SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について   作:種再燃祭

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いわゆるなんてことはない日常パートです。多分。







第04話 クニノミハシラ島の少年少女 【挿絵入り】

 

 

 

 さて、島国オーブにおいて、道路で繋げられるような近い島でもない限り、島同士の連絡手段は船か飛行機がメインだ。

 という訳で家を出たシンは、オノゴロ島からクニノミハシラ島へ日に数度飛んでる軍の定期航空便(シャトル)に便乗して向かう。

 オーブ上空は本日も快晴なり。

 

 ソレスタルビーイング本部に付属するナノマシン施設に着いたシンは、準備されていた機材により早速、”パイロット・ナノインプラント”の処置を受ける。

 元々、生まれた時に医療用ナノインプラントで”下地”が出来ているせいと、「モビルスーツをフルコントロールでき潜在能力や想定外の能力まで引っぱり出せる」と噂されるクォンタム・フレーム系ではなく、とどのつまり「双方向操縦サポート・システム」の域を出ないQ-IFSに対応できる程度の追加ナノマシンならそこまでの量は必要ないため、処置は微調整含めて数時間くらいで済んだ。

 

「なんか、少し感覚が鋭くなった気がするな……こう、今まで見えなかった物が見えてくる感じみたいな?」

 

 そう独り言ちながら”アメノミハシラ”の基部にあるレストラン街で遅めの食事をとろうとしてると……

 

 

【挿絵表示】

「シン? こんなところで奇遇だね?」

 

「あれ? キラさん?」

 

 仲の良いお隣さんにしてパイロットとしても先輩、先の大戦で大暴れした”戦場の立役者”の一人であるキラ・ヤマトとエンカウントしてしまう。

 

「今日はこっちなんですか?」

 

 記憶では、キラは現在”アロウズ”主導の核動力新型機(後の”エクリプス”)の開発に携わっているため、勤務地はオノゴロ島のラボであるはずだった。

 

「うん。ちょっとエイフマン教授やビリーさんに呼び出されててね」

 

 具体的に言えば、大戦でグラハム・エーカーが愛機とした”GNフラッグ・グラハムカスタム”の実機と運用データを元に、オーバーフラッグを可変機構をオミットせずに疑似太陽炉(GN-T)搭載モビルスーツとする”GNオーバーフラッグ開発計画”が、ソレスタルビーイングにエイフマン教授もろとも移動したエイフマン研究室(ラボ)の手により本格的に行なわれていた。

 当然、試作機のパイロットはグラハムと対戦を生き残ったハワード・メイスン ダリル・ダッジが参加していたが、特にウルトラエースの一人であり、「ナチュラルなのに連続的な12G機動に気合で耐える」とされるグラハムの要求性能をそのまま実機にフィードバックさせると、「人を選びすぎる扱いづらい機体」になってしまう恐れがあった。

 ワンオフの機体ならそれでも良いが、GNオーバーフラッグは高性能機なれど予備機まで含めると20機は製造されるであろう量産機だ。

 流石にピーキーすぎるのは問題あるとされ、そこで妥協点を探すために白羽の矢が立ったのが、ヘリオポリスへ赴任される前までエイフマンラボに所属していたキラだった。

 ビリーの後輩技術者であり、グラハムと轡を並べて戦場を駆け抜け、ウルトラエースの一角となった「技官にしてエースパイロット」のキラにアドヴァイスを依頼するのはある意味、自然な事だったのだ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 シンとキラ、二人の少年は一緒にランチを取ることにしたようで、

 

「へぇ~、グラハム大尉の機体をマイルドにしたのが、量産されるんですか」

 

 ”民間あがりの軍属扱い(最終的には中尉相当)”で参戦したので立ち位置に考慮して情報が公開されなかったキラと違い、オーブ正規軍人であるグラハムは盛大にその活躍が報じられ、現在進行形で「軍のリクルート用の看板」になっているらしい。

 

「あっ、グラハムさん、4月1日付で少佐に出世したよ?」

 

 あれだけ活躍すればそれはそうかもしれないが、看板の価値を増す箔つけの意味合いもあるだろう。

 ちなみに処置後の経過は良好、特に食事制限も言われなかったのでシンは景気づけか上海鮮丼の大盛りを盛大に搔っ込んでいて、対してキラは旬の海鮮丼の並盛だった。

 シンはどうやら結構な健啖家で、体質的に代謝に優れ食べた物を片っ端からエネルギー変換するタイプだ。

 

「あっ、なんか納得。こう色々派手ですもんね、あの人」

 

 どうやら直接面識のないシンにもグラハムはそういう印象であるらしい。

 

「シンはこの後、どうするの?」

 

「夕方の便で帰ろうかと思ってます。明日は朝からQ-IFS対応のシミュレーターで訓練しなくちゃいけないし。キラさんは?」

 

「僕は夜かな? もう少しパラメータ調整煮詰めておきたいし」

 

 実は現在、「何となくソレスタルビーイング仕様の面影のある宇宙戦用(オービット)パッケージ」も並行開発しているので、どうやらそれも考慮しなくてはならないようだ。

 

「やっぱり技術職もできるパイロットって大変っすね」

 

「シンは技術者(コッチ)側に来ないの? いつでも歓迎するよ?」

 

「俺、理論派ではなく感覚派なもんで、理系っぽいのあんまり得意じゃないんですよ」

 

(デスマーチ確定路線なんて、冗談じゃないっての)

 

 さすがは家族ぐるみで付き合いのあるお隣さん、シンは数機のワンオフ・モビルスーツを並行して核動力化などを行ったキラの最盛期デスマーチをよく知っていたのだった。

 

 

 

 

 

 

⌚⌚⌚

 

 

 

 

 

 

 さて、キラと別れたシンは、夕方の定期便が飛ぶまでの間、軌道エレベーター”アメノミハシラ”の城下町といえるクニノミハシラ島の商業地をぶらつく事にした。

 流石に軌道ステーション部に軍民双方の大規模宇宙港を備えたアメノミハシラのお膝元だけあって、中々の発展ぶりと賑わいだ。

 今の所、世界唯一の軌道エレベーターだけあり、アメノミハシラはそれなりの観光資源にもなっているようだ。

 

 

【挿絵表示】

(う~ん……ゲーセンや買い物って気分でもないんだよなぁ。映画を見るには時間がないし)

 

 明日から”パイロット・ナノインプラント”の調整もかねてシミュレーター漬けになるのに、今更、ゲーセンでモビルスーツ・シミュレーター風の筐体で遊ぶ気にもならないし、自分はどちらかと言えばファッションに無頓着な方だという自覚はあった。

 

(銃は支給されたばかりだし、そっちに慣れる前に新しい銃とかアホっぽいな)

 

 パイロットのサヴァイヴァビリティ非常に気を使ってるオーブでは、訓練生扱いのシンでもきっちりCQBやCQCを含む訓練が「敵地よりの脱出訓練」としてある。

 中でも必須とされてる射撃訓練は、コックピットに据え付けられるPDW(パイロット・ディフェンス・ウエポン)と、任務中は服務規程で携行義務があるオーブ軍制式自動拳銃だ。

 先に拳銃の話をすれば使用弾は、西暦時代からある弾を原型に素材などを変更してレトロフィットした5.7x28㎜弾。口径は小さく軽い弾だが、初速が速く反動が小さく、命中率と貫通力が高いのが特徴だ。

 拳銃自体は”FNファイブセブンMk3 MRD”をイメージしてもらえば大体正解で、PDWはこちらも形は”H&K MP7”だが、使用弾は拳銃と共通の5.7㎜弾。グリップにすっぽり収まるタイプの20連発弾倉(マガジン)もPDWと拳銃で共用だが、PDWには他にも30連発、40連発の弾倉が用意されているらしい。

 軍属(準軍人)のシンには、訓練生ではあるが軍人と同じく”アロウズ(ARROWS)”のライセンスに付随して銃の所持許可と携行許可が出ているようだが、確かにガンマニアでもない限り、初任給も出てないのに貯金崩して新しい銃を買い込む必要は無いだろう。

 

 ちなみに武器格闘も重視している軍隊式(コマンド)シラットをパルクールと並ぶ趣味にしているシンは、CQBやCQCで使うナイフ類に関しては軍の支給品でなく扱いなれた私物の使用申請をしていた。

 具体的には、特殊鋼で造られたフルタング構造でククリ型のシースナイフと、カランビット型のフォールディングナイフだ。

 ちょっとチョイスが中二臭いが、まあシラットに縁がある刃物と言えばその通りで、ナイフ戦を行う際、右手で順手にククリを、左手に逆手でカランビットを持つのがシンのデフォの戦闘スタイルだった。

 この少年、単にフィジカルが高いだけでなく、意外と器用なタイプである気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、同時刻……

 

「スティング、アウル、もう遊びに行っていいんだよね? ステラ、街を見てみたい!」

 

「良いんでね? 今日の予定はもう無いみたいだし。だろ? スティング」

 

「ああ。ただし、明日は経過観察のデータ取りがあるのを忘れるな」

 

 まあ、スティングたちも”オーバーホール”も終え、ちょっと施術後のリハビリめいた運動機能チェックでも問題は発見されなかった。

 そして、1日置いて「ナノマシンがしっかり体に馴染んだ」かの経過観察を行った後に、本格的なトータル・スペックチェックを行う予定になっていた。

 その間は自由行動となるが……実はこれにも意味があり、この自由行動も常時モニタリングで異常行動が起きないかのチェックが行われている。

 院内の機材や特定の動作で行われるメディカル・チェックでは表に出ない不具合も、日常行動で出るというのはままある。

 それ以前にセルフメンタルケアすら満足にできない「戦闘時以外は使い物にならないポンコツ消耗品」なんて危険物、誰が兵士として欲しがるだろうか?

 繰り返すが、スティング、アウル、ステラは”エクステンデッド”ではない。

 ”ナノマシナリー・チルドレン”、それぞれ方向性の異なるチューニングが施され、戦闘用に調整されたコーディネイターすら凌駕する力を秘めた『大西洋連邦の切り札』だ。

 それはともかく……

 

「ねえねえ、オルガたいちょーたちのお土産、何にする?」

 

「シャニパイセンの場合、迷う必要はないよね? ”ラクス・クライン・ベストアルバム(フィギュア付オーブ限定特装版)”って指定受けてるし。いやSDフィギュアverとリアルver両方買ってこいってのはどうなんだとは思うけどさ」

 

 そうちょっと笑いが乾いてるアウル。

 まあ、”シャニが実はラクスの大ファンだった”というネタは前作でやったが、

 

「オルガ隊長はジュブナイル、いやオーブだとラノベか?の新刊を。タイトルは俺が聞いてる。クロト先輩は新作のゲームソフトだろうな。フルダイブVRのシューティング系を適当に見繕ってって感じか?」

 

 さて、前作で大活躍して見事に三人そろって大戦を生き残り、今でも大西洋連邦でピンピンしてるオルガ・サブナック、クロト・ブエル、シャニ・アンドラスの通称”カガリの舎弟トリオ”は、オーブ滞在中にオーバーホールを時間をみて済ませていたので、当分は来ることが無い。

 ちなみにオルガ達は普通にオーブ語(日本語)を読み書きできるらしく、オルガはオーブ滞在中にラノベにドハマりしていたようだ。

 そしてクロトは携帯ゲームのみならず、据え置き型のVRゲームに手を伸ばしたらしい。

 

「スウェインたちはどうする? ミューディーは『とにかく新作コスメ!』って言ってたけど」

 

「スウェインはクソ高い天体望遠鏡だろ?」

 

「流石に無理だ。というかむしろ自分で選んで買いたいだろ? そういうのは……シャムスはマジでわからんな。ビリヤードのキューとか自前のあるしな」

 

 何やら吞気にお土産買い物ツアーをするらしい三人組。

 ”運命の出会い”は、もうすぐそこまで来ていた……多分。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




原作の”らき☆すけ”のシーンをお待ちいただいた皆様、すみません。
いや~、その前にシンやキラやエクステトリオがわちゃわちゃやってる(原作ではなかった)平和なシーンを入れてみたかったんですよね~。

”慰霊の石碑”の前でシンとキラがエンカウントするシーンは、吞気に昼飯食ってるシーンに差し替えて、エクステトリオは先輩の舎弟トリオや同期にお土産買い物ツアーに出かけるという原作では「絶対ねーよ」的なシチュエーションw

原作で一括りに”生体CPU”とされ兵器の部品扱いだった少年少女にも、しっかり日常も青春もあるみたいな感じを出したかったな~と。
何せこの世界線、”ナノマシナリー・チルドレン”は消耗品などではなく大西洋連邦の誇る強力な”切り札”ですのでw

偶然生成できたキラのイラストのカバンの持ち方が、所帯じみててちょっとお気に入りですw

さて、次回はそろそろエンカウント・イベントなどを……

どうか応援よろしくお願いいたします。

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