fate/extra melt blossom   作:もっこもこの埃

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なぜかapoとごっちゃになっていた。
記憶の混同って怖いね


だからこそ

 

 

Sword, or Death

with what in your hand…?

Flame dancing, Earth splitting, Ocean withering,

 

 

 

 

決戦の火蓋が落とされる。

今までとは打って変わって真正面からの高速戦闘。

お互い自分の得意な土俵で戦っている以上、その実力差が明確に勝負を左右する。

 

「……っ!」

 

<メルト、後ろっ!>

 

「む…ふむ、良く視えているものだ」

 

「…小賢しい奴だ」

 

アサシンとメルトリリスにそこまでの差はない。

ユリウスのコードキャストによる支援もなんとか凌げている…が、やはり手が詰まる。

そしてそれはこちらだけではない…ユリウスも同様に…

 

「ちっ…アサシン」

 

「応…さて」

 

そんな状況でユリウスが動く。

凛の言った通り、

アサシンへの援護を止めこちらへと向かってくる。

……ここからが本番だ。

 

「メルト」

 

「ちっ…仕方ないわね」

 

不愉快そうな表情で渋々返事を返すメルトリリスを横目に走り、できる限りユリウスから距離を取る。

 

「無駄なことだ」

 

相変わらず無表情なまま迫ってくるユリウスの手がこちらに触れようとする瞬間、

僅かな閃光と共に複数の障壁が展開される。

 

「っ!これは……テロ屋め、余計な真似を」

 

ああ……

こうして直接相対すると、まざまざと実感させられる。

自分の無力さ、そして…

いかにこの戦いが峻烈なものかを。

 

「っ…ぐっ!!…っ…」

 

酷い痛みが衝撃とともに腹部を襲う。

蹴り飛ばされた体を支え、起き上がろうとするが酷い痛みに体が上手く動かない。

 

「っ…はぁっ…」

 

「……………」

 

真っ暗な瞳をこちらに向け、ゆっくりと近づいて来る。

凛が用意したアイテムやプロテクトもことごとく破られていく。

もし自分1人だったなら…

いや、もしユリウスが本気で殺すことだけを考えていたならきっと…

既に勝負は決していただろう。

けれど……どうしてだろう…

彼はどうしても…

 

「くだらない……実にくだらない。

そうだ…1つ、いいことを教えてやろう」

 

どうしても、

自分を…岸波白野を否定しなければならないらしい。

だから、まだ…

 

「この決戦場における勝敗はサーヴァントの戦いのみで決まる。そう、マスターの生死は関係ない……たとえ相手の魔術師を殺そうが、自身のサーヴァントが敗れれば結果は引き分けになる。

だから、大勢の連中はマスター同士で殺し合うことは無い。やるだけ無駄だからな……だが、お前はどうだ?

いかにサーヴァントが強力だろうと、いくら遠坂凛が支援しようと、お前が死ねば……それで終わりだ」

 

否定…

ひたすらな否定…

なにが言いたいのかは分かっている。

 

「そう、全て終わり。

お前の努力もお前のサーヴァントの信頼も遠坂凛の期待も……何もかも無意味に消える。

なぜか?簡単だ、お前が弱いから、お前が無力だから、お前が無価値だから、お前が………お前だからだ」

 

最後のプロテクトが破られる。

真っ暗な瞳がこちらを見下ろしている。

感情の読めない瞳には自分が映っている。

 

「人の価値は変わらない。

いくら努力しようと、いくら足掻こうと変えられない……お前も分かっているだろう?」

 

どうしようもない現実を突きつけてくる。

知っている、分かっている。

けれど…

 

痛む体を無理やり起き上がらせる。

せり上る吐き気をなんとか堪え、ユリウスを見据える。

 

「…………っ」

 

「分かってるさ…そんなこと。

自分が弱いことも、今までの勝利が皆のおかげだってことも。だけど、だからこそっ……

俺は止まるわけにはいかない。

進まなくちゃいけない、進み続けなくちゃ……

だって、それが…それだけが…俺の誇りなんだから」

 

「そうか…………ならもう死ね。

そのくだらない誇りを抱えたまま、無価値に消えるがいい」

 

ゆっくりとユリウスの手が迫る。

もう自分を守るものは無い。

これで……決着が着く。

 

もしかしたら…

この男も自分と同じように…

いや、もしそうだとしても…

 

「ああ…それから、もうひとつ」

 

今はただ彼女だけを

 

「俺も彼女を信じてる」

 

「……っ!?」

 

伸ばされた手が触れようとする瞬間、

大量の水が壁となって自分達の間を遮る。

 

「………アサシン?」

 

 

 

 

 

★★★★

 

 

 

★★★★

 

 

 

 

少し離れた場所でそれぞれの戦いが繰り広げられる。

マスター同士、サーヴァント同士…

この聖杯戦争においてはそうない状況だ。

 

「っ…」

 

「……どうした、やはり気になるか?」

 

幾度となく交わされる剣戟の中で、

注意がそれた瞬間を一気に詰められ競り合うと同時にそんな言葉が投げられる。

 

「惜しいな。それほどの力、そう持ちうるものでもあるまい。できることなら、本来のお主とやりたかったのだが」

 

そんな落胆した表情を浮かべるアサシンへと、

返答代わりに刃を振るい距離をとる。

 

気が白野の方に向いているのは事実だが…

 

「勘違いしないでくれる?

これは余裕と言うのよ。まさか、この私と対等だとでも思っているわけ?」

 

「呵呵、そうかそうか。

だがなぁ……力を見せぬまま死んでしまっては面白くなかろう?」

 

そう言ってアサシンが構えると共に、空気が張り詰める。宝具を使うつもりなのだろう。

まぁ…こちらとしても悠長に遊んでいる余裕はないし。

 

「それもそうね。

とっとと終わらせるとしましょうか」

 

呼応するように、両脚に魔力を込め……

 

「……いくわよ」

 

「…っ!!」

 

瞬時に加速し、

攻撃、再加速を繰り返す。

 

「いくわよ、いくわよ、いくわよ!!」

 

「呵呵、そうでなくてはなぁ!」

 

幾度となく繰り返される連撃がアサシンの防御を崩す。そうして放たれる渾身の一撃。

 

「グリッサード……っ!」

 

しかし……

放たれた刃は穿つべき対象を見失い空を切る。

アサシンの圏境は確かに破られ未だ回復しきれていない。

だが……

 

「っ……!!っ゛……」

 

「七孔噴血…撒き死ねい」

 

姿なき魔拳は正確にメルトリリスの心臓を穿つ。

以前とは違う、全力の一撃……

凄まじい勢いで体内がぐちゃぐちゃに掻き乱される。

言葉通り至る所から血が溢れ出して血塗れになった体が膝をつく。

 

「今度は逃れられまい。

いかに妙な体質であろうと全身をくまなく壊し尽くした。

まったく…残念にほか………」

 

勝負はついた。

確実に殺した……

にもかかわらずアサシンの中に違和感が芽生える。

幾度にわたる戦いの経験か、

もしくは…人ではない者への本能的な直感か……

 

「っ!?…これは」

 

芽生えた違和感に、

ふとメルトリリスへと目を向けると、

その肉体はまるで水のように溶けだしている。

何よりも…

いつの間にか、アリーナが大量の水で覆われている。

 

「……囮」

 

「いつの間に、って?

そうね…言うなればはじめからよ」

 

「これは……っ宝具か!アサシン、迎撃しろ!!」

 

「呵呵!!いやはや…これはまた、随分と。

まさかとは思っていたが妖魔の類だったか!」

 

ユリウスの声に再びアサシンが構える。

先程とは違う、人を殺すものでは無い。

道を拓く為の拳を…

 

「はぁ?失礼な奴ね……まぁいいわ。

迎撃ですって?街を呑む大海を相手に人間如きに何が出来るというのかし…らっ!!」

 

「っ!!」

 

巨大な渦がアサシンを呑み込む。

絡みつくような水は宝具はおろか圏境を使うことすら許さずその体を捕え、刃を突き立てる。

 

サラスヴァティ……メルトアウト(弁財天五弦琵琶)

 

 

 

 

★★★★

 

 

 

 

★★★★

 

 

 

 

アリーナを埋めつくしていた水が捌けると、

赤い障壁が両者を隔てる。

 

「白野、無事?」

 

「………!ああ」

 

初めて見るメルトリリスの宝具、

圧倒的な力の奔流に呆気にとられていると、

いつの間にか隣までやって来ていたメルトリリスがこちらに声を掛ける。

その声に我に返り、

ようやく自分達の勝利を実感する。

 

「ふむ……敗けた、か」

 

「……………………………」

 

「いやしかし、海とはな。

呵呵、儂の拳もまだまだ未熟だったというわけか」

 

「はっ……まさか。それが限界よ、あなた達のね」

 

障壁の向こうで笑うアサシンの体はゆっくりと崩壊し始めている。

その傍らで力無く膝をつき俯いているユリウス……

 

「さて……残念だが儂らの敗けだ、ユリウス」

 

「………………」

 

アサシンの声に応じる様子はない。

妙な空気が張り詰める。

 

勝利は…した。

だが、自分はあの男のことをなにも知らないままだ。

そのせいか何とも言えない感情が渦巻いている。

 

「ユリウス……」

 

意図せず言葉が漏れる。

そして……まるで、それに反応するように

 

「っ!!………俺は……俺は死ねないっ!!

こんな…こんなっ!!ところでっ!!」

 

ユリウスの叫びがアリーナに響く。

既に体は崩壊を始めている。

にもかかわらず、呪詛のように紡がれるプログラムが酷いノイズをはしらせながら、死を否定しようとしている。

 

「ユリウス…お主なにを…」

 

「白野、下がりなさい。

なんのつもりか知らないけど無駄よ、大人しく負けを認めなさい。どの道その様子じゃなにかするよりも早く貴方の体が砕けるのがオチよ」

 

メルトリリスの警告にも目もくれず、

ユリウスはプログラムを走らせ続ける。

だが、事実ユリウスの体は無理に行使される魔術によって余計に崩壊を早めている。

このままならメルトリリスの言う通り………

そんな光景に呆気にとられていると、

突然ユリウスの体が大きく跳ねる。

そのさなか一瞬、ユリウスの瞳がこちらを捉えて……

 

「……っ」

 

その瞳は今までとは違う、

殺意ではなく、明確な嫌悪…

岸波白野への憎悪が込められていた。

 

「っ!!…アサシン!令呪を以て命ず!俺の魂を繋ぎながら生き長らえろ!その手で復讐を果たす迄っ!!」

 

「なっ!?…ぐっ」

 

悲痛な叫びと共に放たれた令呪が放った激しい閃光がその場を飲み込み、ユリウス達の姿が消えてしまった。

これは、いったい……

予想外の出来事に呆然としていると、

 

「……ひとまず私たちの勝ちでいいようね」

 

メルトリリスの声に我に返る。

手の甲に目をやると、赤く刻まれた令呪が残っている。

どうやらメルトリリスの言う通り自分達の勝利に変わりはないようだ。

 

「それで……

どうだったかしら?

最近、なにか醜態を晒してばかりいた気がするけれど……」

 

メルトリリスの宝具……

それは…

 

「凄かったよ。

思っていたよりもずっと…

圧倒的で、何よりも美しかった」

 

「……っ!

そう。まぁ、当然ね!私は何よりも優れていて、何者よりも美しいもの。ええ、理解してもらえたようでなによりだわ」

 

「それじゃあ、戻ろうか」

 

何にせよ決戦は終わった。

五回戦も自分達は勝利することが出来た。

メルトリリスや凛のおかげで、

自分は…岸波白野は前に進むことが出来る。

たとえその先に、何も無かったとしても…

きっと…

 

「………………」

 

「…メルト?」

 

ふと、メルトリリスが周囲を気にしている様子に気付き声を掛ける。

なにか…

なにかを警戒するような…

 

「………なんでもないわ。行きましょう」

 

………?

どうかしたのだろうか?

メルトリリスの様子が気になりつつも、

共に決戦場を後にする。

 

 




■弁財天五弦琵琶(サラスバティー▪️メルトアウト)
メルトリリスの宝具。
元々は名前どうり女神の権能であり、水を集め、放つ力。要は異物混入というわけだ。
本来は対心宝具でありあくまでも対生物を目的とした宝具だが………

ex/recordの追加ルートはなんだと思います?

  • レオルート
  • 自鯖エルキドゥ
  • ccc関連
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