SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について   作:種再燃祭

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土曜日名物、一日二度アップの時間がやってまいりました。
楽しみにしてくれている人がいたら嬉しいなっと。

さて、今回のエピソードは、前回の続き、あるいは後編ないし後日譚的な話となっております。
実は今回の「大人が大人としての悩みを抱える」話ってめっちゃ書いてみたかった話だったりw
サブタイ的な雰囲気が出てると嬉しいなぁ~と。






第56話 大人になったからといって悩みは減るものでは無く、むしろ大人ならではの悩みが増えていく無情感 【挿絵入り】 

 

 

 

「よお、シン! いや~、惜しかったなぁ。ホント惜しかったぜ! まっ、”今はまだ”俺様の方が強いってことさ♪」

 

 地上に帰投後、ガシガシと乱暴にガシガシと頭を撫でてくるコーラサワーに、シンはむすっとしながらもコーラサワーの手を振り払うことはせず、

 

「な、なにも言い返せねぇ……」

 

 ガックリと肩を落とすにとどめた。

 なんだか『歳の離れた友人同士』と言うような距離感だ。

 とりあえず、シンは原作”フリーダム・キラー”になる前に、『コーラ・ドリンカー(コーラを飲み干す者)』にならなくてはならないようだ。

 それも簡単ではないだろうが。

 だがシン、コーラサワーが”今はまだ”と割と本音を言っているのを、あるいはその意味を気付いてないようだ。

 そもそもシンが正規パイロットになったのは今年の4月1日からで、実戦経験は皆無だ。

 対してコーラサワーは先の大戦、それこそオーブが参戦するきっかけになった”第一次ヘリオポリス防衛戦”から終戦まで戦い続けたトップエース。

 むしろ未だ1回も勝てなくても、食らい付けるだけで十分異常なのだが……まあ、それをいちいちシンに指摘する常識人は、残念ながら”アロウズ(ARROWS)”には……いや、シンの周囲には存在しない。

 というか、一番懐いてるキラが”アレ”だし……というか、シェルターで父親と生中継で見ていた「オーブ本土防衛戦の鬼神モードなキラ」の印象が強すぎて、それがシンの基準になってる気がする。

 まあ、原作では必死に『打倒キラ!』の秘策を考えていたくらいだから、ある意味「変則的な原作再現」かもしれないが……

 

「だけどまだ精進する余地、まだまだ伸びしろがあるってのは良い事だぜ?」

 

「コーラサワー大尉?」

 

 ほんの一瞬だけ、シンにはコーラサワーが何となく寂しげな表情をしたように見えた。

 

 

【挿絵表示】

「なんでもねーよ。じゃあまったな~」

 

「あっ、はい! またよろしくお願いします!! お疲れ様でしたっ!!」

 

 背を向けるコーラサワーにシンはそう一礼した。

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

【挿絵表示】

「あーあ、俺もまだまだってことかぁ~」

 

 そんな呟きとは裏腹に、シンの表情は穏やかだった。

 今やれることは全部やって、それで負けたのだ。

 

(結局、コーラサワー大尉の方が今の俺より強いってことなんだよなぁ……)

 

「俺はまだまだ強くなれるっ! うん! そう信じるぞっ!!」

 

 決意を新たな家路へとつくシン。

 まあ、いずれシンも気づくことが数多あるだろう。

 強さへの渇望というのは、戦士としては正しいだろう。

 給料の為に戦うのも兵士としては正しい。

 ただ、それだけではたどり着けない領域があるのかもしれない。

 まあ、それに気づくかどうかはシン次第なのは確かだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

「ふむ。来たか」

 

 場面と日にちは移り、ここは夜の帳が降りるまでまだ幾ばくかの時があるオノゴロ島繫華街。飲食店やBARなどが多い対象年齢高めのエリアだ。

 

「マネキン中将……じゃなかった。”カティさん”から誘ってくれるなんて珍しいっすね? いや、勿論めっちゃ嬉しいですけどっ!!」

 

「まあ、たまにはな。私の行きつけの店でいいな?」

 

 ※おそらく、リーサ・クジョウと偶に飲んでる店であると思われる。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

【挿絵表示】

「もうちょっと、”シンの壁”になっていられると思ったんスけどねぇ……」

 

「随分と大人げない戦術を使うもんだと思ったが……やっぱり、割といっぱいいっぱいだったか」

 

 どうやらマネキンにはお見通しだったらしい。

 

「確かにお前は年齢的に爆発的に能力が伸びる成長期というより、()()()に入り始めてるな」

 

「まだ老いる気は無いっすけどね……でも毎日毎日、戦うたびに強くなる若いのに追い上げられるってのは怖いもんなんですね」

 

 するとマネキンはクスッと笑い、

 

「なんだ? お前もようやくそういう”経験”を積めたか」

 

「えっ?」

 

「年齢を重ねれば、それは誰もが通る道だ。だから世の中には”世代交代”って言葉があるのさ。知らなかったか?」

 

「そういうもんすか……でも、もうちょっと頑張ってシンの壁でいようと思ってますよ。まあ、これも”エースの意地”って奴っすけどね」

 

 そう笑って、

 

「未熟なまんま天狗になった奴って、どういう訳か真っ先に死んでいくんですよね。まあ、ちょっと鼻っ柱は強いけどいい奴じゃないですか? まあ、あれで俺にとっては可愛い後輩なんすよ」

 

 それはきっと戦場を経験したからこそ言える台詞だったのだろう。

 この世界線のシン・アスカは幸運な少年なのだろう。

 ここには、彼を彼とみなしてちゃんと育てようという人たちがいるのだから。

 この先の未来は誰にもわからない。しかし、きっとこの日々がシンの力となる。

 

「コーラサワー、ところでさっきから聞いてるとお前、なんか盛大な勘違いしてないか?」

 

「勘違い、すか?」

 

 マネキンは一口ショットグラスを呷って、

 

「お前、自分がもうパイロットとして頭打ちになってると思ってないか?」

 

 するとコーラサワーはきょとんとした顔で、

 

「えっ? 違うんすか?」

 

「私は”円熟期”と言ったぞ? 経験上言わせてもらうが、多少個人差はあるが体力(スタミナ)、筋力や反射なんかの身体能力、経験、技術が一番高バランスが取れるのは20代中盤以降から30代前半だ。その頃がピーク、一番パイロットとして強い。おそらくだが、ナチュラルもコーディネーターもこれは大して変わらんぞ?」

 

 そしてもう一口呷り、

 

「その後、鍛え方にもよるが数年ピークを維持して下り坂、そして衰えが操縦に影響しだしてパイロット引退がお決まりだな。まあ、これは人間である以上、仕方のない流れなんだが……コーラサワー、私の記憶が確かお前は大戦の時23歳とか言ってたな? ならまだ今は25歳前後だろ?」

 

 そして小さく微笑み、

 

「つまり、お前がパイロットとしてピークを迎えるのは、まだこれからってことだ」

 

 要するにある種のスポーツ選手やアスリートと同じだ。

 若いっていうのは確かに怪我の治りも早いし瞬発力もある。

 だが、身体は完成しておらず成長にエネルギーを取られる……怪我の治りが早いというのもこれが本質的な理由だ。

 言っておくが身長の伸びが止まっても、身体の全般的な成長は止まっていない。身長が止まるのはまずフレームの”大きさ”が決まっただけで、そこから本格的な”大人の体”へと作り替わってゆく。

 そして成長が止まり大人の体になり、そこから安定的にトレーニングを重ねる事で効率的に筋肉が付きフィジカルを上げてゆくことができるとされている。

 例えば、同じくらいの身長の同じポジションの高校野球の選手と10歳ほど上の20代後半のプロ野球選手を比べてみると良い。

 高校球児はかなり明確に”細い”のがわかるはずだ。体質により差があるが、一般的に大人になる前の成長期の体はそれだけ筋肉が付きにくい。

 あるいは陸上競技の世界記録、それを出した時の選手の年齢を見るのも良いだろう。

 

 

「えーと……じゃあ俺ってまだまだっこれから? 慰めとかじゃなくて?」

 

「なんで私がお前を慰めなければならん。ただの経験に基づく事実だ」

 

「ははっ。そっかぁ……良かった。まだこれで意地を張ってられそうだぜ」

 

「あのなぁ……お前の歳じゃあ、まだようやく産毛が生え変わったあたりだぞ? お前は現時点でオーブ軍のトップエースの一人で、年齢的に当分はトップエースの一人のままだ」

 

「よかったぁ~っ。これでまだカティさんの前で胸を張ってられる」

 

「はぁ?」

 

 コーラサワーの言ってる意味がよくわからないマネキンは怪訝な表情をすると、

 

「いや、ほら、入ったばかりの新人のひよっこに簡単に捻られるようじゃ、漢として立つ瀬がねぇなぁ~なんて……」

 

 ちょっとバツが悪そうなコーラサワーに、

 

「まったくお前は……お前自身の気持の問題だから私が口出しすることじゃないが、別に気にすることじゃないぞ?」

 

「えっ? それってどういう……」

 

「それぐらい自分の頭で考えろ」

 

 そうマネキンはバーテンにもう一杯注文するのだった。

 この辺りの酒の強さは、さすがはクジョウ女史の先輩という事だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

「お兄ちゃん、おっ帰り~♪」

 

「おう。ただいま」

 

 帰ってくるといつもの通り、マユがリビングでくつろぎながらお出迎えだ。

 

「んー、その顔はもしかして今日もコーラサワーさんに勝てなかったって感じ?」

 

「……なんでわかるんだよ?」

 

「だって、生まれた時からの付き合いですから♪」

 

 と平たい胸を張る妹に、

 

「あー、まあ納得かな」

 

「あっ、そうだ! お兄ちゃんが気に入ってるって言ってた”ファントムペイン”の新しいPV出てるよぉ~☆」

 

「おっ、マジ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっぱりシンとコーラサワーは相性いいなぁ~(挨拶

いや、多分、この二人ってきっちり「コミュニケーションが嚙み合う」んでしょうね。
あと”アロウズ”の新人というより末っ子ポジ?に入ったシンが、コーラサワーは「可愛い後輩」なのでしょう。
でも、そうであっても年長者や先達がよく言う『下からの追い上げられる、詰め寄られて追いつかれる恐怖』というのはあるわけです。
簡単に嫉妬して、原作の”マーレ・ストロード(この世界線ではあぼーん済)”みたいな短絡的な行動に走るような回路が付いてないのがコーラサワーですしw

感想欄にも「珍しい原作準拠カプ」とご指摘がありましたが、実はこういう『デキる女が大人の女としてダメな大人の男を 咤激励する』みたいなシーンを入れてみたかったんですよ。
そういう場面に、マネキンとコーラサワー以上の適任が思いつかなくてw
SEEDシリーズは全般的に大好物ですが、意外と「大人がちゃんと大人してるシーン」が割と少ない感じですし。
特にこのシリーズでは、マリューさんが「仕事に関してはデキる女」ではあるんですが、「年下の夫と「子供が二人いるのに未だに熱愛中の可愛い女性」になってしまってますしw

さて、次回はラストに出てきたお久しぶりの”ファントムペイン”ネタなどを……

次回もどうかよろしくお願いします。
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