イッセーside
やっとのことで勝って部長が抱きしめてくれて頑張った甲斐があったぜ~。と思っていたら、
「こんな、こんナ…ことでコノオレが、ヤラレるわけには…いカない!」
とか、叫んでライザーのヤローが立ち上がりやがった。
しかも心配して近づいた自分の妹まで突き飛ばして。
「純血のオレがこのオレが、負けるわけがない。リアスを返せクソガキ。それは俺のものだ。」
「…勝ったは、俺だ。大人しく、どこかへ、、、いっちまえ。このチキンヤロー。」
なにを考えてんだあいつは。魔王様の話も聞いてなかったのか?てか、なんだ?わらわら現れて周りを包囲しだしたこいつらは。あたりの貴族たちも騒然としている。
「うるさい。もうおまえらは、俺の部下に囲まれて、動けはしないんだ。お前らの前で、この手で、リアスを蹂躙させてもらおう。眷属達やそこのシトリーの餓鬼もなかなかレベルが高いからな、仲良く一緒に陵辱してやろう。男どもを焼き尽くした、その後でな!」
ライザーは貴族とはおもえない醜悪な顔をして笑い、炎をイッセーたちに投げつけた。その炎は、なにを血迷ったか、真っ直ぐリアス先輩にむかっていく。
「くそ、リアス先輩。」
イッセーは体を捻り込み、抱きしめていたリアス先輩をかばい炎を背中にくらってしまった。
「グハッ。」
「イッセー!!」
イッセーの背中は火をくらい焼けて、リアスをかばったまま、そこに倒れこむ。
「はっはっは、全ては、俺のものだ!思い通りにならないものなど、これを喰らい燃え尽きてしまえ。」
先ほどとは比較にもならない大きさの炎を投げつけてくる。
「やめてー!」
今度はリアス先輩がイッセーを庇おうとする。他の眷属たちはその前に立ち、迎え撃とうとするが囲まれていて、間に合わない。
周りの人々は、彼女たちが炎に包まれるのを幻視し、思わず目を逸らしそうになった。だがそうはならなかった。
その時、リアスたちと炎の間になにかが割り込み、刀で炎を真っ二つに斬りとばした。二つに割れた炎は、壁にぶつかり燃え上がる。
「大丈夫ですか、リアス先輩?」
そこにいたのは白黒で薄い笑みを浮かべる道化の仮面をつけ、刀を持った執事風の男だった。
「大丈夫ですか、リアス先輩。」
会場が唖然とする中、飄々とした態度で、そんな言葉を彼は口にした。
「あなた、誰なの?見たところソーナのところの者みたいだけれど。」
そんなリアスの言葉に我を取り戻した者たちが騒がしくなる。そして一番騒ぎ立てたのはもちろん、
「なんだ貴様、執事風情の分際で、上級貴族である、この俺様に逆らいやがって、しゃしゃり出るな、お前なぞ、所詮、下級悪魔かそこらだろう。邪魔するんじゃない!!」
暴走するライザーだった。
そんなライザーに仮面の男は向き直り、
「相手の力量も、種族も、見抜けず、負けて、ひとり逆上、暴走し、邪魔されれば、当り散らす。更には、我が主とそのご学友を陵辱すると?まさに低脳で、低俗。せめて知的生命体レベルになってから言葉を発したほうがよろしいのでは?こんなものが我が主、ソーナ=シトリー様と同じ階級であるとは、耐え難い。ソーナ様はあのように美しく、可憐で、凛とされておられるのに。嘆かわしい。明日から、そのエセ金髪のトサカをペンキで赤くして、家名を返上ののち、チキンと改め、チキン=ライザーと名乗っては、いかがですかな。」
と口にした。
その言葉にライザーと突然褒めちぎられたソーナは顔を紅潮させた。意味はまるで違っていたが。
「くそいまいましい、いったい貴様は何者だ!」
「そんなこと、普通突然に現れた敵なら答えませんが、まあ、特別に答えてあげましょう!!」
その言葉に周りも耳をそばだてる。
そして……
「通りすがりの……執事デス!」
その空気をぶち壊す言葉と姿勢に周りの空気は弛緩し、ライザーは更に怒りをあらわにする。
「もういい!貴様なぞ最初から消し炭にすればよかったのだ。この火球を喰らい燃えt…『遅いですね』!」
ライザーが再び炎を投げようと手に灯した瞬間、その腕が斬り飛ばされ宙を舞う。
「き、貴様、不意打ちとは、ひ、卑怯な。だが無知なお前は、私が不死身で腕を飛ばされたぐらい、すぐ戻ることさえ知らないらしいな。全く哀れな奴だ。」
ライザーは下卑た笑みで高笑いをはじめた。
「哀れな奴はいったいどちらなのでしょうね。」
「なに?」
「…腕がまだ元に戻っていない?」
そのリアスのつぶやきに、今度こそライザーの笑みが凍りつき叫び声が上がる。
「な、ナゼダ、何故、お、おれの腕が戻らない。」
周りの貴族も疑問を呈しているようだった。
その時、リアス達の疑問に答えるように言葉を発したのは、彼の主ということになっているソーナだった。
「リアス、ライザー様のような不死の存在を倒すにはどうすればいいか覚えてる?」
「復活できないぐらい一撃で倒すか、精神を崩壊させるまで攻撃し続ける。でしょう?なによ、ソーナこんなときに。」
「確かにそうね。でもそれだけじゃないのよ。その不死の高位存在、もしくは上位互換にあたる存在からの攻撃には、不死は意味を成さなくなるのよ。」
「つまりあの刀なら、」
「彼がライザーに当てる攻撃は回復しない。ということです。」
「さて我が主の解説も済んだことですし、そろそろ終わりにさせてもらいますよ。」
執事の男が刀を振り上げる。
「ま、まて、よしわかった。お前をおれのチカラで上級貴族にしてやる。おまえもそんな主に仕えるより、よっぽどいい生活ができるんだぞ。富に名声に極上の女も用意してやる。だからおれに従え!」
ライザーが必死に命乞いを始める。傍からみて無様としか言いようがなかったが。
「確かに貴族なら、今よりいい生活だろうな。「なら」だがな、俺はそんなものが欲しんじゃないんだ。おまえは俺の友達を、仲間を、貶め、苦しめ、傷つけ、悲しませた。俺の大切な場所を壊そうとした。そんなお前を、俺は絶対に許さない!!!」
そういい、斬りかかる寸前で峰打ちに変え、切られる恐怖で気絶したライザーを吹き飛ばした。ライザーは気絶しなががら壁に激突し、動かなくなった。
そしてそれを見たライザーの部下たちも降伏し、ライザー達の悪あがきはひとりの執事によって幕を閉じることとなった。
後日談と間話をはさんでから次に行こうと思います。