオーブ代表首長ウナト・エマ・セイランはと言えば……
「後任に誰がなるにせよ、普通に話ができる御仁ならば文句は言わんよ」
と渋い顔でプラントの外交能力の低さに不安を隠さないコメントしたという。
してやられたとはいえ、カナーバを好敵手だと認めていたらしい発言だった。
とまあ悲喜こもごも様子だが、これもまた政治という物であろう。
世の中というのは常にままならず、故に世知辛いという言葉が生まれたのだから。
こうして世界は再び、一つのターニングポイントを迎えようとしていた……
⌚⌚⌚
とまあシリアスなまま綺麗に終わるのも良いのだが、それは何ともオーブらしくは無い。
というかまだ軍靴の足音が聞こえてこない状況で、国民に次なる戦争を準備せよというのも無理な話だ。
政治家と軍人は、常に敵国が居る状況なので常在戦場の心構えはあるが、それを民間人にまで要求するのは流石に違う。
という訳で、オーブ国内では少しずつ下火になっていたカナーバ人気が再燃。
”カナーバさんが退任したら、是非ともオーブへの親善大使に!”などという意味不明のネット署名まで始まる始末だ。
流石のウナトもこれには苦笑したらしい。
そして始まる新作ファンアートの嵐!
ネタに飢えた絵師たちに格好の燃料投下と相成った。
まあ、これまでのカナーバイラストの基本路線と言えば、
↑神秘のお稲荷様路線とか……
↑平和なお狐様路線が主流で、いずれにせよ”女狐カナーバ”をどちらかと言えば好意的に解釈した物が多かった。
しかし、ここでオーブの悪癖が炸裂した!
そう肖像権を侵害しなければ問題ないとばかりにロリ化(※想像図)イメージイラストが現れ始めたのだ。
ロリ化カナーバ派は、ほどなく一つのネット勢力を成し、やがておキツネ派勢力の分流が合流した事により、”悪魔合体”を果たすことになる。
その結果生まれたのが……
そう、”ロリ狐カナーバ”の爆誕である!
いや、もう「世界観見失ってね?」とか、「混ぜればいいってもんじゃない」とか「コンセプトが迷走してる」言いたいことは色々あると思うが、少なくともオーブ絵師が怖いもの知らずなのは確かだろう。
溢れ出す熱いパトスとリビドーが押さえきれなくなったのだろうか?
しかし、末恐ろしいのは……
オーブは公式には戦争状態に無かったとはいえ、実質的にはプラント・ザフトとは戦争状態にあったのだ。
オーブは署名や締結していないが、”ユニウス条約”締結からはまだ1年だ。
いかに「独裁者パトリック・ザラと敵対して戦争を終わらせた側」とはいえ、ちょっとカナーバ人気が加熱し過ぎではある。
しかもオーブ政府やイノベイドが暗躍や情報操作を行っている訳でもなく、オーブ国内の親プラント勢力が動いてる訳でもなく、自然発生的なムーブメントになってるのだから尚更タチが悪い。
それがこの先の時代に対する不安の裏返し、「カナーバの時代は平和で良かった」という気持ちの発露だとしたら少し危なっかしい。
絵師だけでなくそれを受け入れてるオーブ一般大衆が次のプラント最高評議長に望むのは、
”平和を齎せたアイリーン・カナーバという傑出した政治家を
になるのだから。
そのような人材がプラントに居るのか? それをプラントに望んでいいのか?
そして、「そうでない」と分かった時、オーブ国民のプラントに対する失望の行き先は果たして……
プラントも大変だけど、オーブは別の意味で大変、あと変態(絵師)大量発生w
「外交問題? 知らんな」ってノリでここではお見せできないような閲覧年齢制限入っちゃう絵も普通にアップされとりますw
そして、ロリ狐カナーバ派はやがて勢力を拡大してゆき……なんてことになったりして。
正月特番に出てきた某配信絵師もアップを始めたようですよ?
とはいえ、オーブのカナーバ人気は過熱気味。
政府が裏で糸を引いてない分、ウナトさんは頭が痛い模様。
「自然発生的ってのは、どうにも手が打ちにくいな。変に規制入れたらどう暴走するかもわからんし」
そして、プラントでは反カナーバ派が意気軒高な模様。
まあ、こっちはカナーバさん自身が糸を引いてるような気がしないでも……?
いずれにせよ、3月いっぱいでの総辞職は確定です。
4月から新体制のプラントや如何に……
そして、ミーアとアスランもついに帰国。
アスランは目立ちたくないでしょうが、ミーアは派手に「さよならネットソロライブ」を
配信予定。
この1年で、ミーアのライバー人気もすっかり定着しましたしね~。
さて、次回は……ちょっとピーリスさんの話題でもやろうかなと。
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