SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について 作:種再燃祭
C.E.72年7月から8月にかけて、”進撃の
いきなり何を言ってるんだ?と思われるかもしれないが、他に言い様がないのだ。
無論、物理的に巨大化したのではなく、むしろ政治的
何しろ、
「こいつぁ、やられたなぁ」
何しろ、ウナトが禿げ頭を撫でまわすような状況だ。
さて、もうちょっと政治の話に付き合ってもらえないだろうか?
前話においてプラント人やザフトにおいて「思想的にオーブへ受け入れられないタイプの人間」の処遇、プラントへの送還の話は書いた。
だが、その中で『思想チェックはザフトやプラント人だからという理由で行われるのではなく、「広義な意味でのオーブへの移住希望者全員」に行われる』という記述をしたはずだ。
オーブは戦時中に限らず、開戦前の地球連合とプラントの関係がキナ臭くなり始めた頃から、積極的に国是「ナチュラルとコーディネーターの共存共栄」の有言実行をすべく、各国からの「コーディネーターやハーフコーディネイターという理由で迫害を受けた者達の政治亡命」を積極的に受け入れるようになっていた。例えば、00風に言えばデザイナーベイビー、この世界では少々特殊な遺伝子調整(脳量子波強化)を受けたコーディネイターであるソーマ・ピーリスがオーブへ養父と共に亡命したのは、そのあたりの事情が絡んでいる。
それが戦時中、特にエイプリルフール・クライシス以降は爆発的に膨れ上がったのだが……
少し留意して欲しいのは、地球連合でもユーラシア連邦や東アジア共和国はともかく、大西洋連邦の対コーディネイター政策は、原作に比べてかなり穏当だということだ。
例えば、現在の大西洋連邦における政治勢力”ブルーコスモス”は、圧倒的に”穏健派”が主流派だ。
これには大きな理由があり、端的に言えばブルーコスモスの強硬派がアズラエルをガチギレさせた事に端を発する。
皆様も知ってる通り、戦争計画というのは一朝一夕でできるはずもなく何年もかけて準備するものだ。
その労力を全て無視するようにブルーコスモス強硬派のサザーランド大佐がよりによって核ミサイルをユニウスセブンに向けてぶっ放しやがったのだ!
これでなし崩し的に戦争は本格化し、事前に出来上がっていた戦争計画は全てご破算。
そもそも「軍隊がシビリアンコントロールを受けていることが大前提」でその本質を市民軍とする民主国家の軍隊において、「己の信念や心情で核兵器を持ち出す軍人」なんて危険物は言語道断だ。
それだけでも許し難く、その大佐は銃殺刑に処されたのだが……当然、一介の大佐の権限と独断で「都合よく核兵器を持ち込める」ほど大西洋連邦の核管理は甘くない。
サザーランドの処刑があっさり行われたのが「死人に口なしの尻尾切り」だと見抜いていたアズラエルは、己の持てる権力・権限全てを用いて調査、そしてその強硬派という病巣の広さと根深さを思い知ったのだ。
そう、自分の国が放置すれば直ぐに末期患者になりかねない状態だったことに気づいてしまったのだ。
何より許せないのは、強硬派の職種が己のアズラエル財閥の軍需部門にまで伸び、浸食していた事だった。
ムルタ・アズラエルは、自分の財布に指を突っ込まれて大人しくしているような男ではない。
故に始まったのが、大西洋連邦軍民問わずに行われた血生臭い大粛清、差し詰め”大暗闘スラッシュ・パニッシャーズ”だ。
確かにプラントと戦争している状態で半ば内戦を並行して行うのはハイリスクではあったが、それでも「大西洋連邦を強硬派に食い潰されるよりはマシ」と割り切り覚悟ガンギマリで断行。
かくて”行方不明”にならずに済んだ強硬派の面々も、アズラエルに恐れをなしてユーラシア連邦や東アジア共和国に逃げ出すという結末を迎えた。
付け加えるならこの世界線のアズラエル、腹の中は真っ黒だがいつまでも若く愛らしい奥方の影響なのか、あるいは娘三人を授かり私生活がこの上なく円満で安定しているせいか基本的には「新しいコーディネイターを作り出すことさえ禁じれば、やがてコーディネイターはナチュラルに回帰するでしょう」という穏健派寄りの思想をもっていたというのも大きい。
☆☆☆
以上のような理由で、特に戦時中に大西洋連邦からオーブへの亡命だの移民だのを申請してきたコーディネイターとかは少ないのではあるが……
かと言ってオーブを目指したコーディネイターはかなりの数に上った。
具体的な例を上げると、戦前の最後の国勢調査でのオーブ総人口は約3000万人、原作よりも3倍ほどもいたが、C.E.72年4月1日現在の総人口は3300万人超だ。
つまり戦時下で1割の人口増加が記録されている。
確かに戦争が終わると「父親が戦場から戻ってくる安心感」や「戦時下で抑圧された様々な感情の解放」で人口ノーナスのベビーブームが起きやすいが、それでも多すぎる。
そもそも、戦後の重圧からの解放感に起因する解放は、停戦時期から考えれば本格的に人口に反映され始めるのは、来年以降だろう。
つまりここまで増えた原因は移民なのだが……
しかし、”エイプリルフール・クライシス”での5億人規模の大量死があったとはいえ、その人口減少の後も地球全土のコーディネーター人口は、どんなに少なく見積もっても4億人以上は居たはずである。
そう考えると、300万人という数字はいかにも少ない。
無論、住んでる地域によっては迫害の規模も相当な落差があったし、特にそういう物がほとんどなかった地域もあるから生活基盤のある故郷を離れなかったコーディネーターやハーフコーディネイターの方が多数派だろう。
だが、何となく言わんとすることはわかってきたかと思うが……中には当然、「オーブに辿り着いても、思想的にオーブが受け入れを拒否した」コーディネーターやハーフコーディネイターは確かに存在しているのだ。
非情に思えるかもしれないが、オーブとてみすみすナチュラルとコーディネイターの共生関係を乱す不穏分子を入れたいとは思わない。
見えてる地雷を踏まないのがオーブだ。
しかし、哀しいかな。故郷から決死の覚悟で出てきた彼ら・彼女らを(故郷に戻せばどんな目に合うのかわかりきっているのに)強制送還できるほど非情になり切れないのもまたオーブだ。
特に人道主義者と知られていたウズミ・ナラ・アスハ前代表首長などその典型だろう。
では、結果どうなるか?
そう、オーブ国内、正確には正式に領土に組み込まれたニューギニア島東部にいくつも作られた”特別難民キャンプ”に3桁万人の「オーブ国民になれなかった者達」があふれることになる。
無論、難民キャンプと言ってもアフリカやら中東やらで見られるような劣悪な物ではなく、災害時の応急仮設住宅が立ち並び、配給制ではあるが衣食住とライフラインがそれなりに整えられた臨時村落だ。
そして、カナーバはそこに目を付けたのだ。
『かつて独裁者パトリック・ザラは地球に住む我らが同胞を地球上全ての生物と同じ様にガンマ線レーザーで焼き滅ぼそうとした。それはまさに罪であるのだ。であるならば誇り高きコーディネイターとして、そして国家として独立を勝ち得たプラント市民として、今こそ償うべきではないだろうか?』
そう問いかけるような口調で、プラント市民に伝えたのだ。
ここでミソとなるのが、カナーバが表明したのが『地球全土のコーディネイター』ではなく『オーブに抑留されている難民化したコーディネイター』だけを対象としたことだ。
無論、プラントの受け入れ限界としてオーブの難民コーディネイターがちょうど適切な数だったとはいえ、露骨なまでのオーブ狙い撃ちであった。
しかもタチが悪いのは、この申し出はオーブにとり政治問題(社会問題化待ったなし案件)をこの上なく解決できるメリットしかなく、それ以上にプラントにも大きなメリットがある提案だった。
何しろこの世界線では、相手が原作の地球連合からザフトに変わったが、本土防衛戦に成功して国民のプラント流出が全くない。
そうであるのに、プラントはザラ派ザフトを中心に原作以上に戦死者を出しているのだ。
つまり、この「難民コーディネイターの引き取り」が成されれば、直ぐに国力に反映されることは無くとも失った人口以上の補充ができる上に、「近い将来に閉塞するであろう遺伝子に、新たな血と遺伝情報を取り込む」ことができるのだ。
しかもこの一見するとWin-Winの”取引”は、オーブとプラント両者の関係改善こそが大前提となるのだ!!
⌚⌚⌚
さて、カナーバの『コーディネイター難民引き取り宣言』と彼女の根回しによりプラント最高評議会で可決されたそれを実現すべく法案により、いっそ滑稽なほどオーブ国民の対プラント感情は劇的改善をみせた。まさに掌が返すを通り越してドリル状態である。
故にカナーバの提案を受け入れるべきという世論が醸成されるのも無理なかった。
タチが悪いのは、このオーブ国民感情の変化も、根本的には打算、つまり「このまま難民化した抑留者」をずっと抱えているよりはプラントと国交正常化した方がマシだという損得勘定だ。
『はるばるオーブに来たのに、思想的問題で受け入れられなかった外国籍コーディネイター』が不満を募らせた挙句どういう行動に出るかなど、手に取るように分かった。しかも、これはオーブ国内問題である以上、簡単には解決できないのだ。
ならばプラントが不穏分子予備軍の引き取り手になるというのなら、それに乗らない手はない。
「一本取られたな……プラントの扱いを開戦前とは言わないが”ヘリオポリス襲撃”以前程度に戻すしかなくなるぞ」
つまりは国家とまではいかないが、今は凍結されているオーブへの外交拠点の設立と外交官の常任、要するに「準国家扱いに戻す」ということだ。
政界のご意見番、”特別政務顧問”となったウズミの元に案の定、多くの陳情書が届いていた。
内容は異口同音に「将来的な治安悪化を防ぐためにプラントとの関係を再構築しよう」という物であった。
カナーバは、利を示す事により、ウナトやウズミではなくオーブの民意を、それもプラントに居たまま動かしてみせたのだ。
オーブの国体的にも、また民意の受け皿となっているウズミもそれを無視することは不可能だった。
そう、こうして戦後世界は少しづつ形成されてゆく。
その形を日々変えながら……
という訳で、政治的狙い撃つぜ!されたオーブでしたw
ウナトでもウズミでもなく、オーブ国民に治安を担保に強烈な利を示すことでダイレクトアタックかけるという搦め手を使ってくるカナーバさん。
それもしおらしい顔していけしゃあしゃあと、書いておいてなんですが、ようやるなーとw
いや、実は原作でデュランダルが政権を取るまでの戦間期ってどうにもはっきりしない、漫画「機動戦士ガンダムSEED ECLIPSE」はそういう時期の話ですが、だけど大戦のリザルトとオーブの在り方から考えて、あの話は成立させづらいんですよね~。
なので種運命のスタートにつなげるべく、色々と仕込んで行こうかと。
実は今回のエピソードって、「種運命冒頭のオーブからの脱出民をプラントが受け入れる」イベント、そう家族を失ったシンが描かれるあのシーンの代替えイベントだったりします。
オーブは「将来的な不穏分子予備軍」の厄介払い、プラントは大戦で失った人員補充ができるWin-Win状態w
えっ? 受け入れ移民の思想に問題あり?
カナーバさん:「ガチのザラ派に比べれば、まだマシだわ」
悲壮さは皆無だけど、生臭さは大幅アップというw
ちょっと次回は未定ですが、どうか応援よろしくお願いいたします。