SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について 作:種再燃祭
ノリはまさに「
ただし、非エロ・非殺傷設定でお送りします?
さあ、原作展開&伏線回収いっきますよ~っ!
さて、PA技術スタッフがPV撮影ロケ地に機材搬入を終え、セッティングを始め出した。
ロケ地は、「プラントの計らい」で”ZGMF-X24S カオス”、”ZGMF-X31S アビス”、”ZGMF-X88S ガイア”が収められている格納庫だ。
”親善音楽イベント”は四日後。やはり全員準備に忙しいのか、デュランダルをはじめとする要人は近場にいないことは確認済みだった。
ラクスやミーアがリハをやっているだろう音楽イベントの会場とこの格納庫は、コロニー的な感覚だと大分離れており、また、同じくイベントに合わせてお披露目を控えていた”ミネルバ”勢はドック区画で準備に余念がなく、搭載機である”インパルス”チームはデモンストレーションに向けた訓練に励んでいた。
アスランの猛特訓のお陰で、ルナマリアやレイも空中での変形合体にだいぶ慣れてきたようだった。
演目的にレイには変形合体はなく”カオス・シルエット”を装着しての発艦(コアスプレンダーでだけでなくモビルスーツ状態でも出撃可能である事をお披露目でアピールできる)なので必要ないかもしれないが、『全員が同じ事をできていた方が有事には合わせやすい』というアスランの訓練方針でレイもマスターしたのだった。
そんな中で……
「”ファントムペイン”さん、入りまぁーーーす!」
そう上記のカオスたち3機の兄弟機が並んだ格納庫に、「入り」を示すスタッフの声から程なく、
「やっほ~。プラントのみんなぁ、ステラだよぉ~」
なんかどこかいつも眠そうな印象な声で入ってきたのはステラだ。
「か、かわいい」
「ど、動画で素顔を見たけど、本物の方が数段可愛い……」
デュランダルが現場に付けるスタッフを厳選した旨を発言していたが、まさか単純に「ファントムペインのファン」を入れた訳じゃないだろうな?とちょっとだけ不安がよぎる。
「へぇ~。中々カッコイイとこじゃん♪」
とは格納庫に入るなりのアウルの弁で、
「な、生アウルくん……きゃわわ♡」
「素顔はレアよレア! ああっ! カメラの持ち込み禁止が恨めしいっ!!」
まあ、一応はプロミュージシャンのファントムペイン。無段撮影禁止なのは当然なのだが……というか、ちょっとドルヲタ入ってね?
あとアウルのファンの中核ってなんか”ショタ好きお姉さま”っぽい雰囲気が……
「お前ら、はしゃぐのは構わんが準備はしっかりしておけよ? 今日はリテイク無しの一発撮りで決めるぞ。時間は限られてるんだからな」
そうファントムペインのリーダーらしい気風(あるいはお兄ちゃんキャラ)を魅せるのはスティングで、
「はぁ~、スティング様……」
「嗚呼、サングラスの向こう側の素顔が見てみたい♡」
……なんかスティングを見つめる女たちの視線が一番湿っぽいというか……ガチ恋勢っぽい臭いがするのは気のせいか?
そして、機材セッティングも恙なく終わり、マルチエフェクターの設定を終えたステラは、愛機”レスポール・タイプ”の軽く音出ししながら、
「じゃあ、
⌚⌚⌚
皆様の期待と原作展開を裏切るようで悪いが、プロモーション動画の撮影は驚くほど順調に進み、拍子抜けするほどあっさりと予定していた時間内に終わった。
「ファントムペインさん、撤収でーーーす!」
「入り」と同じくおそらくおそらくスケジュール管理のスタッフの声と共に
「みんなぁ、ばいばぁ~い♪」
「お姉さんたち、応援ありがとう♪」
「この先も”ファントムペイン”のファンでいてくれると嬉しいぜ」
見事なセッションを魅せただけでなく、ねだられた色紙に嫌な顔一つせずにサインして、しっかりファンサしてから三人は格納庫から姿を消した。
そう、ガッツリと今のファンのハートを掴み、尚且つ新たなファンを増やすことに成功した三人は「紛れもなく”
そう、誰も疑う余地が無い程に……
さして、ステラ、アウル、スティングの三名が格納庫から姿を消してしばらくすると、機材のセッティングをした時と同じ様に撤収の為の作業着を着た搬出スタッフが入ってきたのだが……
その時に異変が起きた。
”ファントムペイン”が撤収したために見物に来ていた暇人共が去り、三々五々という感じの人影もまばらになった格納庫……
その状況の格納庫で人が次々と気が失い、倒れたのだ。
そんな異常な情景の中で、立っているのは”三人の撤収スタッフ”。
そして、その三人が作業着を脱ぎ捨てると、中からパイロットスーツ姿で現れたのは、
「へぇ~♪ これって睡眠ガスじゃなくて医療用ナノマシンの散布でしょ? こんな使い方できるんだね~♪」
そう感心するはアウルで、
「ああ。なんでも『ナノマシン麻酔』の応用で人工的に”強烈な
と答えるのはスティング。
間違いなくこのナノマシンの出所はオーブだろう。というか他では考えにくい。
「”なるこれぷしー”? あっ、突然眠くなるやつだ。ステラもよくなるよぉ」
「お前のは絶対に違うからな? ありゃ只の居眠り癖だよ」
ステラにすかさずツッコミを入れるアウルである。
「じゃれあうなら後にしろ。”時間は限られてる”とさっきも言ったろ?」
とお兄ちゃんっぽくスティングが〆る。
さて、この三人に「散布されたナルコレプシー設定がされたナノマシン」の効き目が無かった絡繰りは簡単だ。
この三人、先の大戦に参加した先代、オルガ・サブナック、クロト・ブエル、シャニ・アンドラスらと同じく”ナノマシナリー・チルドレン”だからだ。
ちなみにファントムペインの残る三人、スウェン・カル・バヤン、シャムス・コーザ、ミューディー・ホルクロフトも同じくナノマシナリー・チルドレンである。
ただ、チューニング内容はそれぞれ違っていて、先代(と言っても今もピンピンしているが)オルガ、クロト、シャニは「限界ギリギリを見極めた量のナノマシンを投与して全般的な能力の底上げを狙ったハイチューン型」で、逆にスウェン、シャムス、ミューディーの三人は「オーブ軍の軍用ナノマシン処理と同程度のナノマシン投与量のライトチューン型」となっている。
つまり、オルガ達三人は「ナノマシン強化がどういう物で、限界を見るためのサンプル」で、スウェンたちは「ナノマシン強化が先代の被検者たちの活躍で有益であることが判明したため、それを『ナノマシン適性のある一般パイロットに適量投与した場合、どの程度の強化になるか?』を見極めるサンプル」という訳だ。
ユニークなのはスティング、アウラ、ステラの三人で、そろって「ハイチューン型」なのだが、先代と異なり『三人それぞれ別の方向性を持たせた強化』というのが特徴だ。
スティングは元々の素養から「空間認識能力の拡張と強化」。
アウルはシンプルゆえに効果が分かりやすい「反射速度なども含めた身体能力の全般強化」。おそらく参考にしているのは戦闘用イノベイドだろう。
ステラは、カガリと同じく情報型イノベイドを基にした、「情報処理能力の強化と並列思考処理能力の獲得」なのだが……多分、なんか違う気がする。
いや、考えてもみればカガリも分類上は情報型ナノマシナリー・チルドレン(同時に1stナノマシナリー・チルドレン、最高ハイチューン型)なのだが、『自身の持つ演算処理速度と並列思考を戦闘力に転換する』というという「情報型とは?」と小一時間ほど問いただしたくなるような意味不明な力の発露をするから、所謂「不思議ちゃん」の一人や二人できてもおかしくはないのかもしれないが……
それはともかく、、三人はそれぞれ原作展開に中指を立てるように「誰も殺すことなく」、静かに素早く割り当てられた機体へ乗り込んだ。
スティングは”ZGMF-X24S カオス”、アウルは”ZGMF-X31S アビス”、ステラは”ZGMF-X88S ガイア”にだ。
そして、慣れた手つきでコンソールパネルを操作し、それぞれに「仮初めの愛機」を起動させる。
「そっと、慎重に、怪しまれないようにな」
そう指示を出すのはスティングだ。
そもそもの話なのだが……原作のようにあんな消音処理もされてない銃でド派手にガンファイトやって尚且つ爆発物まで使ったら、普通は殺しそこなった兵士(この時点で杜撰だが)に警報を慣らされる前に大騒ぎになるはずだ。
それが例え、騒音の多い軍事基地のハンガースペースであっても。
いや、むしろ爆発物の多い軍事基地だからこそ、火災には気を遣うし、赤外線センサーに連動した火災報知器は随所に張りえぐらされているだろう。
「あいあい。転がってるのも踏み潰さないように気を付けるよ~」
とはアウル。
「ん。ステラも気を付ける。殺すと”うるさい”から、いや」
何となく察したが……ステラは、どうも『ナノマシン処理で脳量子波の受信感度が高くなった』可能性がある。
ラクスのように「脳量子波を音として認識する」のに比べれば、まあ、まだ一般的な部類の変異なのかもしれないが。
そして、ステラたちの「姿を見せない協力者」はまだいるようで、機材搬出の為に中途半端に開かれていた扉はゆっくりとモビルスーツが出られる広さまで開き、
「あれ? おい、”カオス”たち動いてるぞ? 今日、なんかテストの予定入ってたっけ?」
「いや、聞いてないが……」
「なんかバンドの撮影終わったみたいだし、移動させる事にしたんでねーの?」
「ああ」
警備のザフト兵たちが疑問には思ったが、大して不信さを感じなかったのは理由があった。
原作にもそんなシーンがあったが、”親善音楽イベント”と”ミネルバとインパルスのお披露目”に備えて、その二大イベントに花を添えるべく儀仗隊の”ジン式典用装飾タイプ”が訓練を行っていたり、ザウートが演出用の花火砲弾の確認を行っていたりと、ハンガースペースのあちこちでモビルスーツが動いていたことと、加えて動き出した3機が『まるっきり敵意を感じさせないジェントルな動き』をしていた事がそうだ。
・具体的には、地上の車両などを踏まないように慎重にゆっくりとした歩調で歩いている。
・他のモビルスーツと進路が重なろうとしたら道を譲っている。
・更に3機が綺麗に隊列を組んで歩いている。
「ありゃ動かしているのは、いつもの鼻っ柱の強いテスパイじゃねーな。多分、シューフィッターとかのベテランだろうさ」
「あー、あいつらにあんな丁寧な他人を気遣うような動き、できるわきゃありませんもんね」
ザフトの警備兵がそんな話をしている間に、広いスペースに出た3機はスロットルを絞った優しい噴射でふわりと宙に浮かび上がった。
プラントの遠心力で疑似重力を作る砂時計型コロニーは、構造的に底面が1G環境で上空に上がるほど疑似重力は小さくなり”くびれ”である中央の繋ぎ目部分が0G状態になる。
3機が目指すのは、その0G環境付近だった。
「お、おいっ! 大変だっ!! 格納庫で人が倒れてるぞっ!!」
この時点で、未だに警報は鳴っていなかった。
擬態解除!!(挨拶
さあ、”ファントムペイン”、ついに正体を現しました!
はぁ~っ、実は連載再開した第28話 ルート66(多分)の”ファントムペイン”からずっとこの展開を書きたかったんですよ~っ。
そう、「大真面目に西暦時代のロックバンドの再現」を
あと、”ナノマシナリー・チルドレン”たちのストレス発散も兼ねてたりしてw
あともう一つやりたかったのは「疑われずに堂々とアーモリーワン入り」して、そして「怪盗ムーブで一人も殺さず、鮮やかにモビルスーツを盗み出す三人」です。
いや、原作を初めて見た時から「果たしてあそこまでコロニー内で暴れる必要あったのかな? 盗むのが目的なら時間の無駄じゃね? むしろ、追手がかかる前にさっさと逃げるのが鉄則だろうに」と思ったんですよ。
実際、追手を足止めするなら、コロニー内部の破壊活動より、ダークダガーLがやったように港湾ブロック潰す方がはるかに効果的な筈なんですよね~。
なんせコロニー内に配備されたモビルスーツとかって、原則としてダイレクトに宇宙空間に出れるような構造じゃないですし。
もっとも、この世界線も「モビルスーツを盗み出すことだけ」が目的ではないんですけどね。
色々と工作もしてますし、そのうち「ナノマシン散布の仕掛け」なんかも明らかになると思います。
「流れは原作と似たり寄ったりなのに、細部がことごとく異なり、結果として……なんじゃこりゃ!?」みたいなノリを楽しんでもらえると嬉しいです。
次回は、”ミネルバ”視点を入れてみようかと。
次回もどうかよろしくお願いします。
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