SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について 作:種再燃祭
読んでくれる方がいると嬉しいなぁ~と。
今回は、ちょっとお久しぶりの方々の現状かな?
今回も平和な話です。
暖かい感想、ありがとうございました。
44~46話三連作の中編になるエピソードです。
「そういえばマユのお目当てのカフェ、なんて名前なんだ?」
「えっとね、『Cafe”
南半球、赤道のご近所様という立地条件のオーブでは
まあ、一般名詞なので登録商標にならないのは間違いない。
さて、シンとマユのアスカ兄妹はオノゴロ島の市街地、海の見える
上にあるように、目的のお店はマユがクラスで聞きかじってきたらしい『最近評判のカフェ』。
まあ、マユ的にはお兄ちゃんとデートできるなら、お店が見つからなくてもそれはそれでという心持らしい。
「あっ、あそこじゃないか?」
携帯端末で検索して出たマップデータを頼りにウロウロしていると、真新しい感じだが木造っぽい雰囲気を出した瀟洒な南国風カフェが目に付いた。
「店に入る前になんだけど、評判って何がだ?」
「”すっごい美人の店長さんがいる”、”すっごい可愛い赤ちゃんがいる”、”すっごい美味しいパフェを出す”だって」
「……最後の一つ以外、カフェ関係なくね?」
☆☆☆
「いらっしゃいませー♪」
「あっ、ホントに美人だ」
「でしょ?」
アスカ兄妹、息ぴったりだった。
「あらあら♪ お世辞でも若い子にそんな風に言ってもらえて嬉しいわ♪」
「別にお世辞じゃなくてただの客観的感想っすよ?」
素でそう返すシン。
そう言えばコヤツ、
何というか、天然で肝が太い。
すると……
「ほう? 少年、中々わかってるじゃないか」
そう声をかけてきたのは長い金髪が印象的な美丈夫で、
「ふむ。今日は私がおごろう」
(あれ? この展開どこかで……)
「い、いや、流石に初対面の人にタカるのは……ん? 初対面?」
「なに、遠慮することはない。愛妻を褒められて喜ばぬ夫はいないさ」
「愛妻って……アナタったら♡」
しかし、シンは嫁の方ではなく美丈夫の方をまじまじと見て、
「えっ!? あの、もしかして”ラウム・クルゼーロ”教導官……ですか?」
「ほう。私のことを知っているのかね?」
興味深そうに問う美丈夫、クルゼーロに
「えっ? お兄ちゃん、知ってる人?」
と疑問の表情をするマユ。
「知ってるというか……モビルスーツ乗りの中ではかなり有名な人だよ。元々は
無論、シンが語るのは”薔薇を育てるのが趣味の某ジャンク屋”が用意したカバーストーリーだ。
「確か、前の戦争が終わった位にジャンク屋組合にスカウトされて、ずっとザフトのモビルスーツ操縦してて、クセを知り尽くしているってことで、ジャンク屋組合お抱えのモビルスーツ教導官やってたり、時にはザフトモビルスーツに関する講演や研究会で講師やってたり、軍から
第20話でもそのあたりの経緯や事情は触れたが、おさらいも兼て少し補足しておくと……
”ユニウス条約”の条項、『モビルスーツの保有制限枠』の一つに『人口当たりの制限を加える』という趣旨がある。
つまり、『ユニウス条約批准国は、人口○○万人あたりにつき1機のモビルスーツの保有を許可される』という物で、人口の少ないプラントは、大幅な定数オーバーとなってしまい新型機導入の為にも、”ジン”などの旧型機を中心とした現有の余剰モビルスーツを大量放出せねばならなくなった。
実は原作劇場版でファウンデーション王国が、大量の無人機化した旧型ザフト・モビルスーツを保有していた(というか無人機がザフト・モビルスーツばかりだったのも)カラクリもここにある。
さて、”一族”やら他の怪しげな有象無象が裏から手を回して「闇から闇に消える」形で裏側へと回った(=ダミーカンパニーやペーパーカンパニーに買われた後に所在不明になった)モビルスーツはともかく、表側の受け皿の一つがジャンク屋組合だった。
ジャンク屋組合は、流石にそのままじゃあ使い物にならないザフト・モビルスーツをモルゲンレーテ社と共同し、『半自動化したコントロール・システムとそれに合わせたオーブ式の標準的モビルスーツコックピット・インターフェース化』の改修キットを開発したのだが……
如何せん、コントロール系やインターフェース周りを扱いやすくしたのは良いが、『クセの無いパイロットに優しい素直な操縦性』に定評があるオーブ量産型モビルスーツに比べ、『発砲後の硬直』をはじめクセがあり過ぎた。
しかも、『安定性をトレードオフして運動性を引き上げる』ようなポジティブなものではなく、『設計の甘さや機体の
オーブのモビルスーツ技術者に言わせれば、『雑な造りと面倒な操縦システムの機体を、パイロットの技量・力量ごり押しで運用していた』のがザフト・モビルスーツの実態だというのだ。
どうりで原作で”GAT-X”シリーズをヘリオポリスへの押し込み強盗で分捕るは、この世界線の先の大戦では例外的なごく一部を除いてオーブ・モビルスーツに鎧袖一触されるはしたわけである。
なのでソフトウェア的な物やインターフェースを中心とした改造で、ハードウェア的な部分が持つ根本的な問題や欠陥を是正するのは限度があったが……かといってハードウェアから改修するにはコスト的にペイしない……
そこで一計を案じられ、『ならばザフト・モビルスーツのクセを知り尽くした者を教官に据え、人の方が慣れられるように教導しよう』というアナログ的、いや酷くかつて存在した日本の残り香がする解決法がとられたのだ。
そして、白羽の矢が立ったのが「ナチュラルなのに無改造のザフト・モビルスーツを乗りこなす」と評判のラウム・クルゼーロだったという訳だ。
「これは驚いたな。少年、やけに詳しいじゃないか?」
「あー。その実はその、去年、教育プログラムの一環としてクルゼーロ教導官の講座、”ザフト・モビルスーツの特徴と構造から見る戦術と欠陥”を受講していまして」
2週間の日程で行われた中々の人気講座で、特にザフトと直接対決する可能性が高いオーブ国防軍のモビルスーツ・パイロット、特に『先の大戦でザフト機との交戦経験がない、あるいは少ない新人パイロット』は受講必須とされていた。実際、講義の主催はオーブ国防軍だ。
ちょっと舞台裏の話になってしまうが……オーブ国防軍の基本的なパイロット育成カリキュラムは、原則として「集団 vs 集団の”正規戦”」を想定して作成されている。
軍隊なら当然だが、部隊単位の運用が大前提だ。
しかし、ザフトという”
簡単に言えば、ゲリコマじみた『モビルスーツを用いた不正規戦/非対称戦』だ。
これは正規戦とは別のノウハウが必要になってくる。
「ああ。あれを受講していたという事は、少年も軍のパイロットかい?」
確かに当時の受講者の中ではシンは最も若かったので目立っていたかもしれないが、なんせ軍の大講堂で行われたそれの参加者は300名を超えていた為に流石に個別認識はされていなかったようだ。
「大きな意味では。正確には”
「確か”ヴェイア”君が所属している所か。彼は中々に筋が良かった」
原作外伝の登場人物であると同時に、原作から大きく運命が変わった一人である。
「最強の戦闘用コーディネイター」を作るべくコロニー・メンデルで遺伝子調整を受けたが、それに失敗。原作では自我崩壊に近い形で果てた。
しかし、この世界線では、縁あってその手の技術に長けた”ソレスタルビーイング(正確には、長けているのはその裏側に居るイノベイド)”預かりとなり、無事に”アロウズ”の保有戦力である”エクリプス初号機”の
つまり、シンのご同僚でもあるのだ。
ただ、ヴェイアは”エクリプス初号機”、シンは”テスタメント・マッシモ”の専属パイロットで開発チームが違う上に、”テスタメント”がテストしていたのは”エクリプス
しかし、全く知らないかと言えばそうではなく、どちらの計画もキラが深く関わっており、その伝手で知っているという感じだ。
そう、例えば、
「あの講座のラストでやった実技講習の模擬戦、スッゲー参考になりましたし、見応えありましたっ!」
そうパイロット参加者比率が高かった講座らしく、最終日に受講者選抜10名とクルゼーロの模擬戦がカリキュラムに入っていたのだ。
基本的には”1 vs 1”の10連戦だったが、当然のような顔をしてクルゼーロが10連勝して、鼻っ柱の強いパイロットたちの天狗っ鼻を圧し折ったのだった。
残念ながらシンはその選抜10名に選ばれてはいない。元々、希望者殺到で抽選となり倍率がエグかった事と、そもそも当時はシンは未成年で、”アロウズ”でも正規任官ではなく研修生扱いだったからだ。
驚くべきことにその時、クルゼーロが乗っていたのは個人用に調整されていたとはいえライトチューンを施しただけの”シグー”であり、片や受講生が乗り込むのは先の大戦でもオーブ直上防衛戦を皮切りに大活躍した”ストライク・ティエレン・タオツー(ストライク・タオツー)”に、ベーシック装備とはいえ初期の高機動パッケージの代表格であるエール・ストライカーを装着した機体だ。
確かにオーブで非変形/通常動力の現用モビルスーツと言えばストライク・タオツーくらいしかないが、かなりの性能差がある。
まあ、これは基本、『現用機でのザフトへの対処法』を学ぶ講座なのだから趣旨としては合致している。
そんな数的不利に性能的不利という状況の中で驚くべきことにクルゼーロは全勝、10人抜きしてみせた。
相手が新人パイロットだからできた……と言いたいところだが、最後の一人であるヴェイアだけは明らかに別格だった。
「ヴェイア君がもし大戦で実戦経験を積んでいれば、もしかしたら私も危なかったかもしれないな」
流石、エクリプス初号機のパイロットを任せられる操縦のキレだったようだ。
だからこそ余計に強くクルゼーロの印象に残ったのだろう。
「いえ、でもクルゼーロ教導官も凄い、いや凄まじかったですよっ! だって9人と戦った後にヴェイアさん倒しちゃうんですから! 一緒に観戦してた受講生からもシグーで大暴れする感じのせいか、『地獄から蘇った
”ぶふっ!w”
何故か長い銀髪が印象的な奥方(?)が噴き出した。
「あー、彼はダメだな。そうだな、私に言わせればダメダメだ」
少し困ったような顔でそう返してくるクルーゼ、じゃなくてクルゼーロ。
「えっ? だってザフトじゃ珍しいウルトラエースで、大西洋連邦の誇る同じくウルトラエースの”エンデュミオンの鷹”が出張ってようやく
(
ほんの少しだけ因縁ある相手の苦虫を嚙み潰した顔を思い浮かべて内心で愉悦に浸るクルゼーロは、
「少年、戦場では『生き残ることが全て』だ。敵機を墜とせなくとも、生き残った時点で勝者なのだよ。それができなかったあの男は、どれほどの腕があろうと『死んでしまうとは情けない』なのだよ」
歴戦の戦士が語る戦場の真理なのだろうが、本当にどの口が言ってることやらである。
☆☆☆
「なーんかお兄ちゃん、マユの存在すっかり忘れてる気がするんですけどぉ~~~」
と思わず盛り上がる男二人を尻目にぶー垂れるマユだったが、
「しょうがないわよ。男の人っていつまでも
「そんなものですか?」
「そんなものよ」
ちょっと苦笑する銀髪の美女に、
「あっ、お姉さん、お名前はなんて言うんです? あっ、マユはマユ・アスカって言います」
「こんなオバサンつかまえて、お姉さんなんて嬉しいわ♪ 私は”エミリア・クルゼーロ”、さっきも夫が言ってた気がするけど……”ラウ”の、ラウム・クルゼーロの妻よ♡」
かつて”エザリア・ジュール”と呼ばれていた女はそうにっこりと微笑んだ。
しっかり夫婦してるし、結構幸せそうなクルゼーロ夫妻でした(挨拶
実はカフェの
髪を伸ばして、夫婦仲も良好。娘も生まれたし、なんか接客業できるくらいに人間丸くなってます。
丸くなったという意味じゃあ、元ラウ・ル・クルーゼのラウム・クルゼーロ氏もそうですがw
絶対、「原作では生まれることのなかった子供を得た」ことで、内面の変化が大きそう……というか子煩悩っぽい?
実はサブタイの”Still Love Her”は『シティーハンター』のED曲で、好きな曲なんですが正式には『STILL LOVE HER (失われた風景) 』なんですよ。
でも、この世界では失われなかった風景が、カフェ”サザンクロス”にはあるわけでして。
あっ、ちなみこの喫茶店の元ネタはシティーハンターの喫茶店「キャッツアイ」と蒼穹のファフナーの「楽園」だったりw
失われなかった命があって、だからこそ壊れなかった日常があるみたいな?
前回「ほっこりした」や「不幸だった者が救われて良かった」というような暖かい言葉を
頂きましたが、今回もまあそんな柔らかい空気感が出せてたら嬉しいなっと。
次回は三連作のラスト、一応、オチは付けます。
あと、”娘ちゃん”再登場かな?
次回もどうかよろしくお願いします。
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