fate/extra melt blossom   作:もっこもこの埃

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一回戦
はじまり 1


海を漂っている

 

どこまでも続く広大な海

 

温かく自身の全てを受け入れる揺りかご

 

害する者も否定する者も無い、世界の全てが自分を肯定する

 

幸福な世界にゆっくりと体が沈んでいく

 

ふと、目が覚める

夢を見ていたようだ

見慣れた天井、真っ白なシーツが敷かれたベッド、

ここは…おそらく学校の保健室だろう

あれは…夢だったのだろか

そんな考えをかき消すように声がかけられる

 

 

「あら、ようやくお目覚め?もう聖杯戦争が始まってるって言うのに呑気な事ね、まぁちゃんと休息を取れるのはいい事だけど。それに、貴方の寝顔を眺めるのも悪くはなかったしね」

 

体を起こし声の主と向き合う

メルトリリス死に瀕した自分を救ってくれた少女、

やはりあの出来事は現実だったようだ。

それにしても…

 

「聖杯戦争?」

 

メルトリリスの言葉に疑問が浮かぶ

状況的に自分がなにかの戦いに参加したことは分かるがそれが一体なにを目的としたものなのかがまったく分からない

しかし、聖杯と言うと確か…願いを

 

「あぁ…そう言えばそうだったわね。…いいわ!特別に私が教えてあげる、光栄に思いなさい?」

 

そうしてメルトリリスからこの聖杯戦争について

聖杯戦争の中で自身の代わりに戦闘を代行するサーヴァント・英霊について

いつの間にか左手に刻まれたサーヴァントとの唯一の繋がりである令呪について

そして、この戦いの最終目標であり最後に生き残った者ただ一人だけが得ることの出来る聖杯について、一部投げやりな部分もあったがある程度説明を受けた

 

「っと、こんなものかしら。なにか聞きたいことはある?」

 

「なら…メルトリリス」

 

「メルトで構わないわ、一々めんどくさいでしょ?」

 

そうか、それはありがたい

 

「えっと…じゃあメルト、聖杯戦争中サーヴァントは名前じゃなくクラス名で呼ぶんだろ?ならメルトの事もクラスで呼んだほうがいいんじゃ?」

 

他の参加者に自身の呼び出した英霊の真名がバレないようにするのがセオリーらしい、しかしメルトリリスのクラスを自分はまだ知りもしない

 

「…そうね、真名を知られればその英霊の出自がバレる。

それは同時に戦闘スタイルや弱点もバレる事になる、だから普通は名前を隠してクラス名で呼ぶわね。

でも、それはあくまで普通の英霊の話。

最初に言ったでしょう?貴方は幸運だって、私はメルトリリスそこらの英霊とは訳が違うわ、バレて困るような弱点なんてひとつも無いものだから名前を隠す必要もないのよ。

というより、私どのクラスにもあてはまらないの」

 

どのクラスでもない?

そんな事があるのだろうか

 

「あるのよ、実際私にクラスは無いわけで。まぁ、敢えて言うならライダーかしら?騎乗スキル持ってるし」

 

「そっか、ならそのままメルトって呼ぶよ」

 

「えぇ、それがいいわ。そうしなさい」

 

さて、他に質問はあるだろうか

正直聞きたい事が多すぎてなにを聞こうか迷う

でも、あぁそう言えば

 

「そういえばどうしてメルトは俺の名前を知ってたんだ?」

 

名前?とメルトリリスは首を傾げる

 

「いや、ほら…初めて会った時自己紹介をする前、て言うかまだしてないんだけど、白野って名前で呼んだろ?」

 

選別の場、死の淵にいた俺を華麗に助けた彼女は確かに俺の名前を口にしていた

 

「…あぁ…そういえばそんな事も…

ハッ!そんなの簡単なことよ、貴方が召喚したのだから自分を呼び出した相手の名前ぐらい把握しているに決まっているでしょう?それとも貴方、名前も知らないような奴にホイホイついて行くのかしら?」

 

そうか、そういうものなのか。

確かにそれは、そうかもしれない

 

「そうなんだ、じゃあ改めて俺は岸波白野。

これからよろしく、メルト」

 

「えぇ、精々この私に相応しいステージを作れる様頑張りなさい」

 

今更ではあるが自己紹介を済ませる。

とりあえず今はこのくらいでいいだろう

 

「それじゃあ、そろそろ行きましょか。

あまりのんびりしている暇は無いもの、なんせもう聖杯戦争は始まっているのだから」

 

そう言ってメルトリリスは姿を消す

聖杯戦争においてサーヴァントは基本霊体化して姿を消しているものらしい

 

「あ、岸波さんもう体の調子は大丈夫ですか?」

 

ベッドを降りて敷居のカーテンを開けると声をかけられる

紫色の地面につきそうな程長い髪、そして制服の上に白衣を着た生徒、確か…

 

「えっと、桜…だよね。おかげでもう大丈夫そうだ。ありがとう」

 

自分の一つ下、一年の間桐桜。

確か保健委員をやっていたはず保健室に寝かされていたのは彼女のおかげだろうか?とりあえずお礼を言う

 

「いえ、私は特に何もしてません。貴方をここに運んだのは言峰神父で…。とりあえず何ともないようでしたらよかったです…。予選通過に伴い預かっていた記憶もお返しいたしましたのでご確認ください」

 

記憶?一体なんの事だろう

 

「聖杯戦争の予選では一時的に皆さんの記憶をお預かりしてモラトリアムを過ごしていただいたんです。」

 

そう言われても自分の名前以外の事を何も思い出せない

 

「えっと、俺の記憶が戻ってないみたいなんだけど…」

 

「記憶の返却に不備ですか?そう言われても管轄外ですので私には何も…」

 

抗議の声はあっさりと切り捨てられた

 

「あ、これお渡ししておきますね」

 

桜が差し出した物を受け取る

なにかの携帯端末の様だ、色々も使い道がありそうだが…

 

「これは?」

 

「マスターの皆さんは受信される通知に気をつけるように、だそうです。では、これから聖杯戦争本戦になりますので大変だとは思いますが頑張ってください。

それと、私も定期的に支給品をお渡ししているので、もし暇があればお越しください」

 

そう言って桜はこちらに背を向け椅子に座ってしまう

もう話す事は無いということか

 

「ありがとう、桜」

 

軽く挨拶をして保健室を後にする

部屋をでて保健室のドアを閉めると霊体化していたメルトリリスが現れて話しかけてくる

 

「は、うざ。いい子ぶっちゃって、何が暇があればーよ!そうしなきゃ出番がないだけでしょ」

 

出て早々ぼやき始めるメルトリリス

余程桜が気に入らないようだ

 

「出番?」

 

「そ、あの子健康管理AIだから基本保健室に篭もりっきりなのよ。どっかの神父みたいに職権乱用して好き勝手したり出来ない優等生様だから。支給品渡すくらいしか仕事がないのよ、まぁその支給品も大抵のマスターは自前で用意出来るから必要ないし、ホント貴方が使わなきゃまったく出番ないわよアレ」

 

メルトリリスは言うだけ言って再び霊体化する

しかしそうなのか、AIも色々と大変なんだな

なんだか可哀想なので定期的に支給品は貰いに行くことにしよう、少なくとも自分にとっては役に立つものだろうし

そんな事を考えながら廊下を歩いていると、

ふとある事に気が付く、おそらく触れるべきでない話題

そう分かってはいたがつい口を滑らせてしまう

 

「メルトって桜と似てるよね」

 

明らかな地雷、直ぐに自身がやらかしたと気付くがもう遅い

いつの間に姿を現したメルトリリスに壁際に追い詰められる

 

「は?誰が誰に似てるですって?」

 

「いや、ほら顔とか…」

 

そんな事を口にした瞬間メルトリリスの足が顔を掠める

ちょうど頭の横ギリギリの場所に足先が突き刺さる

おや…これはいわゆる壁ドンでは?

まぁ、胸キュンどころか心臓がきゅってなってるんですが

 

「よく見なさい!!頭のてっぺんから足の先までどこからどこまでもまったく違うでしょう?それで…もう一度聞くけれど誰が誰に似ているですって?」

 

「いえ…なんでもないです、はい。全然似てません」

 

「そう、ならいいわ」

 

納得してくれたのかメルトリリスは自分を解放し再び霊体化する

この話題には二度と触れないようにしよう、絶対

串刺しは嫌だ…でも、やっぱり似てるよね顔とか…

そんな考えを頭の隅に封印し、特に意味もなく2階へと上がるすると見慣れた顔が目に入った

 

眼鏡をかけた黒い制服の学生

見慣れたその姿は…

 

「む?おお、お前も突破出来たのか。

良きかな、良きかな!

ところで本戦の校舎はもう見て回ったか?

屋上からの眺めは最高だぞ!」

 

生徒会長の柳洞一成、予選とは違う反応にほんの少しだけ安堵する。

彼がそういうのなら一度屋上に行ってみるのもいいかもしれない、そう思い足を進める

ex/recordの追加ルートはなんだと思います?

  • レオルート
  • 自鯖エルキドゥ
  • ccc関連
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