どうやら俺はアメイジングでデジタルなサーカスに来ちまったらしい   作:黄金アオキ

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やっと主人公の名前出ます


初めての冒険らしい?①

 

 

「さあ、新しい団員ロンゴのためにみんなで冒険をするぞ!」

 

 

ケインが俺たちに向かって大きな声をあげる。冒険。ジャックスから聞いた話だと冒険は頻繁に行われることで、その内容はケインが考えているらしい。また、冒険は基本的に屋内の冒険と屋外の冒険があるそうだ。

 

 

「今回の冒険はロンゴがサーカスに慣れるためにも屋内での冒険だッ!」

 

 

そして、さっきから呼ばれている()()()というのは俺の名前である。名前や一部の記憶を思い出せないこともジャックスとの会話から気づくことができた。そうして、名前のない俺はロンゴという名前に決まったのだ。

 

 

「今回の冒険は、『Find the cartoon cat(カートゥーンキャットの発見)』だ!」

 

 

 

「今このサーカス内のどこかで、1匹の猫が飼い主のもとを離れて行方不明になってしまっている!飼い主は猫のことが不安で夜も眠れず、喉に食も通らない日々を過ごしている!」

 

 

「君たちには猫を探し出し、保護して欲しい!」

 

「それとロンゴにはこのキャットフードとネットランチャーを渡しておこう!使い方は君次第だッ!」

 

 

激しい身振り手振りを加えて冒険の内容を話し終えたケインは瞬く間に消えてしまった。

 

 

「じゃ、ワタシは自分の部屋に戻るから、後はよろしく」

 

「え、ズーブルは冒険やらないのか?」

 

「ワタシは冒険が嫌いなんだよ。まあせいぜいあんたは楽しみな」

 

 

そう言うとズーブルは去っていった。冒険の参加不参加は自由のようだ。しかし、これで最早1人がいなくなってしまった。幸先が不安である。

 

 

「えーと、これからどうする?」

 

 

俺の問いかけにラガタが返答する。

 

 

「そうね、ここはとても広いから二手にわかれて探すのがいいと思うわ。後はどの組み合わせでわかれるかだけど...」

 

「それなら、ロンゴとポムニそれと僕が2階の探索、君とキンガーとガングルは一階の探索をしてくれ」

 

「まあ、私は別に構わないけど...みんなはどう?」

 

 

ラガタの問いかけにみんな賛成の意を唱える。

 

 

「そう、それじゃあ早速別れて探索しましょうか。ロンゴ、冒険を楽しんでね!」

 

「おう!なんならどっちが最初に見つけられるか勝負するか!」

 

「いいアイデアね!でも、私は新入りでも手加減はしないわよ!」

 

「そっちこそあまり俺を舐めない方がいいと思うぞ!」

 

 

ラガタと軽口を交わし、俺たちは2階に移動を開始した。ジャックスとポムニから少々呆れを含んだ視線を感じるが気にしない。どんなことでも楽しんでやるのが俺のポリシーである。

 

 

「そういえば、さっきケインからもらったアイテムはどう使おうか...」

 

 

手元にあるのはキャットフードにネットランチャー。キャットフードはたぶん猫をおびき寄せるためのエサとして、そして、ネットランチャーはそのおびき寄せた猫を捕獲するために使うのだろうか?

 

 

「なぁロンゴ、それ僕に渡してくれないか?」

 

 

俺がケインからもらったアイテムを眺めているとジャックスがネットランチャーを指さして渡すようにと言ってきた。しかし、はいどうぞとは渡さない。俺だってネットランチャーを使ってみたいのだ。

 

 

「ジャックスこいつは譲れねぇな。代わりにこっちやるよ!」

 

キャットフードをジャックスに押し付ける。しかし、ジャックスはゴミを捨てるかのようにそれをポム二の顔に投げつけた。

 

 

「ちょっと何すんのよジャックス!」

 

「文句なら自分にいいなよ。そこに偶然いた君の運が悪かっただけさ。僕のせいじゃないよ」

 

「どう見てもアンタのせいじゃない!」

 

 

ポムニからの訴えを無視して、ジャックスはそのまま俺たちを置いて先に行ってしまった。しかし、普段大人しそうなイメージのあるポムニが、ジャックスに食いついたのは正直驚きであった。

 

 

「あー、大丈夫かポムニ?」

 

 

いまだに去ったジャックスを睨みつけているポム二に声をかける。

 

 

「はぁ、大丈夫よロンゴ私ももうじき慣れてくるわ」

 

「それって慣れたらダメなやつなんじゃ...」

 

「そうかもね。でもここでは慣れなきゃならないのよ」

 

 

肩を落とし脱力した姿で哀愁を漂わせているポム二を見て、自然と口が開いた。

 

 

「なんと言うか、お疲れ様です?」

 

 

その雰囲気は例えるなら、連勤明けの社畜OLのようなものだろうか。

 

 

「ありがと...」

 

 

その言葉の後ポムニは歩き出した。どうやら元気を取り戻したようだ。しかし、すぐにその歩みを止める。どうしたのかと思っているとポム二が俺の方を振り返ってくる。目と目が合うとポム二は俺の名前を読んだ。

 

 

「ロンゴ!、えーっと、あなたもこれから先色々と慣れないことがあるかもしれいわ!」

 

 

ポムニの言葉が途切れ、少しの静寂が挟まる。そして、ポムニの言葉は続く。

 

 

「でも、そんな時は無理せず私に相談してみて、たぶん少しは力になれると思うから...」

 

 

言葉が進むにつれて見栄を張っていたその声は弱々しいものになっている。その姿も自信なさげで頼りない。でも、彼女からは何か強い意思を感じ取ることができた。

 

 

「そうだな、その時は迷惑かもしれんが...頼らせてくれるかポムニ?」

 

 

ポムニに言葉を返す。少しうつむいていた顔が上げられ、無理に作った笑顔がまっさらな表情を経て、自然な笑顔を浮かべていった。

 

 

「ええ、こんな私でよければ」

 

 

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————————

 

 

 

その後、俺、ポムニ、ジャックスは2階に到着し、猫の探索を開始した。一階がみんなで楽しむアクティブスペースに対し、2階は個人で楽しむアクティブスペースで、図書館、視聴覚室、談話室などがあった。それらの部屋をひとつひとつ探索していく。しかし、いずれの部屋でも猫を見つけることはできなかった。

 

 

そして最後にまだ探していなかった生活スペースを探す。今回の冒険においてはどうやら特別に普段封鎖されている場所も開けることができるようになっていた。そのため、今は生活スペースの全部屋の中を手分けして一つずつ探してる。

 

 

「もしかしたら2階じゃなくて1階にいるのかもしれないな...」

 

 

鳥のキャラクターに×印が付いた部屋を探し終わり、次は犬のキャラクターに×印が付いた部屋に入る。

 

 

「ここの部屋はさっきの部屋と違って全然荒れてないな」

 

 

内装はモダンな雰囲気であり、随所に犬を連想させる家具が置かれている。

 

 

「やっぱ俺もこういう落ち着いた部屋がいいんだよな。後でケインに部屋の内装が変えられるか聞いてみるか」

 

 

部屋の中を見渡しながらそう考えていると、気になるものが目に止まった。机の上に置いてあるそれを手に取り眺める。手に取ったのは写真立てで、そこには俺とポムニを除く、みんなの集合写真が飾られていた。集合写真の中には俺の知らない人もいる。

 

 

「こんな世界でもちゃんと思い出は作れるんだな...」

 

 

いや、こんな世界だからこそ、その時々の思い出は大切にされているのだろう。ここでの生活では生きる支えとなるものがほとんどないのかもしれない。だからこそ、少しでも支えとなるものをこの世界で見つけていく必要がある。

 

 

「この冒険が終わったら、みんなで集合写真撮りてぇな」

 

 

しばらく写真を見た後、写真立てを元に戻そうとした時、写真立てから何やら紙が落ちてきた。

 

 

 

 

 

 

 

忘れないで

 

 

ずっと一緒にいて

 

 

 

 

 

 

 

「...」

 

 

「とっととこの部屋探し終わるか...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後部屋の中をあらかた探し終え、外に出た。後は2人が探索している部屋から出てくるのを待つだけである。2人が探し終わるまで天井を眺めて物思いにふける。しばらくすると2人が部屋から出てきた。

 

 

「いたか?」

 

2人に聞くと、ポム二は首を横に振り、ジャックスは肩をすくめた。

 

「この部屋にはいなかったわ」

 

「こっちの部屋ももぬけの殻だったよ」

 

 

どうやらいなかったようだ。だとするとある可能性が浮かんでくる。

 

 

「なあ、流石にズーブルの部屋にいるなんてことはあったりしないよな?」

 

 

そう唯一ズーブルの部屋はまだ探していないのである。

 

 

「一応確認してみるか?」

 

「そうね。ただズーブルが気づいてないだけで、もしかしたら猫が隠れてるかもしれないわね」

 

 

「もしかしたら、あのズーブルが今頃猫を可愛がっているかもしれないなぁ」

 

 

俺たちはズーブルの部屋前に来て、ノックをした。しかし、反応がない。次に声をかけてみる。

 

 

「おーい、ズーブルちょっと部屋の中に入れさせてくれないか!」

 

 

しかし、これも反応がない。何度か呼びかけても何も声は帰ってこない。仕方なくドアノブを回してみる。だが、鍵がかかっているのか開くことはない。さてどうするかと考えていると、ジャックスが横から割り込んできた。

 

「鍵は僕が開けるよ」

 

そう言うと、どこからか鍵を取り出し、鍵穴に差し込み回した。

 

 

「ポムニ、鍵って誰でも持てるもんなのか?」

 

「違うわ、あれはジャックスが勝手にどこからかとってきたのよ」

 

「そうなのか。あ、そういえば俺自分の部屋の鍵もらってないんだけど、どこでもらえんの?」

 

「後でケインから渡されるはずよ」

 

 

ポムニと軽口を叩いているとジャックスが扉を開けていた。その中は電気がついてないのか暗い。

 

 

「ズーブルいるか?」

 

 

ジャックスが部屋の中に向かって言うも返事がない。

 

 

「ねえ、ベットの下何か光ってないかしら?」

 

ポムニが指さす方向を見る。確かにそこには光っているものがあった。それも2つで、ちょうど目のように見える。

 

 

「猫なのか?」

 

 

そう言うと、その光が動きこちらをギョロリと見た。次の瞬間、けたたましい鳴き声とともにその姿を表した。

 

 

 





中途半端なところで終わらせてしまい申し訳ないです。
後、アメデジの4話待ち遠しい!
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