fate/extra melt blossom 作:もっこもこの埃
goもパレードもボックス開けるので忙しい
三回戦/二日目の朝
ありすがアリーナに仕掛けた記憶が消えていく結界、その対策を考えながら校舎を歩く
「ねぇ、白野。貴方、いつもそれを食べているけれど、そんなに好きなの?」
メルトリリスがそんなことを尋ねてくる
「それ」と言うと当然、自分が今食べている焼きそばパンの事だろう。
「まぁ、好き…かな?結構美味しいよ。
それに、学校生活と言ったら焼きそばパンって感じじゃない?」
「いや…それは知らないけれど…」
メルトリリスはジッとこちらを見ている
…もしかして、食べたいのだろうか
「メルトも食べる?」
持っていた焼きそばパンを差し出してみる
メルトリリスは少し迷った様子を見せた後、
差し出された焼きそばパンを口にする
「ん…まぁまぁね。美味しいとは思うけれど、毎日食べたいとまでは思わないわ」
「そう?俺は好きだけどな…」
とても美味しい、という程でもないが決して不味くはない
平凡な味にどうも親近感が湧いて気に入っているのだが…
メルトリリスと二人で廊下を歩く
見慣れた校舎の内装、いつも通りの光景に…
ノイズが走る
「…ッ!?」
突如、酷い耳鳴りと共に視界が白く染まる
「ふむ…雑魚を縊のにも飽きてきた。
いい加減、張合いのある強者とまみえたいものだが。
お主はどうかな?」
耳鳴りが止むと同時に開けた視界に入ってくる異質な光景、校舎とは違う…なにより、
目の前にいる男は…
纏った気配が、こちらを見据える目が、
この空間を支配する空気が物語る、明確な死
殺される、そう直感する
アサシン、その言葉を体現した様な男がこちらへと迫る
「白野っ!!」
襲い来る拳撃をメルトリリスが迎え撃つ
背筋が凍る様な殺気をなんとか堪えつつ、メルトリリスへ指示を出し、応戦する
「ッ…!!」
「ほぉ…」
ほんの一瞬の攻防、
だが…それだけで十分に理解できた
強い、とてつもなく…
このまま戦えば、間違いなくこちらが負ける
どうする…
「多少はやるようだが…」
「…校舎内で奇襲なんて、セコい真似しておいてよく言うわ。口は達者な様だけど、まともにやって勝つ自信がないわけ?滑稽ね」
「カカッ、それはそうだ。しかし、今の儂はサーヴァント故な、マスターの方針に逆らうわけにもいくまい。だが、お主の言う通り所詮は舞台裏の戯れ、満足できるはずもない。
そら、もう幕が上がる」
そうくちにした男には既に戦いの意志はなく、
再び、耳鳴りと共に視界が白く染まり始めた
気が付くと、普段の見慣れた校舎へと戻っていた。
しかし…目の前に立つ黒服の男、
確か、予選では葛木という教師だったが…
明らかに雰囲気が違う、
先程の男程ではないが確かな殺気が周囲を包んでいる
「アサシンの襲撃を逃れたのか…
いや、遊びがすぎただけか。
雑魚は雑魚、何の支障にもならないだろうが…ここで始末しておくにこしたことはないな」
黒服の男がこちらへと近づいてくる
まずい、校舎内だろうと関係なく襲ってくる
サーヴァントがアサシンならばわざわざ決戦など待たず、ペナルティを受けてでも他のマスターを暗殺した方がやり易いのだろう
メルトリリスに指示を出そうとしたところで、凍てついたような空間が第三者によって破られる
「あら、ずいぶんと好き勝手やってるようね。
流石は噂になるだけはあるのね、放課後の殺人鬼さん?」
黒服の男の背後の廊下、壁に寄りかかるように立つ赤い人物
「…遠坂凛、か。
極東のテロ屋が人助けか?ずいぶんと丸くなったものだな」
「何を勘違いしているのか知らないけど、私は単にかの西欧財閥の王様はそんな雑魚にビビって部下に片付けてもらってることに驚いただけよ。
そいつを殺すってなら別に止めやしないわよ?お好きにどうぞ」
男はこちらに背を向け、遠坂凛と対峙する
言っている通り彼女はこちらを助けたわけじゃないのだろう、今のうちに逃げるべきだろうか…
そんなことを考えていると、
「…いや、止めておこう」
黒服の男は僅かに体から力を抜く、
同時に周囲を包んでいた殺気も消え失せる
「へぇ、諦めるのね。黒蠍…ユリウス・
「好きに言っていろ。捨ておいても構わない雑魚にわざわざ構っている間に後ろから刺されては笑えんからな」
そう言い捨てて、ユリウスと呼ばれた男はこの場を去っていった
残された二人、
自然と遠坂凛と目が合う
「言っておくけど、助けたわけじゃないわよ」
そう釘を刺される
だが、結果として助けられたのは事実だ
「なんにせよ、助かったからお礼は言っておくよ。
ありがとう、凛」
「ま、それくらいは受け取っておいてあげる。
それで?二回戦は突破出来たみたいだけど、記憶は戻ったの?迷子の子羊さんは」
いいや、まだ…そう言って首を横に振る
「ふぅん、そんな状態でダンに勝ったんだ…」
小さく呟いて、こちらをじっと見つめる彼女
三回戦、今になってもまだ自分の記憶は戻っていない
けれど、それでも前に進む道を負けられない理由を、
自分は得ることが出来ただから、今はそれで十分だ
「ま、何にせよ精々頑張りなさい」
そう言って遠坂凛は立ち去ってしまう
…そういえば結界について聞いてみればよかったと、後になって思い出した
★★★★
校舎の隅、廊下の窓際にいつもの様に佇んでいるラニを見つけ少し悩んだ後、声をかける
「ラニ。二回戦の時はありがとう、おかげで助かったよ」
「そうですか、無事二回戦を突破出来たのですね。
お役に立てたようで何よりです」
こちらに体を向けて少し微笑むラニ
彼女のくれた情報のおかげで二回戦は上手く立ち回ることが出来た
彼女なら何か対策を思いつくかもしれない、そう思い尋ねてみる
「記憶を失っていく結界ですか…しかし、アリーナを侵食しているとなると通常の結界術ではなく固有結界でしょうか」
「名前を答えれば解除できると思うんだが何かいい方法はないだろうか」
ラニは少し考え込んだ後、
こちらに微笑んで
「お任せ下さい、いい方法があります」
そう答える
そうか、流石だ
伊達に眼鏡をかけてない、今日もバッチリ似合っている
「とても簡単なものです。体に呪印として名前を刻み込めば決して忘れることはありません。大丈夫、痛みはありますが命に関わるほどのものではありませんので」
…いや、やっぱり似合ってないかもしれない
自分は眼鏡をかけている人物と関わってはいけないかもしれない、何故か分からないがそんな気がしてきた
「と、とりあえずもう少し自分で考えてみるよ。色々ありがとう、それじゃあ」
そそくさとその場を立ち去る
ラニの不思議そうな声が後ろから聞こえた
「命を落とすよりは良いと思うのですが…」
★★★★
そんなラニのとんでもない提案に少し気を落として、廊下を歩いていると白い少女と出会う
「あ、お兄ちゃん」
…ありす、この少女について自分はまだよく分かっていない
どう見ても無邪気な幼い少女にしか見えないが、彼女もまたなにかを願いこの戦いに参加したのだろう、そして一、二回戦を勝ち進んだ…
「ねぇ、クイズの答えはわかった?」
「…いや、まだ考え中かな」
「そっか、がんばってね。すぐに消えちゃったらあたしはつまんないし、あたしもお兄ちゃんといっぱい遊びたいから」
笑顔でそう話すありすからは、とても敵意が有るようには感じられない
この少女はいったい、なぜ…
「…お兄ちゃんはあたしとお友達になってくれる?」
「友達…」
「うん。あたしね、ここに来るまでずっとひとりぼっちだったの。けど、この不思議な世界に来てあたしに出会ってとても素敵なお友達が出来たわ。
だからそれで満足だって思ったんだけど、お姉ちゃんが友達はいっぱいいた方が楽しいって、だからお兄ちゃんともお友達になりたいな」
友達…
自分以外の全員が敵になるこの聖杯戦争の中で
そんなものになれるのだろうか
少女の問いに少し戸惑っていると、
黒い少女が姿をあらわす
「ねぇ、あたし。そろそろおやつの時間よ、お腹がすいたら楽しく遊べないわ」
「あ、ホントだ。行かないと、じゃあねお兄ちゃん」
白い少女は黒い少女に促され姿を消す
残された自分は、「友達になりたい」そんな少女の言葉が頭から離れず少し考え込んでしまう
「今朝あんな事があったのに廊下の真ん中で呑気に考え事?もう少し気をつけた方がいいわよ?」
いつの間にか目の前に立っていた遠坂凛が話しかけてくる
遠坂凛…この聖杯戦争が始まって彼女に色々と助けられた、なんだかんだ言いつつこうして自分と話をしてくれる
それでもやはり自分と彼女の間には壁がある、いつか殺し合うことになるから、だからどうしても…
「いや、自分の名前を思い出す方法を…」
「…なに、あなたついに自分の名前すら忘れたの?」
とても呆れたような表情で聞き返してくる彼女に、自分の置かれた状況を説明する
「ふぅん、記憶を忘れていく固有結界ねぇ。
…でも、そんな長時間アリーナ全体を書き変え続けるなんて…いったいどんな魔力量してるのよ」
固有結界…
ラニも口にしていたがそんなに凄いことなのだろうか
「当然でしょ?固有結界は自身の心象風景を具現化、限定的とは言え一つの世界を創り出す魔術の到達点の一つよ、それを維持するには莫大なリソースが必要になる、だから基本的に長時間展開し続けるなんてことはないわ。たとえ魔術に長けたキャスタークラスのサーヴァントであってもね、それこそムーンセルみたいに無限に近いリソースがあるなら別だけど」
そうなのか
やはり可愛らしい外見と反してあの少女はこれまで以上の強敵なのだろう
「それで、何かいい方法はないか?」
「へ?…そんなの、メモでもしとけばいいじゃない。
手とか嫌でも目につく場所に」
…なるほど
言われてみれば確かに簡単なことだ
忘れてしまうのなら忘れないようにメモをすればいい
さっそく手に名前を書いておこう
「ありがとう、凛」
彼女にお礼を言って早速アリーナへと向かう
が…途中メルトリリスに呼び止められる
「白野…手、見せてくれるかしら?」
…急にどうしたのだろうか
手、と言われても何も持っていないのだが
ひとまず左手を差し出してみる
「そっちじゃないわ。名前を書いた右手…ほら、はやく」
そう言ってジッとこちらの目を見つめるメルトリリスに渋々名前を書いた右手を差し出す
「これは、なに?」
「…名前です」
「へぇ、貴方いったいいつの間に改名なんてしたのかしら。ねぇ?
右手に書かれた名前、
『岸波白野』という自分の名前…そしてもう一つ、
フランシスコ・ザビエル
かの有名な宣教師の名前…
「いや、面白いかなと…」
「笑えないわよ。せめて、タイミングは考えたら?」
はい…すみません
真顔で怒るメルトリリスに謝り、右手に書いた偉人の名前を塗りつぶす
…絶対ウケると思ったんだけどな
いや、メルトリリスが言うようにタイミングの問題かもしれない、また機会があれば試してみよう
★★★★
再び緑に覆われたアリーナへと足を踏み込む
瞬間、頭の中に少しの違和感が生まれる
…なにか、大切なことを忘れているような
ふと、自分が一枚の紙切れを握りしめていることに気が付く
紙を広げ確認してみると、そこには…
あなたの名前はなに?
そんな言葉が書かれている
途端、酷い頭痛に襲われる
「白野っ、しっかしりなさい」
隣でメルトリリスがこちらに叫んでいるが、何を言っているのか頭に入ってこない
少しづつ頭の中が白く染まっていく…
けれど一つだけ、紙を見た際に一緒に目に入った自分の右手に書かれた文字…なにかは分からないが、それがとても重要な事だということだけは覚えている
頭痛に揺れる意識を必死に押さえつけ手に書かれた不可解な言葉を口にする
「きしなみはくの」
言葉を口にした瞬間、アリーナを覆っていた森は煙のように消え失せ、
頭痛が止むと共に靄がかかっていた記憶もはっきりと思い出せるようになった
「あら、
「すごいわ、お兄ちゃん。大正解よ」
いつの間にか白黒の少女が自分たちの前に立って、
黒い少女は少し驚いたように、
白い少女はとても楽しそうに、
「少し簡単過ぎたかしら」
「そうね、お兄ちゃんはやっぱり凄いのね。別の遊びを考えなきゃね、あたし!」
「えぇ、もっと楽しい遊びを考えないといけないわね、あたし」
楽しげにはしゃぐ二人を前に、
メルトリリスが動く
「冗談じゃないわ、くだらない遊びに付き合う気はないの」
「次はもっともっと楽しく遊びましょ、お兄ちゃん!」
少女達に向けて振り抜かれたメルトリリスの脚は空を斬る
ありす達の姿は一瞬にして消えてしまった
「…っ、逃げ足の早いことね。まぁいいわ、とりあえず暗号鍵を探すとしましょう、白野」
メルトリリスに促され、改めてアリーナの探索を始める
…ありすからは相変わらず敵意を感じないだが、先の固有結界は明確にこちらを殺す目的で仕掛けられたものだ
アリス…あの黒い少女はありすと同じように見えて、何かが違うような気がするが、
彼女は何者なのだろうか、サーヴァント…にはとても見えないのだが
ex/recordの追加ルートはなんだと思います?
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