菓子折りよーし!身だしなみよーし!あっどうも橘恭弥です。
いま俺は生徒会室へ向かっているところです。
リアス先輩にわざとではないにしろ、会長のポーンの彼を壁g…ゲフン、ゲフン、邪険にしてしまったことを謝りに行って来なさいと言われてしまったので生徒会室前に来たにはいいのだけれど、さてどうやって入って行けば良いのだろうか?陽気に突っ込めばいいのだろうか?
「…なにを生徒会室前でくるくる踊り狂っているのですか?」
いつの間にやら、後ろに会長がいらっしゃていた。
「ひゃー会長、後ろから忍び寄るなんて、ボクニナニスルキだったんですか?」
おれはわざと肩に手を当て、小さくなるような体勢をとった。もちろん棒読みだったが。
「とんでもない言われようですね、わたしは生徒会長ですから、放課後はあなたの目の前にある部屋で仕事をするのが当然だと思うのですが?」
わたし、とても遺憾です。とでも言うかのような目を俺に向けてくる。
「まあそれはさておき「さておかないでください。」先日は意図したことではないとはいえ、ポーンの彼の事、すいませんでした。」
俺は
「あ、そのことですか、さしてもう気にしてはいません。匙も怪我がなかったので大丈夫です。謝罪は受け取りました。それでは仕事もあるのでこれで失礼s「ケーキを持ってきたのですがいらないようですn」いえ!このまま返してしまうのもどうかと思うので生徒会室でお茶などいかがですか?」
「…はい喜んで。」
せっかく持ってきたケーキは無駄にならなくて済みそうだな。
リアス先輩の言う通り、会長はお菓子に目がないというのは本当みたいだね。それにしても、あんなに物静かな会長が、らんらんとした目で嬉しそうに微笑んできてくれるとは思わなかったな。
「どうぞお茶です。」
「あ、どうもです。」
俺は、生徒会室の中央にあるソファーに会長と対面になるように腰を下ろした。
生徒会室はオカ研とは違い、明るく白を基調とした家具が多く備え付けられていて、インテリアもかなりこだわっている様だった。もちろん魔法陣なんてものはなかった。ということは、あの部室はリアス先輩の趣味なのk…いや、やめよう。パンドラの匣な気がする。
「それにしてもこのケーキは美味しいですね、どこのお店で売られていたんですか?わたしも今度買いに行きたいので参考までに教えてもらっても?」
いつもより幾分か嬉しそうな声を会長はしていた。かなりケーキを気に入ってもらえたみたいだった。
「…俺です。」
「はい?」
「だからオレが作ったんです。そのケーキ。」
「貴方がこれを?普通にお店が出せますよ?」
俺がそう言うと、いったん首をかしげ、先程よりも大きく目を見開き、驚いたように会長はそういった。
そう言われても、料理ベタな姉貴に泣きつかれて、いつも作ってただけなんだけどね。
「それはさすがに言いすぎです。」
「…よければ、今度私にも教えてくれませんか?」
「それは構いませんけど。」
そういったとたん、心配そうに頼んできた会長が急に俺の手を握り、嬉しそうにお礼をいってきた。
それだけなら良かったが体勢的に会長が上目遣いになっていて、ただでさえ美少女な会長のその視線を茶化すこともできず、目を逸らすことしかできなかった。
だが、えてして運命とは残酷なもので、そんな傍目から見たら桃色オーラ全開の、しかも生徒会室に二人だけという状況、
そういう時にこそ人というのは、やってきたりするもので、
「おい、橘、お前会長となにをしている!」
「会長!?」
「まさか二人は……」
さらに言えば大抵の場合、そんな人たちに限って、因縁のある者や騒ぎを大きくする類の人達だったりするのだ。
今回で言えば、匙とその他の見回りから帰ってきた生徒会メンバーだったりする。
「お前というやつは我らが会長に手を出しやがって、あまつさえ手を握りやがって、俺だってまだしたことないのに…俺らがいないのをいいことに密室でなにをしようとしているんだ。」
匙よ、本音が出ているぞ、そして、なにを想像しているんだ。
会長は会長で自分のしていた行動を認識したせいか、それとも役員に現場を見られたせいか、あるいはその両方か分からないが、さっきから手をひっこめ、赤くなっている。
その行動が匙にますます拍車をかけているわけだが。
というか、俺はただ謝ってケーキを置いて帰ろうと思っていただけなのになんでこうなった?
かくして、おれは現実逃避気味に、生徒会室の喧騒を無視し、悪魔の拠点というにはいささか白すぎる天井を仰ぎ見て、思考を放棄することにした。
次回、ある日の生徒会part2(仮)