SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について   作:種再燃祭

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毎度おなじみ深夜アップです。

Sitting Duck(シッティングダック)=『座ったアヒル』。「いいカモ」、「格好の標的」というニュアンスの英語の慣用句。




第97話 ”デブリゾーン・シッティングダック” ~ただし、例外もいる~ 【挿絵入り】

 

 

 

 さて、場面は再びアーモリーワンから、先の大戦でジェネシスのせいでできた、放棄小惑星+元ユーラシア連邦&東アジア共和国連合艦隊で構成されるデブリ帯へと戻る。

 先行するのは、ナスカ級1隻とローラシア級2隻からなる標準編成からなるザフトの”ネオ・ノーティラス”追跡艦隊。

 搭載機はニューミレニアム・シリーズのザク6機(ファントム×1、ウォーリア5機)+ゲイツR×12機からなる、現状のザフトでは中々に有力な部隊だった。

 ナスカ級に座乗する指揮官は、18機中部隊長を含む9機のモビルスーツを前衛哨戒(ピケット)隊に用い、副隊長が指揮を執る残る9機を艦隊直掩(エスコート)隊に張りつけるという、攻防双方に対応できる布陣としていた。

 どうやら、先の大戦中よりは防衛やフォーメーションに気を遣うようにはなっているらしい。

 

 そして、我らが”ミネルバ”は、搭載機の”インパルス”3機を全て発艦させて(デュートリオン送受電ができる距離の)直掩に配置し、その3隻の後詰めに付くポジションに陣取っていた。

 まあ、なんとなくコノエの意図が透けて見えるポジション取りだった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 一方、先にデブリ隊に潜み、単艦で迎え撃つ側の”ネオ・ノーティラス”の陣営はと言えば……

 

「さて、スティングたちはもう配置に着いた頃かな?」

 

 

【挿絵表示】

「ええ。問題ないかと」

 

 ”ネオ・ノーティラス”は、ミラージュコロイド・ステルスを展開したまま、小惑星の表層にアンカーを打ち込み、推進器をアイドリング状態にしていた。

 ただでさえ障害物の多いデブリ帯、しかもニュートロンジャマーの影響で電磁波的探知手段の有効距離が極端に短くなってる中で、赤外線などの探知手段で”ネオ・ノーティラス”を発見するのは、極めて困難だった。

 

「目標に変更は無しで?」

 

「ああ。先行する3隻を真っ先に潰し、”数の優位”を台無しにしようじゃないか。それにあの”白い船”は新型艦、おそらくはアークエンジェル級への対抗策として建造された船だろうさ。どんな隠し球を持ってるか分からない状況でまともに戦いたくはないだろ?」

 

「つまり、確実に潰せる物を潰す、ですね?」

 

「そういうこった。生き残りが出るなら救助くらいはするだろうしな。あの”白い船”の艦長がまともならばの話だが」

 

 つまり、それで足止めになると”ネモ・ロアノーク”は言うが、

 

「……ザフトにまともな艦長がいればよいのですが」

 

 ”ナディア・バジル”の言葉にネモはニヤリと笑い、

 

「探せばいるだろ? まともな艦長じゃなかったら、戦闘を通じて”積極的性能調査”に切り替えるだけさ」

 

 そして表情を引き締めると、

 

「さて、そろそろ連中に戦闘を教育してやろうか? ロケットアンカー抜錨! 機関全速! ミラージュコロイドをステルスモードから”()()()()()()()()()()()()()()()”モードに変更!」

 

 ネモの号令と同時にミラージュコロイドによる電磁波吸収・背景同調光学迷彩のステルスモードが解除され、強力な耐ビームの鎧”ゲシュマインディッヒ・パンツァー”に切り替えられる。

 ネモはスチャッとサングラスをかけて自身の心のスイッチを臨戦モードに切り替え、

 

 

【挿絵表示】

「各員、状況開始だ!!」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

【挿絵表示】

『全機、”()()()()()()()()”に攻撃開始!』

 

 6機全てのリーダーであるスティングから命令が”NストライクE(ファントムペイン仕様)”に標準搭載されている近距離レーザー秘匿通信装置から飛び、

 

「「「「「了解!」」」」」

 

 残る5機も一斉に隠れ潜んでいたデブリの陰から飛び出した!

 先陣を切るのは、6機だと副隊長ポジになるスウェンの”NストライクEファトゥム”と、ステラの”NストライクEレイダーⅡ”。

 どちらも、高機動型で近距離の乱戦に強い機体だった。

 

「支援砲撃、いっくぜーーーっ!」

 

 6機中、最後方から部隊最長射程を誇る連結状態の350mmガンランチャー&94mm高エネルギービーム砲を放つシャムスの”NストライクEバスターⅡ”からの『照射時間の長い薙ぎ払い射撃』が飛んでくる。

 原作では、「超高インパルス長射程狙撃ライフル」という狙撃武器という扱いだったが、核動力機対応のエネルギーゲイン上昇で、このような「照射時間を長くしビームで薙ぎ払う」ような射撃も可能になっているようだ。

 

 

【挿絵表示】

「アハハ! 強くてゴメンねぇ~~~っ!!」

 

 それよりやや前方、ミドルレンジに着くなり支援砲撃を行うのがアウルの”NストライクEカラミティⅡ”だ。

 何しろこの機体、長射程ビーム砲”シュラーク”2門を最高火力に、115㎜電化熱液体装薬砲”ケーファー・ツヴァイ改4門、両腰部のレールガンの合計8門の一斉射だ。

 シャムスのビームライン砲撃とアウルの弾幕射撃で陣形を崩し、

 

「いけっ! ガンバレル!」

 

 スティングの”NストライクEエグザス”による縦横無尽のオールレンジ攻撃が、更なる混乱の拍車をかける!

 

「ミューディーは各機のフォローに!」

 

「あいあ~い! コーラスから戦闘まで、フォローはミューディーさんの得意技だよっ!」

 

 まさに戦場の”機動盾”。強固なタンク役でありながら、トリッキーな砲撃能力を持つミューディーが反撃に転じようとするザフト機の攻撃も突撃も阻む!

 そして、

 

「墜とす……!」

 

「はぁぁぁーーーっ!!」

 

 突撃してきたスウェンとステラがクロスレンジから、真っ先に長い装備を扱いなれて無さそうなガナーザクウォーリアをスクラップに変える!

 スウェンは”銃型(ガン=カタ)”じみたビームライフル・ショーティーの近接射撃で、ステラは突撃してビームの乱射を浴びせた後にトドメに翼のビームブレードでズバッ!っと。

 残るザク、ブレイズウィザードを装備したザクウォーリア(実は艦隊モビルスーツ隊副隊長機)は、スティングのオールレンジ攻撃でウィザードが爆散した所に、アウルの弾幕射撃をくらい散華して果てた。

 

 小隊長機を失った残りのゲイツRは余りにも悲惨、いや陣形が崩れたところで凄まじい火力投射で爆発飛散してしまったようだ。

 そう、奇襲効果と数の差があまり無かったこと、数は劣るが性能に勝る”NストライクE”×6機の集中攻撃で、艦隊直掩の周辺警戒にあたっていたザク3機とゲイツRは、その性能を発揮する間もなくスペースデブリの仲間入りを果たしたのだった。

 

 

 

 そして、直掩機が壊滅し、先行していた9機のザフト機が戻ってくる僅かな間隙を、ネモ・ロアノークが逃す筈もなく……

 

「ゴットフリート全砲塔、誘導追尾照準、斉射2連! VLS、対艦ミサイル(スレッジハマー)×24投射! ”バリアント”、弾種”自己鍛造榴散弾”! 発砲自由!」

 

 宇宙空間に上下左右などないが、疑似的な水平線を仮定すると、”ネオ・ノーティラス”はザフト艦隊の『艦首側の斜め上方より突撃してきて、艦尾後方の斜め下方に抜ける』という『宇宙戦版の一撃離脱』の戦術機動を見せる。

 というか、このやり口はほとんど戦闘機やモビルアーマーの戦い方だ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「やはり、ストライクタイプは3機のみということは無かったか……」

 

(母艦の規模から考えて、10機以上の搭載機があってもおかしくないか?)

 

 もっとも火線が集中した先頭のナスカ級は轟沈。残る2隻のローラシア級もあっという間に中破以上のダメージを受けてしまった。

 だが当然、それを黙って見てるような”ミネルバ”な筈もなく……

 

「マヨイ君、追えるかね?」

 

 正直、こちらの3機の”インパルス”を投入してもモビルスーツ戦で逆転するのは難しいとコノエは踏んでいた。

 

(ならば、敵母艦をどうにかするしかない)

 

 予想していた展開の一つだった。

 先行艦隊は無自覚だったかもしれないが、敵を「単艦な上に旧式機」という侮りがあった故に、そこを突かれる可能性は低くはないと踏んでいた。

 故に今の”ミネルバ”のポジション取りは、「先行艦隊が壊滅した場合に備えての位置取り」だ。

 なぜ、コノエは先行艦隊に強く警告しなかったのか? あるいは合同して迎撃できる位置につかなかったのか?

 指揮権が無い事が最大の理由だが、「階級が無い事」の弊害がここで発生していた。

 階級があれば、それを元にコノエが上なら「命令」、コノエが下なら「具申」という形も取れただろうが……ザフトは「役職」に依存している為に、基本的に「どちらが上かは明確な指針」がなく、慣例的に「提督の方が艦長より立場が上」というやんわりとした認識があるだけだった。

 故に無駄を嫌うコノエは、「通じない説得」よりも「ミネルバができる最善」を選んだ。

 つまり、『敵の奇襲の一撃で巻き添え食ってまとめて壊滅させられず、かつ即座に敵艦を追撃に移行できる距離とポジション取り』だ。

 この男、本当に良くも悪くもいぶし銀の指揮を執る。

 

「デブリベルトこそ我らが故郷。戦時中、何回コノエ館長の命令で暗礁宙域に潜り込んで、敵をやり過ごしたと思ってるんですか?」

 

 マヨイは好戦的な笑みを浮かべ、

 

 

【挿絵表示】

「このマヨイさんにデブリゾーンでスターシップ・チェイスを挑んだこと、精々後悔させてあげますよっ!!」

 

「メイリン君、アスラン君に連絡。先行艦隊の残存モビルスーツ隊と連携して、敵機の迎撃に当たってくれるように。ただし、無理はしないように。可能なら、追っ払うだけでいい」

 

「了解! えっ? 追っ払うだけですか?」

 

 コノエの言葉に軽く疑問を感じるメイリンだったが、

 

「無理をしてもどうにかなる相手では無いようだしね。アーサー君、全兵装展開を。即時発砲準備だ」

 

「は、はいっ!」

 

 慌てて敬礼して命令を出すアーサーに、

 

「機関全速。これより”ミネルバ”は、”ネオ・ノーティラス”の追撃に入る!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




マヨイちゃんは割とおっかない娘です(挨拶

実際、先の大戦でアークエンジェルから逃げおおせた船の操舵手ですからね~。
実戦経験豊富です。

とりあえず、ザフトの先行艦隊、初撃でボコボコですw
まあ、前衛哨戒(ピケット)隊を出すのは、特にデブリ帯みたいな場所では悪い判断では無いんですが、その数や運用がやや教条的と言いましょうか……
まだフォーメーションを使った集団戦に不慣れなのかなぁ~と。
まあ、元々ザフトは「フォーメーションより個人技量の、コーディネイターの優越感丸出しの能力ゴリ押し戦術」を重視してましたから、中々是正しきれてないのかな?

実は”ファントムペイン”、今回の作戦に関してはミネルバ隊以外は機体性能だけでなくパイロットのスペック勝負でも勝ってるんですが、先の大戦の終盤で魅せた「オルガ達のフォーメーション・アタックでの大金星」の伝統はしっかり引き継がれていて、少数精鋭の集団戦はむしろ得意技なんですよね~。
オマケに指揮官(おそらく戦術指導教官も)は当時と同じム……じゃなかったネモだしw

さて、次回はデブリ帯戦の後半パート、どうやら簡単には勝たせてくれないみたいですよ?

次回もどうかよろしくお願いします。
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