追放されて簡単に魔王を倒して勇者となった少女の自分探し 作:くまたいよう
【恐怖】
私は、思えばその概念を理解してなかった気がするのだ。着替え場で全裸で尻餅をついて身体を震わす私を無い両目で不思議そうに見下ろすのは?
【アリア・ミサナギ】
私に力の伝授を求めて来た名前も外見も声も可愛い少女と思った者は・・・・実は。
【男でした】
し、しかし何だ百五十半ばな背丈に似合わない凄いものは、少女じゃなかった少年のは、以前に私が同士討ちさせた馬鹿共以上の凄まじさだぞ!
アンバランスですよ詐欺ですよ、裁判したら多分だけど勝てますよ。
いや、関係無いな!私があんなものに負けるワケが無い!負けるワケが・・・・いや、どう負けるって言うのだとして仔犬や仔猫のように、股関は自分でやってもらおうな範囲で洗ってあげて、一緒に湯槽に肩まで浸からせたアリアから身の上を聞いたらポツポツと話してくれたな。女性に近い魔道士姿だったのは?
「回復や聖なる力とかは【聖少女】とかの方が都合良いらしいです・・・・」
「イメージ作戦の類いか、他の身の上や詳しい事情は話したくなったらで構わんよ」
「話しがわかりますね。もう少し問い質したくなるハズでは?」
「知るか、お前は私のものだ。だから機会等は有り余っている」
入浴終えて、身体を吹いてあげる。盲目にしては距離感がマトモだ。両目を抉られて売られたのは二年前らしいから経験だろうな、普段着に適当に着替えさせたが見栄えのする事だ。私室に案内して先ずは・・・・。
「まあ、粗食ではあるが腹に入れとけ」
「い、頂きます・・・・」
テーブルの上にトマトのサンドイッチと薬草と漢方の中間の材料で作ったカップスープを出す。私も食事がまだだったからだが、これなら盲目でも大丈夫かなとした時。
「待て!しっかり噛まんか!」
何やら味わう暇が無い食べ方だから待ったを掛けたが、不思議そうな声色だぞ・・・・聞いてみたら、食事時間は呑気に味わってないで働いたり訓練したりでそれは私が騎士団に入れられる前かららしい、そんなのやって何をしてるかと言われたら技術より?
【掃除や学生レベルの座学や式典やらの準備】
そんなのを詰め込んでるのだから、日々の訓練が取り敢えず立てた計画通りにいくのを優先して更に私には首を傾げるものになる。
「何で学生とやらの方がマシな事をやりたがるのかな、魔物とかに対抗する為の基本技術より其方が大事なのか?」
「で、でも伝統とかが」
「下らん、本っ当~~に下らない!軍隊としての強さより下働きの数が欲しいのか!おい、所属してた身として考えて答えなさい。私が魔王だとしたらどうする。そんな事をしてて勝てるのか?」
「それでも伝統は大事と思います」
ガクッと来た。
こいつが何をしていたのかは多少はわかったが、良く噛んだ方が身体に良いのだから、力が欲しいなら先ずは栄養を付けておけと言ったら言う通りに食べて始めていた。
「これ、トマトの甘味が全然違いますね。砂糖でも使ってるんですか?」
「それっぽく育てた完熟トマトとはそんな味はするものだ。人の育て方に応用すべきだな」
とにかく、力が欲しいとは言ったが・・・・先ずは意図はさておき、下っ端根性から盲信気味な考えを何とかしてやらんといかんかもな、両目売られてこれじゃ何か悪い予感する。
で、食事終わった後?
「良いか、事情は話し辛いようでも先ずはお前の事を少し把握したいし山頂のでも通常な洋館程度はある屋敷で盲目のまま過ごしてもらうのだ。だから?」
私は魔力の籠められた石を出した。これに籠められた魔力を多少は感知は出来るようだからコイツを?
「反応が消えた?」
「ほう、わかるのは流石だぞ。テレポートさせたのだよ、屋敷内にあるから探して来なさい、それが最初の課題だ」
「わ、わかりました」
空気の流れとかで多少は構造がわかるか、ドアを開けて探しに行った。よしよし・・・・では、次に?
「我、これを断つ」
パシュッと音がした。あいつに不可視な魔力の糸を付けていたようだな、誰だか知らんが私の元にあいつを残しとくのも視野に入れていたようだ・・・・【人の敵は人】・・・・そればかりは変わらんのかね。
(しかし、大丈夫なのかな・・・・あいつを残して来た連中・・・・帰り場所無いぞ)
ガチャ
「見つけました」
「何です・・・・と?」
幾らなんでも早い、これは予定が早まりそうで何よりだが・・・・焦りは禁物だから、次の課題を出してはクリアされて事情を早く聞き出すかとしての珍妙な流れを繰り返したのだった。
勇者は一応弟子を取ったで良いのか?な回でした。