fate/extra melt blossom 作:もっこもこの埃
「はぁ…はぁ…っ」
崩れ落ちそうな身体を何とか支えつつ、肩で息をする。すでに、目の前に立つサーヴァントは矛を収めている。
そう…もう決着は付いたのだ。ボロボロでゆっくりと霊子の解けていく様を見ればそれは明らかだ。
「そう…私の…」
私の負け…
彼の瞳がこちらを見つめている。もはやそこに敵意はなく、とどめを刺す様子はない。それどころか同情するような優しさすら感じられる。
「あ…」
そんな優しさに、つい手を伸ばしてしまう。駄目だと、滑稽だと知っていて、それでも触れたいと願ってしまう。
もう少し…
あとほんの少しで伸ばした手が触れようという時、微かに残ったプライドがその動きを止める。
「ふっ…それは…恥知らずと言うものだわ」
微かに漏れた本心を、ボロボロの嘘で押し込める。そんな自分が尚更滑稽に思え、泣きそうになり咄嗟に後ろをむく。
「ほら。さっさと行きなさいよ、せっかくこの私を倒したのに時間切れでゲームオーバーだなんて、笑えないでしょ」
精一杯の強がりで彼を追い返す。
これで終わり。
けれど、せめて…
「最後くらい…あなたの役に立って…」
そんな都合のいい願いを…
「そんなことを私が許すとでも?」
最悪の第三者が踏み潰す。
★★★★
★★★★
ゆっくりと意識が融けていく
自分が自分じゃなくなる、別の者に取り込まれる感覚
まさか自分が味わう事になるなんて
あ〜あ、こんな事なら意地はらずに触れておくんだった
彼は私を殺さなかった
私という在り方を、心を完全に砕くことも出来たのにわざわざ…
どこまでも優しいあの人、だからつい…
それにしてもあの女…
『最後くらいあの人の役に立って…』
『それこそ貴女らしくありません』
あぁ、ムカつく
そんな事自分でも分かってる、散々好き勝手やってあれだけの事をしておいて最後くらい彼の役に立とうだなんて…
自分勝手で恥知らずな願い、そんな事分かってる。けれど…
もし、彼の手を取っていたら…
もし、もっと早く変われていたら…
そうしたら…
いいえ違う、それはありえない
私がわたしである以上それはありえない
キングプロテアの様にまだ形を得ていなければありえたかもしれない
けれどメルトリリスは無理、私の愛は完成しているだからこそ私は一度砕かれなければ変われなかった
全ては叶わぬ夢、どうしようもなく残酷な現実
あぁ、いっそ殺してくれれば…私を完全に否定してくれれば良かったのに
最後の最後貴方は私を…私が変われると信じてくれた
本当にお人好しで何処までも優しい人
そんな貴方を、私は…
ホント、馬鹿みたい
だけど…
自分勝手だと、恥知らずだと理解した上で…
それでも私は…まだ
貴方に生きて欲しいと、幸せになって欲しいと願う
私が言えた事じゃ無いのは分かってるけれど、行き止まりの未来へ…絶望の底で産まれた貴方がひたすらに終わりへと突き進んで行くのを見ていると…
どうしても、貴方に幸福になって欲しいと…
貴方を助けたいと思ってしまう
だから最後にほんの少しだけ、わがままを許して?
もし、もう一度貴方に会えたなら
もし、貴方と違う形で会えたなら
私はきっと、素敵な恋をする
今度こそ貴方の手を取れるよう
今度こそ貴方の隣に立てるよう
今度こそ貴方の役に立てるように
ありえない夢、届くことのない思いを
少女は抱いたまま融けていく
★★★★
★★★★
ムーンセル中枢/熾天の檻
総てが集束するこの場所で、おぞましい者が産まれ落ちようとしている
同時に、溶けた願いが片隅で無数の光に飲まれ
ゆっくりと何かを…
あるはずのない運命を芽吹かせる
ex/recordの追加ルートはなんだと思います?
-
レオルート
-
自鯖エルキドゥ
-
ccc関連
-
その他新規ルート