ロアルドロスに転生した話   作:黒木箱 末宝

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少し短いけど書けました。


ハーレムが出来た話

 ラギアクルスを撃退してしばらく。俺はモガ森の縄張りを練り歩き、目立つ場所に爪痕を残したりしながら過ごしていた。

 

 いやー良いね、モガの森。水は美味いし綺麗だし、食料だって豊富だ。昔よりエピオスや魚、貝なんか獲って食べてるんだが、翌日になると新しいのが来てたりする。スゲーよこの世界。

 鉱脈とか綺麗でさ、結構長い時間眺めちゃて、腹の音が鳴って漸く見るのを止められたくらいだ。

 

 俺が頭の中でそんな自然の恵みに驚いたり感謝していると、海から何かが近づいて来る気配を感じた。

 

 んー、何だぁ? エピオス……じゃあないな。

 

 のそのそと体を動かして海を覗くと、沖から黄色い体の生き物が数匹泳いで来ていた。見覚えのあるサイズと色、間違いない。

 

 ………ああ、ロアルドロスとルドロスか。そうじゃんここモガの森じゃん。そりゃ来るわ。

 

 ロアルドロス達の登場に納得しつつ、何しに来たかと眺めていると、そいつらは陸に上がって新天地の到着を喜び吠えている。

 ……ただ吼えるだけなら自分もやったし、微笑ましく見ていられた。……だが、奴等は縄張り宣言をしやがった。側に俺がいると言うのに。

 

 水没林とかなら棲み分けられたんだがねぇ、ここじゃあちょっと無理かな~。

 

 威圧するようにバシャンバシャンと水飛沫を上げながら、新参──俺もだけど──のロアルドロスに近付く。

 

「ッ!? ……アオッ……!」

「アオッ!?」「アオッ!」「ピィー~!」

 

 アシカと鷲の混じった鳴き声でそいつらは吠えてくる。……だけどな~、怖くないんだよな~~~~。

 

 ロアルドロスを見れば、旅に疲れているせいか少し草臥れており、体躯も俺より小さく細い。

 

 え、俺の身体? 普通のロアルドロスの倍ぐらいに縦にも前にも横にもデカいよ! つまりあれだ、このロアルドロスは、ラギアクルスよりデカい同種の俺に吠えている訳だ。

 

 ……舐められてるッ!? ……いや、そうでもないな。

 

 ロアルドロスを見るが、トサカを立ててアピールしているものの、そのトサカは細く短いし。しかも目も怯え気味で、体も震えている。

 

 そんなに震えて……何で敵対するような態度を……あ、そうか。良く見りゃルドロス達は全員雌じゃん。雌の手前、弱々しくなれないって訳か。

 ……分かるよ。女の子の前では男は強く出たがって、気が大きくなるもんだ。

 

 ──まぁ、許さんけども。

 

 親父が縄張り争いでやっていたようにトサカを立て、背筋を伸ばし、ただでさえ大きな身体を更に大きく見せる。そして思いっきり息を吸って──

 

「アオオオオオオオオオオオオッ!!」

 

 ──敵に向かって咆哮を放つ。

 

「ピャァ~ッ!?」

 

「オウッ!?」「ピィッ!?」

 

 怯むロアルドロス、怯えた様子のルドロス達。

 

 初めて全力で咆哮を放ったが、何かラギアクルスみたいな声量になったな。何か水飛沫も飛んだし……バインドボイスか? もしかして、俺って普通のロアルドロスじゃない?

 

 そんな事を考えていると、新参者のロアルドロスは慌てた様子で海の中へ逃げていった。

 

 ──ルドロス達を置いて。

 

 ええ、そこまで怯えるか? ……どーすんのよコイツらは……。

 

「ピィー……」「アオッ……」

 

 ルドロス達を見るが、その殆どは怯えており、一部の気骨のあるやつが媚びたように甘えた声を出し、ゆっくりと姿勢を低くして近づいて来る。

 

 成る程……これはあれだな。寝取りってやつだ。

 

 一人変な納得をしつつ、ルドロス達に今後どうしたいかの意思を確認する。そうしたら、なんと全員が俺の庇護に入りたいと意思を伝えてきた。

 

 成る程、こうやってロアルドロスは増えて行くのか。強い雄に雌が集う。道理だな。

 

 こうして俺はルドロスの意思を尊重して庇護を了承。そして暫く安定してエサと水を与えると、ルドロス達が発情してアピールして来た。

 

 急に何だよと思ったが、幼少期を思い出して合点がいった。ルドロス達は陸で子育てする。だからそのために陸に上がってきてたのか。

 

「キューン……」「アォォン……」

 

 媚びたように鳴き、身体を擦り付けてくるルドロス達。

 

 しかし待ってくれ。俺は転生者で元人間。爬虫類で発情したことなんか無いし、今の性の対象も人間の女だぞ!?

 

 だからそんなにアピールされても俺は──

 

「キューン」「ピィー」

 

 あ、あ、あ、何か良い香りがする。本能が昂ぶる……ッ! ルドロスが横になり、アピールが強く──

 

 結局、ルドロス達の必死なアピールに釣られて俺は発情。結果、雌10匹雄俺1人のハーレム完成しましたとさ。

  ……ルドロスが相手とかやり方も分かんなくて不安だったけど、本能が全部何とかしてくれました。やったね。

 

 

 

 ■

 

 

 

「ギャオオオオオオ!!」

「ッ、やあ!」

 

 お、やってんね~。頑張れハンターちゃーん。

 

 あれから更にしばらくして、俺はルドロス達の水分補給の為に滝を浴びに来ていた。

 そしたらリオレイアと、それを追ってハンターちゃんが現れたんだ。そしたら二人して戦い始めたから、俺は滝を浴びながらそれを観戦することにした。

 

 ハンターちゃんは前と変わらずボルボロスの防具とランス。防具は防御力も高く、スキルもランス向き。

 ランスは見た所強化してあるようで弾かれていない。ボルボロスのランスは切れ味と会心率が悪いものの、威力は高く序盤では有用な武器の一つとして選択に上がるやつだ。

 

 にしても、ハンターちゃん更に強くなったねぇ。サイドステップでちゃんと攻撃避けてるし、ガードもカウンターも適切なタイミングで使えている。防具を見る限り、被弾も殆どしてない様だ。

 

 そして、ハンターちゃんから視線をずらし、リオレイアを見る。何故かリオレイアが反応し、その隙を文字通り突かれている。

 

 ……うーん、リオレイアも然程怖くない……いや、毒は怖いんだけど、火とか物理的な攻撃に恐れが湧かないんだ。

 

 不思議だねーなんて考えていると、ハンターちゃんの一撃が首を突き、動脈を斬り裂いた。途端、リオレイアは力が抜けたようにふらつき、暫くして倒れ、動かなくなった。

 

 討伐確認! やるじゃないハンターちゃん。

 

 リオレイアから素材を剥ぎ取っているハンターちゃんの横を歩いて帰る。動いた際に驚いたハンターちゃんだったが、俺が何もしないと分かると警戒しつつも武器を収めた。ええんかそれで。

 

 

 

 そしてルドロス達に水を与え終わった俺は、ゲームで殆ど見ることができない、倒されたリオレイアが運ばれて行く光景をコッソリと眺めていた。

 ゲームでは見たことがないギルドの人間に、手伝いに来たモガ村の男達。そいつらが木材で三脚クレーンを組み上げ、リオレイアを竜車の荷台へ引っ張り上げていた。

 

 はえー、そうやって持ち上げてたのか。昔見たリオレイアだかリオレウスだかの捕獲した個体を運ぶシーンで湧いた疑問が解消されてスッキリしたぜ。

 

 そうして、俺を見つけて騒ぐ人間達を放置して海へと帰る。リオレイアが狩られたってことは、ゲーム通りなら()()()が戻って来るということだ。

 

 次はラギアクルスの狩猟か……楽しみだ。

 

 あの日、逃げるラギアクルスは、最後にハンターちゃんと俺を睨み付けていた。つまり、奴は俺にも襲い掛かってくるということだ。

 

 狩猟フィールドも被るし、激突は避けられんか。暫く海側、フィールドの11番に行かないようルドロス達に言っておこう。

 

 

 

 そしてしばらくしたある日、奴が襲来した。

 

 

 

 ()()()()()




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