テラ生まれの狼系シリオンがインターノットで配信者になる話 作:MINTO_GUM
※アークナイツ知らないよって方は次話以降に最低限の説明をするので頭空っぽで見てください。
──終わりというのは、案外早く終わるものなんだな。とまるで他人事のような思考が頭を埋めつくす。
ある源石病感染者集団の鎮圧、チェルノボーグ事変が起きてからのロドスではよくある任務の一つ。そう思っていた……
「隊長!!」
「出血が酷い、このままでは──!」
自らの命を犠牲にした特攻、それにまんまとハマった私達は一人の男が身にまとった源石爆弾の爆発に巻き込まれ壊滅的な被害を受けた。もっとも、私のアーツで皆はそこまで重症ではないみたいだけど……
「隊長を連れて撤退だ!体勢を立て直すぞ!」
「いや……ここは私に任せて、皆だけで撤退して」
「何馬鹿なこと言ってるんですか!?隊長が一番酷い傷なんですよ!?」
私の提案に一人の男性オペレーターが声を上げる。この声は私と同じ時期に入った人だったか……もう顔が見えないぐらいダメージを受けているみたいだ。
「大丈夫じゃないからだよ、私はもうロドスまで持たない。だからせめて、皆をロドスに無事に帰らせる位はさせて欲しい」
「っ……いや、合流地点にはケルシー先生が居る!あの人なら──」
「いいから撤退して!!」
頑なに引かないオペレーターの肩を押して無理やり後ろに下がらせる。後ろから何人もの足音が近付いてくるのを聞いた私は何も言わずに振り返り相棒であるブレードを引き抜いた。
「さぁこい!ここから先は一歩も通さないぞ!!」
そんな虚勢と共に体内の源石をも媒介にアーツを発動させる。どうせ死ぬ命だ、ケルシー先生に止められてたアレを使っても良いだろう。
ブレードを前の地面に突き刺し騎士のように仁王立ちする。意識を集中させればそれに呼応して空気中の源石粉塵が活性化して光を放ち私の周囲に集まり始める。
「──あ、そうだ■■」
アーツを高める間、ふと思い出してまだ私を睨みつけて動かない同僚に声を掛ける。
「必ず生きて返すからさ、あの人達にごめんって言っておいて」
私と■■の仲だ、多分”あの人達”で通じるだろう。その証拠に同僚は一瞬目を見開いた後に険しかった顔を更に顰めた。
「っ──馬鹿野郎!!そういうのは!!お前が!!生きて伝えろよ!!」
「あはは、ごもっともだ──」
直後、私の前に投げ込まれた源石爆弾の爆発と私のアーツの発動が完了したと同時に私の意識はプツリと途絶えた。
目が──醒めた。
飛び上がるように上半身を起こし周囲を見渡す。見慣れない廃墟の片隅だったけど幸い辺りに気配は無くひとまず警戒を解く。
(私……あの時確かに死んだはず……)
流石に”死を確信した直後に知らない場所で寝ていた”という状況は初めてだったがそれ以外の”予想外な状況”には慣れている。自分が培ってきた経験に基づいて自分の状態を把握していく。
(周囲の脅威はさっき確認してないことはわかった。体に痛みは……無い、普通に立てる。服もロドスの制服のまま、ブレードもある)
そして最後に、着ていたシャツをたくし上げそこにある人肌とは違う感触のそれを触る。
(源石結晶は──”増えてない”?)
あれだけのアーツを放ったのだ、普通であれば鉱石病の進行が加速し最悪粒子になっていてもおかしくなかった筈だ。
(……とにかく、次は周りを確認しよう)
困惑し続けても動かなければ状況は進まない、そう心に訴えかけ私は廃墟らしき建物から外へと出た。
結果、外景色はテラによく似ていた。源石に似た蛍光緑の色が混じった鉱石がそこかしこに生えておりかつて人が居たであろう場所を侵食している事と空に淡いオーロラ──サーミより北で起こると言われいるが自分は見た事がない──のようなものが見え隠れするがその大半が雲に覆われていること以外は至って普通の廃墟都市の様に思えた。
◇ ◇ ◇
──探索を続けてから体内時計で二時間、特に得られた情報も無く無駄な時間が過ぎ去っていく。
(いつもより疲労が溜まっている気がする……見慣れない土地で気を貼りすぎてるのかも)
安全そうな場所を見つけて休もう、そう思っていた所に初めて物音以外の──人の出した悲鳴が鼓膜を揺らす。
反射的に声のした方へ走り出し、鞘に収まったままのブレードを取り出した。
──完全に油断した。
邪兎屋という何でも屋を営む
それがどうだろう、一緒に来ていたビリーが「一発ぐらい撃ちたかったぜ」と放った弾丸がガスボンベに命中、大爆発を起こして近くにいたエーテリアスが群がってきたのである。
それだけなら──本人は不本意だが──特段特別な事でもないのだが、いくら倒しても減るどころか増え続けるエーテリアスの数に皆冷や汗を描き始めていた。
「ちょっと!いくらなんでも多すぎよ!!」
「弾も残り少ねぇ!ニコの親分、なにか作戦とかねぇのか!?」
愛用のリボルバーのリロードをしながらビリーは吠える。その背後から迫り来るエーテリアスを帯電したブレードで叩き切ったのは三人目の邪兎屋のメンバー「アンビー・デマラ」である。
「これ以上は危険……ニコ、何か作戦は?」
アンビー、ニコ、ビリーはそれぞれ背中を合わせて周囲のエーテリアスと相対する。
三人とも額には汗が滲み出ており疲労が隠しきれないでいた。
「作戦なんてないわよ!とにかく奴らを倒す!それだけよ!」
「そういうのは主人公を先に行かせた仲間が言うものだぜ、親分」
特撮好きのビリーはそう冗談めかして言うものの、実際それ以外に作戦は無い。
周囲を囲っていたエーテリアスが同時に飛びかかる。
応戦するために各々が武器を構えたその時───
カンッ!と言う音ともに何かが地面に突き刺さる。それが何かを確認する間もなくその何かから衝撃波のようなものが放たれ襲ってきたエーテリアス”だけを”吹き飛ばした。
「な、なんだ!?」
「あれは……アンビーのブレード?」
「違う、あんな形じゃない」
三者三様の反応をする中、突如現れたブレードの前に一人の少女が現れる。灰色の髪と同じ耳と尾を持った少女は一瞬三人の方へ視線を向けるとブレードを手に取り、いつものルーティンのように言葉を紡いだ。
「
ゼンゼロのエーテリアス化のシーンを見て「アークナイツだ!」ってなったのは私だけでは無いはず