アキの死体は残らない   作:アーチマン

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悪魔図鑑No.42【ロウサンタ】様

現代編第一弾! そのアイディア使わせて頂きます。ご協力感謝!!


狼の悪魔 其の一

 

 

 

「それで、俺はダインをどうやって扱えば良いんだ?」

 

 日の出を見守った5時半から7時間睡眠に充てた現在12時半。アキとダインロットは朝ごはんなど知ったことかと、そこらのコンビニで購入した弁当を貪っていた。

 

 今日は5月3日日曜日。高校が休みの日であるのは僥倖であった。アキはバカ真面目な気質であるので、悪魔被害によって高校を欠席し、欠席扱いにならないとしても、内心モヤモヤしてしまうのだ。

 

 そう言う意味では、前日の身体や精神的な疲れをとるのには日曜日が最善だった。

 

「扱うって言っても、アキはまだ悪魔と契約するためのデビルハンター資格を持ってないし、許可も取ってないから僕が何かするってことはできないかな」

「そうか…たしかにそうだな」

「先にそっちを取った方が良いかも」

 

 デビルハンターとは行政の管轄である。大戦明けで唯一の命懸けの仕事であるソレは、あまりにも過酷であり、あまりにも需要が大きい。

 銃の悪魔騒動から早くも8年。急増する悪魔被害と相反するようにデビルハンターは減少。さらにそれに反するようにデビルハンターの給料は爆増している。

 もう後がない貧困層や前科持ちがデビルハンターという高給取りに押し寄せ、デビルハンターは野蛮な底辺職だなんて言う人もいるのだ。

 

 世論のイメージはデビルハンター供給に致命的だった。

 

 であるから、ここ最近のデビルハンター資格というのは些か厳格ながらもグレーなものになっている。ゴロツキ連中に公的に凶器を持たせることなど論外だが、しかし一方で明らかに適正な就労年齢ではない者に資格を与えようとする自治体も存在する。

 

「デビルハンターか。なっておいて損はない…が、高校は流石に中退できないぞ」

「高校生デビルハンターになれば良いんだよ! カッコいいし!」

「……かっこいいかはさておいて、仮にデビルハンターになったとしても、お前を何と言えば良いんだ? 人型の悪魔なんて、そんなの前代未聞だし、お前の暮らしにも直結するだろ」

「人型の悪魔はいなくもないよ。まあ珍しいし日々の暮らしにも直結するから僕自身が顕現して力になるのは難しいかな」

 

 ダインロットはそう言って軽く伸びをする。そんな彼は悪魔で角も生えているのだが、その姿はあまりにも人と似過ぎている。軽くフードを被るだけでも人に擬態が可能なレベルである。

 普段はアキの知らない特異な能力で角の認識を誤魔化しているそうだが、やはりありのままの姿を悪魔として見せるのは彼的にはよろしくないらしい。

 

 であれば彼は一体どのような援助を行なってくれるのか。それが疑問として残る。

 

「じゃああれか。悪魔の能力を使わせてくれるパターンか?」

「まあそれが無難だよね。いつかは無難な悪魔に偽って登録するとしても、今はデビルハンターでもないからまあ…悪魔の能力であると露見しない能力を使わせてあげよう!」

「ダインの、能力」

 

 因果の悪魔ダインロット。アキはふと思い浮かべるがその能力は先の戦いで想像がつく。

 

『因果的な運命の不可逆操作』あるいは『事象の取捨の現実化』

 

 先の戦いでは、正にダインロットを因果の悪魔たらしめんとする特異的で驚異的な能力を垣間見た。その能力(ちから)は彼の宣言を現実に落とし、有言実行を常なものとする。

 

 制限があるのか際限はあるのか全くの未知数であるが、自称、強大な悪魔であるダインロットの能力であればそれも小さなものだろう。

 

「君に与える力は━━━」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「狼の悪魔、か…」

 

 とある商業ビルの片隅で、とある企業に置かれている対魔部に所属する平デビルハンター、佐川キイチロウは対魔部の中でも「夜警組」と呼ばれる夜間勤務のデビルハンター達が提出した資料に目を通していた。

 

 狼の悪魔。それは動物系悪魔で戦闘特化の肉食獣ベース。正に動物系最強種の名前であった。最初の被害報告は11月初頭、巨大な獣に襲われたとの通報から始まった。この一件では被害者が腕を喰われ死亡。悪魔は姿を眩ませていた。

 

 2件目はそれから約2ヶ月後の元旦。被害者は頭だけを残し死亡。数名の目撃により狼の悪魔だと仮定がなされ、掃討作戦により討伐された。

 

 しかしそれから1月下旬、三月、とかけて計四回の目撃情報、接敵を繰り返し、今までの獣達は狼の悪魔の分体及び眷属である可能性を深めている。

 

 被害者5名。推定被害者1()0()7()()。最近不自然なまで多いこの街及び周辺の街の行方不明者はおおよそこの悪魔に食べられてしまった可能性がある。

 

 討伐ボーナス1200万円。やばいな。企業様も御執心ってことか。まあ己の沽券に関わるレベルで洒落にならない被害だ。これだけ引き摺ってあとは公安に任せるだなんて企業としての格に関わるのだろうか?

 

「はぁ…憂鬱だ。俺の任務のときに鉢合わせませんように…!」

「オイオイ、まだ若いってのにもうビビってんのか?」

 

 手のひらを擦るように拝んでいると、隣から声をかけられた。

 

 彼は阿直(あち)マサキ。なんでも悪魔討伐20、連勤1000日を超えるエリート社畜なんだそうだ。なぜ公安にいかなかったのかずっと不思議に思っている先輩である。

 

「マサキさん…そりゃ怖いっすよ。だってこれ普通に公安案件ですよね!? ボーナス1200万円はもう魅力より不安しか感じないんですよ!」

「狼の悪魔ねぇ…俺ぁ、もう2匹は殺ったってのに2400万振り込まれてねんだわ」

「そりゃそうでしょ」

 

 彼はなんでももう10年は勤務してるらしいし、公安からの勧誘も受けたことがあるらしいのだが、未だに管理職には昇がっていないのだ。理由はなんとなく分かるが。

 

 そんな後輩から失礼なことを思われているマサキはへへへと笑って、キイチロウの肩を組んだ。

 

「キイチロウ君、君ィ…夢を追いたくはないかね」

「遠慮します」

「まだ何も言ってないぞ?」

「遠慮します」

「いやいや、良い話があるんだよ」

「狼の悪魔討伐なら部長と行ってくださいよ。俺の手に余ります」

 

 マジで、ほんとに、マジで。

 

「部長こないだ遂に契約悪魔に左腕持ってかれたからな。今は討伐報酬でリハビリ兼ねて九州の温泉巡ってるはずだ」

「じゃあ一人で行ってきてください」

「そんなー、対魔部昼間社員もう俺とお前だけだってのによぉ」

 

 ええい離せ!! 公安案件の凶悪悪魔なんて先輩は生きても俺は死ぬ!

 

 俺は1年前に来たばかりの新人デビルハンターである。当時は11人いた社員も3人死んで8人。昼間出勤するのは俺とこの社不先輩、そしてヤサグレ部長だけ。デビルハンターなんてなるんじゃなかった。

 

 福利厚生はなってないし、命懸けだし、同僚はみんな死んでるし、先輩は頭おかしいし…何より歳をとった時に戦力外通告で職がなくなるかも知れない。これが無情か。

 

 ああほんとに…

 

「俺の人生ってやつは…」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

『ちょっと狼の悪魔探してくる』

 

 そう言ってダインロットがどこかへ消えたのが14時頃。早川アキはその間、襲撃を受けたマンションに戻っていた。まだ襲撃を受けて1日も経っていないその場所には物々しい警察車両と静寂があった。

 

 警官はいない、デビルハンターもいない。そこは本当に静寂に包まれていた。

 

「なんだ…誰もいないのか」

 

 アキはその生真面目な性格のため、月曜日を迎える明日に備えて教科書類を回収しに来たのだが、警官がいないのでは入るどころか許可を取る行為すらもできない。

 

 アキは困り果てた。これでは何かをする以前の問題だ。まさか事件が起きてすぐの現場に警察官が一人も出張っていないとは。アキは内心、警察の杜撰さに失望した。

 

「おん、やぁこれは青年、君イケメンだねぇ!」

「!!」

 

 これからどうしようかとマンションの手前で考え込んでいると、急に後ろから大きな声が上がった。

 驚いたアキは声から逃れるようにジャンプして距離をとり、後ろを見た。

 

 そこには二人の成人男性がいた。だが、一般人ではない。なぜならその腰には剣が携えられていたからだ。

 

「デビルハンター…?」

「おっ! 大正解。自己紹介ね。俺は阿直マサキ、こっちはキイチロウ君。俺たち社会貢献大好きデビルハンターだよぉー」

「どうも、佐川キイチロウです」

 

 へへっとピースする阿直マサキと挨拶礼をする佐川キイチロウ。アキは違法に悪魔を契約した身であるので、突然遭遇したこの二人を恐れた。

 アキの心の中にあったのは契約がバレたのかという不安と何故ここにデビルハンターだけが?という懐疑心であった。

 

「丁寧にどうも。俺は早川アキって言います」

「早川アキ! そうか君が今回の事件の被害者か!」

「先輩ッ! 軽々しく言うことじゃないっすよ!!」

 

 ん?なんでだ?という顔をするマサキ。そんな彼を無視してキイチロウがすいませんと謝る。

 

 アキは凸凹コンビだなとキイチロウを憐れんだ。

 

「それで、あなた方は何をしてるんですか?」

「お? 飯食ってただけだぞ。あとついでに狼の悪魔探してた」

「はぁ!? 探してたんすか!? だから今日ちょっと高級な店で奢ってくれたんですね!?」

「飯の礼は全力で返すのが日本人だろ?」

「ぐぬぬ…!」

「楽しそうですね…」

 

 なんとも緩い2人を見てアキの身体の力も抜ける。明らかに公的存在の圧力じゃないとアキが悟ったというのもあるが、目の前の2人の人格を疑いたくないという無性さがあったからだ。

 

 だが今はそんなことよりも優先することがある。彼らは『狼の悪魔』を探しているらしいということだ。デビルハンターなんだからそりゃあそうだともなるが、アキからすればあんな化け物を腰に携えた長剣一本でなんとかしようと思っている彼らにドン引きだった。

 

「大丈夫ですか? 俺から見た狼の悪魔は正直、その剣だけでどうにかなる相手だとはとても思えないです」

「やっぱり!? そうだよね狼なんて明らかに強いモノ司ってるんだから悪魔も強いよねやっぱり俺には無理だ悪魔討伐もまだ1だし倒したのだって蜜柑の悪魔だよおぇ、吐きそう…」

「いやー、コイツは放っておいても大丈夫。なんだかんだメンタル強いからな。それよりもここで君に会えたのはもはやディスティニー! 今日は君にお願いしたいことがあったんだ」

 

 どこか緊張感に欠けるマサキは側にいるキイチロウの肩を組んでアキを指差す。

 なんともまあ、ラフな社会人に毒気を抜かれたアキは自然と聞く体勢を作った。

 

 マサキは言う。

 

「狼の悪魔をぶっ殺すために、お前の周りを張り込みして良いか?」

「はぁ?」

 

 変な声が出た。意味が分からないが彼ら的にはやる価値はあると思っているのだろう。であれば話を聞いてからNoを突きつけるのでも遅くはない。

 アキはそう思い至り、とりあえず話を聞くことにした。

 

「簡潔にいこう。長話は嫌いだしね。それで今日に至るまで狼の悪魔関連での通報は6つあったわけなんだが、そのうち、襲われた人が生きていたのは3つある。君もそのうちの1人だ。でもね、これ裏話なんだけど、君を除いた生存者2名は今行方不明なんだわ」

「…っ! つまり次また俺が襲われると、そう言いたいんですか?」

「うん、確定で襲われる。ドンマイ!」

「馬鹿ッ! 先輩言葉選んでくださいよ!? アキ君、これはまだ確証のあるモノじゃないから安心して。ただ実際に生存者は君しかいないんだ。だから被害者を増やさないためにもって考えでこの人は行動してるんですよ」

「狼の悪魔の報酬ボーナス1200万円!! 沸るぜ」

「……だそうですが」

「…すいません」

 

 ショボンと身を小さくするキイチロウ。アキとしてはここまで萎縮されては何も言えない。それに元々あまり気にしていないことであったので、結局はキイチロウの杞憂である。

 

 一流のデビルハンターは空気を読まない。つまり筋金入りの社会不適合者は常識を知らないのだ。例の如くマサキは空気を読まずに答えを催促する。

 

「それで、決めたか? あ、警察に頼るなんてしても無意味だから。手続きが終わる頃には死んでる。だから選択肢は二つ。一つ目は俺らデビルハンターを護衛につける。二つ目は自力で悪魔ぶっ殺そうとして死ぬ。さあ選べ」

「………確認なんですけど、あなた方は狼の悪魔から俺を守れるくらいには強いんですか?」

 

 アキの疑問は最もである。得体の知れないデビルハンターを護衛にするのはリスクが高い。稀に非正規で武装している闇デビルハンターが混ざっているため、襲われたらひとたまりもない。

 デビルハンターという制度にも問題がある。彼らは基本的に社会的な干渉を受けない。そういう特権を受けているのだ。武装もその一つで、彼らに干渉できるのは法律以上の規制と消極的・警察的目的の規制のみである。

 ある意味では治外法権の塊とも言える。

 

 次は質の問題である。ぶっちゃけ民間デビルハンターが勝てるのはかなり格の低い悪魔に限られる。例外的に強い悪魔も討伐できる一騎当千がいるのだが、本当に稀である。

 

 よってリスクとリターンが不透明過ぎて、警戒してしまうのだ。

 

「おん、強いとも。俺なんて悪魔20匹討伐して狼の悪魔二度も殺してるんだわ」

「え、本当ですかキイチロウさん」

「ええまあ…この人は強さだけが取り柄ですので…」

「へへへ」

 

 マジかよ…。そう言ってアキはマサキをまじまじと見つめる。ヨレヨレの茶色のカーディガン着たこの青年とおっさんの中間みたいな奴が…?

 

 キイチロウは目を泳がせる。マサキはダブルピースをキメていた。アキは世の中性格じゃないなあと遠い目をしていた。

 だが、彼らの話を信じるのならばここにいるのはベテランデビルハンターである。アキとしては是が非でもお近づきになりたい存在だ。

 

 なんせアキが目指していた将来そのものなのだから。

 

「じゃあよろしくお願いします」

「へ…?」

「やったぜ」

「……正気ですか?」

 

 何故かデビルハンター側の立場であるキイチロウが恐ろしいものを見るような目でアキを見てくる。

 まあ普通の人ならば絶対にこんなやばいやつには近づかないだろう。だがアキは違う。彼の将来志望はデビルハンターなのだ。これは言うなれば必然である。

 

「まあ、職業見学みたいなもんです。俺の志望、デビルハンターなんで」

 

 アキは デビルハンター を 仲間 に 加えた。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 ベテランデビルハンターを仲間に加えたアキは、教科書を回収することも忘れてデビルハンターと行動を共にした。

 街の様々な場所を出歩いたりしたが、彼にはベテランデビルハンター阿直マサキがいる。例え狼の悪魔が出ようとも、安心なのだ。

 

 安心のはずで、

 

 なのに、なのに、

 

 

「やべ、遂に俺死ぬわな」

 

 それが彼の最期の言葉だった。6()()()狼の悪魔に囲まれ、ハラワタを抉られながらマサキは剣を振るい戦ったが、もう足も折れそうなほどに抉られ、腕は鉤爪で切り裂かれた影響で曲がらない方へと曲がっていた。

 

「なんで、だって」

 

 モグモグなんてものじゃない。ムシャムシャグチャグチャバキボリメキクチャ。ものの数分でマサキだったモノは原型を失った。奪われた。

 

 ここはアキの住んでいたマンションの近くの路地裏。近くといっても手頃に行ける距離ではないが、悪魔が潜んでいた地としては近すぎる。

 アキ達はそんな路地裏に入った途端に狼の悪魔に囲まれ、襲撃を受けた。

 

「おかしいだろうが」

 

 デビルハンターは皆死んだ。佐川キイチロウは頭がイカれて狼の悪魔に土下座をかまして食われた。阿直マサキは戦い、何匹もの狼の悪魔を倒したが、数の暴力には敵わなかった。

 

「クソ強いデビルハンターだって…」

 

 狼の悪魔が一斉にこちらを向く。目の前にいる獣も、後ろの獣も、建物の屋根にいる獣も、全ての眼光が路地裏の光を反射する。

 

「…ぅ……クソったれがっ…!!」

 

 早川アキに許されたのはその言葉が最後だった。最後の抵抗として反射的にキイチロウの長剣を手に取ったが時すでに遅く。

 

 まずうなじを切られた。

 次に首に噛みつかれ、

 長剣を手に持つ右腕は切り落とされ、

 身体は押し倒され、

 鋭い鉤爪で掘るようにハラワタを掻き出される。

 

「ァァァァァァァ!!!」

 

 痛みと灼熱。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。

 

 悪魔が嗤ってる。なんて愚かな獲物なんだと、馬鹿で、知恵が足りない、格好の餌食だと。

 考える頭からも喰われながら、早川アキはその感情を受け取った。

 

 彼は呼吸器官に噛みつかれた時、最後に口から血反吐を吐いた。喉が詰まる心配はいらない。血が詰まる喉も喰われたからだ。

 

死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ

 

 あ。

 

『君に与える力は、死に戻りだ』

 

 最期に頭で反復したのはそれだけだった。

 

 

 





『デッド・エンド・バースデイ』
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