SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について 作:種再燃祭
今回は、”ミネルバ” VS ”ネオ・ノーティラス”のチェイスバトル・ステージですよ~。
「”ミネルバ”全兵装、セフティ解除!
コノエの声が”ミネルバ”の艦橋に響き、
「アーサー君、主翼位置を最大後退にお願いします。狭いデブリベルトでアステロイド・ランをするのに、クロスボウみたいに開いた羽は邪魔にしかなりません」
マヨイは呼応するようにそう告げた。
「ええっ!? しかしあれは空力制御翼だけじゃなくて、太陽光発電パネルや放熱板やスラスターユニットとしての働きが……」
アーサーの返答に噓はない。
宇宙艦という名目の”ミネルバ”にあれだけ巨大な翼が付いているのは、「大気圏飛行能力」の獲得だけではない。
というより、建前だけだとしてもザフトに「地上侵攻の意思はない」とするザフト艦に大気圏内飛行をする翼があるのはおかしいという議論は実際にあったが、ザフト艦政技術本部の説明では「翼状のパーツは、太陽光発電パネル、輻射式放熱板、可変式スラスターユニット、推進剤タンクを兼ねた複合ウイングバインダーである」だそうな。
しかし、何故かウイングバインダーとやらの全体的な構造は宇宙空間では必要のない空力弾性翼となっているのは気のせいなのだろう。
ついでに言えば、”
「知ってますよ? それを踏まえた上で邪魔だと言ってるんです。強制パージするのではなく最後退させるだけなのでどうということはありません。畳むことで落ちた運動性など腕次第でどうにでもなります」
そのマヨイの言葉に艦長のコノエも小さくうなずいた。
マヨイはフッフッフと不敵に笑うと、
「デブリゾーンでマヨイさんに喧嘩売るってのはどういうことなのか、骨の髄まで教えて差し上げますよ。ええ、徹底的にね……さあ、コノエ艦長、命がけの追いかけっこを始めるとしましょう!」
「”ミネルバ”、全力にて”ネオ・ノーティラス”を追撃戦を開始するっ!」
コノエの号令一下、”
☆☆☆
さて……何故、先行艦隊を壊滅させ”インパルス”隊も追い込んでいた”ファントムペイン”が撤退したのだろうか?
その理由は、
「ヲイヲイ……噓だろ。この機雷原のど真ん中みてぇなデブリゾーンで、衝突リスク無視して最大戦速で追いかけてくるってか!?」
「どうやら敵を甘く見過ぎましたね? どうやら新型艦の性能は予想以上のようです」
そう冷静に分析するサングラスを外した本気モードの”ナディア”に、
「性能以上に操舵手の腕だ。あと度胸。一体どんな奴が操艦してんだ?」
そう、これまで『仕掛ける側』だった”ネオ・ノーティラス”は、その立場を一変させ今度は『追いかけられる側』に身を転じていた。
何のことはない。モビルアーマーも顔負けの一撃離脱戦術でザフトの先行艦隊3隻を屠ってみせた”ネオ・ノーティラス”だったが、その直後に”ミネルバ”へと食いつかれ、デブリゾーンでスターシップ・チェイスをする羽目になっていたのだ。
”ネオ・ノーティラス”は、原型となった”チャールズ・マクモリス級”と同じくゴットフリートMod2を連装6基12門、左右エンジンブロック側面にリニアカノンの”バリアント”単装2基2門を持つが、配置的に後方に陣取られると指向できる兵装がかなり少なくなるのだ。
更にこういう時に使いやすいのがミサイルなのだが、度重なる戦闘でVLSの対艦ミサイル残量がかなり心許ない。
そのなけなしの対艦ミサイルも牽制にいくらか放ってみたが、ものの見事に全弾撃破されてしまっていた。
「おまけにモノフェーズ光波防御帯装備に大口径の実体弾砲を装備とか冗談じゃないぜ。まさか、この船を殺す特効ってか?」
ビーム砲だけなら、ミラージュコロイドを”ゲシュマインディッヒ・パンツァー”モードで起動している今ならば例え艦砲射撃相手でも耐えられるが、実体弾ともなればそうもいかない。
確かにインナーアーマーにはVTP装甲が使われているが基本的にヴァイタルパートの周辺に張り巡らされているだけで、重要区画部分は貫通されなくとも、それ以外の部分は実体弾が当たれば壊れるのだ。
そして、向こうの攻撃はモノフェーズ光波防御帯を透過して飛んで来るが、こっちの攻撃は全てストップされるなど冗談では無かった。
「ちっ! しかも相手の脚も相当に速いか……正攻法で逃げ切るには、少々骨が折れるな」
だからこそネモは思考を止めない。
止めたら沈められるのがイメージで浮かんだ。敵の新型艦がそれほどの物であるとネモはそう的確に判断していた。
「仕方ない……”トカゲの尻尾切り”を行う! 推進剤タンク全基強制パージ! 敵艦進路上で起爆! 起爆とタイミングを合わせ”デコイ”を射出! 同時に”撤退”の信号弾をありったけ撃ちあげろ! ミラージュコロイドをゲシュマインディッヒ・パンツァーからステルスに切り替え、やり過ごすぞっ!!」
原作のガーディールーと異なり、左右両舷にバリアントを搭載する関係上、”ネオ・ノーティラス”は左右エンジンブロックの上下面に原作よりやや小ぶりの外装タンクユニットを搭載していた。
そして、ノーティラスはまだ中身が残っていた4基のタンクユニットを切り離し、追尾する”ミネルバ”の進路上へと流すが……
☆☆☆
「艦長! 敵艦、推進剤タンクらしきものをパージしましたっ!」
メイリンの声にコノエは、
「”
その決断は速い!
敵はミラージュコロイドをステルスだけでなくゲシュマインディッヒ・パンツァー化させることができることは、既に交戦して把握していた。
何しろ、艦載連装ビーム砲の”トリスタン”を数発は確かに直撃させているのに、敵にこれといったダメージがないのだ。
”ミネルバ”と同じラミネート装甲を用いていたとしても表面に熱くらい籠るはずだが、ビーム自体が歪曲されてしまうのはゲシュマインディッヒ・パンツァー以外には考えられなかった。
故にコノエは、実体弾を放つ電化熱液体装薬砲の”イゾルデ”3門のつるべ撃ちを主に敵艦攻撃兵装として使用し、ミサイルなどは対艦攻撃と対ミサイル迎撃などに使っていた。
敵艦は”ミネルバ”同様に、あるいはそれ以上の優秀な個艦防衛システムを持っているのか、ミサイルは決定打にはなりえなかった。
だからこその陽電子砲……通常のビーム砲とは違い、威力だけでなく命中対象の正電子と衝突し対消滅反応を起こす、「爆発する徹甲榴弾のような高出力ビーム砲」であれば、ゲシュマインディッヒ・パンツァーを吹き飛ばし、内部までダメージは通るはずだった。
ただ、タンホイザーは連射があまり効かない。
陽電子サブチェンバーを搭載しているとはいえ、砲身冷却やら何やらでラグタイムが出るのだ。
つまりこの2隻のようにデブリゾーンで機動力をフルに活かした追撃戦のような状況では、あまり使い勝手の良い兵器とは言えなかった。
実はタンホイザーは固定砲でありながら”偏向ビーム砲撃”が可能なのだが、やはり敵艦が元気いっぱいに右へ左へと暗礁宙域を泳ぎ回るような現状では当てる事自体が難しい。
だからこそ、コノエは砲撃チャンスを待っていたのだった。
敵艦の意図は明白。
推進剤タンクをパージし、”ミネルバ”の眼前で起爆させて目くらましにでも使う気なのだろう。
(ならば、正面からその意図を砕くのみ!)
コノエはただの”引きの名手”なだけではない。
果断さがあればこそ引き際を見誤らなかったのであり、同時に彼は戦意不足という評価を受けた事は無かったのだ。
☆☆☆
「陽電子砲まで積んでるなんて何の冗談だコンチクショーーーッ!」
”ネオ・ノーティラス”が推進剤タンクを射出したデコイごと起爆させる前に消し飛ばしたのは、敵艦が放つ陽電子砲の一閃だった。
(チッ! ほとんど”ドミニオン”と戦ってるような物じゃないかよっ!)
大西洋連邦宇宙艦隊旗艦”ドミニオン”は、先に大戦中にモノフェーズ光波防御帯を装備するなどのアップグレード改修が行われ、つい先日も戦後近代化改修を行ったばかりで、オーブのチート万能戦艦”GNアークエンジェル”ほどではないが、中々のモンスターシップっぷりになっていた。
(まずいな。ゲシュマインディッヒ・パンツァーでは陽電子砲は防ぎきれんぞ……)
原型となった”チャールズ・マクモリス級”にはツインハル式の艦首部分に陽電子リフレクターが標準装備されているが、”ネオ・ノーティラス”には『ミラージュコロイドをステルスとゲシュマインディッヒ・パンツァーのデュアルモードで使う』という特殊装備との兼ね合いで、搭載が見送られていたのだ。
もっとも、その陽電子リフレクターも船体正面にしか向けられないので、このように背後をとられている状態では役に立たないだろうが。
しかし、”ネオ・ノーティラス”にも一つだけ有利な点があった。
ギリギリのタイミングではあったが、ミラージュコロイド・ステルスの展開に成功し、今は噴射さえ切った惰性航行、原作SEED無印で”アークエンジェル”も使ったいわゆる”サイレントラン”状態であった。
(このままやり過ごすしかないが……)
生きた心地がしないとは、まさにこのことだった。
「ナディア、敵艦が居座るようだったら俺が出る」
「……確かにそれが最善でしょう」
「悪いが船の指揮は頼む」
「任されました。ですが……どうかお気を付けて」
「ああ。分かっている」
☆☆☆
「どうします? コノエ艦長。やろうと思えば炙り出すこともできますが?」
そう好戦的な笑みで問うのはマヨイだった。
何のことはない、周囲に漂うデブリに火力をぶち当て、飛散させるだけだ。
ミラージュコロイド・ステルスは電磁的探知手段と背景同調光学迷彩による光学的探知手段をかなりの確率で無効化してしまう。
噴射を切れば、赤外線的探知手段も接近しなければ厳しい。
何しろ、陽電子砲の余波と推進剤タンクの爆発などで熱源があちこちに散乱している状態だ。
しかし、『ネオ・ノーティラスは物理的に消失した訳ではない』のだ。周辺のデブリを破壊し散弾のように飛ばせば、とんだ破片が『何かに当たれば』不規則に軌道を変える。
確率論的な方法だが、それを計測できれば発見自体は可能なのである。
「……やめておこう」
「よろしいのですか?」
マヨイは確認を兼て聞き返すが、
「友軍の要救助者がデブリゾーンにいる以上、放置はできないだろ? それに身を隠す前に敵艦が盛大に放ったのは撤退信号だろうさ。引くというのなら、深追いする必要はない……というか」
コノエは苦笑して、
「これ以上、追い詰めると藪の中から蛇が、それもとびっきりの毒蛇が出てきそうでね」
コノエ、正解である。
まさにネモが現在進行形で”愛機”に乗り込み、出撃準備をしていたのだ。
「”ミネルバ”まで沈められたら、誰も救助する者がいなくなってしまうからねぇ」
流石に猪ばかりのザフトでは珍しい「引きの名手」であるコノエだ。
引き際を間違えない。
「一応、敵艦の偽装撤退を警戒しながら後退することを具申します」
実は内心ではレイの事が心配で気が気じゃなかったメイリンが言うと、
「分かっているよ。周辺警戒を密にしながら”ミネルバ”、後退せよ」
マヨイさん、強すぎひん?(挨拶
というか、コノエ艦長、シスオペのメイリン、操舵手のマヨイという組み合わせが強すぎるw
いや、だってステルスありきの特務艦”ネオ・ノーティラス”と、『アークエンジェル級のザフト的解釈』な純然たる戦闘艦である”ミネルバ”の性質の差があるとはいえ、ネモとナディアなんて一流どころが駆る船を追い詰めるんですぜ?
アーサー君? 彼は癒し要員とかブリッジの潤滑剤とかだから良いんですw
あと、ネモ、素が出まくってますw
さて、次回は……このデブリゾーンでの戦いの顛末、あるいはエピローグ的な話題になると思います。
次回もどうかよろしくお願いします。
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