アンケートで6000文字以上が二番目に多かったので、今回は8000文字超えです。よろしくお願いします。
道中、物陰から木で出来た大砲モドキや、ボウガンで撃たれる。
だが不意打ちをされるだろうと察していたので、水流ブレスにより放たれた弾を射手ごと真っ二つにする。
使い捨ての様に命を散らす人間、その血肉で出来た道を歩み進む。
そうして到着したエリア5番。そこには、捕獲されたのか縄で縛られているルドロス達がいた。
「ピィー……」「ヒュイー……」「ZZZ……」
避難先までバレてたのか。嫌だねぇ、賢しい人間ってのは。……にしても、一匹寝てるじゃん。睡眠ガスでも使われたのか?
ルドロス達に安心させるよう、余裕な態度でゆっくりと進みながら周囲を確認する。
いつの間にか周囲には簡易的な櫓が複数建っており、その上には大砲モドキやライトボウガンやヘビィボウガンを構えた密猟者達がいる。
囚われたルドロス達の後にはバリケードがあり、そこからボウガンをルドロスに向け、人質の様に見せ付けている。
落とし穴等の罠の有無を確認し、ルドロス達へ近付く。すると、バリケードから一人の男が歩み出て来た。
「よう大水獣、俺の名前はポーチャー」
「フンッ」
「──テメェまで馬鹿にするのかッ!」
自信満々に出て来て自己紹介をする男。あまりにもナメたその行為を、馬鹿にするよう鼻で笑う。
すると何かが逆鱗に触った様で、腰から対人用の銃を抜き発砲した。
わざわざ当たってやる必要も無い。眉間を狙って放たれた弾丸に、極細の水流ブレスをぶつけて落とす。
潰れた弾丸が勢いを失い、ポトリと落ちた。
「ッ!? ……チッ、まあいい。大水獣……お前も酷くやられているじゃないか……それでどうだ? 賢いお前なら、解るだろう?」
俺の賢さを逆手に取り、言うことを聞かせようと脅すポーチャー。
確かにあの対巨龍砲は効いたよ。だが、それだけだ。それと、俺に脅しは効かないぞ。
ルドロス達に下品な笑みを浮かべながら武器を向ける密猟者達。
その汚い顔面をチャージした水流ブレスでバリケードごと真っ二つにした。
「なッ……交渉決裂だな……やっちまえ野郎共ォ!!」
咄嗟に倒れたことで助かったポーチャーは、土を払いながら立ち上がると、戦闘開始の合図を出すのだった。
それは戦いにすらならなかった。
力を溜めて、水流ブレスを放ちながらその場で一回転。
たったそれだけで、周囲に建てられた急造の櫓は全て崩され、バリケードは瓦礫と化した。
「ヘヘッ……ウィルダー達が帰ってこない訳──ガッ!?」
笑いを漏らして突っ立っているポーチャーに、強めの水ブレスをぶつける。
その振る舞いを見るに、今回の密猟団の幹部なのだろう。なら、生かしておけばまた交換に使えるかもしれない。
「クソッ! ボスがやられた!」
「俺達が気を引く! 救助を頼む!」
声を張りながら突っ込んでくる密猟者を踏み潰す。そしてそいつらが持っていたランスの盾を取り、ルドロス達の前に突き刺して流れ弾から守る壁に利用する。
放たれるボウガンの弾を避け、砲弾を撃ち落として舞うように反撃する。
貯めていた水を使いすぎた所為かおかげか体が軽い。毎日水を満タンにした状態で鍛えた甲斐があったな。
「へッ! モンスターの相手はハンターの仕事だぜぇ!」
「テメェら退いてろ! オラァ行くぞォォォ!!!」
雄叫びを上げながら二人のハンターが突っ込んでくる。片方はレイア装備に
「オラァ! ──グホッ!?」
「そらそらァ! なにっ!? グエ──」
大剣のハンターは武器を振り上げた瞬間に殴り飛ばし、太刀使いのハンターは鉤爪で刃を凌ぎ、体幹がブレた瞬間に拘束。両前脚の指を使ってペットボトルを開けるように首を捻り折った。
……あれ、勢いでハンターを殺っちまった……まあ、密猟団と一緒にいるし、良いか!
ハンターの亡骸をルドロス達の前に投げ、その身をバリケードとして利用する。ハンター程に頑丈な存在なら、下手な盾より使えるだろう。
そして、ハンターバリケードの補強に武器を刺そうとした時だった。逆手に持った大剣と太刀が、妙にしっくり来たのだ。
そうか、前に武器を振ろうとした時から俺も成長したんだ。今なら出来る!
左前脚でジークリンデを逆手に持ち、先端を地面に突き立て杖のようにして立ち上がる。
もう片方の前脚で飛竜刀を持ち、扱える事を見せ付ける様に、近くにいた密猟者を斬り捨てる。
その異様な姿に、密猟者達は完全に動きを止めてしまった。
想像して欲しい。寝そべっても尚巨大なモンスターが両後ろ脚の位置で立ち上がり、挙げ句は人のために作られた筈の武器を持ち、そのまま対モンスター用の武器を、モンスターの力で振るわれたのだ。
「は、ははははははは??!!」
「ありえない…………ありえないぃぃぃぃ~~~~!?」
雲の切れ間から月光が降りる。己の血か、それとも全てが返り血か。赤黒く染まった身体が、月下のもとに晒しだされる。
そこに居るのは、
理解の限界が来たらしく、密猟団の一部は脳の奥に湧いて出た不快な痛みに半狂乱。
そうでない者でさえ、瞳孔が開き、呼吸は浅くなり、体が震えている始末。
そんな密猟団を更なる恐怖の底へと叩き落とすべく、ありったけの殺意と怒りを込めて咆哮を放った。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!」
此処に居る全てを殺す。そう意思を込めた、決して下がることの無い怨嗟の怒声。
そこに剣が持て扱えた事に対する喜びが混じってしまい、意図せず殺意と歓喜の笑いが混じる、怖気の走る咆哮になった。
「ヒィッ!? あいつ、嗤って!?」
「ぐわッ頭がッ!?」
「ああ、あははあ、ああああ~~~!?!?」
「いー~! いいいいー!!!」
その咆哮に、密猟者達は耳ごと頭を押さえる。中には武器を捨て丸く蹲る者までいた。
そんな隙だらけの敵を見逃すはずも無く、俺は尻尾と後脚に力を込め、密猟者達へと飛び掛かった。
「ギャッ!?」
「モンスターが武器使うんじゃねぇよ!!?」
密猟者達を斬り捨てながら、思いのほか上手く出来ていることに驚く。だがその理由は直ぐに解った。
物を指で掴んでいる事を除けば、大剣を地面に突き刺して立つ動きも、太刀を薙ぎ払う時に使う力も、その両方とも普段の歩行に使う筋肉が利用出来ているからだった。
道理でね……ん、待てよ? それなら太刀も逆手に持って振るえば──あ、この動きはッ!?
大剣を支えにしての、両後ろ脚による全力の飛び掛かり。それに逆手に持った太刀の斬撃を合わせる。するとその動きがナルガクルガの刃翼による攻撃そのままだと解った。
「嘘だ、有り得ないッ!」
「何なんだよお前はッ!?」
そうと解れば早いもので、大剣と太刀の逆手持ち攻撃が一気に洗練されて行く。
太刀による攻撃に鋭さが増し、そこに大剣による重い一撃も加わった。
だが何故か、密猟者達はいくら殺しても攻撃を止めなかった。
まあ、一人も逃がすつもりは無いから好都合だぜ!
「そろそろ限界の筈だ、ウオオオ! カペッ──」
着地の隙にランスで突撃して来たハンターを食い千切りながら、俺は考えた。こいつらは後どれくらい居るんだ? と。
水を節約するため近接攻撃で戦っているが、それにしてもこの数は異常だ。
現に下位ハンターが混じり始め、密猟者達の補充要員に奴隷らしき姿の細い人間や、アイルーにメラルーが増えて来た。
しかもその全員が、一切引く気の無い狂気に塗れた目を向けてくる。思わず背筋に薄ら寒いものが走った程だ。
とは言えそろそろ疲れたし、慣れない二足歩行に腰も痛くなって来たな。新妻ルドロス達に対するけじめももう付いてるだろうし、どう決着をつけたものか。
いくら節約して水分が残っていて狂走エキスがあると言っても、俺は所詮ただの生物。無限に動き続けられる訳では無い。
それに、未だにルドロス達を解放することも出来ていないのだ。ルドロス達を助けようとする度に邪魔が入るので、敵も俺を仕留めるために必要だと考えているのだろう。本当に厄介だ。
さて、どうしたものか……うん? あれは……あ、そうだ! 良いこと思い付いた!
敵の残数を確認しようと周囲を見回した時だった。エリアの境目や崖の上に、身を潜めていたジャギィ達を見付けたのだ。
それだけじゃない。空を見ると、何とリオレウスとその亜種がはるか上空から様子を伺っているじゃないか。
そこで俺は思い付いた作戦を実行するため、思い切り息を吸い込み、孤島全体に轟くような大声で、ありったけの悪意を込めてこう叫んだ。
『これより、この島の全ては俺の物だ! テメェの雌も子供も、肉も魚も、虫も蜂蜜も、鉱石も木も全てだ!! 弱者は失せろ! 強者は集え! 叛意有る者共よ、俺は此処に居るぞッ!!!』
「ぐああああっ! な、なんだぁっ!?」
「嫌な予感がする! すげぇ嫌な予感がするッ!!」
「テメェのそれはただの臆病だろうがよォ!!」
「ち、違う! 今回は本当なんだッ!!」
密猟者達からすればただの長い咆哮【特大】だろう。だがそれにビビりつつも、密猟団は反撃を始めようとした──その時だった。
「「グルゥアアアアアアア!!!!」」
「「ギャオオオオオオオン!!!」」
頭上からリオレウスとリオレイア、その亜種夫婦のが咆哮が聞こえたかと思ったら、俺に向けて火炎ブレスの爆撃が始まった。
しゃあっ、挑発作戦成功! 巻き込まれて死ねぇ!
「え──ああああああッ!?」
「待って、止め──ギャッ」
俺は近くにいた密猟者を爪で引っ掛けて、火球に向かって投げ付けた。
そうして汚い花火の下、密猟者達の側を駆け回り火竜達の攻撃に巻き込みまくる。
逃げ惑え密猟者共! まだまだ来るぞ!
「グギャアアアアアアッ!!」
「ギャアアアアアア!!」
眠っていた所で騒がれてキレたのだろう、ナルガクルガとその亜種が現れて、密猟者達を斬り刻み始めた。
「ッギィヤアァァァァアァァァッ!!!」
「グオオオオオ!?」
「ゴアアアアアアアア!!」
「ガアアアアアアアアアア!!!」
ディアブロス亜種が地中から現れて密猟者を突き上げる。
更に、好物を奪われてなるものかと、アオアシラやウラガンキン亜種、ドボルベルクが参戦。
俺は突撃して来るそいつらの攻撃を避け、受け流し、他のモンスターにぶつけながら、密猟者達を減らして行く。
エリア5番が広いとは言え、こうまで人やモンスターが集まれば互いにぶつかりあってしまう。
するとどうだろう、苛立っているところにぶつかり合ったモンスターたちは、互いを敵と認識してあちこちで争いが始まったではないか。
一箇所に集まった脅威を排除すべく、火竜達が火球を降らせる。
ナルガクルガとその亜種は火球を避け、共通の敵らしいディアブロス亜種の尻尾目掛けて刃翼を振るう。
ディアブロス亜種は甲殻で刃を受け流し、隙だらけのナルガクルガ達をハンマー状の尻尾で殴り飛ばして、ウラガンキン亜種を角で掬い上げて叩き付けた。
叩きつけられたウラガンキン亜種は、全身から悪臭ガスを放出して攻撃。それをドボルベルクが範囲外から尾槌を叩き付けた。
そして、アオアシラはそんな地獄が如き光景を見て、泣きながら逃げ帰った。
派手にやるじゃねぇか。んじゃ、この隙に……。
混戦し、ヘイトが分散したその間にこっそりと縄を切り、ルドロス達を解放して逃がす。
さあ逃げろルドロス達。
「ギャアアア!?」
「うわわわわわ!?」
もう一仕事だと気合を入れていると、こっそり逃げようとしていたらしい密猟者達が叫び声を上げて、全員が崖上から落ちて来た。
なんでまた……ああ、成る程?
「ウオーッオッオッオッ!」
「ワオ!」「ギャアギャア!」
「なんでジャギィが、うああああ!?」
崖上見ると、ドスジャギィが部下に指示し、密猟者達を吼えたり噛み付かせたり追い立てているようだ。
いやー、逃がすと面倒だったんだ。サンキュー、ドスジャギィ!
「フン……アオォォォォ!!」
礼を言うと、ドスジャギィは苦笑いして部隊を物陰に集結させた。この乱戦を見学させるつもりだろうか?
その後、襲い来るモンスター達を相手にしつつ、どう収拾を付けるか考えていると、再び俺の宣言が孤島に響き渡った。
は? ……いやいや、俺じゃないよ!? じゃあ誰が?
全モンスターが俺を見た後、音の聞こえた方角を見る。
「キュルル、ギョワー!! ウオオオオオオ!!!」
すると、崖上で俺のマネをして遊ぶクルペッコ亜種がいた。
あいつ、なんで俺のマネなんかしてんだ?
すると、モンスター達は今回の宣言をクルペッコ亜種のイタズラだと勘違いしたらしく、興醒めした様子で帰り始めた。
だが、それでも気が収まらないモンスター達──具体的にはナルガクルガ達とディアブロス亜種──が、近場にいた俺に襲い掛かってきた。
全て別個体とは言え、妙に因縁のあるクルペッコ亜種。
しかし、俺はクルペッコの性質を思い出すと、この事態を収める──と言うより有耶無耶にする──方法を思い付いた。
武器を投げ捨て、飛び掛かってくるナルガクルガ達を足場にディアブロス亜種の突撃を躱す。
轢かれるナルガクルガ達を横目に、ドボルベルクが回転するのを確認すると、尻尾に跳び乗りその跳躍力を利用して崖上に上がる。
「ギョエェー!? ギャアッ!?」
そして、逃げようとするクルペッコを取っ捕まえて、『ヤツ』を呼ぶよう伝える。
だが当然伝わらないので、鳴き声ガチャを始める。
ほら呼べよ! 得意だろあいつの鳴き真似!
「キュオッ『ウオ─ッオッ』ギャア!?」
違う、ドスジャギィじゃない。次!
「キュオッ『グルゥア』ギャア!?」
リオレウスでもないんだ。さあ、最後のチャンスだ。呼べよ、
首根っこを押さえ、違う鳴き声を出すたびに叩き付ける。
そして何回かやって、ようやく目的の鳴き声を放った。
「キュオッ『ゴオオオオオオオオオオオオ!!!!』」
未だに恐怖心の湧き上がる、地獄の底から響く様な咆哮。
「ッ!? ガアアアアアアア!!」
その鳴き声を聞いた瞬間、真っ先にドスジャギィが部下に指示を出し逃げ出した。
それに続くように、次々と
残ったのは、やつの恐怖を知らない者か、自分の力に自信のある存在──そして、瓦礫に身を隠していた密猟団達だけだった。
先程までの喧騒が嘘のように、エリア5番が静寂に包まれる。
そして、その静寂を切り裂く様に、大地を掘り抜いてヤツが来た!
「ッゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
龍属性を溢れされ、その奥から悍ましい紅い目をギラつかせる深緑の怪物──怒り喰らうイビルジョーのエントリーだ!
サンキュークルペッコ! 流石のお手前、お見事! ──じゃあ、死のうか。
「ギャア!?」
用が済んだので、クルペッコ亜種を怒り喰らうイビルジョーの眼前へと叩き落とす。
ダメージが残っていたのか、ろくに受け身も取れずに落ちる。そして餌食となった。
イビルジョーの咀嚼音が孤島に響き渡る。
怖気付き逃げ出すモンスター達。
その中で、ディアブロス亜種だけがイビルジョーに立ち向かうのだった。
■
「ボス……ボス……! 起きて下さい、ボス……!」
「ううん……何だ……?」
部下に揺り動かされて、一人の男が目を覚ます。
その男の名はポーチャー。密猟団のボスだ。
「静かに……! 今なら逃げられます、早く……!」
「逃げる……は、大水獣はッ!?」
ボスの大きな声にギョッとする部下だったが、その不安はディアブロス亜種の咆哮によって吹き飛ばされた。
「何だッ!?」
見ると、ディアブロス亜種が、怒り喰らうイビルジョーに向かって突進を放ったではないか。
しかしその突進すら、イビルジョーの驚異的な顎の前では、無意味と化した。
角ごとディアブロス亜種の頭に喰らいつき、そのまま持ち上げて地面に叩き付ける。たったそれだけで、ディアブロス亜種の片角は折れてしまった。
「ゴアアアアアアアアアアアア!!!」
勝利の咆哮を上げるイビルジョー。その隙に逃げる、片角のディアブロス亜種。
そして獲物が居なくなったことで、イビルジョーが持つ飽くなき食欲の矛先が密猟者達へと向けられた。
溢れ出た唾液で地面を溶かしながら近付いてくるイビルジョー。その
それは、何時もの様にスラム街に降りてきたガングと遊んでいた時の事だった。
『なあ、ポーチャー。お前に特別な物を見せてやるよ』
そう言われて案内されたのは、何と公爵の屋敷にある、モンスターの剥製置き場だった。
『凄え、なんだコレ!』
綺麗に磨かれた石の床の上に、これまた綺麗な木材で作られた台座に乗る剥製達。
モンスターを一度も見たことがなかったポーチャーにとって、そこにある全ては何もかもが新鮮だった。
『あ、あれは!?』
『あれはドスランポスとランポス。群れのボスとその子分らしい』
『ランポス……じゃあ、あれは!?』
『あれはイャンクック。結構古いからボロボロだな』
そうして、ガングに様々なモンスターの剥製の説明をしてもらいながら奥へと進んで行くと、そこには大きな幕に覆われたスペースが有った。
『なあガング、あそこには何が……』
その豪華な幕に覆われた物を指差すと、ガングは『あれを見せたかったんだ』と、年相応の笑顔を浮かべて言った。
そうして、ガングに『良いと言うまで見るなよ』と言われながら、幕を上げ始めた。
初めて触った木のハンドルを、逸る気持ちを抑えつつゆっくり回していく。
そうして目をつぶりガングに案内され、良いよと言われて目を開けた。
するとそこには、今にも此方に向かって噛み付かんとする姿の火竜──リオレウスの剥製があったのだ。
『うわっ!?』
『ッハハハハ! 凄いだろ!』
驚き尻餅をつく俺に、笑いながら手を伸ばすガング。俺はその手を取り、立ち上がった。
『スゲェ……』
さっきまで見ていたモンスターが小さく感じる程に、剥製になっても尚滲み出る強者の圧力。
様々な感情の嵐に打たれていると、ガングはそんな俺を見てこう言った。
『こんな大型モンスターの剥製……欲しいと思わないか?』
『────欲しいッ!!』
そうして俺はガングの支援の下でハンターとして鍛え上げ、その力と技術と剥製を得る為に、密猟者となったんだ。
(ああ、ガング……モンスターって怖えんだなぁ……)
部下に引き摺られるが、それが無意味な程の速度で迫る怒り喰らうイビルジョー。そして大きく口を開けてポーチャー達を捕食する──その時だった。
イビルジョーの背中に向かって、高圧の水流ブレスが放たれたのだ。
不意に古傷を抉られて怯むイビルジョー。即座に反撃すべく振り向くと、崖の上に一匹のロアルドロスが居た。
(あいつは……大水獣……? 俺を助けてくれたのか?)
そう勘違いする程に完璧なタイミングで放たれた攻撃。だが、大水獣の目的は別にあった。
「ッッッガアアアアアアアアアアアア!!!」
捕食を邪魔されて怒ったイビルジョーが、大水獣に向け龍属性ブレスを放つ。
──それを大水獣は待っていた。
イビルジョーの口が真っすぐ向けられたその瞬間、大水獣は、持てる水の全てを使った超圧縮水流ブレスを放ったのだ。
「ガッゴ……ゴボオッ!?」
龍属性ブレスを撃ち貫き、イビルジョーの口腔を蹂躙しながら突き進む水流ブレス。そしてそのまま喉を削り、食道を押し開き、胃袋へと到達。
痛みからか動けなくなったイビルジョーの体に異変が現れる。体の中の何かに反応したのか、その体が段々と膨れ上がり始めたのだ。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?!?!?」
最早悲鳴すら上げられなくなったイビルジョーは、軈て自らの暴走した龍属性に体を蹂躙され、玉の様に膨れ上がった体が爆発四散した。
後に残ったのは、ビクビクと痙攣するイビルジョーの下半身と、辛うじて生き残った密猟者達だった。
「フゥー〜…………ウオオン!」
大水獣はポーチャーを
「…………まったく、モンスターってのはスゲェんだな」
「ああ、そうだな」
「ッ!?」
何気なく呟いたポーチャーの言葉に、聞き慣れない声が返事をする。
さっきまで側に居た部下とは違う声に振り向くと、そこには真っ赤な服を着た存在──ギルドナイトが立っていた。
「成る程……手を下すまでも無いってことか……」
そんなポーチャーへの返事は、ギルドナイトの拳だった。
書きたいものが書けた気がする。
■オマケ【ボツ内容】
【今話のボツ】
・モンスター乱戦の時に、ブラキディオスと金雷公の成りかけが乱入する話が合った。
・文字が一万を超える上に収集がつかなくなりそうだったのでボツに。
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