fate/extra melt blossom 作:もっこもこの埃
五回戦 四日目
第二層にて取得されたし
端末の通知が響く。
昨日言われた通り渡されたトラップをアリーナへ仕掛けに行かなければ…
★★★★
<アリーナに入ったみたいね>
凛からの通信が聞こえる。
<良さげな場所にマーカーを設置したから、ひとまずそこに向かって>
「わかった」
そうして、
凛の指示に従いながらアリーナにトラップを仕掛け終える。
<よし!とりあえずそれでオッケー。それじゃあ、また後でね>
あとは実際にユリウス達を誘き出してトラップにかける、か。どうすればいいだろうか…
まぁ、とりあえず今日はある程度アリーナを回って帰るとしよう。
★★★★
アリーナから帰還し、マイルームへと戻る途中メルトリリスに声をかける。
アリーナを周りながら攻勢プログラムを倒していてふと気になったことがあったのだ。
「戦って得られる経験値が少なくなったような気がするんだけど…」
気のせい…かとも思ったが明らかに得られる量が減っている。
単純にアリーナの仕様なのだろうか?
「ああ…それはそうよ。
元々私のスキルで増やしてたんだもの、それが元に戻ったってだけよ」
「…元に?」
確かに以前メルトリリスはそういったスキルがあるとは言っていたが…
「そ。言ったでしょ?制限されてるって。
それがなくなってスキルが元に戻った結果経験値の増加は消えたってわけ。
まぁ、同じこと…って言うよりもっと手っ取り早くレベルを上げることも出来なくはないんだけど…」
そこまで言うと、目を伏せて少し考えるような様子をみせ
「
いつも通りの笑みを浮かべながら言うメルトリリス。
チートとは…一体どういう?
よく分からないが、まぁ気にすることではないだろう。
そんな話をしているといつの間にかマイルームについて、明日に備えて休むことにした。
★★★★
★★★★
五回戦 五日目
そろそろ人も減り始めたのがわかる静かな校舎、
そんな中で激しい爆発音が響き渡る。
「…っ!!流石に簡単にはいかないわねッ!!」
階段を飛び降り、そんな事をぼやきながら走り出す。
背後では仕掛けた複数のトラップが起動し爆煙をあげている。
「チッ…テロ屋め、何のつもりだ」
そんな中を鬱陶しそうな表情を浮かべ突き進むユリウス。
仕掛けられた全てを悉く防がれているのだから先程の凛のぼやきも当然と言える。
「いい加減に…ッ!」
廊下の奥、
アリーナへ続く曲がり角を曲がる、
その瞬間、先程まで追いかけていた…
いや、いつの間にか入れ替わっていたソレは瞬く間に光となってユリウスを拘束する。
「囮…いつの間に」
「舐めんなってのっ!!」
身動きのとれないユリウスへと複数の魔術が放たれ、爆煙をあげる。
「ぐっ…なんで今ので無傷なのよ!あんた本当に
「何のつもりだ?
お前が岸波白野と組んでるのは知ってる。
テロリストの分際で人助けにでも目覚めたか?」
そんな質問に答えるように魔術が発動する。
凛の手に握られた宝石が光を放ちはじめる。
「…まずいぞ、ユリウス」
「っ!?退路を…正気か?」
「悪いけどこっちも色々あるのよっ!!」
通路を塞ぎ、自らを囮として使っての自爆。
逃げ道はひとつ…アリーナへの扉のみ。
「クソ…」
ユリウスが凛から手を離し、扉へと手を伸ばそうとする最中、抑揚のない声と共に今まさに炸裂するはずだった魔術がかき消された。
「そこまでだ。
再三言っているが校舎での戦闘は禁止されている」
セラフによる強制介入、
監督役である言峰が現れたことで二人は動きを止める。
「監督役か…来るのが遅いんじゃないのか」
「なに、ゴースト相手戯れているなら見逃そうとも思ったのだが…これ以上暴れられてはな。
そういうわけだ、ペナルティをくらいたくなければ大人しく引きたまえ…二人とも、な」
「…まぁいい、殺す時間が早まっただけだ」
不愉快そうにそう言い残し、ユリウスはアリーナへと消えていく。
その様子を見て、凛は少しの間なにか呟くと立ち上がり言峰へ向き直る。
「それで…監督役がマスターを助けるなんて何のつもりなわけ?」
「うん?先程も言ったが校舎での戦闘は禁止されている…が、私の管轄ではないのでな。
とはいえ、アリーナへ続く扉まで破壊されては事後処理が面倒だ、というだけの事だ」
そんな返答に凛はため息をつくと、言峰の横を通り過ぎ去ろうとする。
すれ違いざま、凛へと言峰は思い出したかのように声をかける。
「ああ、それから…分かってはいるだろうが君は本来
「あっそ、ルールに忠実で助かるわ」
言峰の警告を適当に聞き流し凛は保健室へと戻っていく。
残された言峰は先の戦闘痕を片付け始める。
「やれやれ、本当にどこで何をしているのやら…アレは」
人気のない廊下にそんな嘆きが響く。
★★★★
★★★★
凛との作戦会議を終えアリーナへと訪れる。
凛の考えた作戦…
それは自分たちが先にアリーナへ入り隠れ、凛がユリウスをアリーナへと追い込むというものだった。
サーヴァントのいない彼女がユリウスと戦闘になることに、そして何より自らの命さえなんとも思っていないかのような凛の言葉に抵抗を感じ反対したが、結局こうして押し通されてしまった。
「白野、心配なんでしょうけどこっちに集中しなさい。貴方が負けたら全部水の泡よ?」
「ああ…わかってる」
そうは言ってもやはり不安は拭えない。
自分が何かをする分には慣れてきたものの、こうして誰かを待つのははじめてで…
「…はぁ。
癪だけど凛は優秀な魔術師よ、勝ち目のないことはしないわ。それは貴方も知ってるでしょう?」
「…そうだな、きっと大丈夫だ」
「ええ、心配するだけ無駄よ」
そうしてメルトリリスと共にアリーナで隠れて待っていると、
<白野くん…聞こえる?>
「凛!無事なのか?」
<まぁ…何とかね。それよりユリウス達がそっちに行ったから…あとお願いね>
凛からの通信にひとまず安心し、すぐに気を引きしめる。
通信が切れたと思えばアリーナの空気が変わる。
「来たわね」
じっと隠れて様子を見ていると、
トラップの前まで来たサーヴァントが足を止める。
まさか、気付かれたのだろうか…
「どうした?」
「ふむ…いや、些細な事よ。
これでは蚊も殺せ…ッ!?」
一瞬、サーヴァントの目がこちらを捉え…
呆れたようにトラップを踏み抜いた。
瞬間、背景へ溶け込んでいたサーヴァントの姿が露わになる。
「おい、どうなってる!?」
「見ての通りだ!呵呵!儂の気功をまさか…儂自身に返すとは!!これでは当分は治らんな」
「笑っている場合か!!」
「まったくね、舐めたことしてくれるじゃないっ!」
姿が見えるようになったサーヴァントへとメルトリリスは刃を振り下ろす。
「わざと罠に掛かるだなんて、遊び気分のまま死ぬなんて無様過ぎて笑えないわよ?」
「呵呵!そうは言うがな、これほどの強敵は今までいない…まして圏境を破られるとは。
気が昂るのは仕方あるまい?そして、お主とて同じだろう」
強襲したメルトリリスを弾き、クツクツと笑うサーヴァントに動揺した様子はない。
それどころかむしろやる気に満ち始めているように見える。
「一緒にしないでくれる?そんな野蛮な趣向があるなんて…殺し以外に芸のない野蛮人なのかしら?」
「そうか?その割には随分と愉しげだぞ?
とはいえ、これ以外に能が無いのも事実。もはや正体を隠し戦う意味もあるまい…なぁ、ユリウス?」
「はぁ…やるぞ、アサシン」
「メルト!」
それぞれの声に合わせ二人のサーヴァントが動く。
幾度となく重なる刃と拳、
ようやく同じ土俵に立たせることが出来た。
激しい戦闘の中、ユリウスが動く
<メルト!下がれっ!!>
「っ!?…ッ!!」
ユリウスの放った魔術が炸裂する。
放たれた魔術がメルトリリスを捉えられずに土煙だけを巻きあげる中、
「ちっ…アサシン、引くぞ」
「む?…まぁ、仕方あるまい」
突然、ユリウスは戦闘を中断し踵を返し去ろうとする。
「あら、逃げるわけ?よっぽど凛に手こずったのかしら、それとも…真っ向勝負は怖い?まぁどちらにしても後がなくなったわね」
ユリウスの背中へとメルトリリスはそんな言葉を投げる。
その挑発に乗ってかユリウスは去ろうとする足を止め振り返り、少しの間こちらを眺めたあと口を開く。
「分からんな…お前といい、遠坂凛といい、何故そこまでその男に肩入れする。
聖杯戦争なぞ英霊にとっては無益なもの、それも結果の見えた戦いなど以ての外だろう。
それとも…まさか、本当に勝てるとでも思っているのか?」
「当然でしょう?私たちが負けるはずないもの」
「…そうか、なら教えてやろう。
お前たちのやっていることはまったくの無意味だ、いくら手を貸そうがそいつが何かを生み出すことも、何かを成すことも無い。どれだけ着飾ろうと、どれだけ舞台を整えようと、木偶は木偶…人にはなれん」
否定、ただひたすらに否定。
無駄だ、と
いくら努力しようと岸波白野には何も無い、と
断言するユリウス。
それを否定するほどの自信も、
否定できるだけの根拠も自分には無い。
けれど…
「あら、
所詮は野蛮な三流の殺し屋に過ぎないわけね。
まぁいいわ、その方が都合がいいから。寄り付く虫は少ないほうがいいもの…one of themとか嫌いだし」
ユリウスの言葉に、
メルトリリスは気にする様子もなくそう答える。
価値を解さない者を嘲笑うように笑みを浮かべながら。
そんな返答にユリウスは、
無表情のまま真っ暗な瞳でこちらを見つめた後、
深いため息をつき再び口を開く。
「興醒めだ。
ムーンセルがひた隠しにする英霊…
どんなものかと思えば、まさか…人形遊びに傾倒する
そう言い放ち、今度こそこの場を去っていった。
ユリウス・B・ハーウェイ、
正直なところ未だにどういう人物なのか分からない。
あの男にはただひたすらに他者への殺意しか感じられない。
悪意や憎悪とは違う、ただ仕事をしているだけ…
けれど、なんとなく…
先程の言葉には別のなにかが込められていたような気がした。
★★★★
五回戦 六日目
朝、昨日のことが気になり報告がてら凛の様子を見に訪れる。
「上手くいったみたいで何よりだわ」
思いのほか元気そうな凛を見て安心して、ユリウスのサーヴァント…アサシンについてある程度話し終える。
すると凛は、ふと口を閉ざしたと思うと真剣な表情でこちらに向き直る。
「ところで…前にあなた、自分がネットゴーストかもしれないって言ったじゃない…あれ、正解だったわ」
不意に告げられた事実、
けれどそう驚きはしない。
なんとなく、
そうかもしれないとは思っていた。
「あなたの肉体は存在しない…戻る記憶なんて無い。
あなたはこの聖杯戦争が始まる前には存在しない。
この電子の海で産まれたバグ…意味は分かるでしょ?
あなたはたとえ勝ち残っても聖杯を手にすることは出来ない」
凛はこちらを見つめたまま淡々とどうにもならない現実を語る。
そして…
「それでもまだ…あなたは戦うの?」
こちらを案じるように、
選択を再確認するように問いかける。
けれど…
自分がその答えを口にするよりも先に凛の表情が崩れ、呆れたようなものに変わる。
「なんて…今更ね。
うん、あなたはそういう人だもの」
こちらの表情を見て答えを察したのだろうか?
なんにしても、凛の言う通りだ。
その答えはとっくに得ている。
「ああ。進み続けるよ、行き止まりだろうと…必ず」
「それじゃあ、ユリウスなんてチャッチャと倒してふんぞり返ってる王様をギャフンと言わせてやりましょっか!」
決戦まであと一日、
出来ることをやろう
■中国武術+++
アサシンのもつスキル。
会得難度が高くAランクでようやく習得したと言えるレベルとのこと。作中の描写においてもこれは正に極地と言える。
それにしても…EXランクの武術スキルを持つ輩は一体どんな超次元武術を使うのだろうか
ex/recordの追加ルートはなんだと思います?
-
レオルート
-
自鯖エルキドゥ
-
ccc関連
-
その他新規ルート