思いついたら続きを書いていくので気楽に読んでください。
スマホで書いている為、段落分け等おかしい部分があるかもしれませんのでご了承下さい。
「好きです.....!」
皆が自由に活動を始める放課後の時間帯。
グラウンドから聞こえてくる運動部らしき掛け声や、練習中であろう楽器の音色、まだ帰らずに教室でお喋りを楽しんでいる生徒達の声が遠くから微かに聞こえてくる。
先程までそれらに意識を向けていた私は、たった今自身に対して発せられた言葉...その声の主の姿を改めて観察する。
髪はホワイトピンク色で長く、それを後ろで纏めている。
頬を若干赤らめながらも、こちらを見つめる彼女の表情はいたって真剣だ。
前で組まれている手は緊張しているからか震えており、力がこもっているのが一目見ただけで伝わってくる。
爽やかな風が吹き近くに植えてある木からピンク色の花びらが舞い落ちるその光景は、目の前の少女の姿と重なりとても幻想的なものに感じられた。
「桃花ちゃん....好きです」
もう一度、先程よりもはっきりとそう聞こえた言葉。
彼女は私の返事を待つ様に、ぎゅっと目を瞑る。
「結里...」
私は彼女の名前を呼びながらゆっくりと歩を進めていく。
そしてお互いの距離が残り数センチの所まで近づき....
「桃花ちゃ....痛っ!?」
何に期待したのか唇を突き出していた結里の頭に私は割と強めのチョップをかました。
「ひ、酷いよ桃花ちゃん!」
「はぁ....それはこんな茶番に付き合わされてるこっちのセリフなんだけど」
「茶番じゃないよ!本気だよ!」
涙目になりながら頬を膨らませて文句を言う結里に、桃花と呼ばれた少女は怪訝な顔をしながら尋ねる。
「じゃあ、わざわざ私の下駄箱に入れてあったあの手紙は?」
「いつものメッセージアプリで連絡じゃ味気ないと思って!」
「...この桜の花びらは?今もう桜なんて咲いてないけど」
「桜の木の下で告白って良い感じでしょ?だから近所に売ってた造花を使ったの!」
ニッコリと笑いながら自信満々に答える結里の姿に呆れた私は再度ため息をついた。
「告白って.....そもそも似た様な事何回やってきたと思ってるの」
「えっと...5回目くらい?」
「桁が足りない」
「そ、そんなにだっけ!?あ、あはは....」
そう、一世一代の行動と言わんばかりの雰囲気で繰り広げられた告白劇だったが、目の前で誤魔化す様に頬をかいている少女から私は今まで何度も好意を伝えられてきた。
ここまで大掛かりなものは珍しいが、小さいものも含めるとその数は正直数え切れない。
そういうやり取り自体高校に入学したその日から続いているため、周りのクラスメイトからも最早当たり前だよねと言わんばかりにスルーされる様になってしまった。
「まったく..あんたもよく飽きないね」
「飽きる訳ないよ、だって桃花ちゃんの事を大好きなのは本当だから」
先程とは打って変わって恥ずかしげもなく堂々と言い放つ結里に、私は若干こそばゆい気持ちになりながらも地面に落ちた花びらを拾い集める。
「ほら、さっさと後片付けして帰ろう。この後買い物行くんでしょ?」
「あ、そ、そうだった!」
私の言葉に結里は慌てた様子で隣にしゃがみ込み、そんな彼女を見ながら私は何度目になるかもわからないため息を溢す。
風で揺れる木の根本に並んだ2人の少女は、それぞれ持つ”尻尾”を揺らしながら散らばった花びらを拾い集めるのだった。