章分けの都合上で書きたいところまで書いたら長くなりました。
お父様、以前自宅の庭からしか入ることができない隠し部屋を私に教えてくださったこと、覚えていますでしょうか。お母様に隠して設計にねじ込んだというその部屋は、なるほど確かにお父様の好みのものが
ちなみにお母様から言うなと言われたのでお父様にはお伝えしておりませんが、お母様は普通にその部屋の存在を知っているようです。別に悪いことをしているわけでもないので、見逃しているとのことでした。
でもお母様、お父様のお気に入りのグッズへ盗聴器を仕込むのはどうかと思います。あの様子では私が発見できなかっただけできっと恐らく隠しカメラもどこかに設置されているはず。そこまでするぐらいなら知ってると言ってしまえば早いと思うのですが、私の考えが足りないでしょうか。
寮に到着して、ラウンジにいたミタカちゃんとミライさんの二人と合流します。
本題に入る前にどうして二人が首長室ではなく寮にいたのか尋ねると、予想外の回答が飛び出してきたため、私はオウムのようにそれを繰り返してしまいます。
「隠し部屋、ですか?」
「はい。入り口が寮の裏手に隠れている階段しかない、ということが構造からわかっていたのでそちらに向かってみたのですが、階段は下りることができたものの肝心の地下にあった扉が開けられず、ここでどうしようかと考えていたところでした」
二人の話を整理すると、こうです。
今日届いた物品の中に建物のスキャンができる装置がありまして、校舎に試して特に異常がなかったのを確認したので、寮も一応確認しようと戻ってきていたみたいです。
本来であればそこで特に何事もなくチェックを終えて戻るつもりだったようなのですが、表示されたホログラムは地中に存在する隠し部屋を暴き、その存在を二人に認知させました。その地下室に覚えがなかったためにホログラムの詳細を確認し、建物内から向かうのではなく裏手の階段から入るということを確認し、実際に現地に向かうと、地下への扉は見当たらず。
不自然に置いてあった倉庫をトコさんなど分派の皆さんの手を借りて横へ
まあ早い話が、手詰まりになって戻ってきたということみたいです。
「首長補佐も、何か私たちにお話があるんですよね?」
「ええ、先日お話しした夢の話、覚えていますか?」
「夢って言うと、リツカ先輩がこの前話していたカタネさんと分派寮が、という話ですかね?」
ミタカちゃんの言葉に、私は頷きます。
私は今日セイアさんとお会いしてきたこと、セイアさんが私が見た夢と酷似した夢を見ていたこと、セイアさんの夢の中ではプエラ分派の首長補佐が私ではなく前首長補佐のままであったこと、
そして彼女と先生の夢の中ではキヴォトスが終わりを迎えてしまったことをお二人に共有します。
元々お二人には夢の内容を話していたこともあって、そこまでの動揺はありませんでした。
ですが流石にキヴォトス全体に関わる話だとは思っていなかったようで多少の驚きはあるのか、そのスケールの大きさに思考を巡らせる沈黙の時間が続きます。
「セイア様の夢では、現首長の安否はどうなっていたのでしょう?」
「そこについては、私も確認するべきだったと反省しています。予知夢を持つ彼女と共鳴していたこととそれがあまりにも不吉な内容だったことで、混乱してあの場を中断してしまいましたので」
「首長補佐が取り乱すとは、首長補佐がご覧になった夢はきっと想像を絶する惨事が起こっていたのですね。口頭でしか伝えられていない私たちでは想像することしかできませんが、無理はなさらないでくださいね」
ミライさんが私のことを慮った言葉を投げてくれますが、私が見た夢自体は全然大したことがないのです。確かにリツカさんの銃は血に塗れていましたが、人に危害が加わったような景色はそれだけでした。
断片的な景色が見えるだけで人の姿はなく、不吉だとは思いましたがそれだけで。対策をしようと思ったのは私が必要以上に不安視した結果なのです。
セイアさんという予言に関するスペシャリストが同じような夢を見ていたことで結果的に意味を持つことになりましたが、本来なら自分が見た夢を信じて行動した大馬鹿者でしかありません。
「ひとまず、琴宮さんへ話を聞きに行った方が良さそうですね」
お二人と話し合った結果、今できることは地下室への入室方法を探すことだろうという結論に達しました。夢の方はセイアさんたちでも対策が見えていない以上どうしようもないので、目の前のことをまず解決しようというお話です。
また、わざわざ普通の方法では入れない地下室であるならば、失伝したプエラ分派の情報が眠っている可能性もあります。プエラ分派はサクラコさんと調べたように不可思議な部分が多い派閥ですから、その秘匿された資料となれば貴重な情報が記載されていたも不思議ではありません。
セイアさんに明日また話をさせて欲しいと連絡を入れ、時間を作ってもらいます。もしかしたら先生も来るかもしれないと言われてしまって一瞬躊躇しましたが、了承の連絡を入れました。
もし世界の一大事なら、私の個人的な感情で失敗するわけにもいきませんから。とはいえどうも苦手なんですよね、あの人。理由はちゃんと考えたことはありませんが。
「ここ、ですね」
最近ミライさんと作成した入寮者一覧のデータベースから琴宮サナの部屋を検索しまして、お二人と共にその戸を叩きます。
彼女を訪ねようと思ったのは、セイアさんの予言に出てきていたのも一因としてはありますが、それ以前に彼女が首長補佐という職に就いていたからという部分が大きいです。プエラ分派は首長ではなく首長補佐に機密事項が伝わっていく特殊な分派ですので、わざわざ倉庫を置いてまで隠してあった地下室のことを知っているとすれば元首長ではなくこちらだろうと判断しました。
そのインターホンを押して、彼女が出てくるのを待ちます。
ガチャリと鍵の音がして、ひょこっと背の小さい女の子が顔を出しました。
「あ、君か! うんうん、入って入って! サナは部屋でゲームしてるからさ! あ、部屋は突き当りの右ね! 正面の扉はトイレだから間違えないようにね!」
「えっと、あなたは?」
「私? 私はサナの親友兼お嫁さん! 大切なお話みたいだし、私はちょっと外に出てるねー!」
嵐のように去っていった彼女を目で追いますが、さっさと階段の方に消えてしまったので声を掛けることは叶いません。しかし彼女は自分でも言っていたように琴宮さんではありませんので、目的を考えれば気にすることもないのでしょう。
彼女が元首長で琴宮さんの幼馴染であり、琴宮さん同様にもう既に卒業資格を持っている生徒だということは、思い出さなかったことにしておきました。
「行ってしまいましたね……」
「ですが、琴宮元首長補佐は中にいるみたいですね! 行きましょう!」
「ええ、行きましょうか」
小声で失礼しますと挨拶をしまして、開けっ放しだった扉から部屋へと侵入します。大きな声で挨拶できなかったのは家主の許可自体は貰っていないので少し罪悪感があったからですね。その家主本人に会いに来ているので、絶対にその罪悪感は不要だったと若干の後悔が芽生えます。
琴宮サナという人物について、私が知っていることは多くはありません。先程私たちを招き入れた幼馴染と共に分派に入ったこと、元々外部生であること、既に卒業試験に合格していること、そのぐらいです。あまり交友の多い人物ではないようで、幼馴染の元首長と仲良く散歩している姿は目撃されていますが、あまり外に出ている姿は目撃されていません。
廊下の突き当りに到着して、案内の言葉を思い出して右の扉を開きます。
するとその扉の開閉音で幼馴染が戻ってきたと思ったのか、琴宮さんがこちらを見ずに声を掛けてました。
「何の用事でした? 勝手に変な契約書にサインとかしていませんわよね?」
私たち三人が部屋に足を踏み入れても、彼女はコントローラーから手を放すことなく、キャラクターを動かして画面に映るモンスターの討伐を続けています。
その随分と幼馴染に心を許している様子を目の当たりにしまして、というよりも思っていた以上に彼女ががっつりゲームにのめり込んでいるトリニティ生らしからぬ様を見てしまいまして、なんと声を掛ければよいのかと逡巡すること約数秒。
モニターを床に置きその目の間に座布団を敷いて陣取っていた彼女が画面を一時停止してこちらを見たことで、事態は動き始めました。
「まさか本当に契約を結んだわけじゃありませんわよね!? 戻ってきたのに一体何で黙っ、て、え、だ、誰ですの!? あの子が通したんですの!? あ、あなたは、カ、カタネさん!?」
「少し、琴宮さんにお聞きしたいことがありまして」
ちらりと二人に目を向けたものの、ミライさんは無反応、ミタカちゃんは少し引っかかることがあったのか若干頭にハテナを浮かべていそうですが、何に引っかかったのは判っていないご様子。
ひとまず問題なさそうなので早速本題に入ることにします。
「この寮の地下にある部屋について、何かご存じですか?」
「地下の部屋、ですの?」
「はい。ここにいるお二人がこの寮の構造を調べて見つけてくれたのですが、地下に入る鍵穴や仕掛けが見つけられず困っているのです」
一旦二人にバトンタッチし、ミライさんとミタカちゃんに保存してもらっていたホログラムを開いて説明してもらいます。
もしかすると彼女が地下室を封印した可能性もあるかもしれないと思って説明を受ける彼女の様子をずっと観察していたのですが、彼女は終始初耳だと言わんばかりに目を瞬いているだけ。
結局最後まで話を聞いた彼女は申し訳なさそうに力になれないと首を横に振りました。
「わたくしも、いえ、恐らくわたくしの前任の彼女もそうだとは思うのですけれど、わたくしたちはまともな引き継ぎなどされていませんの。強いて言えば仕事のやり方をほんの少しだけ指摘されたぐらいのものですわ。なので残念ですが分派についてはあなたの方が詳しいと思いますわよ」
「地下室の上に倉庫を移動させたのは琴宮さんではないと?」
「倉庫? 裏手に? そもそも裏手に倉庫があることすら知りませんでしたわ。そんな倉庫があるなら、校舎側に無駄に最新式の倉庫を買うという暴挙を止められたはずですもの!」
過去の苦い記憶を思い出して慄く彼女を
しかしそこを彼女が知らないとなると、我々には取れる手段がほぼありません。
再び訪れた手詰まりにどうしようかと考えていると、琴宮さんがふと何か思い付いたようにコントローラーを握りました。
「専用アイテムですわ!」
「えっと、なんて?」
「地下室の入り方についてですわ! 隠し部屋は鍵ではなく専用アイテムを使って開けるというのがロマンでしてよ! 最初の方のダンジョンの壁が物語終盤で手に入るアイテムでようやく入れるようになるなんてRPGでは当たり前のお話ですわ!」
ミライさんが思わず素で反応してしまったのに対し、琴宮さんはゲームの設定画面を開き、マップとアイテム欄を行き来して熱心にこちらに語ってきます。正直今彼女がプレイしているゲームが何かもわかっていませんし、ましてや実際のその場所に行くわけでもなくマップを見て語られるだけでは流石に理解ができるわけもありません。
しかしなんとなく彼女言いたいことは読み取ることができました。
地下室への入室手段は鍵ではなく何かの道具。ゲームで言うキーアイテムのようなものが必要だと言いたいのでしょう。
「プエラ分派に関係する
「それはちょっと流石に……ゲームに毒されすぎじゃないですか?」
「……いえ、あり得るかもしれません」
琴宮さんの熱量に若干引き気味のミタカちゃんの言葉に、私は否を突きつけます。
だって、一つ思いつくじゃないですか。プエラ分派が引き継いできた代物で、卒業した分派の生徒の手によって持ち去られ、長らく別の場所に在り続けていた神器の存在を。
「行きましょう、お二人とも。琴宮さん、くつろいでいるところお邪魔しました」
「べ、別にいつでも来ても構いませんけど、次はちゃんと玄関で一声かけて欲しいですわ!」
「承知しました。では、また機会があれば」
どうせ幼馴染が帰ってくるから鍵は開けたままでいいと言われ、そのまま部屋を出ます。
やはりプエラ分派の伝統を壊そうとしたのはお母様やその前後の代の生徒たちなのでしょう。資料があれば簡単に情報の伝達ができるのなら、その資料がある場所に入れないようにすればいい。口伝で伝わっていくのならば、そもそも次の世代に伝えなければいい。
そうして行われたのが倉庫の設置とお母様による神器の継承途絶なのだとすれば、いろいろと辻褄は合うように思います。それは恐らくお母様や当時の首長室に集っていた方々が今の時代に即していないと考えた結果なのかもしれませんが、情報が失伝し、プエラ分派がその役割を忘れているにも関わらずプエラ分派に集まる人間の性質は変わらなかったのは彼女たちにとって想定外の出来事だったのでしょう。そこについては、この分派に対する理解が甘かったとしか言えません。
「首長補佐、何か考えがあるのですか?」
「私のショットガンを試しましょう」
これをプエラ分派のものだと公言することは、それ即ち私が辰カタネだと言っているようなものですが、これが鍵の可能性が高いのですから仕方がありません。
お二人はそれを理解してか理解せずしてか、あっさりと私の提案を受け入れて地下室に向かうことになりました。一度エントランスホールから玄関扉を出て、ぐるっと建物の裏手に回ります。
少し先に大分年季の入った倉庫が見え、先程の自身の考えに確信を持ちました。その倉庫はどう見てもここ数年のモデルではなく、去年一昨年に買ったにしてはあまりにも古ぼけています。
地面に設置された外開きの鉄扉を持ち上げると、若干お二人に驚かれました。どうやらお二人が最初に入ったときは数人がかりで持ち上げたらしく、一人で持ち上げた私の膂力が信じられないようです。一応カタネさん(リツカさん)には言わないように念を押して、階段を下ります。
「当たりですね」
私が部屋の前に立った瞬間に青白く発光し、ガコンと音を立てて動き始めた目の前の壁は、一分もしないうちに門番の立場を辞して私たちを迎え入れました。
以前シスターフッドで足を踏み入れた資料室とよく似た本棚たちと道具が入ったショーケースが目の前に並び、私は大きく息を吐きます。
一呼吸入れて落ち着けば、ミタカちゃんからキラキラした目を向けられていることに気が付きました。見れば、その視線がチラチラと道具の入ったショーケースの方を向いており、マニアの血が騒いでいるのが見て取れます。
「わかりました。何があったか、記録を付けておいてください」
「ありがとうございます!」
「ミライさん、あなたは私と一緒に資料を探しましょう。今回はプエラ分派の歴史などは置いておいて、空が赤くなる現象やキヴォトスに終焉をもたらす何かについての記述を探しましょう」
それから私たち三人は黙々と資料と道具の確認を進めました。
資料については分派の出納記録や分派の生徒が残したアルバムなど、あまり重要そうでないものがほとんどで、当時はこの部屋もそこまで秘匿されたものではなく、分派の生徒だけが知る資料室というような扱いを受けていたことが伺えました。
途中ミタカちゃんが神器に拒否されて悲鳴を上げたり、古い資料が
「首長補佐、こちらを」
「……狂気の光、ですか」
どうやらそれはシスターフッドの資料のコピーのようで、かなり古い資料ではありますが当時はこの資料の複製をしてもらえるぐらいには交流が残っていたようです。もしかすると先日ウイさんが無人島行きになった原因の無断複製によるものである可能性はありますが、ウイさんが例外側なので考えなくても良いでしょう。
その資料曰く、狂気の光には明確な色はない、とのこと。ある人は黒、ある人は虹色、またある人は白と人によってそれに関する色の説明は異なっていたみたいです。その性質はキヴォトスにいる生徒の肉体を捻じ曲げ、精神を汚染し本質を変化させるというまさに災いと呼ぶべき代物。
一応拒むことはできるようですが、それの性質上抗うことは難しいとか。無駄かもしれませんが見ないように周知はしておくべきかもしれませんね。その存在を知っていれば迂闊に手を伸ばさずに抵抗しようと思うかもしれませんし。
シスターフッドの資料のコピーなのでサクラコさんから既に情報共有がされているかもしれませんが、念のため先生やセイアさんに共有しておきましょう。
そう思ってモモトークを開いたのですが、いつの間にかスマートフォン自体が圏外になっていることに気が付きました。地下なので電波が悪いのかもしれませんね。エデン条約の時も地下に行ったら通信が途切れましたし。まああれはどちらかというとカタコンベに仕掛けられていた何かの術が悪さをしていたみたいですが。
ホログラムで見たときは別にそこまで壁が分厚いとは思わなかったですし、一応地上との扉も開きっぱなしにしているので繋がってもおかしくはない気はしましたが、ひとまず電波が繋がらないというその事実をお二人に共有します。
「ミライさん、ミタカちゃん、あと三十分ぐらいしたら一度出ましょう。ここは圏外になっているようなので、何か別の連絡が来ているかもしれません」
もう少し別の資料も確認したかったので、後ろの時間を決めてアラームも準備します。
そうして次に手に取った資料で、二回目の奇跡の資料を引き当ててしまいました。
ミライさんに歴史については後回しと言った手前気が引けますが、もしかしたら二人目の奇跡が起きた状況がキヴォトスの危機に関係しているかもしれないと誰にするでもない言い訳の準備をして、その資料の読み込みを始めます。
曰く、奇跡を起こしたのは当時の首長。
曰く、奇跡を起こしたことでシスターフッドに列聖されかけるも、プエラ分派で奇跡を起こした一人目が辞退していたことからこの首長も列聖を辞退。
曰く、奇跡を起こせたのは一度目の奇跡と状況が似通っていたからの可能性が高い。
最後の情報、その状況について詳しく書いてほしかったのですが、少し後に書かれた資料なのかあまり詳しいことは書かれていません。
ですが、二人目の奇跡を起こした方は、どうやら先日のエデン条約でアリウスがユスティナ聖徒会を発生させたように、一人目の方の再現という形をとることで奇跡を実現させたみたいです。
なるほど確かに、そういう形で奇跡を起こしたのなら、少しばかりその原理が理解できるかもしれません。私が戒律に介入して準備を行って、先生が実現させて見せたあの要領でやればいいと考えると、もしかすると奇跡は手順を踏めば意図的に起こすことが可能なのかもしれませんね。
『ねえ、聞こえる!? 今どこにいるの?』
「カタネさん、どうしましたか? 私たちは今、ミライさんとミタカちゃんが発見した寮の地下室を調べていたところです」
突然モモトークのメッセージではなく通信でリツカさんから連絡が入り、私はすぐさま返事を返します。
そこに私が違和感を自覚するよりも先に、リツカさんの慌てた声が私たちに届きました。
『プエラ分派寮の周りがなんかおかしいの! 寮にいるなら玄関前に来て!』
そのあまりの剣幕に、私たち三人は顔を見合わせ、しかしすぐに彼女の元に向かう判断を下しました。基本的に何でもそつなくこなしてしまう彼女がわざわざ通信を使ってまで連絡を入れるということは、何か異常事態が発生した可能性が高いからです。
私とミライさんは最後に読んでいた資料がわからなくならないよう、部屋に一つだけ置いてあった作業机の上に粉々になってしまった残骸と共に置いておきます。
ミタカちゃんは私が適当に分派の子に合いそうですねと言ったガトリング銃を取り出し、ショーケースの戸締りをしっかりと行ってからそれを抱えました。
また変なバグり方をしなければいいなと思いつつ入り口に向かった私は、入り口に辿り着いてすぐに外の様子がおかしいことに気が付きました。
「なに、これ?」
そう口にしたのは、ガトリング銃を取り落としたミタカちゃん。
地上に出た私たちの目の前には、真っ赤に景色を変えた世界が広がっておりました。
さあ、彼女たちの最終編になだれ込みましょう。