fate/extra melt blossom   作:もっこもこの埃

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したいこと/すべきこと

 

 

三回戦 五日目 昼

 

 

 

地下へと続く階段を降り、

購買に向かうと店の隅にルビーが置かれているのが目に入る

学校の購買にはとても不釣合いな宝石

 

「凛が言っていたのはコレか。

えっと、値段は…」

 

500万

 

……はっ!!

いや、宝石など縁のない自分には相場が分からないし、これが普通なのかもしれないが…

流石に手が出せない

どうしたものか…

 

「あの、もしかしてソレをお求めですか?」

 

ルビーの前で考え込んでいると、店員に話しかけられる

 

「そうなんだけど…流石に買えないかな」

 

「そうですか…正直なところそのルビーはなんでここにあるのか分からなくて、その上値段が値段なので誰も買いませんしこっちとしても困ってるんです。

そこでなんですが、良ければ取引しませんか?」

 

取引?

自分に出来ることであれば勿論、受けるが…

 

「何をしたらいい?」

 

「保険委員の桜さんはご存知ですよね?

実は先日彼女がお弁当を作っているのを見かけまして。

噂ではなんでも支給品として配るらしいんですね、ちらっと見ただけなんですけどとても美味しそうで…ずっと気になってるんです。けれど、支給品はマスターの方々しか受け取れないので私は手に入れることが出来ないのです…そこで!

もし桜さんのお弁当を持ってきてくれたら、コレは差し上げます」

 

あぁ…なんとなく予想していた

そうか、やっぱりなのか…

いや、ありがたい話ではある

でもまだ続くのかこのお使いは

 

「わかった、任せて」

 

「はい!よろしくお願いしますね」

 

 

★★★★

 

 

 

購買を後にして、保健室へ向かう

 

 

そういえば今回の支給品はまだ受け取ってない

それの代わり、という形で貰えないだろうか

 

そんな考えを頭に浮かべながら、

保健室の扉を開く

 

「桜?ちょっといいかな」

 

「岸波さん、こんにちは。

今回の支給品ですね、今お渡しします」

 

こちらに気づいた桜は挨拶を返し、ゴソゴソとポケットからアイテムを取り出そうとする

 

「あ、いや…えっと、ひとつ頼みがあるんだけど」

 

「…?なんでしょうか?」

 

さて、どうやって頼もうか…

いや、考えても仕方ないこういうのは思いりきが大事なのだ

 

「お弁当を作って貰えませんか!!」

 

「…?はい、構いませんよ」

 

少しの沈黙、目を見合わせたあと

桜は微笑みながら快く了承してくれた

 

「ちょうど、次の支給品として配ろうと試作していたので。岸波さんにはまだ今回の支給品をお渡ししていませんからその代わりにお渡ししますね」

 

そう言うと桜は棚から重箱を持ってくる

 

「試作品ですが、これでよろしければどうぞ」

 

お弁当?…お弁当、これが?

もっとこう…いや、間違いなくこれもお弁当なのだが

ここまで豪華なものを用意してくれるのか

少し中を覗いてみる

 

「すごいな、重箱なんて。それにどれも美味しそうだ」

 

「いえ…暇なので。大切にしてくださいね?」

 

「ああ、ありがとう!」

 

桜に礼を告げて保健室を出る

 

しかし…大切に、とは?

まぁ、とりあえず目的のものは手に入れたし購買へ戻るとしよう

 

「はぁ…流石に引くわね。重箱って、いくらなんでもやり過ぎでしょ。よっぽど存在をアピールしたいわけね」

 

まぁ、確かにここまでとは思ってなかったが

こちらとしてはありがたい…のか?

よく考えるとこれは、回復アイテム扱いになるわけなのだが…

 

「それはそうとして、貴方…ソレ購買のnpcにあげるのよね?」

 

「そうだけど?」

 

元々その為にお願いしに行ったわけで、

桜のお弁当と交換でルビーを貰う、それが自分の目的だ

 

「へぇ?ま、私はどうでもいいけど。作って貰ったお弁当を他人に渡すのねぇ…」

 

メルトリリスは悪い笑みを浮かべながらこちらの顔を覗き込んでそんな事を言ってくる

 

???

いったいなにが言い…

あ!

…あぁ、なるほどそうか、それは確かに…

いや、しかしこれは…

 

「いや、これは…」

 

「サイテイね、白野?」

 

「…いやでもっ、結果的には桜のお弁当のおかげで俺は助かるわけで、それは支給品として考えた場合ごく正しい使用用途と言えると思う…のできっと桜も許してくれる…はず」

 

きっと…

おそらく…

 

「くくくっ。まぁ、気をつけなさい?ああいうのは結構根に持つから、バレたら忘れた頃に襲われて拉致監禁、なんてことになるかもしれないわよ」

 

そんな恐ろしいことを口にするメルトリリス

桜はそんな事しない…

優しい子だから…きっと

 

 

そんなこんなで、ルビーを手に入れて凛の元に戻ると

 

「え?…本当に持ってきたんだ…」

 

驚いたような様子でルビーを受け取り、代わりにマラカイトを差し出してくる遠坂凛

 

なんで、そんなに驚くのか

そんなに信用ないのか自分…

 

とにかく、これで材料は揃った

あとはラニの元に持っていけば、

長かったお使いも終わりだ

 

「言っておくけど、慎重に使いなさいよ?それしか無いから、言われても次は出せないからね」

 

「ああ、助かったよ凛」

 

 

★★★★

 

 

 

「ラニ、これでいいかな?」

 

持ってきたマラカイトをラニに渡す

マラカイトを受け取ったラニは、小さく頷くと

少し待ってください、と言って何やら作業し始め

しばらくして、こちらにひとつの剣を差し出す

 

「どうぞ」

 

受け取った剣…

なんの変哲もないただの剣にしか見えない

 

「これが…ヴォーパルの剣?」

 

「はい、それがヴォーパルの剣です。

もとよりヴォーパルの剣はただ鋭いだけの剣ですから、それはそう在る物として作られた剣に過ぎず、これといった力はありません」

 

そうだ

詩に出てくるヴォーパルの剣は鋭い剣としか書かれていない、そして…ジャバウォックにも特殊な力があるとは書かれていない

 

そもそも、ヴォーパルの剣が必要と言う考えが間違いの可能性もある。

いや、もっと言えばあの怪物がジャバウォックと言う前提が間違いだってことも有り得る

 

「無駄足じゃないといいんだけど…」

 

「…あくまでも模造品なので一度役割を果たした時点で砕けるでしょうが問題は無いかと」

 

ラニが怪訝な表情で訴えてくる

出来を疑ってると思われたようだ

 

「いや…ごめん、疑ってた訳じゃなくて。

あの怪物が本当にジャバウォックなのかなって」

 

「聞いた限りでは、ジャバウォックであると考えていいかと思いますが…そうですね、確かにかの童話では仰っていたような無敵性は記されていません。

ですが、こう考えてみては?なぜ、ジャバウォックが無敵性を持っているのかではなく、何故…どうしてヴォーパルの剣が必要になるのか、と」

 

ヴォーパルの剣が必要になる理由?

それは、詩の中でジャバウォックはヴォーパルの剣で首を刎ねられて、だから…

いや、そうだ何も理由は無いのだ

ただそう書かれているから、というだけ

 

以前の名前を忘れる結界、『名無しの森』もジャバウォックと同様に童話の中に書かれていたが、クイズではない

なら、どうしてクイズになったのか…

それはありすが遊ぶことを望んだから…

アリスはありすの願いを、夢を叶えようとしている

戦いを遊びに偽って

 

もし、これも同じように遊び、なのだとしたら

 

「演劇…お遊戯会か」

 

何を演じるかが決まっているのなら、台本通りに進める他にない。

ジャバウォックの詩を演じる以上、ジャバウォックはヴォーパルの剣で倒されなければならない

それは、逆に言えばヴォーパルの剣以外では倒されることがないと行ってもいい

 

あの怪物は『ジャバウォック』ではなく、『ジャバウォックの詩』そのものであり、自分は首を刎ねた騎士なわけか

 

「あくまで、考察に過ぎません。ですが、それらが事実であればこれを用意したサーヴァントの在り方も見えてくるのでは?」

 

 

 

★★★★

 

 

 

三の月想海/二層

 

 

 

ヴォーパルの剣を受け取り、アリーナへと足を踏み入れる

アリーナの奥、怪物の近くへと来ると手にしていた剣か光を発して砕け散る

 

瞬間、周囲を包んでいた圧迫感が消え去る

これは…

 

「上手くいった様ね。それじゃあ、借りを返すとし…」

 

「バイバイ、ジャバウォック!」

 

策が上手くいったことを確信して怪物と交戦しようとしたところに、メルトリリスの言葉を遮るように幼い声が響き、同時に立ち塞がっていた怪物が消滅する

 

「ありす?」

 

「あたしっ!そんなことをしてはいけないわ!」

 

「ごめんね、あたし。でも、このままじゃまた…

()()()()()()()()()()()()()()…そしたらきっと…もう。

あたし、もっと…」

 

弱々しいありすの声、震えていて、今にも泣きそうな少女

そんな少女に、

彼女のサーヴァントは…

 

「っ…えぇそうね。でも、それならどこかに行ってしまう前に箱の中に閉じ込めてしまえばいいわ。そうすれば、ずっと…」

 

「それは…っ、そうだけど…」

 

少女はそれ以上、言葉を発することなく

姿を消してしまう

 

「あら、振られたの?残念ね。

あなたの大事なお友達は戦う気がないみたいだけど?それでも戦うつもりなわけ?」

 

そう言ってメルトリリスがアリスと対峙する

おそらくアリスはロビンフッド同様に直接戦闘を得意とするサーヴァントではない

となれば…

 

「…勘違いしないで。

あたしはアリス、ありすのあたし。ありすの見る…幸せな夢、傷つけたりなんてしないわ。

さぁ、せっかくだから遊びましょう?鬼ごっこは好きかしら」

 

アリーナが不気味な魔力に包まれる

無数の使い魔が周囲を囲む

トランプの兵隊…

 

「メルト、いけるか?」

 

「もちろん、楽しいパーティになりそうね」

 

兵隊が動き始める

同時にメルトリリスが駆ける

 

 

少しの間、トランプ兵を相手にメルトリリスが駆け踊り

アリスの姿はいつの間にか消えていて

アリーナには自分とメルトリリスだけが残されていた

 

「流石、綺麗に終わったね」

 

「はっ、この程度なんてことないわ。当然でしょ」

 

これで暗号鍵は手に入った

あとは、決戦の日を待つだけだ

けれど…

『もっとお兄ちゃんと遊びたい』

そんなありすの言葉はどうしても…

それに、また行ってしまう、とはいったい

自分は…

 

「…よし、やろう!いこう、メルト」

 

「は?…なによ?行くって、どこに?何するわけ?

ちょっと、白野?」

 

少しの決意を持って、アリーナを出る

その足はマイルームではなく、別の場所へ…

 

 




そう、桜には気をつけないと
後ろから、こう…ズドンッと.44マグナムで

ex/recordの追加ルートはなんだと思います?

  • レオルート
  • 自鯖エルキドゥ
  • ccc関連
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