fate/extra melt blossom   作:もっこもこの埃

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姿なき暗殺者

 

 

五回戦 三日目

 

 

 

「…ところで、メルトがいた世界の俺ってどんなだったんだ?」

 

話を聞いて気になったことを聞いてみる。

別の世界の自分…四回戦の時にもう一人の自分と相対したがそれとはまた違う、全く繋がりのない自分。

彼女が何よりも願った者…岸波白野のはどんな人物だったのだろう?

 

「どんなって…別に変わりやしないわ。弱いくせにどうしようもなくお人好しで善人で…ホント、誰かさんとそっくりな馬鹿だったわよ」

 

随分な言いようだが…

安心したような気もする。

 

「それより、そろそろ行きましょう?

ようやくこうして私を知れたって言うのに失格だなんて笑えないでしょう?」

 

そんなメルトリリスの言葉に頷いて立ち上がる。

色々な疑問はあれど今はこれで十分だ。

メルトリリスの言う通り早いところ暗号鍵を取りに行ったほうがいいだろう。

そう思いマイルームを後にする。

 

 

 

 

★★★★

 

 

 

 

五の月想海/一層

 

 

 

「あの連中も来てるようね。せっかくだから挨拶してあげましょうか」

 

 

アリーナへ入るとメルトリリスはそう言ってこちらへ振り返る。

そんな彼女に無言で頷いて足を進め始める。

どの道ユリウス達もアリーナにいるのなら遭遇することになるわけだし、それならば今までのように奇襲されるよりこちらから向かった方がいいだろう。

 

そうしてメルトリリスと共に攻勢プログラムを倒しつつ先へ進むと…

いた。

開けた場所で佇んでいたユリウスを見つける、サーヴァントの姿は相変わらず見えないがここにいる以上近くにいるのだろう。

 

「……はぁ、ここまでくると不愉快だな。

なぜ残された時間を大切に使わない?勝ち目がないことはいい加減理解出来ただろう」

 

心底理解できないといった表情を浮かべ、呆れたようにそう言い放つユリウス。

 

「ハ…冗談のつもり?笑えるわ。これで会うのは何度目かしら?何度も襲っておいて仕留め損ねる三流を相手に何を理解しろって言うの?」

 

「呵呵、痛いところをつかれたな?ユリウス」

 

「…貴様の遊びが原因だろう」

 

メルトリリスの挑発に不愉快そうな表情を浮かべるユリウスとは対照的に愉しげに笑うサーヴァント。

やはり姿は見えないがそこにいるようだ。

 

「笑ってる場合かしら?せっかくの異名に泥がついて残念ね?二の打ち要らず、だったかしら?」

 

「ほう?儂を知っていると?」

 

「まさか、知らないわよ。知ってたとしてもいちいち覚えちゃいないわ、三流の殺し屋なんて」

 

メルトリリスの言葉にサーヴァントが反応する。

どうやら正体を知っているようだが…

 

「いやはや…ここまで言われてはな。ユリウス、ここは儂に任せてはくれんか」

 

「…まぁいいだろう。次の六回戦で遊ばれても困るからな」

 

「だ、そうだ。どれ…ちと遊ぶとしようか」

 

瞬間、周囲の気が張り詰める。

それに合わせメルトリリスが前へと出る。

 

「メルト」

 

「ええ、指揮は任せるわ」

 

姿の見えない敵、

三回戦でのアーチャーも同様に透明化する宝具を使用していたが今回は…

 

「ブリゼ…エトワールっ!」

 

火蓋を切るように放たれた斬撃は空を斬る。

相手の出方を知りようがない以上こちらから動くしかない。

 

「メルト、右だ!」

 

こちらから動けばある程度むこうの動きも予測できる。

けれど、やはり問題は…

 

「っ…!?」

 

放たれた一撃をなんとか防いだもののメルトリリスは大きく弾き飛ばされてしまう。

 

緑衣のアーチャーとの一番の違い、

それが戦闘スタイルの差…遠距離での暗殺を得意としていたアーチャーと違い、このサーヴァントは近接戦闘に長けている。

 

「チッ…鬱陶しいわ、ねっ!」

 

「甘い」

 

届かない、

メルトリリスの刃はサーヴァントの体を捉えられずにひたすら空を斬り続けている。

もちろんメルトリリスもギリギリで攻撃を避け続けてはいるが、このままだと…

 

「メルト、下がれっ!」

 

「っ……」

 

攻撃を止め大きく距離をとる。

あまりやりたくはないが仕方ない。

 

「ほう…誘っているな?」

 

あからさまな隙、

誰が見ても罠だとわかる単純な作戦。

普通なら絶対に乗らない、が…

 

「よかろう」

 

そんな言葉が響く。

姿は見えない、けれどはっきりとわかる。

ど真ん中、正面から突っ込んでくる!

 

「メルトっ!」

 

「ああっもう!いちいち癪に障るわね!!」

 

苛つきを叩きつけるように刃を振り下ろすメルトリリス、

それを…

 

 

《セラフより警告》

《アリーナ内でのマスター同士の》

《戦闘は禁止されています》

 

 

 

「むっ…!」

 

二人が衝突する寸前、

赤い光と共に互いの体が引き離される。

 

「止めが入ったか、いやしかし…呵呵!

やはり持ちこたえたな、万全とはいかぬとも気の迷いは消えたらしいな」

 

「…満足したか?もう行くぞ」

 

ユリウスはそう言って早々とこの場を立ち去っていく。

 

「呵呵…我が主は相変わらずよ。ではな、お主たちには少しばかり期待しておるのだ…落胆させてくれるなよ?」

 

そんな言葉を最後にサーヴァントも去ったようだ。

それにしても…

 

「まったく…いい加減鬱陶しいわね、あのスキル」

 

そう、あの透明化のスキル…

こうして戦ってみてわかったが、おそらく実際の戦闘能力自体ならばメルトリリスはユリウスのサーヴァントに引けを取らないはず…

だが、あの透明化がある以上そもそも対等の戦いをすることが叶わない。

まずはそこをなんとかしなければ。

 

 

★★★★

 

 

 

アリーナでの戦闘の後、暗号鍵を入手し打開策を得るため凛の元へ訪れる。

 

「気配を消すスキル、ねぇ…」

 

メルトリリスが言うには気を操り自身の気配を完全に消し去ることで周囲に溶け込んでいる、細かいことは知らないとのこと。

 

「あれをどうにかしなきゃやりようがないわ。いつかのネズミと違って余計な枷もないし?」

 

三回戦のアーチャー、ロビンフッドには本来と異なる戦闘スタイルという致命的な弱点があった。

けれど今回は違う…

このまま押し切るのは難しいだろう。

 

「うーん…気、ねぇ?何とかできるとは思うけど…ちょっと待ってくれる?」

 

そう言って何やら作業し始める凛を眺めながら少しの間待っていると…

 

「はい、これ」

 

「これは?」

 

「対精神トラップ。メルトリリスの言う通り気を使って姿を消しているならそれで何とかできるはずよ」

 

なるほど。

それじゃあ自分はこれをアリーナに仕掛けてくればいいのか

 

「それじゃあ、今日のところは休みなさい。

また明日、アリーナに入ったら前と同じように通信で細かい指示をだすからお願いね」

 

「わかった」

 

 

作戦は立てた。

ひとまず今日は凛の言う通りマイルームに戻って休むとしよう

ex/recordの追加ルートはなんだと思います?

  • レオルート
  • 自鯖エルキドゥ
  • ccc関連
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