SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について 作:種再燃祭
何というか……お久しぶりの皆さんのお久しぶりな話題かも?
とりあえず、大西洋連邦は元気みたいですよ?
5月に入っても、『デュランダル新プラント評議長の親ザラ派的な発言や政策』は物議をかもし……どころか、より一層、地球の反プラント感情を刺激し続けていた。
実際、『無抵抗な市民や降伏した自国の兵を問答無用に(あるいは遊び半分に)虐殺した戦争犯罪者が、自国へ戻れば無罪放免』などやられた方としては看過できるはずもない。
特に先の大戦で被害が大きかったユーラシア連邦や東アジア共和国の国民感情は沸騰し、プラントに対する敵愾心は日に日に増す一方だった。
戦争というのはいきなり始まるように見える事も多いが、実際にはそうではない。
それに至る理由や前兆というのは必ず存在し、いきなり始まるように見えるのはそのようなサインを見落としているからだ。
そして、大西洋連邦やオーブも上記二国に比べれば落ち着いているが、決して無関係でいられる訳ではない。
ただ、幸いなことに彼ら・彼女らは『プラントより優先すべき自国の話題』に事欠かなかっただけだ。
例えばC.E.73年4月某日、大西洋連邦首都の一角では……
「いやぁ、今日は実に目出度いですねえ」
珍しく執務室という場で喜びの表情を隠さない”大西洋連邦復興長官”の地位にいるムルタ・アズラエル。
それも無理もない。
『大西洋連邦の戦後復興のシンボル』と位置付けられ、盛大な落成式まで行った複合目的大規模静止軌道ステーション”オービットベース”が本日ついに稼働を迎えたのだ。
原作に登場するオーブの軌道ステーション”アメノミハシラ”に準拠する規模の静止衛星軌道ステーションは、宇宙軍港、民間の宇宙港、無重力を活かした各種工業ブロック、更には24時間体制で発電できる大規模発電用太陽光パネル群に地上への指向性マイクロウェーブ照射送電、宇宙施設へのレーザー送電を、それも中継送電衛星を通して複数同時箇所に可能とする高出力送電システムなどがある。
特に重要なのは発電/送電システムで、この”オービットベース”の送電だけで大西洋連邦の電力全てを賄えるのだ。ニュートロンジャマーの影響がいまだに残り、製造数がどうしても限られるニュートロンジャマー・キャンセラーがなければ核分裂が起こせない地球ではこれは非常に意味が大きい。
前提として、まずこの世界線でも原作同様に”レーザー核融合炉”の技術自体はあり、実際に宇宙艦などを中心にある程度は”
しかし、商用発電装置としての稼働数は極めて少ない。
コストが高く採算性が悪いからだ。
というのもこの世界で核融合炉として技術的に成功したのは、『ヘリウム3を用いた核融合炉』のみだからだ。
なぜヘリウム3だけ成功したのかと言うと、例えば現実世界で実験されている「重水素-トリチウム」などは、核融合反応する際に強力な”中性子線”が発生せsるからだ。この貫通性の高い粒子線の処理が実は非常に厄介なのだ。
ところが、ヘリウム3を融合燃料に使う(ヘリウム3-重水素)と、ほぼ中性子線は発生せず、また放射性廃棄物の量も少ない。
しかし、問題なのは『ヘリウム3が地球上では極めて希少』であることだ。
地球上全てのヘリウムの中で、ヘリウム3は一般的なヘリウムであるヘリウム4の100万分の1程度(0.000137%)しか存在しない。
ただし、その分布は偏在していて太陽系全体を見ると、太陽系に存在する全てのヘリウムの中で、0.0142%はヘリウム3だとされている。
特に月の土壌には、地球より遥かに多くのヘリウム3が含有されているが……
だが、それも今となっては「健全な採掘」は難しい。
何のことはない。地球に比べれば大量のヘリウム3が埋蔵されている月自体が戦場になったからだ。
サイクロプスの暴走まで兵器として使われた”グリマルディ戦線”における月各所での戦闘に、巨大ガンマ線レーザー”ジェネシス”でのプトレマイオス基地への砲撃……先の大戦終結時、月のヘリウム3採掘事業は、事実上操業停止に追い込まれていた。
戦後、ヘリウム3採掘は細々と再開されるも、戦争の傷跡は未だに深く、事業の完全復活にC.E.73年5月時点でも至っていない。
これが元々希少だったヘリウム3を、更に高騰させた理由だ。
ある程度、採算度外視ができる軍用ならともかく、採算性が肝の民間分野ではとてもコスト的に使えた物じゃないのだ。
かと言って木星は、あらゆる意味で『遠すぎる』。現状の地球の宇宙航行技術では距離の暴虐が壁になっていた。
核融合も採算性が悪い(もっと言えばヘリウム3の入手困難さ)。ニュートロンジャマーのせいで核分裂は使えない。
なら火力発電は?
残念だが、”第三次世界大戦(再構築戦争)”時代に石油資源はほぼ枯渇したとされており、そもそもC.E.年間が始まった時代には『廃れた技術・非継承技術』となっていた。
また地球上の太陽光、水力、風力、潮汐、地熱などのナチュラルリソース発電は、天候や気象条件などに左右され不安定か、あるいは安定してても総発電量が少ないなどの問題があった。
そこで一気に飛躍したのが、軌道エレベーターをはるか前に設立し、「自然条件に左右されにくい宇宙空間で24時間太陽光発電を行う」オーブだった。 当時の太陽光発電公社”ソレスタルビーイング”の活躍により、膨大な発電量を友好国などに緊急送電を開始。
原作では”エイプリルフール・クライシス”で結果として10億が死んだとされるが、この世界線で半分程度の犠牲で収まったのは、偏にオーブからの配電が成功したからだ。
大西洋連邦は、三大国家(旧プラント理事国)の中で唯一のオーブの友好国で、同時に安保締結国だった。
なので最優先で給電を受けられたが、いつまでもオーブに電気を頼り切りというのも、大国として実に座りが悪い。
そこで大部分へは静止衛星軌道建造物のパイオニアたるオーブへの発注になってしまったが、こうして自前で太陽光発電のみで大西洋連邦全域を賄える宇宙発電設備を手に入れられたのだ。
無論、”オービットベース”に軌道エレベーターは付属していないが、同じく戦後復興事業の一環でパナマのマスドライバーが再建され、低コストで地上と軌道ステーションを往復できる有人無人を問わない
電力面で不安が無くなったことで、三大国家の中で大西洋連邦がユーラシア連邦や東アジア共和国より頭一つ抜き出た事は事実であり、これは三大国家の中で最も人口が少ない大西洋連邦にとりこの上ない福音であった。
☆☆☆
無論、ユーラシア連邦や東アジア共和国とて商用電力に無関心だったわけでは無い。
だが、西暦より続く因縁、「オーブの歴史的敵国」である両国は、オーブからの受電を受けることは無かった。
だが、大戦末期に世界各国にニュートロンジャマー・キャンセラーがばら撒かれた時、流石にいくつかの核分裂原子炉に装着し動かしたのだが……
前提として、ニュートロンジャマー・キャンセラーは稀少物質を用いる上に生成に宇宙空間、無重力・真空状態が必要なため製造数は限られている。
そして、二国に限った話では無いが、まずは恫喝にも抑止力にも使える核兵器に使いたがった。
実は核融合反応弾にも起爆やら何やらで核分裂は必要であり、核分裂を使わなくて済む「純粋水爆」などは技術的に難しく、例えば核分裂と融合を連鎖させる多重複合爆発の「3F爆弾」に比べて同じ重量なら純粋水爆は随分と威力が落ちる。(純粋水爆→装置重量約3トンでTNT換算約3トンの威力。3F弾→弾頭重量350kgでTNT換算475,000t)
これではニュートロンジャマーを核兵器に使いたくなるのもわかるだろう。
そして発電用に回したニュートロンジャマー・キャンセラーもユーラシア連邦や東アジア共和国のいつもの悪癖、「電気を軍需産業へ最優先に供給」したことで、一層民間には
当時は戦時下ということもあるのだが……
確定とは言えないし未確認な部分もあるが、エイプリルフール・クライシスで世界中で累計5億人の死者が発生したとされるが、戦中から現在に至るまでユーラシア連邦や東アジア共和国だけで、エイプリルフール・クライシス以外の理由での戦死も含めた『戦争関連死者数』は戦争関連死の定義にもよるが、最低でも(上記の5億人以外に)1億人を上回るらしい。
その中で、電力不足が理由で死んだ(餓死、凍死、医薬品不足の病死も含めると)民間人がどれくらいいるのかは正確な数字は出ていない。
まあ、そんな両国はようやく幾ばくかのニュートロンジャマー・キャンセラーを民生電力供給用の商用原子炉を動かし始めたが、それを尻目に大西洋連邦は自前で自国電力全てを補える強力な太陽光発電/送電ステーションを手に入れたのだ。
この意義は極めて大きい。
しかもである。
この軌道ステーション”オービットベース”は、オーブの誇る軌道エレベーター”アメノミハシラ”の、静止衛星軌道ステーション部分と『ハーフオービタルリング』、つまりほぼ赤道にあるパナマ上空とオーブのクニノミハシラ島上空を結ぶ、高度約36,000㎞に掲げられた長大な半環である。
このハーフオービタルリング、何気に多機能であり、まず”オービットベース”と”アメノミハシラ”が、高効率の超伝導素材ケーブルの有線接続で相互電力融通ができる。
加えて、電気だけでなくこのオービタルリングを貨客双方のリニアトレインが往復する事になるのだ。
つまり、大気圏内を船や航空機で進むより、あるいは大気圏外を弾道飛行で宇宙輸送するより圧倒的に高効率な物流が可能となるのだ。
もうこれは疑いようもなく大西洋連邦とオーブの関係強化に繋がるものであり、大西洋連邦の本音としては……
「もうちょっとオーブも(秩序側としての)大国思想や大国意識を持ってくれませんかねぇ……そうすれば、
と思わずぼやいてしまうアズラエル。
そう。オーブは旧宗旨国(と言っていいのだろうか?)から受け継ぐ伝統的価値観で、どうにも「こじんまりした小国意識」が強い。いや、むしろそれを堅持していた。
なぜなら……
『大国なんて七面倒臭いだけだぞ? 世界の警官だの、地雷原みてぇな
とまあ↑のウナトの発言が、オーブ国民の本音では無いだろうか?
実際、自国の安全が最優先なのはもちろんとしても、自国の繫栄と発展以外にはあまり興味を持たない、ぶっちゃけ「自国が安定していれば、世界などなんとなくでもマシになってるなら重畳だと思うくらい」なのが先祖より引き継ぐオーブ人気質だ。
ここ最近の軍備力増強も、「世界がキナ臭くなってきたから、とりあえず身を守れるようにしとこう」という程度の国民意識だ。
だからこそ、「熱病みたいな一時的覇権主義が過ぎれば、途端に”内向き”になる」という資質の大西洋連邦と相性が良いのだろう。
それに現状でもソロモン諸島、ビスマルク諸島、ニューギニア島東部という領土を持ちながらも、コーディネイターやハーフコーディネイターの移民と『戦後にお決まりの人口ボーナス期』のおかげで人口は戦前から1割強増えて3300万人は超えたが、まだ3500万人には届いていない。
それに将来的にも、半世紀程度で総人口5000万人程度まで増え、そこで落ち着くと試算されていた。
この計算がどこまでアテにできるかわからないが、少なくとも現状のオーブは人口的に大国の仲間入りするのは難しいだろう。
(ユーラシア連邦や東アジア共和国へのあからさまな牽制で友好国にモビルスーツをばら撒いておいて、今更小国も何もあったもんじゃないと思うんですけどね)
ま、まあ、確かにそのやり口はちょっと小国的ではないかもしれない。
更には安保締結国である大西洋連邦には”イナクト”、それも現行最新型にして最後期型の”イナクト・カスタムⅡ”や、頑強さと汎用性・拡張性の高さから未だにオーブ現行機の”ストライク・ティエレン・タオツー(略称:ストライク・タオツー)”のライセンス生産権有償譲渡(同盟国価格)まで行なわれていた。
これは”オービットベース”からの「大西洋連邦領域内なら直接ないし送電中継器を通しての供給量上限なしのマルチポスト送電」が行える、つまり上記2機種はオーブ同様に「受電可能範囲内ならバッテリー切れを理論上起こさない」事になる。
この戦術的意味はあまりにも大きい。
「”むったん”難しい顔してるねぇ~」
と声をかけてきたのは、相変わらずミニスカートがよくお似合いで太ももが眩しい愛妻の”シャル・アズラエル(旧姓:シャル・アクスティカ)”。
かつてはオーブの(表向きは)太陽光発電公社”ソレスタルビーイング”の先代ガンダムマイスターであり、ちょっとした事故(?)の後遺症で”永遠の16歳”キャラという某おねーちゃん声優のような存在になってしまった。
ソレスタルビーイング退役後、故郷に戻ってアズラエルのプロポーズを受けて奥さんとなり、現在は三十路で娘三人の子持ち。
なんか未だに女子校の制服みたいなのをビジネススーツ代わりに着用してるのは、「ビジネススーツが致命的に似合わない」かららしい(”第123話:あとがき”より)
「いえ、せてもうちょっとオーブには欲を出して欲しいなと思いまして」
「オーブは随分と欲深いと思うけどなぁ」
と愛妻はにっこり微笑み、
「はい、これ♪ さっき届いた奴だけど、”盗み見”されないように紙媒体に印刷して、データは消去しておいたよ」
「ふむ……シャルがそういう処理をするということは、それなりに機密性の高い代物って事ですか……」
この奥方、見た目は可愛らしいが中身は中々に強かだ。まあ、原作00の外伝を考えれば当然ともいえる。
そして今なお”ソレスタルビーイング”に太いパイプを持ち、影に日向にと旦那を手助けしている。
そもそもアズラエルがカガリと手を結べたのも、シャルがいたからこそだった。
「これは……対衝突天体迎撃用静止衛星軌道列車砲”
うん。オーブは数字的には小国デスヨ?(挨拶
という訳で、お久しぶりの盟主王ことアズラエルとその奥さんの”永遠の16歳w”が再登場です。
確かにオーブのやり口って小国のそれじゃあねーよなっとw
そして、大西洋連邦多目的軌道ステーションの名は、”オービットベース”……あれ? どこかで聞いた事あるような。主にアズにゃんの中の人的にw
そしてやっぱり出てきました、対衝突天体迎撃(という名目の)ハーフオービタルリング列車砲”メメントモリ”・
ただ、00原作と異なり、砲口は「地球へ」ではなく「地球の外に」向けられています。
まあ、勿論偏向はできるんでしょうけど(固定一方向にしか撃てないと価値激減w)
そりゃあオーブだってジェネシスなんての向けられたり、月でヤバい反射衛星砲モドキ作られてるんだから、対抗手段くらい考えますって事で。
いや、多分に某アルマーク氏の趣味とか浪漫とかが詰まってる気もしますがw
さて、次回はタリアを艦長に迎えたアークエンジェルの話題でもしようかと。
次回もどうかよろしくお願いします。
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