SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について   作:種再燃祭

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いつもの深夜アップです。
今回は、デブリ帯でのモビルスーツ戦、特に”ファントムペイン” vs ”ミネルバ隊(インパルス隊)”のイベント戦です。

もはや参加機体からして原作の欠片もないですが、ビームと実体弾と近接兵器が飛び交う戦場を脳内イメージで堪能頂ければ嬉しいですよ~。






第98話 ”デブリゾーン・アサルトCQB&CQCファイティング” ~乱戦の果てに~ 【挿絵入り】

 

 

 

 デブリ帯での戦闘は混迷を極めた。

 旗艦が沈められ、おっとり刀で慌てて戻ってきた残る9機の先行艦隊のピケット隊ザフト機を相手するまではよかったのだが……

 

 

 

【挿絵表示】

「なんなのこいつらっ!? えっと、ザフト製の”ストライクモドキ”……かな?」

 

 ”ファントムペイン”の6機が、6機のゲイツRを撃墜したあたりでいきなり乱入してきたのが、”ミネルバ”隊の”インパルス”3機だ。

 一応、ザフト側の現有戦力を確認しておこう。

 ・アスラン・ザラ→”インパルス”+フォース・シルエット

 ・ルナマリア・ホーク→”インパルス”+フォース・シルエット

 ・レイ・ザ・バレル→”インパルス”+カオス・シルエット

 

 加えて、先行艦隊の残存は”ザクファントム”+ブレイズウィザード、”ザクウォーリア”+スラッシュウィザード×2。

 流石に最新鋭機ザクを任されるだけあって腕は悪くないようだ。

 特にツノ付のブレイズザクファントムは、艦隊モビルスーツ隊18機の隊長であり、先の大戦を生き延びたベテランだった。

 

 ついでに言えば、艦隊直掩に就いていた残るザクウォーリア3機は、ブレイズとガナーウィザード×2だったが……

 艦隊直掩で長射程砲を装備したいのは分かるが、取り回しの悪い砲戦ウィザードだったのが災いし、ステラとスウェンに真っ先に狩られてしまっていた。

 

「チッ! 少し遅かったか」

 

(まさか、もう3機しか残って無いとはな……)

 

 そう舌打ちしたのは駆け付けた”インパルス”隊の先陣を切るアスランだった。実際、彼は眼前でアウルが駆る”NストライクEカラミティⅡ”のウォーハンマーピック”アイゼン・アドラー”でゲイツRの最後の1機が文字通りぐしゃりと粉砕される瞬間を目の当たりにしていた。

 彼は迷うことなくステラの”NストライクEレイダーⅡ”へとしかける。

 一発で女性パイロットの乗機を見抜くあたり、流石はアスランの嗅覚と言うべきか?

 何となく、アスランが会ったことのないはずのシンの友好値が、不思議と下がった気がするのは気のせいか?

 

 

【挿絵表示】

『隊長、”ガンバレル付”はボクが抑えます』

 

「頼む」

 

『じゃあ、私はあの大砲がいっぱい付いたのを何とかすればいいんですね?』

 

 敵味方の位置的にそう判断したのはルナマリアだ。

 実際、彼女も伊達に赤服を纏っている訳ではないのだろう。

 

「いけるか? 相手は重装備だぞ?」

 

『当たらなければ、どうということはないですからっ!!』

 

 原作で”赤ザク”に乗っていたルナマリアらしい言い回しではある。

 

「よしっ! 全機、決して油断するなっ! 相手は期待性能だけじゃない! 相当の腕前だっ!」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「ちょろちょろ鬱陶しいよっ!」

 

 アスランにとって幸いだったのは、ステラの機体に耐ビームシールドを1発で溶解させるほどの飛び道具が装備されていなかった事だろう。

 発射速度のせいで1番密度が濃い弾幕を張るビームマシンガンの1発辺りの威力はさほど高いものでは無く、気を付けなければならないのは威力のある”ツォーン”だが、この砲は射角が広いだけで発射速度は高くないので回避はできる。

 何よりアスランは、

 

(基本的には、”ストーム・レイダー”と同じ戦術か!)

 

 そう、アスランは短い間ではあるが、味方としてだがクロトの愛機と同じ戦場の宇宙(ソラ)を駆け抜けた事がるのだ。

 

(おそらく、入力は早いし、先読みじみた行動もしてくるが……)

 

「カガリやクロトに比べれば、まだ動きが素直すぎて先読みが雑だっ!」

 

 そう、アスランの強みは、機体だけでなく敵パイロットの上位互換とも言える相手と、シミュレーター上ではあるが、戦った事があるということだ。

 特に戦場に復帰する自分に「調整と肩慣らし」と称してシミュレーターに付き合ってくれたカガリと、本人がゲーム好きで『シミュレーターも一種のオンライン対戦ゲームっしょ?』と自身のリプレイデータと戦闘ログを提供してくれたクロトには感謝していた。実際、アスランはクロトのデータを基にAIエネミーと対高機動戦術を確認していたのだ。

 実はステラ、同じ情報型ナノマシナリー・チルドレンのせいか、カガリの戦い方と根本はよく似ていた。

 武器となるのは、コントロール入力量の多さと膨大な演算による先読みだ。

 ただ、カガリはステラと違い、高機動型より高火力型を好む(何しろオーバーキルが芸風とされる女だ)が、そのせいか演算の仕方が違う。

 カガリは『最小限の動作・挙動でで敵の攻撃を避けて、敵の未来位置へと”弾を置く”』という事を有り得ない速度・精度・同時並列処理数でこなしてくる。

 しかし、ステラは演算処理の速度を”高機動射撃”と先読み(未来予測)に使っているのは分かるが、まず射撃の精度が甘すぎた。

 そして、クロトに比べれば挙動が余りにも素直すぎる。

 端的に言えば「読み易い」のだ。

 

(おそらく実戦経験がほとんどないせいだろうな……)

 

 精度の甘さも動きの素直さも、一定までの相手ならスペックだけで圧倒できる。

 しかし、アスランのような手練れ相手ではそうもいかない。

 だが、

 

(決定打に欠けるか……)

 

 敵の攻撃に当たらないのは良い。シールドで防げるのも良い。

 しかし、こちらの攻撃も決定的なダメージを与えられないでいた。

 ”フォース・シルエット”の兵装はビームライフルとビームサーベルという標準的な物。

 障害物が多いので射線が遮られやすく、デブリを回避しながら戦うのが基本となるため小回りの利く高機動型が優位なのは確かだが、相手は(アスランは知らないが)圧倒的電力量を誇る核動力機だ。

 一番、有効打を与えられそうなのはビームサーベルによる近接戦だが、向こうもこっちも高機動型では障害物群の中を動き回ってのデブリベルトCQBじみた戦いにどうしてもなってしまう。

 

「良くて千日手か……」

 

 この世界線のアスラン、どういう訳か妙にプロ意識が高く肝が座っている(多分、メイドトリオの教育の賜物)せいで焦りはしないが、頭の片隅でジリ貧になる展開が見え隠れしていた。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 そして、レイの方は……

 

「チッ……妙に勘と動きが良いな」

 

 スティングがややイラついたようにそう呟いた。

 

「同じ様な兵装ならば、数が倍でも無線式が有線式に負けるなどと……!」

 

 スティングの”NストライクEエグザス”は、有線式(厳密には有線電源供給式)の発展型ガンバレル×4、レイの”カオス・インパルス”は機動兵装ポッド×2。制御システムはどっちも第二世代ドラグーンだ。

 4基と多い上に有線電源供給ゆえの豊富な電力供給で、1基あたりビーム砲は2門、計8門で濃密なビーム弾幕を張るスティングに対し、レイは無線式の強みである母機の電源ケーブル長に縛られない広い機動攻撃範囲とラウ・ル・クルーゼ譲りの鋭い空間認識能力で火力の劣勢にも関わらず対抗していた。

 

「1発だ。1発ビームが当たれば墜とせるはず……!」

 

 そう、デブリ帯という浮遊物が多い戦場で、互いの武装の特性を生かしているからこそ、逆に「戦いが嚙み合いすぎて」どちらも中々決定打に至らないのが現状だ。

 

 これはスティングが”ナノマシナリー・チルドレン”となることにより原作よりも特に空間認識能力と安定性(肉体的にも精神的にも)が向上してるだけでなく、レイもまたかつてのクルーゼがそうだったように医療用ナノマシン治療でテロメア異常を克服し健常体、おまけに「メイリンという最愛」を手にしたことで、「メイリンの元に生きて帰る為にはあらゆる手段は肯定される」的な鋼のメンタルを手に入れている。

 あれ? どっちもオーブ(というかイノベイド)絡んでね?

 

 確かにエネルギーゲインに関しては”NストライクE”が圧倒している。

 しかし、”カオス・インパルス”もまた、エネルギーが切れるまでという制限があり、その制限時間内でも圧倒できるわけでも優位に立てる訳でもないが、十分に食い下がれるだけの実力をパイロットも機体も有していたのだった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 さて、では一方ルナマリアはと言えば……

 

 

【挿絵表示】

「なんなのよっ!? アンタ達はぁっ!?」

 

 ルナの”フォース・インパルス”は、アウルの”NストライクEカラミティⅡ”に苦戦していた。

 そもそも”NストライクEカラミティⅡ”、両腕のモノフェーズ光波シールドを展開したままで、背部のストライカーパックと両腰のレールガンの計8門を斉射できるのだ。

 手持ち武装のウォーハンマーピック”アイゼン・アドラー”を腰の裏側にマウントし、砲撃を続けてる間は弾切れはあってもエネルギー切れはない。

 イメージして欲しいのだが「シールドの裏側からの透過砲撃で、敵の攻撃を防御しながらドカスカ弾幕を一方的に叩きつける”無敵モード”」を発動中だ。

 なぜ、ウォーハンマーを使わないのかって?

 敵が唯一こちらにダメージを入れられそうなビームサーベルを持っているのに、しかも露骨な高機動型に対してわざわざ近接戦を挑むリスクを選ぶ理由が、アウルには無かったからだ。

 つまり、ルナマリアはビームライフルのみでアウルに挑むしかないという、明らかにジリ貧展開だ。

 実際、現状を打破しようと片手にビームライフル、片手にビームサーベルで突貫戦を仕掛けようとしたが、そのことごとくが火力で押し返されていた。

 ”ソード・シルエット”の対艦刀があればと思わなくもないが、もしあのシルエットだったら、機動力不足で間合いに入る前に更にまともに砲撃を食らうことが確定しそうなので、「アスランのデブリ帯戦を想定したフォース・シルエットの選択」の正しさは認めざるをえない。

 

(くっ……ここまで火力(ちから)負けするなんてっ……!)

 

 生来、ルナマリアは勝ち気で負けん気が強い。

 このような「一方的に殴られる展開」に、悔しさで涙が出そうになる。

 しかし、そんな場合じゃないことも理解していた。

 

 耐ビームシールドは食らった”シュラーク”の砲撃で半ば融解し、自慢のVPS装甲も実体弾が命中すぎて貫通こそまだされていないが、残存エネルギーがレッドゾーンに突入していた。

 平たく言えば、満身創痍だった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 そして、そのタイミングで最悪の報せ……残っていたザク3機がついにスウェン、シャムス、ミューディーらに撃墜されてしまったのだ。

 スラッシュザクウォーリアの相手をしたのは、近接に強いスウェンの”NストライクEファトゥム”と、防御の強いミューディーの”NストライクEフォビドゥン”だ。

 どっちのスラッシュザクウォーリアも、 2門の”ハイドラ”ガトリングビーム砲で弾幕を張り、それを傘に接近、威力のあるハルバート型ポールウエポン”ファルクスG7”ビームアックスで仕留めようとしたが……

 

「笑止……!」

 

 スウェンはモノフェーズ光波シールドを展開しビーム弾幕を防ぎながら、両腰のレールガンでビームガトリングを吹き飛ばし、動きの止まった瞬間にヒートアンカーを叩き込み、誘導電流で麻痺させてからビームライフル・ショーティーの回避不能の近距離射撃で撃墜。

 

「バ~カ。こっちはシールドを展開したままでも撃てるつーの!」

 

 ミューディーはあえてゲシュマインディッヒ・パンツァーでビーム弾幕を受けながら突っ込んでくる敵機が回避できない距離に入るなり、”フレスベルグ”の照射時間の長めな曲射弾道砲撃で『頭から股まで盾に切り裂くような一撃』でザクウォーリアを真っ二つにして撃破!

 ちなみにミューディー、独立したサーカスバインダー形式のゲシュマインディッヒ・パンツァー・シールド×2枚を主に防御に使い、両腕のモノフェーズ光波防御シールドは先端を伸ばすセッティングをしており、ジャマダハルのような使い方で近接戦を行うことを好んでいる。

 またこのやり方だと両腕の”M7G2改リトラクタブル・ビームガン”とも干渉せず双方を使える利点があった。

 そして、シャムスは……

 

「ミサイルパーティーか? 良いだろう乗ってやるっ!!」

 

 ブレイズウィザードのファイヤービーミサイルの全弾発射を盾に機動力を活かして距離を詰めようとするが、シャムスの”NストライクEバスターⅡ”のストライカーパックに仕込んだマイクロミサイルで迎撃!

 更に、

 

「距離なんて詰めさせるかよっ!!」

 

 ”M9009N改ビームライフル”を連結高出力モードの薙ぎ払い射撃。それを辛うじて避けたみせたザクファントムに、分離/半固定砲状態の350mmガンランチャーで先ずは進路上に散弾を投射し動きを止めると同時に弾速の速い94mm高エネルギービーム砲と両腰のレールガンを放った。

 ザクファントムは両肩に耐ビームコーティングのシールドを持ち、それで防ごうとしたが94mm高エネルギービーム砲は原型ですらも耐ビームシールドを貫通する威力がある。

 しかも核動力機用にアップデートされたそれは、容易くザクファントムのシールドを貫き腕ごと肩を爆散させると同時に、

 

「弾けろよぉっ!!」

 

 体制が崩れた所にバスターⅡの両腰のレールガンと分離したM9009N改ビームライフルの一斉射を食らい、シャムスの言葉に通りに爆散してデブリに還った。

 

 

 

 

 

 

 

 戦況は”ミネルバ”隊にとって最悪。ついに6vs6が3vs6になってしまった。

 ただでさえ優位と口が裂けても言えない状況だったのに、である。

 しかし……

 

「撤退してゆく……?」

 

 アスランは「解せぬ」という表情で、それを見送っていた。

 何があったかは分からない。

 だが、味方のザク3機を仕留めた敵の残る3機が”インパルス”それぞれに向かってきたところでいよいよ覚悟を決めて”覚醒(SEED)”を発動させようとした矢先、敵が「狙いに殺気が低い、明らかに牽制目的の射撃」があり、それを回避すると6機は踵を返すように警戒しながらも素早く戦場から離脱していった……

 

「各機、深追いはするな。撤退するというのなら、そうしてもらおう」

 

 そうレイとルナマリアに指示を出しながら、

 

(命拾いしたな……)

 

 それが偽らざる本音だった。

 モニターで確認する限り、自分とレイの”インパルス”は機体その物には大きなダメージはないが、各部アクチュエータには過負荷による”警告”サインが出ており、バッテリー残量もアラート領域、推進剤もレッドゾーンだった。

 つまり、そこまで機体を振り回さねばどうにもならない状況だったということだ。

 ルナマリア機に至っては、コックピットブロック(コアスプレンダー)にまで届いたダメージはないが、正しく撃墜一歩手前のダメージを負っていたのだ。

 高性能な”インパルス”3機だったから辛うじて生き延びたような物で、これがルナマリアとレイが原作と同じザクだったとしたら、想像したくない結果で終わっていたことだろう。

 

 そう、理由はどうあれアスラン達はこのデブリ帯での戦いを生き延びる事ができたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アスラン率いる”インパルス隊”、全機生存!(挨拶

いや、快挙です!
正直、かなり戦力差は機体性能的にはあったのですが、この世界線のアスラン、全員生き残らせましたよ。
ルナマリアがちょっと危なかったですが、いくらなんでも相手が悪い(武装の相性も悪い)ので、機体が全損しなかっただけで御の字、コアスプレンダーまでダメージが通らなかったし本人もケガしてないのでそれだけ上出来でしょう。

オーブ時代、特に正式参戦してから「オーブの化物」達を間近で見たアスランはともかく、同じ様な性質の武装でスティングに必死に食らいついたレイは、確実に原作より強者な気がします。

結果として先行艦隊は全滅しました(ただし、轟沈は旗艦のナスカ級のみで他の船には生存者がいる模様)が、”ファントムペイン”が撤退するまで粘りきったのは、流石はアスラン、そして短い間でしたがアスランが直々に鍛えたレイとルナマリアというべきか?

さて、次回は『圧倒的に優位だった”ファントムペイン”が撤退した理由』についてかな?

次回もどうかよろしくお願いします。
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