ロアルドロスに転生した話   作:黒木箱 末宝

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【修正のお知らせ】2024/11/22(金)
主人公であるロアルドロスのサイズを3倍と表記していましたが、今のところは2倍越えに変更します。

理由︰ロアルドロスの平均全長が1500cmで、3倍にすると全長(鼻先から尻尾の先)と全高(地面から一番高い所)共に黄金を纏ったマム・タロトそのまんまだったからです。

いちゃダメだろそんなやつ! 一般フィールドの孤島にッ!!!


狩って狩られての話

 ディアブロスと戦った後に解ったことがある。それは──

 

 水圧ブレスの燃費、クッソ悪い!

 

 ディアブロスの突進を真正面から止め、更に角を切り飛ばせる程の威力のある水圧ブレスだが、なんとその一発を放つだけで貯めていた水の五分の一が消費されたのだ。

 挙げ句、水圧ブレスの威力に俺の口腔部位が耐えられていないらしく、ディアブロスを食べる時に口の中が痛くて仕方なかった。まぁモンスターの超再生力でもう完治したけども。

 

 必殺技が完成したとはいえ、まだまだ安心はできないようだ。……だがそれを補う方法も、ディアブロスとの戦いで知ることが出来た。モンスターも生命有る生き物……つまり、生体工学を利用して殺せるってことだ。

 実際に今までもそうやって戦ってきたし、ディアブロス程の強力なモンスターも思いがけずではあるものの瞬殺出来ていた。

 

 つまり結論から言えば──筋肉は全てを解決する!

 

 てな訳で、今夜も元気に修行! ──しに来たんだが……ボルボロスもその亜種も死んじゃったんだよなー……どうしよ。

 

 エリア5番に来てみたはいいものの、見張りのジャギィくらいしか見当たらない。

 そのジャギィも教育が行き届いているのか、俺を見ても警戒するだけで吼えもしない。……まじ? あいつ賢すぎんだろ。

 

 そうして腕立て伏せでもしようかと考えていると、何やら地面から振動を感知した。振動の感じから何かが掘り進んできているようだ。

 この掘るスピードから予測すると、恐らく大型の獣竜種だろう。

 

 うーん、この重さと硬さのぶつかるような音……まさか。

 

 獣竜種が出て来るであろう場所を見ると、そこから金色の突起が並ぶ背中が見え、その直後に大きな金属の顎が飛び出して来た。

 

 おいおい、マジで来たのかよ!

 

「ガアアアア!」

 

 金属の甲殻を持つ、火山に生息する獣竜種──爆鎚竜ウラガンキンが現れたのだ。

 

 

 

「ゴアアアアアアッ!」

 

 ガンガンと地面に顎を叩きつけて威嚇するウラガンキン。

 その度にグラグラと地面が揺れる。地面と密着するタイプの海竜種だから揺れは問題ないが、振動が腹に来て不愉快だな。

 

 ウラガンキンは鉱物食のモンスター。その胃腸に金属を分解する特殊なバクテリアが存在するが……そもそも鉱物資源が豊富でもないはずなのに何で来たんだか。

 

 まあいいや、お前も俺の……やっべ。

 

 考え事をしていた隙にウラガンキンは顎を大きく振り上げ、下げる勢いを利用して体を丸めて勢いよく転がってきたのだ。

 ふと、これを受け止めるのも修行に良いのでは? なんて考えたが、あの速度の巨体を受け止められる気がしない。

 たとえ受け止められたとしても、頭から尻尾にかけて突き出した突起により、俺の体が削り取られてしまうだろう。

 

 真正面から来る回転突起を横に転がって避ける。

 轢いた感触がしなかったからか、ウラガンキンは重心をズラすことで曲がり、再び俺を轢きに来た。

 

 流石に二度目は無いぞ。おら止まれ!

 

 チャージを終えた水圧ブレスを転がって来るウラガンキン目掛けて発射する。

 

「グワアアアンッ!?」

 

 突然背中に苦手な冷水を食らったからか、ウラガンキンは驚いてバランスを崩し、そのまま転倒した。見ると、背中の突起が幾つか削れている。俺の水圧ブレスは金属も削れるようだ。

 

 ふとそれを見て、俺はこいつを狩る方法を思いついた。……だが、それを実行するには覚悟が必要だった……何せ、これからやろうとしていることは、結構エグいからだ。

 

 ……今更か。よしウラガンキンくん、君も俺のために死んでくれ!

 

「ッガアアア!」

 

 ウラガンキンに向かって駆ける。そんな俺を迎え討つべく、ウラガンキンは尻尾を振りかぶった。

 

 それくらいなら受け止められるな。バチコイッ!

 

 火薬岩の付着した重い尻尾がブチ当たる。ロアルドロス流着地術の応用で海綿体と水を盾に衝撃を殺し、尻尾を受け止めた。

 

「ゴアアアアアアッ!」

 

 そんな俺を振り払うべく、ウラガンキンは思い切り尻尾を振り出した。似たようなサイズの俺を難なく振り回すウラガンキン。

 そこで、ふと思い付いた事を実行する。

 振り回された勢いを利用して引っ張り、今度は俺がウラガンキンを振り回す。

 

「ガアアアッ!?」

 

 突然尻尾を引っ張られて驚くウラガンキン。まさか自分が振り回されるとは思っても見なかっただろう。

 

 岩壁に向かって放り投げれば、見事に顔からめり込んだ。

 

「グアアッ……」

 

 回転のエネルギーと自重によって上がった衝撃が、ウラガンキンの頭と顎を強く打ち付けたようだ。目眩を起こしているようで、起き上がろうとする動きに弱々しさが見える。

 

 ……うん、相手の力を利用するこのやり方、良いね!

 

 とはいえ、今のは偶然かもしれない。狙って出来て初めて技になるので、目眩から立直ったウラガンキンを挑発してもう一度同じ様に尻尾による攻撃を誘う。

 方法は簡単。相手の目を確りと見て、侮辱するイメージで見下し鼻で笑えばいい。

 

 え~? わざわざ喧嘩売ってきたのにその程度なの~? 雑魚すぎ~!

 

「ッゴアアアアアアッ!!」

 

 挑発成功。ウラガンキンは咆哮を放ち顎を叩き付けると、俺に向かって転がろうとしてきた。それじゃないのよ。

 

 顎を上に上げたことで隙だらけの腹部に水流ブレスを放つ。

 弱点属性の攻撃を弱点である腹部に食らったことで怯む。はよ尻尾で打てや。

 

 分かりやすく近づいてやれば、ウラガンキンもチャンスと見て尻尾による攻撃を繰り出した。それでいいんだ。

 

 よしこいっ! んんッ! キャッチ&──リリース!!

 

「ゴアアッ!?」

 

 最初と同じ様に、相手の力を利用する技が決まった。

 そうして二度も岩壁に顔からブチ当たったウラガンキンは遂にダウン。体を横転させてピクピクしている。

 

 ありがとうウラガンキンくん。君のお陰で俺は更に強く成れた……それと、ごめんね?

 

 俺はウラガンキンを殺すため、水流ブレスをチャージする。しかしこのまま普通に撃っても、ウラガンキンを殺すにはいまいち威力が足りない。

 ……だから、どんな生き物でも鍛えようが無く、防ぎようも無い場所に攻撃するんだ。

 

 そしてチャージが完了したので、俺は……ウラガンキンの()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ガッ──アアアアアアアアアア!!!?」

 

 激痛と違和感と不快感の濁流にウラガンキンが意識を取り戻す。そのまま気絶してれば楽だったのに。

 

 そうして水流ブレスを放ちきる瞬間、俺は何よりも先に回避行動に出る。そして──

 

「ガッ──」

 

【描写するにはあんまりな排泄音の激流とウラガンキンの飛び出す中身】

 

 …………よし、上手く狩りが出来たな。

 

 俺は異臭を放つ()()()から目を離し、ウラガンキンを移動させた後にゆっくりと捕食するのであった。

 

 

 

「ピィー!」「ヒュイ!」「オウ」

 

 滝で水を浴びてチャージした後に帰ると、大きく成り始めたルドロス達が出迎えてくれた。まあ、水を要求してただけみたいだが。

 

 そうしてルドロスまみれになりながらも考える。ガノトトスやチャナガブル、時おり現れるラギアクルスによってルドロスが淘汰されて減っているものの、遂にハーレム全てのルドロスが孵った。

 結果、モガの村付近を除くものの、孤島の水辺全てにルドロスが所狭しと群れるようになってしまった。

 

 さて、そんなルドロスの超大量発生で近海の海洋資源が減っているわけで……。

 

 ……ごめんねハンターちゃん、後は頼むよ。

 

 

 

 ■

 

 

 

「……遂に……か」

 

 私は、アイシャによって渡された緊急の依頼書を見ながら独りごちる。

 

「はい……大水獣は村の守り神の様な存在ですが……流石に……」

 

 俯くアイシャから目を逸らし、改めて依頼書を見る。

 

【モガの村の未来の為に】

 

 メインターゲット︰ルドロス50頭の狩猟。

 サブターゲット︰大水獣の撃退。

 

 依頼主︰モガの村の村長。

 

『大水獣が考え無しに増やした所為で、近隣の魚やエピオスが少なくなってきた。このまま増えすぎると生態系が乱れ、モガの村に被害が出る恐れがある。狩人の報告では大水獣は覚悟の上と聞く』

 

「…………」

「あの、ハンターさん」

「……大丈夫、任せて」

 

 あれでも恩のあるモンスターだ。その家族に手を掛けるのは辛いが、今回ばかりは看過できない。

 

「流石にルドロス100匹以上は無視できない……」

 

 そうして、私はもしもに備えて準備をするのだった。




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【修正のお知らせ】
ルドロスの討伐数を100匹から50匹に修正しました。
下のハンターちゃんの台詞の「100匹以上は〜」に意識が引っ張られていました。本来が50匹です。
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