テラ生まれの狼系シリオンがインターノットで配信者になる話   作:MINTO_GUM

1 / 4
ストーリー最新まで進めたので初投稿です


ZZ-00 そのJK、配信者で、ホロウレイダー

 深夜0時、インターノットにとあるURLが投稿された。

 

 『オワタ\(^o^)/』というアカウント名から投稿されたそのURL先は何処かの配信サイト。その配信のタイトルは”ホロウ探索/第46回”と記されていた。

 URLの投稿から数十秒後、視聴者数が増え始めたのを皮切りにコメント欄にいくつかのコメントが流れ始める。

 

 『わこつ』

 『オワタちゃん久しぶり!!』

 『オワタ!死んだはずでは!?』

 『二ヶ月ぐらい音沙汰無かったからマジで死んだか治安官に捕まったかと思ったぞ』

 

 心配やネタ混じりの驚きのコメントが散見される中、ボンプがくるくると回る待機画面が切り替わり路地裏らしき風景が映し出される。

 

 「こんばんわー、ギリギリ生きてましたオワタでーす」

 

 明るくも呆れたような声と共に画面に一人のシリオンが映る。

 黒のパーカーにマスクと最低限の顔バレ対策をしているものの、狼のそれに似た特徴的な耳と画面の下の方でチラチラと揺れるフサフサの尻尾が彼女がシリオンである動かぬ証拠となっていた。

 オワタが登場した瞬間、コメント欄が一気に流れ始める。

 

 『おわたんばー!』

 『オワタちゃん可愛い!!』

 『生きてた!良かった!』

 『オワタちゃんの尻尾……!!』

 

 「いやー、心配かけてごめんね。実は前の配信の後風邪を拗らせちゃってずっと休んでました。はい」

 

 『風邪で二ヶ月は草』

 『それ本当に風邪?』

 『モフモフの尻尾……』

 

 そんな挨拶と近況報告を済ませたオワタは自身の獲物でもあるブレードを腰に下げ路地のさらに奥、ホロウの方向へと歩いていく。

 その様子をカメラは後ろから追っていく、その視線はボンプと同じぐらいで、彼女を映すと自然と見上げる形になりコメント欄は紳士で溢れかえる。

 

 そんなコメント欄を無視してオワタは今回の依頼について説明を始めた。

 

 「今日の依頼はギャングの制圧、まぁいつも通りだね」

 

 『そういえばなんで配信してるんだ?治安官に捕まらないの?』

 『↑それ』

 『前聞いた話だと黙認されてるみたいだったぞ、フィクションのヒーローみたいなもんだってさ』

 『でもたまにやりすぎてお世話になることもあるらしいぞ』

 『そもそもなんでホロウの中で配信できるんだよ、エーテル侵食で10分ぐらいラグがあるんだろ?』

 

 コメント欄で繰り広げられる雑談を眺めながら歩く事数分、路地の先にホロウとの境界が現れる。

 オワタは最終確認にと手持ちのブレードとほかの装備品、そしてカメラ──もといボンプの調整を行ってからホロウへと足を踏み入れる。

 

 「じゃ、行ってきます」

 

 『行ってらっしゃい』

 『生きて帰って来るんだぞー』

 『もふ……もふ……』

 『尻尾ニキもせめて行ってらっしゃいぐらい言えよ』

 

 そんな気の抜けたコメントと共に一人のシリオンによるホロウ探索が始まった。

 

 

 

 

     ◇   ◇   ◇

 

 

 

 

 ──尾鷲!聞いてるのか!尾鷲(おわせ)多恵(たえ)!!」

 「ふがっ!?」

 

 頭を教科書で殴られ、いたいけなJKが出しては行けない声が出る。

 今はどうやら数学の授業らしい、というか数学(得意な科目)でなければ授業中に眠りこけるなんてことはしない。苦手な科目はしっかり勉強する真面目ちゃんなのだ。

 

 「全く……いくらテストの成績がいいからと言って、俺の授業だけ居眠りしていい訳では無いんだぞ」

 

 教師の小言は軽く受け流してもう一度夢の世界に──隣の席から視線を感じてそれをキャンセル。

 その方向に顔を向けると黒に赤っぽいインナーカラーの入ったシリオンの女の子がその長い鮫の尻尾を揺らしながら「じっ……」と私を見つめていた。

 

 「……何?」

 「いや貴女が見つめてきてるんじゃん」

 「別に……()()()()()()()()()()()()

 

 気だるげそうな表情から放たれた言葉はゆらゆらと揺れる尾ひれによって全く異なる印象を受けた。それに少し口角を上げて私は彼女の質問に答えた。

 

 「()()()()()()()()()、エレンの方は?」

 「──残業」

 

 エレンと呼ばれた鮫のシリオンが顰めっ面をさらに顰めてそう言い放った瞬間、授業終わりのチャイムが鳴った。

 教師が教室から出ていき他の生徒たちも荷物をまとめる中チャイムで途切れた会話を再開するために私は口を開いた

 

 「残業かぁ……そっちも大変だね」

 「あんたのは趣味でしょ、私のは仕事なんだけど」

 「一応私のも仕事なんだけどね……ほら、お友達が来たよ」

 

 私の言葉にエレンは「んー」とだけ返事をして近くにやってきた三人の女子生徒の方に向き直った。

 

 「やっほーエレン!今日こそはあのお店、行けるよね?」

 

 三人のうち一人、金髪に赤のカチューシャをつけた子がエレンに抱きついてうりうりと頬を擦り付けていた。

 

 「んぅー……まぁ……行けるけど……ちょっとしつこいって」

 「ふふっ、じゃあねエレン」

 「ん?ん、()()()

 「「えっ……?」」

 

 邪魔になるかなと思い一声かけてから教室を出る。

 エレンが誰かの挨拶にちゃんと返すのが珍しいのか周りの取り巻き(?)はみんな衝撃に空いた口が閉じていなかった。

 やけに静かになった周囲に違和感を感じたのかエレンが三人と私を順番に見て口を開く。

 

 「な、何?私なんかした?」

 「ちょちょちょちょちょ!!あの子転校生でしょ?いつの間に仲良くなったの!?」

 「あの子って尾鷲さんだよね?さっきの授業で先生に叩かれてた……」

 「エレンが誰かに挨拶返すのなんて珍しいじゃん!」

 

 そう言ってもみくちゃにされたエレンは助けを求める様に多恵の方を見るがそこにもう狼のシリオンの姿はいないのだった。




オワタちゃん改めて尾鷲多恵ちゃんのイメージはバーニスとアンビーを足して2で割って灰色にして狼の耳と尻尾をつけた感じになります。

続けば続きます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。