SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について 作:種再燃祭
さて、今回はスティングたちの逃亡と、その頃の”ミネルバ”隊の様子など。
さて、怪しまれないようにふわりとアーモリーワンの基地から浮かび上がって飛び立ったスティングの駆る”カオス”、アウルの駆る”アビス”、ステラの駆る”ガイア”だったが、辿り着いたのは砂時計の”くびれ”に程近い、0G環境に近い空域だった。
遠心力を疑似重力とする砂時計コロニーの構造上、1G環境があるのは両端の底面であり、上昇する(中心のくびれに近づく)ほど遠心力が小さくなり、無重力に近くなる。
その地点に3機は陣取り、
「まだ追手は来ないか……思ったより反応が鈍いな。まあ、助かるが」
そうタブレットで状況確認しながら呟くスティング。
実は今、この3機があった格納庫(第6ハンガー)でザフト兵と撤収作業をしていたスタッフが昏倒していた(実は寝てるだけ)との通報が入り、救急班が駆けつけて警報が鳴り大騒ぎになっているのだが、そっちが優先されるあまり3機の行方は誰も気にしていなかった。
何しろ、「外傷もなくただ倒れているだけ」なので真っ先に疑われたのは、ガス中毒やら何やらの事故だったからだ。
「今のうちに脱出するぞ」
”カオス”はビームサーベルを取り出し、アーモリーワンの壁を器用かつ丁寧に溶断しながらモビルスーツが外部へ出れるサイズの穴を空けて行く。
どうもこのあたりのセンサーも細工がしてある臭い。
「なんか地味~。ビームの一斉射とかで一気に大穴空けた方が手っ取り早くない?」
アウルは苦笑しながらそう言うが、
「バカを言うな。緊急時でもあるまいし、ここまで来て目立ってどうする?」
「あっ、ステラそれ知ってる。”良い仕事は全て単純な作業の堅実な積み重ねだ”、だよね? ジョゼさんがそんなこと言ってた」
「ジョゼって誰?」
「まあ、そういうことだ。ほれ、空いたぞ。さっさと出るとしよう」
なんかアウルがスルーされてるが……
「ああ、アウル。ジョゼってのは”フラテッロ”だ」
なんかさっさと外に出たスティングは「ガンスリンガーガール」を知ってる臭い。
いや、確かにオーブでサルベージされてC.E.リマスター版もC.E.リメイク版も作られているが……この世界線のスティング、もしかしてサブカルに詳しい?(声的に)
ちなみにリメイク版のガンスリ、現代の技術を鑑みて「寿命と記憶の問題を克服できて銃使いの機械少女たちは生き延び、最終話はジョゼとヘンリエッタの事実婚(同居して新妻にように甲斐甲斐しくジョゼの世話を焼くヘンリエッタ)」で幕を閉じる。
彼女が「機械の体のままのエターナルロリ」なのか「再生医療で生身に戻り成長する」のか、どっちともとれるエンディングなのでファンの間では物議をかもしてるとか何とか。
「だからフラテッロって何さ!?」
「……アウル、後ろ詰まってる。邪魔」
最期はげしっ!とステラに空けた穴の外へ蹴り出されてしまうアウル&アビスであった……哀れ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
アーモリーワンは混乱の
それは、”ミネルバ”も例外では無かったようで……
「なにっ? ”カオス”たちが収められていた
そうミネルバのブリッジで確認するのはアスランだった。
事故の可能性が全くないという訳ではないだろうが……タイミングと状況から考えて、敵対勢力による破壊工作の可能性が最も高かった。
普通なら艦長であるコノエの役割なのだろうが、この艦唯一の”FAITH”であるアスランが名目上は最上位となる。
まあ、コノエはこの「若き英俊」がどのような判断をするか確かめたいような気配を出しているが、
「メイリン、人的被害はどのくらい出てる?」
その死者数によって、相手の目的を探ろうとしてるようだが……
「えっと……0です」
「は?」
アスランの表情と思考が一瞬、フリーズした。
「その、倒れていた人たち全員が症状から見て『ただ寝ていた』だけみたいなんです。既に救助された全員目を覚ましていて、特に後遺症も今のところは無いみたいで……共通しているのは、『いきなり眠くなり、抗えなかった』です」
(睡眠ガスでもかがされたか?)
ありそえそうな話ではあったが、
(なら、何故ガス検知器に引っかからなかったんだ?)
ただ、全員の精密検査の結果、いくら調べても薬物の残留反応が出ずに医務官は首をかしげたという。
これも仕方のないことで、今のプラントにはナノマシン、しかも生分解や自然体外排出されるタイプを検知する技術はなかった。
実際、原作ですら「捕虜にしたステラの体を調べても、未知の部分が多くて治療できない」と言っていたくらいなので、まあ、『遺伝学的に健康なコーディネイター』の弊害で、あまり医療分野は「病気になる国民が少ないから」進んでいないのかもしれない。
実はスティングたちが睡眠ガスではなくナノマシンを用いたのもこれが理由で、ガス検知器にも引っかからなければ、後に証拠を残すこともないという点が重視された。
しかし、凶報……かどうかもよくわからない情報はまだ続き、
「えっ? 何、この報告……」
「メイリン君、どうしたのかね?」
困惑した表情のメイリンにコノエがそう呼びかけると、
「えっと……コロニー管理部からの緊急通達なんですけど、『アーモリーワンの壁面に穴が開いて空気が漏洩している。該当区域の緊急区画閉鎖を行い、応急修理を実施する』だそうです」
おそらくだが、ビーム接射ではなく気圧低下によりセンサーが動き、異常を知らせたのだろう。
「あちゃ~。これは多分、やられましたねぇ~」
どこか暢気そうな声で言う、何か気づいたような操舵手のマヨイ。
そして、
「……メイリン、その倒れていた格納庫はどこだ?」
「えっと……あっ! ”カオス”とかが格納されていた6番ハンガーです!」
「メイリン君、収納されていた機体の所在は確認できるかね?」
コノエも察したようでそう問えば、
「……いえ。ビーコン反応、ロストしてます。カオス、アビス、ガイア共に所在不明になってます」
「マヨイさんの言う通り、本当に完全にしてやられたようですね……」
アスランは歯嚙みしながら、
「俺が以前、”ヘリオポリス”に仕掛けて任務失敗した、『モビルスーツの強奪』を完全な形で実行された可能性があります」
その後、コノエは直ちにアスランとマヨイと共にまとめた所見を上層部に具申した。
アーサーは残念ながら自体について行けず、あわあわするだけだったようだが。
まあ、彼は経験を積んだその先を期待しよう。
「じきにコンディション・レッドが発令されるだろう。アスラン君、君は直ちにパイロットたちを集めて緊急出撃に備えるよう伝えてくれ。ブリッジクルーはいつでも出航できるように準備を整えてくれたまえ」
「はい」
「「了解しました」」
☆☆☆
「相手が手練れなのは間違いない」
ブリーフィングルームに呼び出した二人の部下、ルナマリアとレイに一通り状況を説明の後、アスランはそう結論付けた。
彼の説明の要点をまとめると、
・殺しをしていないのは、「息があるのに昏倒しているという状況を作り、注目を集め救急救命で対処させる時間稼ぎ工作」である可能性が高い。
・また、強引に破壊活動をせずに「まるでベテランパイロットが単にモビルスーツを移動」させているように離脱している。あたかも「所定の作業を行っている」ように見えて周囲に大きく疑われていなかった。
・奪ったばかりのモビルスーツで器用に『アーモリーワンの外壁にモビルスーツが通れるサイズの分だけ綺麗に溶断』している。被害極小の破壊工作であるが故に発見が遅れた。
「俺は以前、”ヘリオポリス”で同じ様なモビルスーツ強奪作戦に参加した事がある。まあ、失敗して捕虜になったが」
「ああ、あの当時の上層部が”半分の成功”とか何とか言ってた記憶が……」
するとルナマリアの言葉にアスランは自嘲気味な笑いで、
「何が成功な物か。参加艦艇3隻中2隻を喪失。作戦投入モビルスーツ18機中17機が被撃墜。参加人員の帰還率は10%を下回った……それで奪ったモビルスーツは作戦目標だった5機中3機。出した損害と全く割にあって無い大敗北だよ。あれはな」
それでも、”
先の大戦に参戦し、生還した古参に分類されるザフト将兵の大半は、『オーブはアンタッチャブル』という認識が多かれ少なかれ芽生えていた。
「あの作戦の失敗要因の一つが、『欲をかきすぎた』ことにあった。モビルスーツの強奪だけでなく”ヘリオポリス”に対する陽動を兼ねた大規模な攻撃作戦も同時に敢行した。そして、返り討ちにあったのが現実だよ。もし、強奪だけで済ますならあそこまで被害は出さなかったはずだ」
それでも結果的には『原作展開の”ヘリオポリス崩壊”より遥かにマシ』だ。
もし、仮にそうなっていたとしたら、この世界線のオーブは絶対にプラントもザフトも許さない。
大西洋連邦が止めようが何だろうが、きっと絶対的な報復を叫び『ジェネシスのコントロールは奪われ、残弾すべてを問答無用にプラントに向かって放っていた』ことだろう。そうなればプラントは今頃、歴史用語だ。
いや、正直に言えばそうならなかった今でも、かつてのザラ派と今のプラントは分けて考えられているが、オーブの民意の大半は「ザラ派はテロリスト、そのテロリストを何食わぬ顔で再雇用したデュランダル政権になったプラントは敵性国家」という認識なのだが。
「一つの作戦に最優先される目標は一つ。それが原則だ。いくつもの達成目標を同一優先度に掲げる物でもないし、いくつかの達成目標があるのであれば、優先順序を付けてフェーズごとに行うべきだ。それを当時の俺達なら『コーディネーターがナチュラルに負けるはずも無い』という無根拠な自信で挑み、結果は酷いもんだった。だが、今回の”敵”は俺たちの真逆……実に油断なく手口が洗練されている」
アスランは言葉を選びながら、
「作戦の達成目標を『モビルスーツ3機の奪取』に絞り、素早く静かに誰にも気づかれぬように疑われないように手際よく”仕事”を成し遂げた。追撃の可能性があるこちらの兵力を叩くことすら『時間の無駄』と割り切ったのだろう。無論、コロニー内部に配置された部隊が即応不可能であることを見越したうえでだ……完全に”プロの仕事”だ」
それは暗に「当時の自分達は素人だった」と言っているように聞こえた。
実際、原作のスティングたち三人の行動には疑問符が付くのだ。
もし、作戦目標が”モビルスーツの強奪”だけなら「追撃の手段を封じるだけ」ならあそこまで派手に手間暇かける意味はあるのか?
もし、敵の拠点破壊が任務に組み込まれているのなら、逆に中途半端すぎる。
内部でモビルスーツが暴れている内に、軍港だけでなく砂時計本体にも連携して艦砲射撃を叩き込むべきだった。
むしろあれだったら、「追いかけてこい」と挑発しているように見える。
しかし、この世界線では何もかも違った。
「こういう隙の無い相手、おそらくは作戦御立案段階からそつが無く、それを忠実に淡々と作戦通りにこなせる者がいる相手は怖いぞ? 各自、気を引き締めろ。現状ではいつ出撃命令が出るかわからない」
「えっ? 私たちって実験部隊じゃあ……」
困惑するルナマリアにアスランは、
「アーモリーワンの守備隊が、手早く追撃部隊として編制できれば良いけどな……」
何というか……不吉なフラグを立てるのであった。
アスラン、苦い記憶を思い出す(挨拶
というかプラントのコーディネイターって、「自分達が優秀で、能力のごり押しで何とかなる」と無意識で思ってるのか、何というか計画が雑というか杜撰なところが原作でもチラホラとw
まあ、原作アコードもそうなんすけどね。
という訳で、慎重に丁寧に物事を運ぶこの世界線のプロ意識高めなスティング達は、まんまと追手がかかる前にアーモリーワンを脱出したようです。
そして、残された”ミネルバ”隊は、どうやらいち早く事態に気づいたようで……
この面々、実際にはかなり優秀で、メイリンだけでなくコノエ艦長とマヨイの頭の回転が早いですね。
そして、アスランが「その場の勢いで行動しなくなっている。行動より先に思考するようになっている」のが割と大きいです。
あと、過去の失敗を客観的に振り返れる点も。
きっとオーブ抑留時代とメイドトリオと過ごした時間は無駄ではなかった……という事にしておいてくださいw
ルナマリアは若いなぁ~と。
さて、次回は……”新キャラ(?)”の予感?
次回もどうかよろしくお願いします。
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